あらすじ
本を読めない「体質」の五浦大輔は、古本を売りに鎌倉の古本屋「ビブリア古書堂」を訪れる。店主は人見知りだがきれいな女の人で、持ち込まれた古書の謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。【小学上級から ★★★】
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Posted by ブクログ
短編集。
「晩年」感想
どんな手を使ってでも、自分の手元に本を残そうとするはずだ。
度を超した執着は人を不幸にする。
どんなに大切なものでも、自らを危険にさらしてまで守ろうとするのは、やはり正気の沙汰ではない。
犯罪だとわかっていても・・・というより栞子を突き落とした時点で犯罪なのだが・・・「晩年」を手に入れようとした犯人も、五浦を騙してまで「晩年」を守ろうとした栞子も普通ではない。
彼らの気持ちは理解できないけれど、本自身がしゃべれたならどう言っただろうと思う。
多くの人に読まれてこその本ではないのか?
大切にしまい込まれてしまっては、本来の役割とは違ったところでの価値だけが一人歩きしているようにしか感じられない。
五浦がビブリア古書堂から離れようとした気持ち、少しだけわかる気がした。
読みたいのだけれど本が読めない五浦。
本を愛し、本の知識も豊富だけれど、人との付き合いが苦手な栞子。
二人がいろいろな事件に遭遇するたびに、徐々に距離が縮まっていく感じが好きだった。
いろいろな作品が登場するのもいい。
中には読んでみたいと思った作品もあったし、何よりも軽いタッチで読みやすかった。
Posted by ブクログ
静かな語り口で没入して読めた。こういう雰囲気も好きな小説のひとつ。
主人公は五浦大輔という青年で、ある日亡くなった祖母の遺品である「夏目漱石全集」を査定してもらうため、ビブリア古書堂を訪れる。店主の篠川栞子はケガで入院中だったが、妹の計らいで病院まで行けば査定してくれるという。大輔は病院へ本を持参するが、そこで彼女は本に隠された祖母の秘密を読み取ってしまう。その後、大輔はビブリア古書堂にアルバイトとして勤務しながら、古書に関するさまざまなトラブルを栞子とともに解決していく。
短編集の形式をとっていて、全部で四つの作品が収められている。
どの話も好きなんだけど、それはその話に登場する人々が好きだからかもしれない。本を愛する人々と、本を通じて交流し合う人々。
最終話の太宰治『晩年』では、本好きが一度は感じたことがある感情も描かれていて、栞子さんを責められなかった。でも、それでも彼女は本を愛し続けるし、そこから踏み出す一歩が無いわけではないのた。
続編も読みたいと思う。
Posted by ブクログ
名前だけは聞いたことがあったので興味本位で読んでみたら面白かったです。
このシリーズを読み進めながら読みたい本を見つけたい。
北鎌倉は実家に近いため親近感。
Posted by ブクログ
発売前からコメントしていた角川つばさ文庫版「ビブリア古書堂の事件手帖①」を購入して再読。今回のつばさ文庫版は越島はぐさんのラフイラストで登場人物が描かれているため新鮮だった。そして栞子さんは極力お澄まし顔だったのでニヤニヤして読んだ。