今村翔吾のレビュー一覧

  • 海を破る者

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    今村翔吾先生のお話が好きで、こちらを手に取りましたが、元寇に関してはお恥ずかしながら学校の歴史の授業レベルの知識しかありませんでした。あまり知らないからこそ、先が読めなくて(元寇自体は知ってても登場人物たちがどうなるか先が分からない)ハラハラドキドキ出来たのかもしれません。

    全体を通して、かなりフィクション部分が強そうですが、パレスチナやウクライナで侵略問題が起きている今だからこそ人道について書かれたのではないかと思います。戦争とは、人と人が争うとは……元寇をテーマにはしてますが現代の私たちへのメッセージ性が強い小説だと思いました。読んでよかったです。

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    2025年05月30日
  • 幸村を討て

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    真田幸村は、徳川家康を最後まで苦しめた武将として有名であり、NHK大河ドラマにまでなった。しかし史実においては幸村という諱を名乗ったことはなく、後年に講談等で「真田三代記」等で語られる活躍が伝えられてきたものである。ではどうして、真田幸村がここまで語られるようになったのであろうか?

    今村翔吾氏が歴史文学に興味を持った『真田太平記』は原点かつ大切な物語であり、その影響を受けたこの本は直木賞受賞後のタイミングで満を持して世に出された。戦国から太平へと遷り変わる最後の戦いとしての大阪冬の陣において伝説となった真田丸、そして大阪夏の陣では家康の本陣に迫り死をも覚悟させたという逸話は、真田幸村という武

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    2025年05月29日
  • くらまし屋稼業

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    金さえ積めば如何なる者も神隠しのごとく晦ませてくれる3人組、「くらまし屋」にある2人組が依頼をするところから始まる物語。くらまし屋の3人がそれぞれの能力を活かして依頼を遂行していくノンストップな展開に一気に惹き込まれた。まるで時代劇を観ているような気分になって楽しめる。『必殺仕事人』みたいな雰囲気のある作品。

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    2025年05月28日
  • 幸村を討て

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    最終章の信之、家康、正信3人の丁々発止の手に汗握る駆け引き!
    「本を読む」ことの楽しさを十分に堪能させてくれる1冊。虚実皮膜の紙一重を見事に描ききった作品でした。
    そして何より、今村翔吾は……泣かせる!

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    2025年05月28日
  • 立つ鳥の舞 くらまし屋稼業

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    しばらく間を空けてしまってからのシリーズ復帰のため色々と思い出しながら読みました。
    終盤の畳み掛けが素晴らしく、赤也が濱村屋の皆んなに会ったときは胸が熱くなりました。
    赤也を支えようとする二人の姿にも同様。

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    2025年05月25日
  • 塞王の楯 上

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    下巻を読んでからの感想だと、上巻はクライマックスに向けて登場人物それぞれの思想や、バックボーンが丁寧に描かれており、来るべき決戦に向けて少しずつ輪が収束していく様が期待感を煽っていく。
    今度お城巡りしたくなります!

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    2025年05月25日
  • 塞王の楯 下

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    本当の最強の盾とは何なのか?
    盾と矛の対決、
    手に汗を握る展開だが、戦いの内容はこれしかないという、大砲の弾を石垣が防ぐという単純なもの。
    だからこその作者の読ませる力が大切。

    先人たちが描いた未来の中を私たちは生きているのだろうか?

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    2025年05月24日
  • 人よ、花よ、 下

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    ネタバレ

    始めの思惑と違ってきたが、南朝の天皇を生かす為の作戦が北畠親房の独断で崩れ去る。村上天皇も周りの公家たちを掌握出来なかったのだから仕方ないのかもしれない。楠木正行の生き様は見事だった。

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    2025年05月19日
  • 人よ、花よ、 上

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    ネタバレ

    楠木正行の生涯。父とはまた違った男振り。北朝南朝の間で模索する楠木党の生き残りを賭けた目論見が一人の女官の為に変わっていく。人間関係も面白いし、駆け引きも面白い。本当のところはわからないけれど、こんな風だったのかなぁと思わせる。

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    2025年05月18日
  • 火喰鳥――羽州ぼろ鳶組

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     かつて江戸随一の火消『火喰鳥』と呼ばれた松永源吾を筆頭に個性豊かな面々が集まった出羽新庄藩の火消組織・通称『ぼろ鳶』の活躍を描いた時代小説で、序盤の仲間集めや臨場感溢れる火消しの描写、謎の放火魔『狐火』との攻防など最後まで夢中になる展開の連続で面白かった。

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    2025年05月17日
  • 五葉のまつり

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    今作品も人が生き生きと魅力的に描かれていた。歴史の教科書に載るような事は、どうしても大きなことを成し遂げた人物に注目されるけれど、その周りでサポートする人たちの活躍も大きいはず。秀吉は人の才を見抜く力に優れ、それぞれの能力を活かすことができた人なんだろうな。そして、秀吉自身もそんな人たちを惹きつける魅力があったんだろうな。

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    2025年05月17日
  • 黄金雛――羽州ぼろ鳶組 零

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    源吾や勘九郎などの黄金の世代の、そして先代達が活躍していた頃の話。最終章の「鉄鯢と呼ばれた男」に涙。あとがきで、あの痛ましい京アニの事件の頃に出たというのを読んで何とも言い難い気持ちになった…。

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    2025年05月16日
  • 夏の戻り船 くらまし屋稼業

    購入済み

    晦まし屋稼業三人、高尾山の奮闘

    くらまし屋、堤平九郎が今回仕事を受けた相手は、幕府に召し抱えられていた本草家、阿部将翁という八十八歳の老人である。この老人、幕府に採薬使として仕えてきて十年前に御役引退の願いを出して許可された。だが、気の毒なことに自由な行動を制限されていた。
    本草家は、主に植物を採取し薬の抽出を役目とする。薬草を探して山野を歩き回るのだが、植物のちょっとした変化で土や岩の特徴が見分けられる。いわく、鉱脈を見つけることもたまにあった。釜石の磁鉄鉱脈は将翁の発見とも言われる。
    また、朝鮮人参を種から育てることに成功して、安価にして世間に出した人物でもある。優秀な人物ゆえ、悪人たちからも狙われたし、やたら外出して話

    #カッコいい #タメになる #ドキドキハラハラ

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    2025年05月15日
  • 夜哭烏――羽州ぼろ鳶組

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    あれだけ惜しみなく要素を使って大団円に至ってた作を一体どう続けるのかと思ってましたが、遜色ないレベルのエンタメを描けるもんなんだなと感心しました。大名火消がまず動かないと町火消は動けない、で一作書ききる筆力がすごい。やはり漫画や映画みたいな山場の映像っぽさは感じました。

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    2025年05月14日
  • 八本目の槍(新潮文庫)

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    感想
    加藤清正が元々吏僚で、戦に自信を持っていなかった形で書かれている。福島正則と並んで豪傑なイメージしかなかったので、そこが意外。

    どの話も人間関係が交錯する仕掛けがあり、面白い。


    あらすじ
    賤ヶ岳七本槍のそれぞれから見た八本目の槍の三成像が書かれる。

    共に吏僚出身で清正が朝鮮出兵から帰ってきたところから始まる。吏僚出身である清正は、三成の凄さも、徳川から豊臣を守ろうとしていたことも分かっていた。賤ヶ岳で自身は七本槍に数えられるも、三成は入っていなかった。戦に自信がなかったが、その才を三成が見抜いて大将に抜擢し、見事に応える。その後は三成と違え、徳川に仕える。

    志村助右衛門は、播州

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    2025年05月14日
  • 人よ、花よ、 上

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    ネタバレ

    吉川英治さんの私本太平記を20代に読んだが、楠木正行の視点で描かれた本作は新鮮であり、そんなこともあったかもしれないと気付きの多い上巻だった
    湊川の戦いまでしかイメージがなかったが、その後が語られる下巻は期待しかない
    楠木正成のことを正行が語る章が終わると、物語の展開が早くなるので、前半で諦めずに読み進めて欲しい作品です

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    2025年05月10日
  • 火喰鳥――羽州ぼろ鳶組

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    江戸の街を舞台に火消しを主役にするとは考えたものである。
    テンポの良い展開は頁をめくる手を止めさせないし、キャラクターの個性が豊かだ。
    大火を前にして啖呵を切る姿にも現代人のなよっとした情けなさはなく、愚直なまでのまっすぐさがある。
    結末は正直肩透かしでもう少し盛り上げてほしいところだったが、この男たちの姿には何度も目頭が熱くなった。

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    2025年05月10日
  • 五葉のまつり

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    恥ずかしながら歴史はさっぱりですが、豊臣家の実務トップ・事務次官的な五人の奉行の話だった。

    と言ってもそれは読み終わった今だからわかったことで、苗字、名前、役職、通称、国、隣国、上司(殿)、親子等と要素が多過ぎて、しかも負けてこっちに合流とか元はどこそことか最初は頭がこんがらがった。

    でも話は面白い。
    圧倒的トップの秀吉が無理難題を言いつけてくるのを「これは我々にとって戦」と何とかしていく。(ヘタすりゃ切腹なのでマジ戦)
    刀狩り、醍醐の花見など私でも知ってるような有名エピソードばかりなので、裏話を聞いてるかのよう。
    歴史作家って司馬遼太郎を筆頭に、限られた史実から見てきたかのように書くのほ

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    2025年05月08日
  • 五葉のまつり

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    五葉のまつり、素晴らしかった。最終話、泣いちゃうよこんなの・・・
    これまでメインに出さずに間接的に出してきて、印象を操作されてきたような秀吉が最後にこれは・・・でも実は終始五奉行の秀吉への愛だったことに帰結する。
    しかしなかなか大ボリュームで読むのも大変だっけど、面白かったなー!

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    2025年05月06日
  • 五葉のまつり

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    石田三成をはじめ、五奉行の話。
    主観があるから、相手のことを理解できないことも、理解して密な時間を過ごしても関係性が変わっていってしまうこともある。

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    2025年05月03日