今村翔吾のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
直木賞作家が自身の専業作家としてのノウハウを惜しみなく開陳した内容。ただ単に本を出版するのではなく、出版不況の下で商業作家として継続的に何十年もヒット作を生み続ける方法論を磨き上げている。
とくに参考になったのはネタ出しの方法。たとえば『SPY FAMILY』のようなヒットコンテンツをスパイ物・家族愛・超能力・東西冷戦、、、といった10程度の要素に因数分解し、他のヒット作の要素と組み合わせて再構築するといった手法は、小説のみならず企画を立てる上で参考になる。
そして小説を出版というビジネスで捉えると先細りするが、漫画や動画といったコンテンツ原作やIPまで含めた複相的な事業として捉えるとかな -
Posted by ブクログ
ぼろ鳶組第7弾です。
色街の事件を解決して、さて次は。
田沼卿が始めた新たな施策。通称「鳶市」などと呼ばれる、新たに火消になろうととする者、組を移ろうとする者を集めて一斉に抽選するというドラフト会議みたいなお祭り騒ぎ。そこで、次の世代が出てきて、初々しい華やかな雰囲気で始まります。
火消の組間の実力差、確執を是正しようという試みで、本当に史実として行われたか分かりませんが、なんかあり得て感じます。
その裏で、「かの御人」がまた悪さを企みますね。今回、御仁の生活が垣間見れますが、生まれ持つ者の孤独、その怖さが滲み出てます。
鳶市が終わった最中、起こる火災。そして過去の大火の再現。この信じ難 -
Posted by ブクログ
高校生が即興で花を生ける「花生けバトル」を舞台にした青春小説。これは作家が上手いことを考えたものだと思ったら、実際にあるイベントだという。この小説の刊行が2018年、第1回全国高校生花生けバトルの開催が2017年だから、それを見て題材として面白いと思ったか。花が好きな女子高生と大衆演劇の役者として活躍する転校生を中心に展開するストーリーはなかなかの面白いものだった。自分には生花の知識は全くないが、花の名前や生花の技術等はきっちり書かれていて、場面場面で花々が美しく彩られる。
ちょっと残念かなと思ったのは学校内のゴタゴタなど盛り込みすぎで大会に進むあたり飛ばしすぎかな、大衆演劇の話も中途半端かな -
Posted by ブクログ
前回の読書会でお借りした本、その2。
わたしにとっては「イクサガミ」シリーズでお馴染みの今村翔吾さん、お名前は知っていたものの著作は初読み。
プレゼンしてくださったメンバーによると、
豊臣秀吉の五奉行がメインとなる歴史お仕事小説だということだ。
序章は賤ヶ岳の戦い。
史実にも名高い、周囲を圧倒する俊速のトンボ帰りで柴田勝家を破ったその裏側、前線で戦う武辺とはまた違った、バックオフィスの四苦八苦を、石田三成視点で描くところから始まる。
続く1章は、秀吉肝入りの北野天満宮大茶会。
2章ではその1年後の肥後での刀狩り。
3章が伊達家との丁々発止がスリリングな太閤検地で、4章は明征伐を目指す朝 -
Posted by ブクログ
やっぱり最高!
ぼろ鳶シリーズは、もうこの一言に尽きます。
こちらはシリーズ初の外伝的短編集。
流人となった元火消頭取、京都の火消、町火消など、熱い男たちの活躍ともどかしい恋模様も楽しめました。
表題作「恋大蛇」が特に好き。
京都の火消しにしびれたし、その人を想う女性には源吾の妻・深雪を思わせる芯の強さを感じました。
このシリーズ、男も女も素敵すぎる!!
時代小説が苦手な人も、“ぼろ鳶シリーズ”は読みやすいと思う。しかも沼る可能性大なので、是非読んでみて欲しい。
最高のエンターテイメント時代小説だと思う。
ちょうど先週からTVでアニメが始まったので、そちらを先に見てから読むのも良いかも。 -
Posted by ブクログ
うっかりお祭りの話と思って読み始めてしまった。
これは、豊臣政権を裏で支える五奉行のまつりごとのお語でした!
秀吉からの無理難題を叶えるため、
奉行職のトップ五人が九州から東北まで、文字通り東奔西走、身命を賭して任務に挑む。
五奉行の五人のキャラクターがなんとも個性的で魅力的。
普段はそれぞれの分野で個人プレーなのに、
いざとなると五奉行が結集して、
しかも次第に絆が深まってお互いを頼りに連携していくのが胸アツだったし、
一人一人が秀吉にちゃんと敬意と敬愛を持っているのも、なんかじーんときた。
そして毎度毎度、絶体絶命ピンチからの大逆転
...これは展開がわかっていても痛快。
いやいや五 -
Posted by ブクログ
ぼろ鳶組第6弾。
今回は吉原が舞台。
色街ときたらこの人だろうということで(?)、彦弥の活躍が光ります。吉原で1、2を争う人気の花魁と仲よくなったり、流石の展開。
しかし、どんなに輝かしい街も人もその中には陰もあるもので、彼らの生い立ちや街の裏顔を知るにつれて、お話に物悲しさが強くなります。
また、吉原は江戸の中とはいえ、その外とは全然違う街。生活も言葉も違う世界で、火消への要求も異なり、むしろ火を消さないことが望まれる場合もあります。そこで不審火が続くわけで、今回も一筋縄ではいかない。
ですが、ここに救援にきた源吾たちはやっぱり諦めません。不可解な土地柄や事件の深い謎が立ち塞がりますが -
Posted by ブクログ
松岡圭佑にならぶ億り人だ
おもろい。ですます体なのに熱々の本である。
今村氏の小説には、学者から時代考証の瑕疵がつっこまれてゐるが、これを読むと売れるためには年3冊、とかく短いスパンで本を書かねばやっていけないとあり、そりゃ粗雑にもなるわなと納得したのであった。
ほとんど今村氏のYouTubeを見れば、この本の内容はわかるが、文章には文章にしかないグルーヴがあると感じた。「イクサガミ」は始めからNetflixに取りあげてもらふことを企図したのださうで、少年マンガ的導入、ジャンプ的熱さを兼ねそなへて、計算づくの売れ方をしてゐるといっていい。
作家の精神、作家の心がまへ、それはすなはち -
Posted by ブクログ
ネタバレ【audible】
どんどん減ってついに残り9人、東京へ辿り着く。
面白いキャラ出てきたなと思ったらサクサク死んでいく…。
やっと出てきた甚六(いい奴)が退場してしまったの悲しい。
響陣の生い立ちがやっと明らかになったのが良かった。どこかずっと信用していいのか分からない胡散臭さがあったけど、悪いやつではない事が分かった。
やっぱり双葉のウザさが否めない。12歳という子供設定だから仕方ないかと目を瞑ってきたけど、甘さと正義感だけはある足手纏いヒロインの典型で、作中にあるような「双葉の優しさと善性のおかげで周りが変わっていく」みたいなメリットよりデメリットの感覚が上回る。離脱しとけよ…。まぁい