三上延のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
静かな語り口で没入して読めた。こういう雰囲気も好きな小説のひとつ。
主人公は五浦大輔という青年で、ある日亡くなった祖母の遺品である「夏目漱石全集」を査定してもらうため、ビブリア古書堂を訪れる。店主の篠川栞子はケガで入院中だったが、妹の計らいで病院まで行けば査定してくれるという。大輔は病院へ本を持参するが、そこで彼女は本に隠された祖母の秘密を読み取ってしまう。その後、大輔はビブリア古書堂にアルバイトとして勤務しながら、古書に関するさまざまなトラブルを栞子とともに解決していく。
短編集の形式をとっていて、全部で四つの作品が収められている。
どの話も好きなんだけど、それはその話に登場する人々が好 -
Posted by ブクログ
太宰治自家用の「晩年」をめぐって大けがをしてしまい入院をした、五浦大輔。
退院しだいぶ回復してきたころ、ビブリア古書堂のバイトに復帰した。
取引に訪れた道具商の男が、買い取った太宰治自家用の「晩年」を売りに、
訪れたが・・・。売買に応じた際に渡された別の一冊が元で、洋書の古書
に対する謎と運命に対峙することになっていく。
今回は7巻で 前作のあとがきを読んだ人ならわかる通りの、最終巻。
とはいえ、今頃読めば、分かり切った第2期があることは明白なので、
そこには触れず、五浦大輔と篠川栞子、そして篠川智恵子の生い立ち、
ビブリオ古書店の事件手帖の総決算と言ってよいのかな。
とんでもない、賭けに出 -
Posted by ブクログ
旅先で偶然出会った人と食べ物を通して、人生観が変わり、前向きになれる話を集めたアンソロジー。トラブルと偶然は旅につきもの。毎回すぐに「禍転じて~」になるとは限らないが、ターニングポイントとして意識されている。
全7話の中で、私は「夢よりも甘く」が最も気に入った。育ててくれた亡き祖母の思い出話。少女はそれが作り話であると薄々気づくのだろうが、大人になっても大事に温め続けている様子(例えば身近な人に指摘されてムキになる場面)が胸に刺さる。現実を知ってしまい、旅行中はコレといった良い出来事もなく、疲れ果て打ちひしがれて、旅が終わりに近づく。このまま静かに物語が終わるのかと諦めかけたところで、帰国後に