三上延のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026 07/21
『古書に取り憑かれてる血筋』『血の呪い』
そんな薄気味悪い感想が真っ先に思い浮かびました。
常人には理解し難い古書への執着と情念。
狭い地域で繋がっていた関係性が、影の中から表へと露わになった今、今後の展開が気になる。気になるけど……覗くのが恐い気持ちもある。
古書に人生を狂わされた人たちが出てきて、自分の人生は狂っていると認識もないまま、他人の人生をも狂わせてしまう。欲しいものを手に入れる為には手段を選ばない。さも当然のように人を傷つける。そんな人たちの執念を見せられて、何とも言えない気持ちになってしまった。
栞子さんの『晩年』を欲しがる黒幕の理由がもう、無邪気すぎて、何というか、、怪我人を出したことを知らされてもなお、純粋な気持ちで譲って貰えないか聞くっていうのが、、、ピュアな狂気は誰にも止められないってのがよく分かりました。心底恐ろしくて気持ち悪い。
全体的に得体の知れない不気味な暗さを纏った今作の救いは、栞子さんの、
「わたし、他人から古書を奪うような人は、いつか古書を愛せなくなる日が……古書に復讐される日が、来ると思う」
「人と古書は繋がっているから。その繋がりは、大事なものだから……」
の言葉でした。
栞子さんは大輔くんがいる限り大丈夫だと思えた言葉でした。
栞子さんは、忌まわしい因縁からきっと抜け出せる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夏休み、樋口恭一郎はビブリア古書堂で1週間だけアルバイトをすることになった。
両親が海外出張で留守にするので、そのあいだ店番を手伝って欲しいと、高校の先輩でもある扉子に持ちかけられ、迷わず(というか二つ返事で?)引き受けたのだ。
篠川扉子の両親である、栞子と大輔は、古書の売買はともかく、訳ありの客が店に相談事を持ち込むことをひどく警戒している。
扉子には、相談事は引き受けてはいけないと約束させ、恭一郎には扉子のストッパー役を務めるよう頼み、栞子の妹で、扉子の叔母にあたる文香(あやか)にも、保護者として見守りにきてもらうことにした。
その前に、高校生の娘に古書の「査定」は迷わず任せてしまっていることには驚き!
もちろん(!)扉子は相談事に首を突っ込むに決まっている。暴走を止めるはずの恭一郎は相棒を務め、文香までが・・・
三人のお留守番は、とんでもない「夏休みの冒険」になった。
【第一話 『シャーロック・ホームズの歸還』(岩波文庫)】
【第二話 森山大道『写真よさようなら』(写真評論社)】
【第三話 中原中也『山羊の歌』(文圃書店)】
扉子に付き従う(笑)恭一郎を見て、大輔さんとはタイプが違うけど、いいコンビだねみたいに思ったり言ったりする人たちが出てくる。
これは、先が楽しみだ。
そして、森山大道の『写真よさようなら』に関して扉子が「父と初めて会った時、入院中の母が読んでいたのが『写真よさようなら』だった」と発言しているのが気になって、シリーズ一作目を再読しました。懐かしいです。栞子の『写真よさようなら』は、あまり状態は良くないけど25万円だったって!
今回の相談のお客さんにも、過去作に登場していた人たちが出てきているので、いろいろ忘れているし、これから順番に再読していこうかと思っています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ扉子編が始まって五冊目。
いよいよ時代は栞子さんの娘扉子の世代に本格的に移ったらしい。
今回は全編扉子の謎解き話だった。
それも有ってなのか、栞子世代には懐かしい人たちや因縁の相手の登場があって、昔の話のその後的なことが知れてシリーズのファンとしてはなかなか楽しかった。
それにしてももう作品内では20年近く時が過ぎてるんだよなあ。まあ、実際の刊行も第一巻から15年経ってると言うことで時のすぎるのは早いなあと感慨深い。
扉子は止められていても推理するのを止められない所が何ともお母さんの娘って感じがする。
栞子さんみたいな内気な感じはまったくないけど^^
ワトソン役樋口くんとの今後にも期待したい。
あと、智恵子おばあさんの存在感たるや!
出てきただけで緊張感と不安が漂うのがラスボス感ありすぎ。
色々伏線が増えてきたけど、おばあさんの仕込みなのかな?
次回も楽しみ。 -
Posted by ブクログ
職場の友人とお互いの推薦本を貸し借りする形で、この作品に出会いました。
本が苦手な大柄男と、本以外のことはほとんど話せない文学女性が本を巡る厄介事に巻き込まれていくお話です。短編でありながら全体の構成も繋がっている感じは、直近で読んだミステリの「medium」や「天久鷹央」などと似ていて、読みやすくとても面白かったです!人が死なないミステリというジャンルも素敵だなと思いました。
この本のフレーズである、「人の手を渡った古い本には、中身だけではなく本そのものにも物語がある。」という一節が僕はすごく好きです。この本との出会いもまさに、そういった本そのものの物語なので、この本を貸し借りして読めたことを運命的に感じています。
続きが気になる終わり方だったので、早速2巻目も読んでみます。 -
Posted by ブクログ
扉子は高校2年生。夏に両親が海外で仕事をすることになり(最近たまにあることらしい)扉子に接近する人物を警戒する両親が、戸塚駅そばの古書店、虚貝堂の孫で扉子の高校の後輩の樋口恭一郎に監視兼バイトを依頼していく。恋ごとに鈍い扉子は淡い恋心を持ちつつそばにいる恭一郎と(小説的に)いい感じの距離感を保ちつつ働くのだが、もちろん厄介ごとは近づいてきて…。
大きくお話は3つ。親しみやすい本と、お馴染みの登場人物が出てきて、高校生の淡い恋模様(うっすらでしたが)ともども、楽しく読めました。
第一話 「シャーロック・ホームズの歸還」
坂口夫妻(男性はほぼ盲目)が、父が愛読していたというシャーロックホームズを探してほしいとやってきた。まもなく処分されるので、父が戦地に持っていった本が本当にあるのなら、持っていたいと言う。昔罪まで犯すくらい荒れていた坂口は父からどう思われていたのか?坂口家の直晴(18)に軽く嫉妬する恭一郎が微笑ましいです。
第二話 森山大道「写真よさようなら」
栞子の妹、篠原文香おばさんが登場。文香の古い友人からの相談で珍しい写真集が持ち込まれたのだが、復刻版なのでは?なぜ初版じゃないのか?入れ替わったのか?などさまざまな疑問を解き明かします。
第三話 中原中也「山羊の歌」
初版コレクターの玉岡は手に入れたレアな中原中也の詩集をどうやら同居していた女性に持ち逃げされたらしい。玉岡は文香と昔、何かあったのか?二人の微妙な空気感(わかりやすいのに扉子は気づかない…)。そして、玉岡が詩集を手に入れた相手は栞子と因縁深いあの人だった。一筋縄では解けない、消えた詩集の謎。
あとがきで、2027年アニメ化と書いてありました!やった。ドラマ化の呪い(キャスティング的な個人の主観です)がやっと解けるかも。楽しみです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ栞子さんシリーズ完結!!!
一気に読んでしまいました。6巻から結構シリアス調な展開が続いていましたし、結構血縁関係がごちゃごちゃでドロドロで、ちょっと昼ドラ感ありましたよね。
7巻は王道の展開というか、皆さん苦手のたまご頭おじさんに見事勝ちましたね。このシリーズであんなに嫌なキャラクターは初めて登場したように思います。まぁそれでも、最終的には智恵子さんの手のひらのうえで踊らされていたというか、一枚上手だったというか。とにかく無事に決着がついて良かったです。
大輔と栞子さんは、なんかもうラブラブすぎて入る余地がないですね。本が入る隙間もないという表現は、古書を扱うミステリーというテーマからも良い表現だと思いました。
競りのときの大輔もカッコよかったですよね。捨て身の小切手。しかし、それも事前の智恵子さんのコントロールによっての結果なのかもしれないと。智恵子さん強キャラすぎて、栞子さんシリーズというか智恵子さんシリーズですね(笑)
栞子さんシリーズは一旦完結とのことですが、あとがきで、ビブリアシリーズはまだ続くとのことでした。智恵子さんサイドの話もあるかな?楽しみです!!!