今村翔吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『童の神』で桜暁丸たち「童」が目指すのは、「皆が手をたずさえて生きられる世」「差別なき世」、京人から鬼や土蜘蛛と蔑まれ、命や財産まで奪われる側が、尊厳と自由を求めて立ち上がる、理想を明確に掲げて戦うから、読者も感情移入しやすいし、胸が熱くなります、垣根涼介「室町無頼」も同じような世界観だ
10年前だとこの作品の時代が持つ空気も分からず、個別のワードも不案内で安倍晴明の字しか興を覚えなかったかも
この作品のメインワード「童」も〇〇童子とか後世に伝わる意味とそれを物語の中心に持ってきた今村翔吾先生のセンスは最高、三部作宣言も響くものがある
【「鬼」「土蜘蛛」「滝夜叉」「山姥」などと呼ばれ、辺境や化外の民として蔑まれた人々を総称して「童」と呼ぶ(非差別ワードで一番優しいのがまつろわぬ民)】 -
Posted by ブクログ
面白かった。
歴史が好きで、これまで鎌倉以降の物語を追いかけることが多かった自分にとって、初めて読む平安京を舞台にした物語だった。
平安京といえば、貴族を中心とした華やかな貴族国家というイメージが強い。しかし、この物語では京から離れた場所に暮らし、「童」や「鬼」と呼ばれ、蔑まれていた人々にスポットライトを当てている。
歴史の表舞台からこぼれ落ちてしまった人々を主人公にすることで、今まで自分が知らなかった平安時代の一面を見ることができたのは面白かった。
また、男なら好きになってしまうようなキャラクターも多く、登場人物それぞれに魅力がある。物語としても、心が熱くなる少年漫画のような勢いがあり、歴史小説でありながら非常に読みやすかった。
一方で、個人的には「このキャラクターが一番好きだ」と思える人物が少なかった。また、主人公の名前が何度も変わるため、誰が誰なのかを追いかけるのに少し苦労した。
冒頭の登場人物紹介が、もう少し整理されていて分かりやすければ、より物語に入り込みやすかったと思う。
それでも、これまであまり触れてこなかった平安時代という新しい時代の歴史小説を楽しめたことは大きかった。
物語の中では、どちらが偉い、どちらが悪いと単純に決められるわけではない。平安京側にも、童側にも、それぞれの立場から見た大義名分があり、相手から見れば相手こそが悪になる。
そんな中で、桜暁丸の生き様はとにかくかっこよかった。自分の信念を貫き、最後まで生き抜こうとする姿には強く惹かれた。
そして最後の「鬼に横道なし」という言葉には、かなり痺れた。
「鬼」と呼ばれ、蔑まれてきた者たちにも、彼らなりの道理と生き方がある。単純な善悪ではなく、最後にこの言葉を置くことで、物語全体がもう一度ひっくり返されるような読後感があった。
2026年現在、まだ続編は出ていないようだが、著者が続編を書くことを示しているので、今後どのような物語が描かれるのか楽しみにしたい