今村翔吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「くらまし屋稼業」の8冊目。ここでようやく追いついた。
今回は呉服問屋の大店「越後屋」で働いていた比奈という女性を晦ますお話。
この比奈を甲州のとある村まで逃がすという道行きで、どうやって晦ますかというシリーズ最初の頃にあった趣向が薄くなったのは淋しいが、代わりに凄まじい活劇が次々と繰り広げられる。
悪事の露見を防がんとする越後屋の大番頭・富蔵が雇った追っ手はなんと65人。猿橋の上の立ち回りはまだ序の口。次々と追い縋る刺客との死闘に手に汗握る。
一方、大丸の機転(大丸の幼き神童、流石です)で比奈を害そうとする者を炙り出すことになった炙り屋・万木迅十郎は前作に登場した九鬼段蔵と人間離れした斬り合いを見せ、ようやく語られた“夢の国”では榊惣一郎が凄腕の弓使いレラと対峙する。
敵も味方もなくそれぞれが勤めは必ずし遂げるという矜持を持った切り結びは胸熱もの。
平九郎が頼ることにした人探しに長けた黒狗の玄九、初音に影響され変化が見えた惣一郎、井蛙流の師・磯江虎市の行方、“夢の国”の戦いのこれからに、駒飼宿の町医者・掛庵も気になる。
どこまで膨らみどう収束するのか、この話。次巻も楽しみ。