三上延のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
昭和編が面白かった
令和編の語り手は樋口くん・探偵役は扉子ちゃん、昭和編の語り手は栞子さんのお父さんの登さん・探偵役は登さんと結婚前の三浦智恵子さん、平成編は語り手が登さんで、探偵役がまだ高校生だった栞子さん。今回はオリジナルシリーズの語り手・大輔氏はプロローグとエピローグにしか登場しません。その代わり、オリジナルシリーズでは5巻のプロローグ(リチャード・ブローティガン「愛のゆくえ」)にしか登場しなかった登さんが大活躍?です。大輔氏と同じでパートナーほど本に関する知識はなくとも洞察力はすごく、的確に探偵役をサポートしています。それから、オリジナルシリーズではラスボスみたいな扱いだった智恵子さんが、登さんにだけは少女らしい顔を見せるのが面白かった。あと、新シリーズではほとんど登場シーンがない文香ちゃんが、少しですが平成編に出たのがうれしかった。
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Posted by ブクログ
1927年から1997年まで、同潤会代官山アパートに暮らす一家四代に渡る家族の物語。
関東大震災や世界大戦、そして阪神大震災でのそれぞれの悲しみを乗り越えたり、辛い時には支え合い助けあっていく家族の姿に、同じように関東大震災でつらい経験をした私の祖父、阪神大震災で被災した私の祖父母と両親が重なり、涙でした。
家族の形も家もどんどん変わっていかざるを得ず、寂しくなることもあるけれど‥
「人は入れ替わり、家も変わっていく。
きっとこの先も色々なことが起こるだろう、
嬉しいことも、悲しいことも、家族で分かち合って生きていけたらいい。」
この言葉を胸に、新しい家族の形ができていくことを喜びに変えていきたいなと思いました。 -
Posted by ブクログ
内田百聞が大学でドイツ語の先生をしている頃、印象の薄い学生、甘木と知り合いになり、事件というほどでもないような怪異がおこる作品。内田百聞を知らないと面白さ半減以下です。
夏目漱石の弟子であり、芥川とも交流のあった内田百閒。物語にも、かの文豪たちが登場します。どんな形で出てくるかは読んでのお楽しみ。
背広
内田百問の背広と甘木が友人から事情あって借りた背広が入れ替わる。そこが甘木の内田先生との親交の始まりであり、怪異の入り口だった。
猫
コーヒーがまずいが出す料理は結構うまい行きつけの喫茶の給仕が具合が悪い。しかし彼女から受ける印象は人によって極端に違うようなのだ。
竹杖
百聞先生邂逅百聞先生図という知人からもらった上手くはない不思議な絵。その絵と百聞先生が抱えている秘密は密接にかかわっていた。
春の日
百聞先生から距離をおかれた甘木。しかし、以前百聞先生と親しくしていた学生の影がちらついて、二人はまた近づくことになる。 -
Posted by ブクログ
8つのアンソロジーからなる作品。正直アンソロジー作品は多少はハズレがあるが、この本はそれがなくどれも当たりだなと思った。朝井リョウが大好きなので気になって買ったが、他の作家も良い作品だったのでこれを機会に読んでみたいなと思う。
各ページ冒頭の間取り図も見ていて楽しい。
1話目
◎朝井リョウ「それでは2人組を作ってください」
どうしてこんなに女子心がわかるんだろうと思うくらい、人の心の繊細さや機微を感じ取るのが上手だなと改めて感じた。『何者』を読んだことのある人だと余計楽しいと思う。朝井リョウ大好きすぎる。
2話目
◎ 飛鳥井千砂「隣の空も青い」
韓国出張に行く前と行った後の、主人公の心の変化がポジティブな形で細かく描かれていて良かった。高畑は帰国後、香奈とともに過ごしていくこの先の未来のために、同棲やお互いの国に対する考え方や抱えている思いを話し合うんだろうなと明るい気持ちになった。
3話目
○越谷オサム「シャイニングニー」
夢を追う男女が最後自分の道のために別れてしまうのはよくある設定だが、それが爽やかでお互い明るく吹っ切れたラストだったのが良かった。
4話目
◎ 坂木司「女子的生活」
小川さん(くん)が自分の性に対して自信と誇りをもって楽しく生きている姿が素敵だったし、部屋に転がり込むことになった後藤くんもいい意味で気を遣わなく気が回らないので、この2人なら自分たちらしく生活していくんだろうなと思った。小川さんが後藤くんに文句を言いつつも、後藤くんが気にしないで「でもこれも良いじゃん?」と笑顔で言ったことに「まぁしょうがないこれも良しか」となってる未来が見えて微笑ましく思った。
5話目
△徳永圭「鳥かごの中身」
これが一番平凡だったかも。多少抱いた同情で、隣のよく知らない子どもを無責任に勝手に預かって世話をするのはどうかと思った。よくあるテーマ説定感が否めなかった、、ななかちゃんは素直でいい子なんだと思った。
6話目
○似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」
SFと神話を盛り込んであるのに、厨二感がなくサラッと楽しく読めた。ミニどんでん返しがあるのも良かった。
7話目
○ 三上述「月の砂漠を」
戦争や昭和の文化観を感じながら読んだ。亡くなった大事な人が同じ男女が共に、そのつらさや思いを抱えて支え合って生きていくためには、時間と深い愛情と話し合うことが必要なんだと思った。
8話目
◎ 吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」
毎日一緒に過ごし、特別なことはしない。だらだらとつき合っているが、無意識化でかけがえのない存在だと感じる。結果的には別々の道を歩むことになったが大丈夫、やっていけるはずだと思った。リアリティがあって良かった。