今村翔吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ素晴らしいね、一見戦国時代の話のくせに、まるで現代の大企業プロジェクトチームを見ているような(ミッションインポッシブルでも良いけど)高揚感が良い
上司(秀吉)のとんでもないビジョン、無理難題、納期の厳しさ、関係各所(大名・寺社・商人・朝廷)との根回し、戦国時代・命が掛かる故の絶対失敗できない実務の山、そんな中で、五人それぞれが全く違う性格・得意分野を持ちながら、喧嘩し、助け合い、時に心を通わせながら巨大プロジェクトを完遂していく様式を翌思いつき、書き上げた作者の力量に脱帽です
改めて今村翔吾の新境地とも言える『五葉のまつり』は、豊臣秀吉という天才にして絶対王者の無茶振りを、五奉行全員がそれぞれの専門性とクセ強人間らしい個性をフルに発揮しながら成し遂げていく姿が濃厚な密度で描き切った傑作です
石田三成の生真面目で人を逆なでする正論、増田長盛の土木屋魂、浅野長政の司法的バランス感覚、長束正家の数字に生きる天才肌、前田玄以の朝廷・宗教を渡り歩く強かで柔軟な強さ、花と咲けないが味のある五つの「葉」が、秀吉の命じる五つの大事業(北野大茶会、刀狩り、太閤検地、大瓜畑遊び、醍醐の花見)を軸に、絡み合い・衝突しながらも、最終的には天下という「大樹」を支えていく構成
五奉行としての「知略と根性と人間関係のせめぎ合う戦場」で繰り広げられる勝利をかみしめながら -
Posted by ブクログ
audible
読書垢さんのおすすめで手に取った一冊。
若い人たちへのメッセージ本だけれど、50代のわたしの心にも、しっかり届く言葉があった。
夢を叶えるには、とにかく動くこと。
頭で考えているだけでは、何も変わらない。
読書は、経験を増やし、感情を豊かにしてくれるもの。
自分ひとりでは出会えない世界を、そっと差し出してくれる。
自分のやりたいこと、本当にできている?
臆病になっていない?
「面倒だから」と、後回しにしていない?
新しいことを始めるとき、不安になったとき、
いつもどこからか「動いてみよう」と背中を押す言葉がやってくる。
本との出会いは、きっとそのタイミングで訪れる。
今日は最強の開運日。
年齢はただの背番号。
情熱を持ってアタックすれば、きっと追いつける。
そんな前向きな勇気をもらえた一冊だった。
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Posted by ブクログ
「イクサガミ」シリーズに次いで今村将吾2作品目。YouTubeを見た時、氏は自分の作品は2種類あると言っていた。イクサガミのようなフィクション寄りの話、そして歴史寄りの話である。本書は後者である。けれども共通点はある、と思った。
主人公はの戦国の梟雄(きょうゆう)松永弾正久秀。「人がなせぬ大悪を一生のうちに3つもやってのけた」と評された男であるが、本書はそれを見事なまでに「誠実で優しく賢い」大名としてイメージを覆してみせる。かつて山本周五郎が「樅ノ木は残った」で原田甲斐を反転せしめたのと、それ以上の反転を成し遂げた。エンタメ手法だ。
それだけでない。構成もあまり読んだことない。ほぼ9割を、信長の夜を徹しての小姓に向けてのひとり語りとして描いた。
或いはもう一つ、冒頭の視点は孤児の犬若、それを助けた少年追い剥ぎの多聞丸。普通はどちらかが主人公で、彼らが生き残り成長し、松永久秀になると思えるだろう。もう一人はそれを助ける側近。実際に50p時点で多聞丸は松永と名乗り出した。⸺⸺イクサガミ方式だった。読者の共感が頂点に達した頃に、この登場人物二人とも殺すのである。
ただ「面白い趣向」はそこ迄。バトルに次ぐバトルで、読者を引っ張るのではなく、「歴史的事実をこんな風にも読めるのか!」という「知的興味」で読者を引っ張ってゆく。のと、同時に孤児出身の主人公は「武士のいない世の中=戦争のない世の中」を夢見る。民が政治を決めてゆき武士を金で雇う世の中を作れば実現するのではないか?
そういう夢を抱いた三好元長とそれに仕えた松永久秀の「夢を追い求める物語」で読者を引っ張るのである。実際は、戦国時代にそんなこと実現不可能かと言えば、まるきりそうではなかったかもしれない。堺の町は、確かに一時的にそれが実現していたのだから。
夢を描いて、それが潰えてゆく物語は、「カムイ伝」「水滸伝」からこの方、私の好物。
まぁ、しかし、今村将吾の作品はあまりにも多くて、私は今の所追ってゆく気持ちはない。本書は面白かった。 -
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ネタバレ「いや、めっちゃビジネスマンじゃん」が正直な感想です。
マーケティングとビジネス戦略の話じゃん。
どこで3C分析が出てくるのか、むしろ出ないのが不思議なレベル。
作家なんて、クリエイティブ職の最高峰のような気がするけれども、「食べていく」ためには結局、他のビジネスと変わらないことが求められるんだなと。
というか、作家としてこれだけ成功してい(るように見え)るのに、ここまでやられていたら、作家を目指しているわけでもないのに、思わず「ごめんなさい!」とスライディング土下座をかましたくなる。
自分の仕事を振り返って、市場分析もマーケティングもビジネス戦略も大嫌い。でもやらないとダメだよなぁ…知ってる…という気持ち。
なんとなく神秘的なトーンを感じがちだけれども、きっと売れている作家さんは、こういうことを(意識的じゃなかったとしても)きっちりやっているんだろうなと思った。
出版や作家の事情をここまで書いていいの?!とは一瞬思ったけれども、出版事情も、割と一般的に言われていることだったり、データとして公開されているものだったりがベースで、きっとこれも「ここからは出さない」という線を引いているんだろう。
作家を目指す人だけでなく、出版業界(主に文芸)に興味がある人、あとは単純にビジネス書としても分かりやすくていい本だと思う。
業界のトップを走る人が、こうやって戦ってるんだというのは、そりゃ自分はもっとやらなきゃだめだよねと猛省するのに十分だ。 -
Posted by ブクログ
大河ドラマ化。
読みながら、何度も思った。そして、自分の頭の中で勝手に再来年あたり放映ってことで決定した。
しかし残念ながら、大河ドラマは歴史の史実しか扱わないと思われる。この「じんかん」は一応フィクションであるため現実的には難しいだろう。
この物語は、人物にせよ出来事にせよ、史実とフィクションが絶妙に織り交ぜて構成されており、その緻密で、息づかいまで聞こえてきそうな人物描写も相まって、全て事実なのでは?と思ってしまう。
それくらいにのめり込んでしまった。
主人公は戦国を代表する悪名高き武将、"松永秀久"。
将軍殺し、東大寺大仏殿焼き討ち、主家殺しの当時の武士たちからみれば三大悪をやってのけた悪党だ。
そんな悪党と言われた男の、幼少期から数多の出会いと別れ、そして夢を追う壮絶で重厚な一生を描いている。
ちなみに、調べてみたところ三大悪については、近年の研究でどれも首謀者というわけではないのでは?と見直す動きがあるとか。
大河ドラマでも度々登場する人物ではあるが、大体はあまり良い人ではなさそうに描かれる松永秀久。
果たして、本当はどうだったのか。
500年前のこと、完全には解らないが、じんかんを読んだら最後、想像が止められない。口を開けば「あゝ歴史ロマン」としか言葉が出ない。
これだから、歴史モノはやめられない。