今村翔吾のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
今村翔吾先生のお話が好きで、こちらを手に取りましたが、元寇に関してはお恥ずかしながら学校の歴史の授業レベルの知識しかありませんでした。あまり知らないからこそ、先が読めなくて(元寇自体は知ってても登場人物たちがどうなるか先が分からない)ハラハラドキドキ出来たのかもしれません。
全体を通して、かなりフィクション部分が強そうですが、パレスチナやウクライナで侵略問題が起きている今だからこそ人道について書かれたのではないかと思います。戦争とは、人と人が争うとは……元寇をテーマにはしてますが現代の私たちへのメッセージ性が強い小説だと思いました。読んでよかったです。 -
Posted by ブクログ
真田幸村は、徳川家康を最後まで苦しめた武将として有名であり、NHK大河ドラマにまでなった。しかし史実においては幸村という諱を名乗ったことはなく、後年に講談等で「真田三代記」等で語られる活躍が伝えられてきたものである。ではどうして、真田幸村がここまで語られるようになったのであろうか?
今村翔吾氏が歴史文学に興味を持った『真田太平記』は原点かつ大切な物語であり、その影響を受けたこの本は直木賞受賞後のタイミングで満を持して世に出された。戦国から太平へと遷り変わる最後の戦いとしての大阪冬の陣において伝説となった真田丸、そして大阪夏の陣では家康の本陣に迫り死をも覚悟させたという逸話は、真田幸村という武 -
購入済み
晦まし屋稼業三人、高尾山の奮闘
くらまし屋、堤平九郎が今回仕事を受けた相手は、幕府に召し抱えられていた本草家、阿部将翁という八十八歳の老人である。この老人、幕府に採薬使として仕えてきて十年前に御役引退の願いを出して許可された。だが、気の毒なことに自由な行動を制限されていた。
本草家は、主に植物を採取し薬の抽出を役目とする。薬草を探して山野を歩き回るのだが、植物のちょっとした変化で土や岩の特徴が見分けられる。いわく、鉱脈を見つけることもたまにあった。釜石の磁鉄鉱脈は将翁の発見とも言われる。
また、朝鮮人参を種から育てることに成功して、安価にして世間に出した人物でもある。優秀な人物ゆえ、悪人たちからも狙われたし、やたら外出して話 -
Posted by ブクログ
感想
加藤清正が元々吏僚で、戦に自信を持っていなかった形で書かれている。福島正則と並んで豪傑なイメージしかなかったので、そこが意外。
どの話も人間関係が交錯する仕掛けがあり、面白い。
あらすじ
賤ヶ岳七本槍のそれぞれから見た八本目の槍の三成像が書かれる。
共に吏僚出身で清正が朝鮮出兵から帰ってきたところから始まる。吏僚出身である清正は、三成の凄さも、徳川から豊臣を守ろうとしていたことも分かっていた。賤ヶ岳で自身は七本槍に数えられるも、三成は入っていなかった。戦に自信がなかったが、その才を三成が見抜いて大将に抜擢し、見事に応える。その後は三成と違え、徳川に仕える。
志村助右衛門は、播州 -
Posted by ブクログ
恥ずかしながら歴史はさっぱりですが、豊臣家の実務トップ・事務次官的な五人の奉行の話だった。
と言ってもそれは読み終わった今だからわかったことで、苗字、名前、役職、通称、国、隣国、上司(殿)、親子等と要素が多過ぎて、しかも負けてこっちに合流とか元はどこそことか最初は頭がこんがらがった。
でも話は面白い。
圧倒的トップの秀吉が無理難題を言いつけてくるのを「これは我々にとって戦」と何とかしていく。(ヘタすりゃ切腹なのでマジ戦)
刀狩り、醍醐の花見など私でも知ってるような有名エピソードばかりなので、裏話を聞いてるかのよう。
歴史作家って司馬遼太郎を筆頭に、限られた史実から見てきたかのように書くのほ