今村翔吾のレビュー一覧
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平家物語の冒頭部分しか知らない私でも読みやすく面白く読めた。
平家物語を後世に伝えるべくある人物が西仏という僧に琵琶の弾き語りを伝授していきながら話しが進行していく。
登場人物それぞれの個性がハッキリしていて魅力的だ。 後白河法皇と知盛の駆け引きも面白い。
栄華を極め我物顔だった平家に後半段々と翳りがさしてきて 追い詰められていってようやく一門が一枚岩になれた感があったのが 勝敗を知っているだけに逆に切なかった。
西仏とのやりとりにも時の流れがしっとりと感じられ この静の場面は激動の物語の節目を美しくまた分かりやすく繋いでくれていると思った。
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「全国高校生花いけバトル」
これは、5分間という限られた時間の中、2人1組で即興で花をいける戦いである。ここに挑むは、大会に惹かれた春乃と、役者である貴音の男女2人。春乃がパートナーを探しなかなか見つからなかったときに、貴音が勉強を教えてもらうという交換条件として大会に出場することになるという経緯であったが、2人の大会にかける熱意にこちらも熱くなる。
生け花の美しさだけでなく、花を生ける所作や観客への魅せ方も重要となる。5分間がまるで1つのストーリーのように織りなされ完成される作品に、高校生の青春が、花にかける想いが詰まっている。
文章から溢れ出す色とりどりの花に、目の前に迫ってくるかの -
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直木賞作家の今村翔吾が、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、上杉謙信、伊達政宗、松永久秀、石田三成の8人の戦国時代の英雄を、推理した本。
とても、興味深く拝見した。
知っている歴史の背景には、こういう文献が残っているから、この人物はこの時、こう思って、こういう行動に出たのではないか?
が、ちりばめられた名著だと思った。
中でも一番印象に残ったのが、伊達政宗。
豊臣秀吉から、私的な領土争いを禁じられているにもかかわらず、無視して会津の蘆名を滅ぼした政宗。
切腹や改易を命じられてもおかしくない、大ピンチ。
政宗は、秀吉の性格や好みを分析して、どうやら秀吉は派手なパフォーマンスが好 -
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本作発刊当時から、今村翔吾さんが紛れもないエンタメ作家で勢いのある書き手なのだと理解できました。理屈抜きに楽しめる物語でした。描かれるのは、土着の民たちの、朝廷への抵抗と差別のない社会の希求です。
平安時代「童」と呼ばれ、京人(みやこびと)から蔑まれ虐げられる人々がいました。朝廷の支配に屈しない先住の者たちです。
その一人、桜暁丸は凶事の日に生まれ、母の来歴や風貌もあり「禍の子」と呼ばれました。父と村を奪った京人への復讐を誓い、同じ境遇の仲間「童」たちと共に朝廷へ闘いを挑んでいく展開です。
今村さんは、神話や伝説を取り入れながら、想像力豊かな作品世界を作り出しています。特に闘いの場 -
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まだレビュー書けてないのですが。
下巻読んだら、上巻の感想忘れちゃいそうなので。苦笑
いつもはPCで書きますが、今日はスマホで。
羽州ぼろ鳶組シリーズ、ずっと読んでました。
すごく面白いんです(←語彙)
時代小説なのに、
少年ジャンプ読んでる気分になります。
1〜9まで読んで、0を読んだのですが、
(スターウォーズみたい。笑)
主人公である松永源吾の父、
松永重内達の世代の話でした。
火消しの矜持や思いが次の世代に受け継がれていく。
シリーズ10作目、襲大鳳。
0から続く物語でした。
最初から火災が発生、
そこからそれぞれが動き出して
途中今までと重複することが重なり、
読むスピードが鈍 -
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織田信長を始め、戦国武将8人をプロファイリングし、それぞれの人物像を浮かび上がらせる。
小説ではない、リアルな戦国武将の人物像や考え方を改めて、学ぶことができた気がします。
筆者自身、かなりの資料にあたって、そこから自分の考えをまとめたものなのでしょう。
筆者独自の考え方が反映されていて、全部が全部その通りだとは思いませんが、それでもかなり説得力を感じました。
あの時代までに培われ、そしてあの時代に生きた人物たちの生き方や考え方には、今を生きる自分からすると、学ぶべきことやあこがれることがたくさんあることを改めてこの作品から見つけることができました。
筆者自身、人が好きで -
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信長、秀吉、家康、信玄、謙信、政宗、久秀、光成についての、トークショー的な評伝。彼らのエピソードを紹介するだけにとどまらず、そのとき、彼らが身を置いていた状況と、それを踏まえた行動について、周辺諸国との関係や文脈など、マクロ的な視点も加味した解釈を割に詳しく述べている。それによって、「はじめに」で今村も書いているように、彼らを作家的視点でプロファイリングしている。
内容は、相当程度、諸文献や最近の研究成果も踏まえた書きぶりであるが、今村という作家の作品カラーからすると、やや意外である。専門歴史家のコンサルを受けているのか、あるいはそういうリサーチをするスタッフを抱えた総体が、作家「今村翔吾」な -
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想像力 時代ものを読むこともあるのですが、そんなに違和感なく入り込めます。もちろん、作者の文才がそうさせているのだと思いますが、読み手側も微力ながら小説の世界に入る手伝いが出来ているのではないかと思います。私はこれまでに見た時代劇や、時代小説から勝手な想像を膨らませながら作品を読んでいます。想像力が豊かだと小説に没頭しやすいのではないかと思います。
私の想像力では毎回同じ街並み、同じ川、同じ柳になってしまいますが(笑)また、作品の設定に親近感があるときも小説に入り込みやすいと思います。江戸時代に親近感はあまりありませんが、仲間や仕事、家族というものはどの時代でも似ているもので、そういった部分