三上延のレビュー一覧
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前作から7年後、五浦くんと栞子には、なんと6歳の娘がいるではないか。栞子に容姿だけでなく本が友達というところまでそっくりで、人との繋がりを持たせようと本を通じていろいろ語り聞かせるがなかなか上手くいかない。そんな親娘の姿を思い浮かべるとほっこりする。7年後の五浦くんは、智恵子の手伝いのため一人で海外へいったりなんか逞しくなった感じ。
本書の中では「からたちの花」が良かった。北原白秋の詩が可愛らしいのと、「からたちの白い花が咲くように」叔父と姪の関係がこの詩をきっかけに良い方向に向かって行くのが心あたたまる。
志田さんが配っている「雪の断章」、1985年に斉藤由貴さん主演で映画化してたの全然覚え -
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扉子シリーズとなり4作目、今回は夏目漱石がメイン古書、そしてかつて鎌倉に存在した「鎌倉文庫」なる貸本業がキーとなり、さらに3世代親子の17歳時の事件が紡がれていくという、今までにない構成であった。鎌倉文庫についてはwikiでも調べること可能で、その在庫がほとんど行方不明という事実にも多いに興味が持てた。土地柄を組み合わせての展開であり、作者の創作性にただただ脱帽である。
令和編「扉子」昭和編「智恵子」平成編「栞子」と進んでいくが、なんといっても白眉は昭和編「智恵子」の章である。これまでのラスボス的キャラにも17歳という時代があり、そこには年相応の出会いがあり、抱えている悩みなどがあったりし -
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『ビブリア古書堂の事件手帖~扉子~』シリーズの四冊目ですね。
夏目漱石の『鶉籠』を巡り、扉子は親友の戸山圭と、気まずい関係になっていたが、仲直りをする事になるが、『鶉籠』がもと鎌倉文庫所有の本であった事が謎になり、扉子は鎌倉文庫を探ると、祖母の智恵子の存在が浮かび上がってきた…………?
智恵子、栞子、扉子の三代の十七才が織り成す、『鎌倉文庫千冊』の謎解きミステリーです。
智恵子と篠川登の出逢いと、二人の『鎌倉文庫』をめぐる物語が、初めて明かされます。
目次
プロローグ
第一話 令和編『鶉籠』
第二話 昭和編『道草』
第三話 平成編『吾輩ハ猫デアル』
エピ