今村翔吾のレビュー一覧
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読むのに時間がかかりましたが、読んでよかったです。語り部が誰か、わたしの想像とは違ってましたが、なるほど…と納得できる方でした。
今村先生の話は敗者の目線で描かれるものが多くて童の神のような悲しい終わり方をするのではないかとドキドキしながら最後の方は読み進めましたが、そんな感じではなくてホッとしました。
この話はフィクションですが、敗者を語る物語が間もない頃からこうして残っているのですから、この話で語られているようなことがあってもおかしくない気がします。壇ノ浦の合戦の裏事情は驚きでした。
今まで源氏目線で見ることが多かった源平合戦ですが、この話で平氏の側にも色んな魅力的な人たちがいたのを知れて -
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「羽州ぼろ鳶組」シリーズ第4弾です。初めて舞台が京都になり、いつものぼろ鳶組レギュラーメンバーの登場・活躍が限定的です。その為でしょうか、これまでの3作とやや様相が異なり、少し重苦しくシリアスな印象を受けました。
ぼろ鳶組頭取・松永源吾が、京都西町奉行に赴任している長谷川平蔵から火急の依頼を受け、星十郎と武蔵を連れ立ち京に向かいます。そこで、火付を飛び越えた奇怪な連続事件と相対するのでした。
松永源吾と心通じ合う長谷川平蔵宣雄は、先代の鬼平で、本作では代替わりとなる若き鬼平・銕三郎のエピソード、さらに武蔵も含めた父と子の物語が色濃く描写されています。
これらの親子関係の心の交流が涙 -
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羽州ぼろ鳶組シリーズ第3弾_
ページをめくれば
心意気が熱い江戸の火消したちに
魅了されてしまう!!
読み出したらとまらない…
毎回感じるのが
今村翔吾さんのデビュー作となるシリーズで
“本当にデビュー作なのー” と唸りたくなるほどの
素晴らしいシリーズ作品である!!
魅力的な火消したち
悪役で描かれる者でさえも
ラストには涙を誘われる…
なんといっても最大の魅力なのが
火事の迫りくる業火の描写や
それを食い止めようとする火消したちのドラマが
毎回ドラマチックなところ!!
このシリーズは完結編まで大人買いしたシリーズなので少しずつ読んでいくのが楽しみです♡ -
購入済み
国際紛争のおろかさ
結果は誰もが知っている元寇。実在の人物に作者が創造した外国人を織り交ぜて、没落した名門の若き主が元寇に立ち向かいながら成長していく物語だ。現在も世界で頻発している国際紛争に重ねあわた作者の思いを感じた。
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久々のぼろ鳶シリーズ。
源吾がまだ火消しになって間もない頃のストーリー。
本作も最高すぎた。またもや滂沱の涙。
あぁ、でも憤りも悲しみもあまりにも大きすぎて、読後ちょっと放心状態に…。
早くも序盤から衝撃を受け、その後も夢中で貪るように読みました。
読み始めたら、いつも時間を忘れて熱い火消しの漢たちの世界に没入してしまいます。
ここまでのシリーズ作で、羽州ぼろ鳶組の頭・源吾と共に火消しとして活躍するあの人やこの人、後に出会う面々の登場に、自然と気分も口角も上がってしまう。
「黄金の世代」と言われる源吾や若い火消しの姿が見れて嬉しい。若いな~。
本編と並行して描かれている源吾と父・重内 -
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ネタバレ「世を、人の心を変えるのだ」「人をあきらめない。それが我々の戦いだ」
――平安時代「童」と呼ばれる者たちがいた。彼らは鬼、土蜘蛛……などの恐ろしげな名で呼ばれ、京人から蔑まれていた。
一方、安倍晴明が空前絶後の凶事と断じた日食の最中に、越後で生まれた桜暁丸は、父と故郷を奪った京人に復讐を誓っていた。
そして遂に桜暁丸は、童たちと共に朝廷軍に決死の戦いを挑むが――。
差別なき世を熱望し、散っていった者たちへの、祈りの詩。
第一○回角川春樹小説賞(選考委員 北方謙三、今野敏、角川春樹 大激賞)受賞作にして、第一六◯回直木賞候補作。 -
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夢中で読んだ「羽州ぼろ鳶組」シリーズ第1弾から一月半経過‥。やっと第2弾です。ブク友さん曰く、「残念ながら?シリーズ全部面白いよ‥ヒヒヒ」←何という悩ましい助言! もはや誘惑を超えた煽りか、はたまた火付か!(火消の物語だけに‥)
いやいや、(疑ってませんが)助言は正しかった! つまみ食い大好きな私には、シリーズ制覇とか、沼落ちは難しのですが、時間をかけてでも読み続けたいと思わせてくれました。 やっぱりよかった!
本作では、火消の奇妙な規則「火事の際、火元に近い大名家が太鼓を打ち、それを聞いて町火消が半鐘を鳴らし、消火活動可」が重要テーマでしょう。
この変な規則を逆手にとって、火消の