三上延のレビュー一覧
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極端に印象が薄い学生の甘木が、大学の教授である内田榮造(内田百間)と親密になったことで、様々な怪異にまきこまれていく。
このタイトルをみても、ピンと来なかった私が、内田百間にとても興味を持つようになった。「百間先生邂逅百間先生図」が物語の中で持つ意味が、怪異的で少し怖くもあったが、どんどん興味が湧いてきた。芥川龍之介や夏目漱石などの文豪とも親交があったようで、物語への興味が増した。
一話から三話までの怪異もほどよい感じで、第四話の「春の日」が、この物語をうまくまとめていたように思う。今後またなにか起きそうな感じもした。
読後、こういう感じの小説もおもしろいな、と思った。いろんな出会いがあ -
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旅と美味しいものの短編集。どれも良かったです。ビブリア古書堂の三上延「美味しいということは」が特に好きでした。これだけでいいから、読んで~って、知人達に読ませたいと思ったくらい。銀座ライオン本店や崎陽軒の焼売など小道具も良かったのと、ビブリアは身内が反目していて辛い内容多いけど、これは美味しいもので家族が繋がるのが良かった。やっぱり小説というか、フィクションは読んで面白かったり多幸感欲しいです。
「もしも神様に会えたなら」大崎梢
祖母と合流して伊勢神宮に行くつもりだった町田の小学生は祖母が来れず、一人で向かう。そこで地元の小学生に会う。
「失われた甘い時を求めて」新津きよみ
昔住んでいた松本に -
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感想
結局、智恵子は自分の膨大な古書の知識を渡せる後継者が必要で、そのためには手段も厭わないといったところだろうか?
この人がすべての事件に種を蒔いてお騒がせしているだけのようにも思える。
あらすじ
今回は別れた夫が持つ蔵書を子供が相続するはずだが、祖父が売ろうとしているのを止めて欲しいという依頼を栞子が受ける。
祖父の杉尾は虚貝堂の店主であり、古書市で息子の蔵書を売ろうと、相続権のある孫の恭一郎に手伝わせていた。
扉子はその話を聞いて、杉尾がどのような経緯で蔵書を売り飛ばそうとしているのかを解き明かそうとする。
そこには杉尾と母親の佳穂の関係性の中に智恵子が介入している事情があった -
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ネタバレビブリア古書堂その後シリーズの第三弾。
また別の鎌倉の古書店がからんだお話。
跡取り息子が病気でなくなり、その蔵書を売ろうとする古書店主の父と、
それを止めようとする跡取り息子の元妻。
元妻に相談された栞子は、自分の代わりに扉子を古本市に送り込む。
古本市には、古書店主の孫で扉子の後輩にあたる少年も参加しており、
扉子と共に古本市を手伝い、商品をだまし取ろうとした犯人を捕まえる。
古書店主はなぜ蔵書を売ろうとしているのか。
元妻はなぜそれを止めようとしているのか。
亡くなった跡取り息子が、
旅先で記憶喪失になり一時行方不明なっていたことと関係しているのか。
栞子の変人ぶりが扉子にも遺伝子 -
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ネタバレビブリア古書堂その後シリーズの第二弾。
新作が出たと思ったらⅣでⅡとⅢを読んでいなかったので、
あわてて読む。
横溝正史の幻の長編「雪割草」をめぐる、過去と現在のお話。
栞子と大輔が結婚したての頃に、
新聞の連載小説を切り抜いてつくった「雪割草」が盗まれたのを、
探し出した話と、
その時に発見されなかった直筆原稿を9年後に探し出すお話。
「雪割草」の持ち主、元男爵家の人々が仲違いしたままだし、
栞子の母が雪割草を読むために直筆原稿を捏造したのではと示唆されているラストもあって、
ミステリーの結末としてはあまり感じが良くなかった。
栞子と大輔の娘扉子が、
同じく本好きの少女であり古書店の娘 -
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ネタバレ相変わらず碌なことをしない智恵子さん。
彼女の目的が栞子さんの目論見通りなのか、まだ分からないなというのが個人的印象。
扉子編にはなっているし、確かに栞子さんの不在は長いのだが、扉子さんの立ち位置は全体的にちょっと一歩引いていた感じ。
初日の事件についての活躍はお見事だったけど、段々と栞子さんにシフトした感じ。
最終日は大輔くん視点で栞子さんによる謎解きと、かつてのスタイルで懐かしくなりました。
展開は大変胸くそでしたが。
今回は古本市が舞台のせいもあって、作中に出てくる本も映画パンフに樋口一葉のまさかの手紙の例文系本、そして三大奇書と名高い『ドグラ・マグラ』
粗筋をざっくりとしか知らない