今村翔吾のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
歴史小説愛溢れる著者による、歴史小説・時代小説の楽しみ方を様々な角度から掘り下げた本でした。
歴史に興味を持ってくれるなら、入り口はゲームでもアニメでもありがたい、という著者。
本書も、普段はビジネス書や自己啓発書しか読まないサラリーマンにも興味を持ってもらえるよう、ビジネスにも役立つ、人生にも役立つ、と連呼し、タイトルにも流行りの「教養」をつけてターゲット層を広げています。もちろん歴史小説を読みなれていない人が戸惑わないための工夫も随所にみられ、著者の熱さと心意気が伝わり、非常に応援したくなる本でした。
私自身は歴史小説も時代小説も好きですし、面白さも(人生の)お役立ち度も理解しているつもりです。
でも、役立つと思って読んだわけではないのに、結果的に役立つことになった、というのが歴史小説な気がしますね。
単純な例で言うと、「先人たちが苦労して勝ち取った選挙権、無駄にしたくない」と自然に思えるようになったこととか(笑)
あ、最後に一つ。
他の方のレビューの中には、歴史小説ガイドが物足りなかった、というものがありましたが、いやいや貴方、初心者でも楽しく読める本、最初の一冊で歴史小説を好きになってもらえる本、という目線で著者が厳選して選書してくれているのですから王道で当たり前でしょ!とここで反論しておきます。
王道とはいえ、私自身読んでいなかった紹介本もたくさんありました。積読リストに入れました!楽しみが増えた! -
Posted by ブクログ
今年こそは絶対読もうと決めていた作品。
読みたい作品がありすぎて、手に取るのがすっかり遅くなってしまった…!
羽州ぼろ鳶組シリーズ、1作目。
かつて江戸随一と呼ばれた武家火消、松永源吾。別名、「火喰鳥」。しかし、5年前の火事が原因で今は妻の深雪と貧乏浪人暮らし。そんな彼の元に出羽新庄藩の折下左門が訪れ、壊滅した藩の火消組織の再建を依頼する。
「塞王の楯」を読んだ時も思ったけれど今作も善人悪人関係なく、登場人物たちが最高すぎる。
源吾が火消組織を再建するために仲間を集めていく。その中で出会うのが突出した特技と熱い信念を持った男たち。
源吾に出会って男たちの生き様が変わっていく様は、まるで少年漫画を読んでいるかのようだった。
「狐火」と呼ばれる火付けも決してただの悪人ではない。悪人が悪人で終わらないところがいい。
火消たちが消火に当たる場面、命を擲ってでも民を守ろうとする姿に胸を打たれた。
源吾をはじめとする新庄藩火消の一人一人の成長にも胸が熱くなった。
源吾と妻、深雪の絆、「狐火」との対峙の場面も胸が熱くなると同時に涙が溢れた。
とにかく胸が熱くなる物語だった。
苦境に陥れば陥るほど躍動する新庄藩火消。
これからの彼らがどのような活躍を見せてくれるのか楽しみ。私は断然深雪推し。 -
匿名
ネタバレ 購入済み今村翔吾さんの「じんかん」コミカライズ2巻目。
多聞丸の団が返り討ちにされて、逃げ延び夢を託された九兵衛は、残った甚助と日夏を先に行かせ、仲間を売った梟を屠る。
「人とは何だ。人の世とは何だ」との疑問を抱く。
その後本山寺に身を寄せるが、和尚宗慶の対応に、以前いた寺が人買いをやっていたことを思い出し、信じきれない九兵衛。
宗慶もまた、九兵衛を間者と疑っていた。
果たして宗慶は幕府の手のものに襲われ毒に侵される。宗慶を救うべく、九兵衛と甚助は京に出向き、曲直瀬一渓を連れ帰るが、
道中一渓が女を寝とったとして襲われるのに巻き込まれる。
なんとか寺に帰り着いた九兵衛と甚助は、本山寺を支援しているという阿波の三好殿に会えと言われ、
阿波に向かう前に境の新五郎に会いに行くが、同道した一渓が掏摸に遭いかけ、騒動になり・・・という展開。
度重なる襲撃は、コミックスオリジナルのストーリーだと思うんだけど、どうだったっけ?^^;
これはこれで面白いです。 -
匿名
ネタバレ 購入済み源斎亡き後の石垣職人穴太衆飛田屋を率いる匡介は、関ヶ原合戦の前哨戦となった大津城の戦において、
4万の西軍を相手に石垣を造り続ける「懸」でで対抗する。
かたや鉄砲鍛冶職人国友衆の彦九郎は、大筒「雷破」で、匡介の造り続ける石垣を破壊しようとする。
両者、一歩も引かない攻防の描写に目を離せなかった。
「源斎は奥義は「技」ではないと言っていた。言葉で伝えても意味がないとも、そしてすでに伝えているとも。
一つだと何の変哲もない石も、寄せ合い、嚙み合って強固な石垣になる。人もまた同じではないか。
大名から民まで心一つになった大津城。それこそが、
--塞王の楯。
の正体ではないか」
歴史上、京極高次はこの戦では死なないし、西軍は東軍に負けることもわかっていたけど、
それでもハラハラしました。
あと、西軍だけど、立花侍従宗茂もいい感じだなあと思った。 -
匿名
購入済み一乗谷の戦で両親と妹を失った匡介は、石垣職人の穴太衆飛田屋源斎に拾われ、石積みを中心に石垣造りを学ぶ。
長じて匡介は、大津城の空堀を水で満たす快挙を成し遂げ、大津城主京極高次と妻お初の信を得る。
匡介の望みは、強靭な石垣という「楯」によって、戦のない世を造ること。
それに対して、鉄砲鍛冶職人の国友衆彦九郎は、強力な武器である鉄砲という「矛」を造ることにより
やはり戦のない世を造りたいという望みを持つ。
同じ望みを持ちながら、その方途は真逆である二人の直接対決は下巻に持ち越される・・・。
個人的には、守備を固める匡介の想いの方が好きだなあ。
それと、なんとなくシュッとした美男という勝手なイメージがあった京極高次が、
真逆のコロンとしたふくふくした感じに描かれていて、
また、妻のお初(浅井三姉妹の次女)も、もっと要領がいいちゃっかりしたイメージをもっていたのが
領民にも腰が低いというか、気さくで優しい女性として描かれていたのが印象的で、
それだけでこの作品の好感度が上がりました(笑)