貴志祐介のレビュー一覧
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ダークファンタジー
こちらは文庫本で読みました。
上中下と3巻なので、電子書籍にすればよかったな、と今さらながら思います。
内容はSFファンタジーですが、普段ファンタジーを読まない人にもオススメしたいです。
少しずつ綻び始めた世界が、一気に破綻へ向かう描写にはドキドキさせられます。
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Posted by ブクログ
貴志祐介のダークゾーンを読みました。
奨励会の三段、20歳の塚田裕史は異世界で目を覚まします。
そこは、将棋に似たルールで人間が駒となって闘う戦場だったのでした。
7番勝負で4勝した陣営が勝つ、負けた陣営は消滅させられてしまうというルールで血みどろの戦いが始まります。
1局が終わる毎に断章という形で塚田の記憶が戻ってきます。
なぜ、このような異世界で塚田が闘うことになったのかが解き明かされていきます。
ダークゾーンと呼ばれる異世界の軍艦島を舞台に、将棋をベースにして戦術級シミュレーションウォーゲームや中国将棋のテイストを加えたゲームが作られています。
ゲームの基本的なルールは序盤で説明さ -
購入済み
はすみんがかっこいい
映画で話題になったのは知っていましたが、原作から入りました。
登場人物が多かったですが、混乱することなく読めました。
先が気になって気になって仕方がなかったです。
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Posted by ブクログ
ゴブリンかヨーダか。あの霊能力者がはっきりと名前を得て生き生きと描かれている。死者が現世にアクセスできるのはなぜか、呪物とは何か、呪物が出来上がるまで何があるのか……貴志祐介が蓄え、自分なりに熟成させてきた見識を、全て開示してみせられた気分だった。これがまた面白い。正直、その魅力だけで何度も読める。
生前の愛憎や恨みが直に込められた品から、死後に残された生者が扱いを間違えたため出来上がった品まで、バラエティ豊かな呪物がそれぞれにキャラクター性をもっていて、登場人物紹介欄として呪物を並べてほしくなる。
『黒い家』が「本当に恐ろしいのは生きている人間」を体現した作品なら、本作は「死霊もかつては生 -
Posted by ブクログ
ネタバレ綾崎隼さんが将棋のアンソロジーに寄稿してると聞いては読まないわけにはいかない!
今回の綾崎さんの作品は、「僕らに嘘が一つだけ」の2人と同世代の朱莉さんが主人公。もう一度僕らに〜も読み返した上で、こちらも読み返したいな。
一話目は青山さんのお話らしく、前向きな気持ちになる門出の話。
葉真中さんは初読み。ただただ少年の手腕に鳥肌。
弟子にしたかった少年を冤罪から救うという白井さんの話にはびっくり。そういう将棋との絡め方もあるのか。
橋本さんも初読み。この一戦を勝てば夢が叶うという相手への対応って悩ましい。そこで手を抜かれて夢を叶えること、本気で相手してもらって破れること。
芦沢さんは気になってい -
Posted by ブクログ
ネタバレ1000年後の世界、種の存続、戦争、共存と淘汰をテーマにした化けネズミとの争い。何年経っても結局は争いは必然的なことで、それが形を変えて繰り返される。
そもそも種の繁栄や存続を求める本能に従うことに意味があるのだろうか。求めていないが淘汰される恐ろしさからの防衛が他者から見ると制圧に見える。少しの種ごとの違いがやがて大きな歪みになり、世界の大きな流れに誰もが逆らえないことを思い知らされる。
現代から1000年後の世界観が個性的に構成されている上に、あり得る1000年後だなと感じさせるくらいの種の存続の原理原則に適った設定で壮大な作品だった。