三上延のレビュー一覧
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栞子さんと奇妙な客人たち
これは鎌倉の古本屋を舞台にした人の死なないミステリーだ。
重厚な本格ミステリーの好きな人には物足りないかもしれないが僕はこの作品を大変気に入っている(*^-^*)
何故ならこの作品を読んでいくと店主やその仲間の魅力に引き込まれてビブリア古書堂の常連になりたくなる自分に気づくからだ。
実は電子ブックで初めて読んだのがこの作品なのだが、本の大好きな店主はこういう時代の流れをどう感じるのだろうか。
一度、話をしてみたいものだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレちょっとラストが駆け足の感があった気はするけど、これ以上引き延ばしても意味はないのかもしれない。
結局、ジャンがヴィクトルの名を奪い取ることでつけた決着。そう来るかーと思いました。
ジャンがジャンであるまま、ヴィクトルと対決するのかと思っていたのでね。でも、そうじゃなかった。
ただ、ヴィクトルにもヴィクトルの正義と主張があり、それがあまり語られることがなかったのが残念。もちろん、これはジャンの物語なので、必要以上にヴィクトルのことが語られる必要はないと思うのだが。
ヴィクトル側からでも一本物語が書けるよね、と思ってしまった。
ラストはクリスとの淡い想いを実らせる感じで、よかった。その後、姫 -
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Posted by ブクログ
これまたツボでした。
設定と挿絵が好み、てのもありましたが、いやはや参った。
とりあえず、クリスが凄いツボです…
このクリスについては今回は置いておいて(ぇ、
主人公・ジャンには双子の兄にコンプレックスを抱く弟として、
今ガンダム00好きもあって、ライル君を思い出しました。
「俺は兄さんじゃない」
セリフまで一緒だし。
今回をはじめ物語で双子の葛藤を見るに付けいつも思うのですが、
大概兄に弟がコンプレックスを抱いており、
ほぼそんな双子の100%が兄を兄さんとか敬称で呼んでいます。
葛藤も抱くよなぁ…ほんの数分~数時間しか生まれた時間に違いがないのに、
兄と弟として扱われるのです。
おの -
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Posted by ブクログ
ネタバレ栞子さんと五浦君の古書ミステリ4冊目。今回は長編である。
一冊丸ごと「江戸川乱歩」の謎であった。ミステリ好きの方々の話に触れていると、あまりにも頻繁に出てくるため、古書価値が付くような時代の作家とは思っていなかった。なんと明治生まれの方だったのか。
太宰治や夏目漱石よりも身近に感じていたのだが、乱歩にももちろん収集家がいて百万円以上の値が付くものがある。物語は、そんな貴重なコレクションを残して亡くなった人の遺品をめぐる謎である。
コレクションの持ち主が、まるで乱歩の描く人物のようにいくつもの顔を隠しているのが面白かった。隠された顔を栞子さんたちがひとつひとつ探していく様子も、まるで探偵小説の