三上延のレビュー一覧

  • 同潤会代官山アパートメント(新潮文庫)

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    無口な竹井さんの家族への愛情表現は同潤会アパートメントだったんだ。1977年は涙でうるうるしながら読みました。
    竹井さんの思いが詰まった同潤会アパートは、家族が増え、様々な社会的な歴史とともに、それぞれの思いが積み重なり、かけがえのないものとなっていく、その過程がとても良かった。

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    2024年09月24日
  • 同潤会代官山アパートメント(新潮文庫)

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    自分の不見識であったら申し訳ないですが。

    この作品、それほど話題にはなっていないような気がするのですが、めちゃくちゃ良いお話でした。

    4世代に渡る家族と家に関するお話。
    4世代に渡るということは、必ずそこには生と死があるわけで。自分が生きている間は、そこで最も時間を死ぬ時を費やす「家」
    そこで共に過ごして暮らす家族、というものに対して深く考える機会を与えられた作品。

    未読な方には是非お勧めしたいです。

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    2024年09月15日
  • 同潤会代官山アパートメント(新潮文庫)

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    代官山に実在したアパートと、そこに住まう4代にわたる家族の歴史を巧みに絡ませた、70年に及ぶ物語。

    と言っても、大河ドラマのような壮大さとはまるで無縁です。歴史に名を残す偉業や、めくるめく大恋愛や、驚天動地のトリックがそこに記されているわけではありません。ときに時代の波に流されながらも、懸命に生きる日々。そのなかでのちょっとしたトピックが章ごとに視点を変え淡々と語られるのみです。

    でもこの淡々としたカラーこそが、本作の魅力でしょうね。一族のなかでどちらかと言えば陰キャ(ごめんなさい)な人が語り部役を継いでいきますが、だからこそ胸の内に宿る炎が時折垣間見えて、物語を前に動かしていきます。

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    2024年08月04日
  • おいしい旅 しあわせ編

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    旅にまつわる食に関するアンソロジー7作品。
    旅行気分とそれぞれの土地、ひと、思い出。との作品も優しい作品ですほんわかなのも良かったです。

    大崎梢:もしも神様に会えたなら
    新津きよみ:失われた甘い時を求めて
    柴田よしき:夕日と奥さんのお話
    篠田真由美:夢よりも甘く
    松村比呂美:旅の理由
    三上延:美味しいということは
    近藤史恵:オーロラが見られなくても

    もしも神様〜は、好きな作品。小学生の大冒険がワクワク。
    夢よりも〜は、少し哀しいけれど良いお話
    美味しいと〜も好きな作品。こんなおばあちゃん素敵だな

    短編なので通勤にもぴったり!

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    2024年07月15日
  • ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~

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    ネタバレ

    感想
    栞子の周りの家族関係が明らかになってくる。そこにまた悪徳な吉原という古本屋が出てくる。

    最後のディールはシビれた。吉原の爺さんにも一杯喰わせてスッキリ。大輔と栞子も無事に結ばれて一件落着。

    あらすじ
    久我山家にあった晩年を取り戻すために、吉原という久我山の弟子だった古本屋が訪ねてくる。吉原は、栞子の弱味につけこんで法外な値段で晩年を売る。

    その後、栞子の母方の祖母と会う機会があり、家族から吉原に取られたシェークスピアの本を取り戻して欲しいと依頼を受ける。

    久我山は、何億もするファーストフォリオの可能性があるシェークスピアの本とそのファクシミリを糊付けして中が見えないように細工し、

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    2024年05月14日
  • おいしい旅 しあわせ編

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    どのお話もほっとする内容で心が温まった。特に好きだったのは三上延さんの「美味しいということは」。
    卓郎とお祖母様の絶妙な距離感、2人の会話が素敵。読んだ後、おばあちゃんに会いに行こう、そして今年こそは念願のお花見を一緒にしようと思った。

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    2024年03月10日
  • ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~

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     横溝正史の『雪割草』を巡る謎に、トリックも横溝作品に準えたものが使われている。本書のおかげで長年怖くて読めなかった横溝正史を手に取ることができた。前巻は微笑ましいエピソードが多かったのに、今作ではまた強欲で性格に難がある人間がわんさか登場する。扉子も無邪気だが不穏な雰囲気あり。それにしても、小学生の読書感想文の題材に『獄門島』を選ぶことがなぜダメなのかさっぱりわからない。怖いのが苦手な子どもでも、さすがにあらすじだけで泣き叫ぶとは思えない。
     前巻よりはマシだが、相変わらず誤字脱字や妙な表現が散見される。

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    2024年02月28日
  • ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~

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     スピンオフというより新シリーズか。大輔以外の人物が語り手を務める。『俺と母さんの思い出の本』は私にも思い出がある。厳密に言えば同シリーズではなく全部載ったもので、5ではなく8と9なんだけど。坂口夫妻が登場する『からたちの花』も良い。智恵子から栞子、扉子と篠川(久我山)家の遺伝子が強すぎるが、大輔のどんな部分を受け継いだのかが気になる。これからのシリーズで解き明かされることに期待。
     それにしても誤字脱字が多すぎる。磯原と幾原が混在。校閲しっかりして。

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    2024年02月26日
  • ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌2

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    実在の本が出てくる物語は楽しい。しかも児童書とライトノベルという何とも僕好みで尚更嬉しい。
    変わりたい自分と変わることへの恐れ。隠れオタクや引っ込み思案な登場人物が、「好き」を表現することに共感し心熱くする。

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    2024年01月31日
  • ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~

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    ネタバレ

    ビブリアは、物語の中の時間と本が発行された現実の時間がどんどんズレていき、7巻ではそのズレが最大になり本の中の時間はゆっくり進んでいた。
    8巻では、本が発行された時間と物語の中の時間が一致し、2018年、扉子が9歳になる年だった。
    そして、この9巻は2020年発行で、本の中の時間で現実の時間に近いのは第二話で、2021年、扉子が小学校3年生、9歳になる年。プロローグとエピローグに至っては、扉子は高校生になっているので、1年生と仮定しても2028年ということになる。現実よりも未来が描かれたのは、初めてですよね。
    扉子が大輔が書いた事件手帖を読んているという設定なら、過去でも、未来でも自由に書ける

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    2024年01月30日
  • ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~

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    ネタバレ

    「あなたを好きなわたしが、わたしという人間」
    いい言葉だな。栞子さんにこんなセリフを言わせる大輔さん、良かったですね。
    文香ちゃんの大学進学資金の目処も経ちめでたしめでたしなんだろうけれど、もう少し2人のラブラブな結婚生活とかも読みたかったところですが、ここで終わりなのですね。
    最後の母との対決は、勝ちを譲られた感も否めませんが、一定程度、2人を認めたのは間違いないのだろうとは思います。
    この本は、他の本を読書したくなる良書だと思います。

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    2024年01月28日
  • おいしい旅 しあわせ編

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    旅の醍醐味は、おいしい食べ物だと改めて思わせてくれるようないいお話ばかりでした。
    一番食べてみたいと思ったのは、「もしも神様に会えたなら」の“伊勢うどん”。関西住みだけど、食べたことなかった。主人公の少年2人が“優しい気配り”で表現した味を食べてみたいと思いました。
    話が好きだったのは、「旅の理由」。主人公の青年がすごく良かった。
    「美味しいということは」では、主人公の祖母の、“美味しいということは、いつまでもその味を忘れないってことなんだ”という言葉にぐっときました。今まで味わった忘れられない味を大切にしていきたいし、これからも忘れられない味を増やしていけたらいいな。

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    2024年01月19日
  • ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~

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    栞子さんシリーズ最終章。
    今回は、かなりハラハラドキドキの展開でした。
    栞子と大輔の仲も気になります。
    祖父が所持していた幻の古書を巡って、栞子と母親が対決します。
    結末は、ぜひ手に取ってご覧ください。
    長かったシリーズも7冊目。
    どれも楽しく読ませていただきました。
    さらに、続編として扉子シリーズもあるので、そちらも楽しみです。

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    2023年12月01日
  • ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~

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    ふぁー、面白かった。
    扉子の子供ならではの呟きにハッとさせられました。
    智恵子さん、相変わらず鳥肌立たせてくれますね。
    3巻が楽しみ。

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    2023年11月22日
  • 百鬼園事件帖

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     影が薄い大学生と偏屈で有名な大学教授のコンビが、遭遇する奇妙な出来事の謎を解く連作短編オカルトホラーミステリー。

     物語は主人公の甘木という大学生の視点で描かれていく。
               ◇
     大学生の甘木は午後の講義が終わった帰りに、夕食を摂ろうと行きつけのカフェに入った。
     ここ●喫茶千鳥には週イチで来ている甘木だが、影が薄く存在感が希薄なため、未だに女給から馴染客として扱ってもらえない。
     そんな自分を内心で嘆きながらふと隣のテーブルを見ると、そこには大学で見知った顔が口をへの字に結びギョロリとした目でアイスクリームを睨んでいる。偏屈で厳しいと評判の内田榮造教授だった。
      

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    2023年11月21日
  • おいしい旅 しあわせ編

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    おいしいもの食べるってしあわせな気持ちになる。
    このアンソロジーでも、色んな事情で旅をする人が、おいしいものと出会っている。
    1作目の大崎梢さん。小学生の男の子の1人旅という冒険が素敵。2人は、その後もいい関係を築いていけるね。
    時空を超えていく篠田真由美さんの旅も素晴らしかった。
    柴田よしきさん、近藤史恵さんも安定の面白さ。
    新津きよみさんもよかった。でも、どこかに落とし穴があるかもと身構えながら読んでいたけどw
    (仮)のとれたアミの会、今後も大いに期待。

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    2023年11月07日
  • ビブリア古書堂セレクトブック ブラック・ジャック編

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    文庫本ではあるが中身は漫画「ブラック・ジャック」
    の代表作とビブリア著者のコメント。
    栞子さんも五浦大輔も出てきません。

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    2023年07月08日
  • 同潤会代官山アパートメント(新潮文庫)

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    静謐。
    およそ70年にわたる家族の物語。人が人を思いやり、縁を大切にしながら時代の波を超えていく。それも全て、このアパートがあればこそ。"帰るべき場所"があり、"大切にしたい人"と"思いやりの心"さえ持ち続けていれば、人は誰でも幸せになれる。そんな優しい気持ちになれる物語でした。

    「ビブリア古書堂の事件手帖」もそうですが、この作者は、基本的に"誠実な人間"が好きなのでしょうね。特にこの作品では、それを感じました。読後感がとても爽やかです。

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    2023年05月15日
  • ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌

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    ネタバレ

    ビブリアシリーズの大ファンなのでスピンオフ作品もウキウキで読みました。著者の方の文体や展開の雰囲気も楽しみつつ本の魅力を味わえて良かったです。

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    2023年04月27日
  • 同潤会代官山アパートメント(新潮文庫)

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    ビブリアの作者だからという理由で読んでみた。
    物語に大きな起伏はないがそれでも情景や感情がよく表現されているなと感じた。特に登場人物の一人である進には感情移入する人が多そうだ。

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    2023年03月27日