三上延のレビュー一覧
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ネタバレビブリア古書堂の事件手帖が含まれていたので。
「神×本」をテーマにしたアンソロジー。
ビブリア古書堂は安定の面白さだったが、
神様の御用人が含まれていたのは嬉しかった。
下町の和菓子屋さんの話は刺さっても良かったと思うが、
ちょっとちがった。
個人的には聖書をテーマにしていた「ハレルヤ出版編集部」が面白かった。
アダムとイヴの息子、カインとアベルの捧げもののうち、
アベルの方しか受け取らなかったことを
「肉好きだからな!」と神が一言で切って捨てたのとか。
「俺は二次創作には寛大だから」と発言したり、
全知全能なのに金に困っているとか。
矛盾だらけの聖書について突っ込むのは野暮なことと思いつつ、笑えた。 -
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ビブリア古書堂の事件手帖IV ~扉子たちと継がれる道~
著者:三上 延
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**あらすじ**
三つの世代を超えて挑む、夏目漱石・名著の秘密。ビブリア新シリーズ第4弾。
三つの時代をまたぎ紐解く、鎌倉文庫の謎。
まだ梅雨の始まらない五月の終わりの鎌倉駅。よく似た顔立ちだが世代の異なる三人の女性が一堂に会した。
戦中、鎌倉の文士達が立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」。千冊あったといわれる貸出本も発見されたのはわずか数冊。では残りはどこへ――夏目漱石の初版本も含まれているというその行方を捜す依頼は、昭和から始まり、平成、令和のビブリア古書堂の娘たちに受け継がれていく。
十七歳の「本の虫」三者三様の古書に纏わる物語と、時を超えて紐解かれる人の想い。
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**感想**
今作では、物語が令和の扉子から始まり、昭和の智恵子、そして平成の栞子という順に進んでいく構成がとられています。時間の流れとは逆行しつつも、それぞれの時代に生きる三人の女性たちが、同じ「古書」と「想い」に向き合う姿が重なり合い、静かで奥深い感動を与えてくれます。
現代を生きる扉子の好奇心と行動力は、物語の出発点としてとても自然で、読者を古書の謎へとスムーズに引き込んでくれます。そして、舞台が昭和へと遡ることで、智恵子と登の若き日の姿や、戦後の鎌倉で営まれていた文化の断片が描かれ、古書が単なるモノではなく、人と時代をつなぐ「記憶の媒体」であることが改めて感じられます。
最後に描かれる平成の栞子の視点では、彼女が母・智恵子と娘・扉子の中間に立つ存在として、静かに物語をつないでいく様子が印象的です。彼女の視点によって、親子三代にわたる「本」と「人」の繋がりが完成され、読み終えた後には深い余韻が残りました。
本を通して人間の歴史や記憶を辿るというテーマは、古着や古道具などを通して過去の持ち主に想いを馳せる感覚にも通じるものであり、「人は人との繋がりに魅了される生き物である」という本質を静かに語りかけてくるようです。
そして、いつの時代も変わらず彼女たちを支える登や大輔といった存在が、家族の物語に優しい安定感をもたらしています。時代が変わっても、大切なものが変わらないということの象徴のようでもあります。
この巻がシリーズの転機になるのか、それとも新たな展開の序章となるのかはまだ分かりませんが、ぜひこれからも令和の時代にふさわしい「古書ミステリー」として物語が紡がれていくことを期待したいです。 -
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ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~
著者:三上 延
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**あらすじ**
物語は母から娘へ――。ビブリア古書堂の事件手帖、新シリーズ第3弾!
春の霧雨が音もなく降り注ぐ北鎌倉。古書に纏わる特別な相談を請け負うビブリアに、新たな依頼人の姿があった。
ある古書店の跡取り息子の死により遺された約千冊の蔵書。高校生になる少年が相続するはずだった形見の本を、古書店の主でもある彼の祖父は、あろうことか全て売り払おうとしているという。
なぜ――不可解さを抱えながら、ビブリアも出店する即売会場で説得を試みる店主たち。そして、偶然依頼を耳にした店主の娘も、静かに謎へと近づいていく――。
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**感想**
扉子シリーズも早くも第3弾となり、今回は扉子の存在感が一層増しています。栞子との会話では、話し方や思考の癖が似てきたこともあり、読んでいてどちらのセリフか迷う場面もあるほどです。それでも、智恵子、栞子、扉子という三世代それぞれに受け継がれている「古書への愛情」や「知識への飽くなき欲求」、そして驚異的な記憶力、美しさなど、共通点は多いながらも、関わり方や人との距離感には微妙な違いがあり、それがまた物語に深みを与えています。
今作では、それぞれがどのようにして古書の持つ物語に触れ、そこに潜む謎を解き明かしていくのかというプロセスが、静かな筆致の中に丁寧に描かれており、とても魅力的でした。三人それぞれの視点から紡がれる物語が、時を超えて繋がっていく感覚は、シリーズならではの醍醐味です。
今後、三世代の関係性がどのように展開していくのか、また扉子がどのように成長していくのか、ますます目が離せません。次巻にも大いに期待しています。 -
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古書店店主の篠川栞子と過去のトラウマで長時間読書ができなくなってしまった
バイト店員の五浦大輔とが、古書が絡んだ事件を解決していく物語の第6巻。
毎回、文豪や大作家の本をめぐっての事件だが、今作では1巻に登場した、
文豪の本とそれに絡んできた犯人等いろいろ長い年月のわだかまりなどを
解決していく。
この文豪の作品はいまだに、知名度1・2を争う作品しか読んでいなかったので、
タイトルを言われて、短編集のタイトルか1作品のタイトルかが判断が付かなかった
ということは、残念であるが重要なことにはならないので、6巻を読もうと
思ってる人は、同じ境遇であっても気にせず楽しめます。
知っていた方がより楽しめるので、先に読んでおくと・・・、と言っても
ネタバレになるのであえて言いません(笑)。
5巻を読んだ人なら分かる2人の関係に、ある人物のおしゃべり好きが
ある意味迷惑なことになって、そこも絡んでくる展開に!?
そういうところも楽しみつつ読んでみてください。 -
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ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~
著者:三上 延
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**あらすじ**
シリーズ累計700万部の人気古書ミステリ、最新作は丸ごと「横溝正史」!
ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。それは、この世に存在していないはずの本――横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。
どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは、元華族に連なる旧家の邸宅。老いた女主の死をきっかけに忽然と消えた古書。その謎に迫るうち、半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。
深まる疑念と迷宮入りする事件。ほどけなかった糸は、長い時を超え、やがて事の真相を紡ぎ始める――。
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**感想**
本作では、扉子の存在感が前作以上に際立っており、物語の中で彼女が果たす役割が着実に広がってきているのを感じました。母・栞子から受け継いだ本への愛情や謎解きの鋭さが、自然と描かれているのが印象的です。特に、扉子自身が事件の真相に迫ろうとする姿勢には成長が感じられ、今後の展開に大きな期待を抱かせます。
また、祖母・智恵子の登場によって、物語に新たな緊張感が加わったのも見逃せません。彼女の存在が、篠川家の“血”に流れる何かを暗示しているようで、三世代にわたる女性たちの物語がどこへ向かうのか非常に興味深いです。
一方で、そんな濃密な家族のドラマを静かに支える大輔の存在も、物語に安定感を与えています。観察者であり、時に行動するパートナーとしての彼の活躍にも注目したいところです。
横溝正史という実在の作家の「幻の作品」を軸に据えた今回のエピソードは、古書ミステリというジャンルにリアルな重みを加え、フィクションと現実の狭間を見事に行き来する構成になっていました。シリーズの今後がますます楽しみになる一冊です。 -
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ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~
著者:三上 延
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**あらすじ**
驚異のミリオンセラー古書ミステリ、待望の新シリーズがスタート!
ある夫婦が営む古書店「ビブリア古書堂」。鎌倉の片隅にひっそりと佇むこの店には、古本屋のイメージを覆す美しい女性店主と、彼女にそっくりな少女がいる。女店主が少女に静かに語り聞かせるのは、一冊の古書から紐解かれる、不思議な客人たちの物語。古い本に込められた、絆と秘密の数々──人から人へと受け継がれる本の記憶。その扉が、今ふたたび開かれる。
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**感想**
ビブリア古書堂シリーズの新章、「扉子と不思議な客人たち」をAudibleで耳読しました。聴き始めると物語の世界にすっと引き込まれ、気づけば一気に最後まで聴き終えていました。シリーズの続きがあることにワクワクしつつ、また終わりが近づくのでは…という一抹の寂しさも感じています。
今回の物語は、栞子と大輔のその後、そして娘・扉子が生まれた後の時代が舞台になっていますが、扉子が主人公として活躍するというよりも、彼女を通して語られる過去の出来事が中心。まるで本棚の奥から大切な記憶を一冊ずつ取り出すような、静かで温かな時間が流れていきます。
耳で聴くことで、語りのリズムや登場人物の声色がより立体的に感じられ、物語の空気感をより深く味わうことができました。シリーズファンとしてはもちろん、音声でじっくりと物語を楽しみたい方にもおすすめの一作です。次の巻も、耳で味わう時間が今から楽しみです。 -
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ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~
著者:三上 延
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**あらすじ**
累計600万部突破、驚異のミリオンセラー! ビブリオミステリ第6巻。
太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年が、今度は依頼者としてビブリア古書堂に現れる。彼の求めるのは、署名はないが太宰の自筆と判明しているという、別の『晩年』。
その探索の過程で、二人は四十七年前に起きた稀覯本の盗難事件にたどり着く。なんと、それには二人の祖父母が関わっていたという。
過去をなぞるかのような不思議な巡り合わせ。果たしてそれは偶然か、あるいは必然か——。
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**感想**
シリーズ第6巻では、「過去と現在」「家族と記憶」「運命と選択」といった重層的なテーマが、太宰治の『晩年』という実在の文学作品を軸に丁寧に編み上げられていきます。
神奈川県内の古書店というニッチな舞台設定が、かえって物語に静かな重厚感を与え、物語の奥行きを深めています。栞子と大輔が本を追いかけながら辿る過去の足跡は、予想もしなかった人物同士のつながりを浮かび上がらせ、読者の心を揺さぶります。
とりわけ印象深いのは、本という「モノ」を通して、過去の記憶や感情、そして因縁までもが現代に影響を与えるという構造です。今巻で明かされる祖父母たちの物語は、まるで過去が再演されるようで、どんどん引き込まれていきました。
また、栞子と大輔の関係も徐々に深まりつつあり、単なる依頼と解決の繰り返しではない、人間的な成長や絆の描写も見どころのひとつです。しかし、過去の因縁がこの先の二人の関係にどのような影を落とすのか、次巻への期待が高まります。
次巻が最終章と銘打たれているだけに、物語の終わりが近づいているという実感もあり、読者として心して見届けたい気持ちになります。 -
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ネタバレ内田百閒をモデルに、彼とその教え子が遭遇する不可思議な事件・怪異との出会いを描いていく連作集。メインとなる怪異はドッペルゲンガーなのだが、これがとても面白く活きている。確かに、ドッペルゲンガーに会うと死ぬと言われているが、ドッペルゲンガー側はどうなるのか。そして、自分以外のドッペルゲンガーに会うとどうなるのか。そこにひとつの解釈・設定を持って世界観ができている。
日本の文化と西洋の文化が丁度混ざり合う時代を舞台に、現か夢か、虚構か真か分からないものが混ざり合う日常を読んでいて、ぞっとするような、どきどきするような、期待と恐怖の入り混じる心持ちで読んだ。やはり明治・大正時代への憧れは尽きない。 -
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ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~
著者:三上 延
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**あらすじ**
驚異のミリオンセラー。日本で一番愛される文庫ミステリ、待望の第5巻。
静かにあたためてきた想い。無骨な青年店員の告白は美しき女店主との関係に波紋を投じる。彼女の答えは──今はただ待ってほしい、だった。
ぎこちない二人を結びつけたのは、またしても古書だった。謎めいたいわくに秘められていたのは、過去と今、人と人、思わぬ繋がり。
脆いようで強固な人の想いに触れ、何かが変わる気がした。だが、それを試すかのように、彼女の母が現れる。邂逅は必然──彼女は母を待っていたのか? すべての答えの出る時が迫っていた。
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**感想**
シリーズ第5巻となり、いよいよ物語が終盤へと向かう空気が色濃く漂ってきました。家族を捨てて出て行った母への複雑な思いを抱える栞子。そんな彼女が、母と自分の共通点を否応なく意識せざるを得ない姿には、読者としても胸を打たれます。
一方で、大輔の存在感がこれまで以上に際立ちます。影から見守り、静かに支える彼の健気さと誠実さが、ようやく栞子との関係に明確な変化をもたらす展開には、思わず心が温かくなりました。
特に今回は、古書を通して人と人の“繋がり”が強く描かれており、タイトルにもある「繋がりの時」というテーマが物語全体に丁寧に織り込まれています。
母親との対峙が一段落し、ようやく自分の過去と向き合った栞子。ここから2人の関係がどのように育まれていくのか、シリーズの結末に向けてますます目が離せません。 -
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ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~
著者:三上 延
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**あらすじ**
日本で一番愛される文庫ミステリ、待望の第4巻。
珍しい古書に関する特別な相談──謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。その家には驚くべきものが待っていた。
稀代の探偵、推理小説作家・江戸川乱歩の膨大なコレクション。それを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいという。
金庫の謎には乱歩作品を取り巻く人々の数奇な人生が絡んでいた。そして、深まる謎はあの人物までも引き寄せる。美しき女店主とその母、謎解きは二人の知恵比べの様相を呈してくるのだが──。
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**感想**
シリーズ第4弾となる本作では、ついに栞子の母・智恵子が登場します。初登場ながら、その存在感は圧倒的で、不気味さすら感じさせるキャラクターです。大輔が彼女に対して警戒心を抱くのも納得できる描写が続き、物語に緊張感が増していきます。
今回の依頼は、江戸川乱歩の膨大な古書コレクションを譲り受けるための条件として提示される「謎の金庫の解錠」。乱歩の世界観や作品に絡んだミステリー仕立てとなっており、謎解き要素が濃厚で読みごたえがあります。シリーズのなかでも特に「古書と人間ドラマと謎解き」のバランスが絶妙で、推理小説好きにはたまらない一冊です。
また、栞子と大輔の関係性にも微妙な変化が見られ、人間関係の面でも物語が一歩進んだ印象を受けます。二人の距離が少しずつ縮まっていく様子には、読者としても感情移入せずにはいられません。
栞子と智恵子、母娘の過去や確執がどう描かれていくのか、そして大輔がその間でどう動くのか──次巻の展開がますます楽しみになる一冊でした。