今村翔吾のレビュー一覧
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西日本の戦国武将24人を描く短編集。
毛利元就、尼子経久、大内義興、松永久秀、龍造寺家兼、
宇喜多直家、石田三成、戸次道雪、北畠具教、黒田官兵衛、
亀井玆矩、伊東祐兵、有馬晴信、加藤清正、雑賀孫一、
足利義昭、豊臣秀吉、十河存保、長宗我部元親、
加藤嘉明、島津義弘、謝名利山、蜂須賀家政、立花宗茂
その武将の人生の一コマを切り取って描いたような、
味わい深い短編集です。それぞれが実に短い物語なのに、
その後にある史料・文献から得た想像力での創作は、見事。
主人公の視線、近しい者たちの視線が鮮やかに語る。
親子や兄弟、夫婦や男女、主従の、信愛と確執。
庶民、異邦人や将軍の姿もある。
彼らによる、 -
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【教養としての歴史小説】
今村翔吾さんの著書です。
私は歴史は好きですが、歴史小説はそれ程読むことはありませんでした。この著書はこれから日本史が好き、歴史小説を読んでみたい、またビジネス書では得られない何かを掴みたいという方にオススメです。
まず最初に、歴史小説と時代小説の違いが明確になりました。
歴史小説が史実を重んじるのに対して、時代小説は単に過去の時代を背景にしているのに対して、時代小説はフィクション性がより強く、その時代を生きた人と人との関わりを濃密に描く傾向があるとのことです。
それから第二章にある「死生観」については、過去の著名な歴史小説作家に触れることによって「死」について考 -
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茜は赤。その唄はつまり赤の歌。
白は源氏、赤は平家。平家の唄は平曲ともいうらしい。
たくさん語り継がれている。
祇園精舎の鐘の声…。
さて上巻でも気になった、平曲を西仏に伝授していたのは誰だったのか。
てっきりあの子だと思っていたら違った。さすがその辺は一筋縄ではいかない。
そしてその人が明らかになり、どんな思いを抱いて歌い継ごうとしたのか。
しんみり切なくて、そこに深い感動があった。
戦いだけじゃない。
平知盛主役、平家物語ベースの作品。
上では木曽義仲が登場した。下はいよいよ戦闘怪物源義経の登場。源氏だがある意味、平家物語の主役。でもまあ今回は脇。でもさすが。
平家に立ちはだかる大きな壁 -
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前作に続いての一気読み。火消しを名物にしていた小藩が代替わりで方針転換し、火消組の存続のためには、途方もない成果を出せという指示。真面目にやってきた大将は、自分で火をつけてそれを消すという悪魔の囁きに揺れ動く。果たして江戸では不審火が相次ぎ、なぜかこの小藩が真っ先に駆けつけることが続くが、不自然さに気づくものも現れる。その1人、読売(瓦版)の書き手が突然行方不明となり、疑いが一層濃くなる。そんな中、菩薩と崇められる火消しの不審な行動が明るみに出る。不審火との関係は。姿を消した読売の書き手は。そして小藩の運命は。現代にも通ずるストーリーだが、これは江戸のお話。とてもよく描かれていて唸らされるレベ
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ネタバレ2024/3/8
先に読んだ家族に「新之助ちゃんと帰ってきた?」と確認してから読書スタート。
入れ込みすぎてるから安心を確認してからじゃないと読めない。
いや新之助が退場するわけないって思ってるんだけどさ。
退場どころか未来のお嫁ちゃんまで出てきましたよ。
しばらく離れ離れだけども。
お嫁ちゃんかどうかも決まってないけど。
新之助が主役の回だけど鬼平が目立ってた。
いやぁ会いたかったよ。鬼平。
その他の面々もいっぱい出てきて辰一までちょっとデレてた。
新之助、辰一とも互角に戦えるんだから強いよね。
ああ楽しい。
ハラハラするけど読んでる間の私はずっと笑ってるんじゃなかろうか。
そして本を閉じる -
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東日本の戦国武将23人を描く短編集。
長野業正、徳川家康、北条氏政、里見義弘、織田信長、
矢島満安、今川義元、最上義光、太田資正、武田信玄、
富田長繁、上杉謙信、津軽為信、佐々成政、金上盛備、
竹中半兵衛、宇都宮国綱、佐竹義重、蠣崎慶広、
伊達政宗、北信愛、前田利常、真田信幸
その武将の人生の一コマを切り取って描いたような、
味わい深い短編集です。それぞれが実に短い物語なのに、
その後にある史料・文献から得た想像力での創作は、見事。
主人公の視線、近しい者たちの視線が鮮やかに語る。
親子や兄弟、夫婦や男女、主従の、信愛と確執。
心情溢れる者が居る一方で、乱世の怪物も居る。
彼らによる、国のた