今村翔吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレエンタメ小説と割り切って読むと非常に面白く読めた。影に隠れていた蠱毒運営役の木偏についても掘り下げ、終盤の重要な役どころを与えていたのはとても良かった。
蠱毒を企画した動機や、資金提供者のインセンティブなど、ネタバラシに関する部分は、かなり設定が甘く、納得感に欠けたが、そうでもしないとこんな舞台を整えることができなかったのだろうなと割り切る必要があった。
エピローグで匂わせがあった愁次郎の消息、行動は、自身の家族や兄弟を裏切るものではないのかと疑問に感じた。
兄妹たちは、自身や大久保卿暗殺の復讐よりも、一人でも多くの兄妹が生き残って、明治の時代を平穏に暮らすことをこそ望んでいたのではない -
Posted by ブクログ
書店が減っていることは実感としてあり、それが危機感になっているのは筆者に共感している。本書では筆者が書店経営を通じて、この危機的状況にどうアプローチしているかがよく分かり、応援する気持ちが無限大に湧いた。小説も好きだが、書店経営の活動も本当にありがたいし尊敬する。
ただ、やはり書店の未来は暗いと言わざるを得ない。スマホには勝てず、書店にいくのは必要にかられた人と、読書が習慣化した人だけになるだろう。エンタメ小説には確かにそこにしかない魅力があるが、それだけではビジネスにはなりえない。
なんだか逆転しえない現実を突きつけられ、悔しいやら何やら。大好きな本屋たち、できるだけ長く生き残ってほしい。私 -
Posted by ブクログ
前作のイクサガミ 天が物語の幕開けだとすると、今作はまさに戦いが本格的に動き出す巻だった。登場人物それぞれの思惑や過去が少しずつ見えてきて、「なぜ戦うのか」という部分により深みが出てきた印象がある。
戦いの場面はもちろん迫力があるが、それ以上に人物同士の駆け引きや信念のぶつかり合いが印象に残った。誰が味方で誰が敵なのか、単純に割り切れないところがこの物語の面白さだと思う。
タイトルの「地」という言葉の通り、物語がより人間の側に降りてきて、登場人物の足元や覚悟が見えてくる巻だった。次の巻でこの戦いがどう収束していくのか、ますます続きが気になる。