「人間とは、いったい何なのか」という問いを徹底的に突きつける、名作SFファンタジー!
舞台は、1000年後の遠未来・日本。人間は、呪力と呼ばれる念動力を持ち、バケネズミという異類に”神様”として崇められていた。主人公・渡辺早季(わたなべさき)は、自然豊かな神栖(かみす)66町でのびやかに育った少女。全人学級と呼ばれる学校で念動力を磨く彼女は、ある日、友達とともにこの世界に隠された「ある秘密」を知ってしまう。それは、先史文明(つまり過去の日本)が、1000年間のうちにたどった血塗られた歴史だった……。
誰にでも、空を飛べたら、と夢想したことがあるだろう。空を飛べるようになったら、歩かなくていいし、電車運賃を払わなくても遠くに行ける。でも、実際にそんな力を手にした「特別な人間」が生まれたとき、人間社会がどうなってしまうのか、ということまで考えた人はあまりいないのではないか。
病的に美しいディストピアとなった日本。ある日突然消えてしまう子供たち。謎に覆われた生まれ故郷。人間と異類……。その謎が解き明かされるとき、読者はいつのまにか最後まで読み進めてしまうだろう。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年04月27日
物語が加速し始めた印象。
終始不気味でどこか陰鬱な雰囲気は保ったまま物語の面白さは右肩上がり。
どこに終着点を見出すのか。次の最終作を読むのが楽しみ。
Posted by ブクログ 2024年04月07日
次々と明かされる真実に読む手が止まらなかった。人間が超能力に目覚めた場合、社会が力とどう向き合ってゆくのか。悪鬼や業魔を含め、その部分が緻密に考察されていて圧倒された。中巻の時点で文句無しの名作だった。
Posted by ブクログ 2024年02月18日
上•中•下巻の感想です。
カーリーさんがおすすめしてたので、購入して読み始めました。
初めのうちはわからなかったけど、10ページ程読んで、過去に読んだ作品ということに気づきました。
3巻あるし、前に読んだ時はなぜか疲れたような記憶があるので、このまま進めるか悩みましたが、ちょっと続けたら止まらなくな...続きを読むり、完読。
黒い家を思い出すような、追い詰められる恐怖が、そして後半は生きる者として考えさせられました。
やっぱり疲れた。
Posted by ブクログ 2024年02月16日
感想
創作作品だが、人類の存在や歴史、今後の在り方について考えさせられる。
それまでの悲惨な歴史があるからだろうが、何かを守るために他人の記憶を操作し、子供を選別する世の中なんて想像するだけで恐ろしい。
今の世の中に蔓延るSNS叩きや週刊誌報道、○○ハラスメント騒動など、みんなを画一化、潔癖化す...続きを読むる世の中の動きもどうかなと思ってしまう。
あらすじ
バケネズミに温情をかけられて、早紀たちは無事に班の仲間と合流して、命からガラ郷に逃げ帰ることに成功する。
マントラを思い出し、それぞれが呪力を取り戻し、学校にも復帰して過ごしていたが、ある日、瞬が突然学校に来なくなった。瞬によれば、呪力が漏れ出し、コントロール出来なくなったことにより、周囲や自分に突然変異が発生し、業魔化してしまった。早紀は業魔化した瞬との別れを迎える。
次の冬、一班のメンバーは教育委員会によって記憶をコントロールされ、瞬のことは忘れ去っていた。早紀はそのことに違和感を感じて、誰のことを忘れていたか思い出そうとする。
やがて早紀たちは、倫理委員会の議長である覚の祖母に呼び出され、殺人衝動がある悪鬼と、呪力を撒き散らす業魔の恐ろしさについての歴史を明かされる。
ある日、守が不浄猫に襲われたとして、町から逃げ出す。真理亜と早紀と覚は後を追い、守を見つけるが、事情を聞いて町に戻れないと判断。真理亜と守を残して一度町に帰る。早紀と覚は査問委員会に掛けられるが、覚の祖母の助けもあり、二人を連れ戻そうとするが、見つけられずに町へと引き換えす。
Posted by ブクログ 2024年02月01日
異常な世界観がどんどん明らかになっていって読み進める手が止まらないです。
中弛みせず唐突でもなく絶妙な物語の展開で異常な世界観を受け入れてしまいます。下巻も楽しみです。
Posted by ブクログ 2024年01月31日
盛り上がってきました!
面白くて、本当またもや一気に読んでしまった(笑)
遂に、愛すべき5人の子どもたちの間で歯車が狂い始めます。
まさかあの人があんなことになるなんて…
全編を通して過去の回想っていうスタンスなので、
「あのときこうしていれば、こんなことにはならなかった」っていう表記があると、...続きを読むもう悪いことしか思い浮かばない…。
でも、そういった表記のなんと多いことか。
この先読むのがすっごく楽しみで、早く進めたいんだけど、嫌な予感しかしない。
それにしても。
呪力を持つ人間たちを、核兵器が無数に存在する世の中と例えているところを読んだとき、物語のストーリー設定にときめきました。
面白い!
早く下巻が読みたいです。
Posted by ブクログ 2024年01月16日
中巻も一気に読破。呪力を持った人間とバケネズミの関係性。管理する大人と選別される子供。現実の社会におけるアナロジーを彷彿とさせる設定で、まさにSF!って感じで引き込まれる。下巻が楽しみ。
Posted by ブクログ 2024年01月15日
不穏な未来、悲惨な結末を忘れたころに地の文で示唆してくる意地の悪さ(いい意味で!)
5人が1人ずついなくなっていくのは示唆されていても痛ましく、なによりも「いい子が業魔になりやすい」というのもどことなく現実の人間の在り方を反映しているようで痛い。
何を持って救いのある終わりとするかとても難しい話...続きを読むですが、下巻に期待したいです。
Posted by ブクログ 2024年01月04日
町に帰ってからが大変とドキドキしていたら、お咎めなしの上あっさり呪力も回復でき拍子抜け。しかし何事もなく平穏に時が過ぎるわけもなく、一班のメンバーに悲劇が…。早季の人格の強さに一目置かれているが、本人同様彼女の強さが私にもピンと来ない。ファンタジーの主人公なのだからもう少しヒロイックな性格でも良い...続きを読むと思う。どんどん明らかにされる世界の真実に、下巻に向けて不穏な雰囲気もピークに。人権が与えられる年齢に衝撃を受けた。上巻から折に触れて仄めかされる真理亜の罪が気になって仕方がないので、このまま下巻へ。
Posted by ブクログ 2023年12月13日
ミノシロモドキとの接触で、世界の真実を知る主人公たち。中巻では、上巻から2年後、14歳になった早季の話へと転換する。心身ともに成長した仲間たちは、思春期を迎える。上巻にあるように、本作は能力者たちが争わない愛の社会を作り上げた。その社会において、人間は性差を問わず、他者を好きになる。とくに思春期真...続きを読むっ最中の時期、学校でも同性同士でいちゃつくのは日常茶飯事である。その一方で、この時期は、内面的に非常に不安定な状態になりやすい。これが原因で、ある事件を引き起こす。本作の恐ろしいところは、優秀な呪力者なるとかつて期待された人でも、本人が少しでも情緒不安定になると、いとも簡単に抑圧され、消されてしまうことだ。悪鬼や業魔が現れないための徹底した管理型社会である。そのうえ、いつの間にか人々から忘れ去られてしまう。このように、単に呪力が優れていることが、必ずしも秩序を保つわけではない。それとは別に、人格指数という能力があり、物語の途中で、主人公が、この能力が抜きん出ていることが判明する。この箇所を読むと、指導者に求められる要素と実力(呪力)が必ずしも一致しないことがわかる。どんな危機に面しても、自身を見失わずに心を保つ、それが指導者のあるべき姿だという。
Posted by ブクログ 2023年10月12日
上巻に比べると、怒涛の展開で話が進んでいく。真ん中の巻なので当たり前なんだけど、物語の本質や本題がみえてくるのでとても読み応えがある。呪力とは何か、悪鬼とは、業魔とは、この世界はいったい何なのか。そして数々の人間とは違う生物たちもたくさん出てきて、常にわくわくさせられる。5人の子供たちの力強さ、賢明...続きを読むさ、幼い弱さや脆さ、危うさ、優しさ、それらを持ちながら成長していき、そして少しずつ歯車が狂い始め、5人が5人でなくなっていく。ところどころ出てくる触れ合う描写が印象的。平坦で平和に意図して造られた世界でも、恋や愛、体の触れ合い繋がりみたいなのは大事なんだなあ、と思ったりした。はやく下巻も読みたい。
Posted by ブクログ 2023年09月17日
上巻、中巻、下巻を読み終わったので感想。 ただただ面白い。これまた続きが読みたくて夜更かし必至。中巻では物語が大きく動き始め、人間味が出てきたように感じた。それぞれが今までの信じてきた当たり前を覆す事態に怯えながらも決断し、違和感に向かって傷つきながら進んでいく。心が痛むが皆が成長していく姿に期待も...続きを読むある。この巻で描かれた、同級生の瞬については衝撃的であったが、のちに下巻へと大事な布石となる。
Posted by ブクログ 2023年08月02日
アニメの8〜16話まで
あっという間に読み終わった、もう残り1巻しかないのが悲しい
少年漫画の主人公みたいな早季の性格が好き
瞬とのシーンも素敵だった
Posted by ブクログ 2023年06月05日
12歳から14歳になった早季たちのストーリーに移る。自分や町に対する見方が広がってきてさらにおもしろくなるし、さらに思春期独特の不安な空気感も、読んでいて見事にはまる。早季の想像を絶する別れの体験は、何度読んでも悲しい。
Posted by ブクログ 2023年06月01日
完全に新世界に入り込んだ。
今まで常識に疑いを持たなかった登場人物たちの葛藤。
恐ろしい真実が見え隠れしていてまだまだ怖い。
一体どうなることやら。
所々に出てくる残虐なシーン、主人公の心の揺れ動く様など見どころ満載。
読み進める手が止まりませんでした。
これだけ風呂敷を広げまくってどうやってまとめるのか…下巻に期待
Posted by ブクログ 2024年01月28日
上巻から積み重なってきた色んな違和感の正体がどんどん明かされはじめて、読む手が止まらなかった。最初から感じてたけど、やっぱりすごく怖い世界だ.....どんな結末になるのか全く想像つかない...(下巻へ)
Posted by ブクログ 2023年11月26日
1000年後の日本。
人間は『呪力』を手に入れた。
禁を犯して、町の外に出た、早季たち1班5人。
1班から1人また1人と姿を消して行く。
危険な兆候をみせたもの、『呪力』の能力が劣るもの…
残された者は記憶を消され、何事もなかったかのように。
そこまでしないといけないのか…
徐々に秘密が明ら...続きを読むかになっていく…
子どもたちの『呪力』は使い方を間違えば、核兵器にも勝る…
『呪力』を抑えきれなくなった瞬は…
ゴウマカ…
異常な進化を遂げた生物にも『呪力』が影響していたのか…
だんだん繋がってくる…
バケネズミ、もともとは何なんだろう…
もとの世界はなぜなくなったんだろう…
日本の人口が5万人??
いよいよ最終巻へ。
Posted by ブクログ 2023年05月20日
人物が成長することによる、社会への見方、友人との出会いと別れ。物語が一気に進んだ気がした。
社会が進むごとに社会の様相も変化していく。様々な状況がである。管理社会の理由と結末が気になる。
Posted by 読むコレ 2013年12月19日
本を読んでいると、ふと自分がどこにいるのか、一瞬だけ分からなくなる時があります。今日、まさにそんな感じになりました。
本に入り込むということは、そこに疑問や嘲りといった感情がまったく生じていない、つまり隙のない作品ということなんでしょう。なんて素晴らしい。
と、冷静を装いつつ、脳は次のダイブに向...続きを読むけて突進中です。
今日はもう遅いしやめようよ・・
Posted by ブクログ 2024年02月25日
上巻からの続きが気になり読み進められる。何がどうなるのか?ワクワクできる。下巻でこの話がどこにオチるのか?ということが気になるが、あまりそこに対する見通しは立たず。きっちりホップステップしたことは確信できる。
Posted by ブクログ 2023年12月17日
上巻に引き続き面白い。
リアルにサイコキネシスが使える人間が誕生したらそれこそディストピアの始まりなのかもしれないなと感じた。
主人公の早季が生きている時代は王朝時代やサイコキネシス誕生初期の数百年前に比べたら管理社会ではあるがまだマシなんだろうと感じた。
しかし不穏分子は早めに取り除くという消極的...続きを読むな社会の在り方にはやるせない思いがした。
特に橋本アッペルバウム症候群はパニック障害に類似した精神病ということなので早期発見・早期治療で何とかならないのか…と瞬が自殺しなければならなかったことが残念過ぎて考えてしまう。
まだまだ発展途上で課題のある社会だと感じるが、今後どう呪力と折り合いをつけて新しい社会体制にシフトしていくのかとても気になる。
Posted by ブクログ 2023年11月23日
14歳には過酷な新世界です。
悪鬼や業魔になってしまうのか?
Xか早季か、はたまた他の誰かか。
飛躍が過ぎるかな。
いや、だって新世界だから、何が起こってもおかしくないぞ。
結末やいかに・・・
下巻へ
Posted by ブクログ 2023年04月15日
2009年(第6回)。6位。
瞬がいなくなった。5人一組だから、良が加入。記憶を操作され、良が前からいるようにされた。けど違和感。でも思い出せない、顔のない彼。良では役不足でミスキャストなのだ。次は、守と真利亜。世界の外で暮らすと決意。早季は偉い人と会い、次のリダはあなただといわれる。そんなこんなで...続きを読む10代終了。残ったのは早季と覚。
Posted by ブクログ 2023年10月30日
誰が真実に近いのか。人間はどこへ進もうとしてるのか。バケネズミ怪しい…バケネズミの視点から人間を見れば、そりゃ恨みも積もるだろうな。いい加減、大人も信用できなくなってきた。
ミノシロモドキにもう一度会わせてほしいな。色々聞きたい。そして唐突な性描写には戸惑ってしまう笑
妙に狭い地域に限定された話だけ...続きを読むど日本やアジア、世界はどうなってるんだろう。日本の人口も5万人足らずという話もあった。果たしてこんな町の存在が成り立つものだろうか。
主人公は町、大人、人間の真実を突きつけられる。そして実験対象になっていた主人公は自らの意思で抗うことを決意する。
愧死機構(きしきこう)と言われる遺伝子に組み込まれた、攻撃抑制機能により、人は人を殺せない。
その機能が正常に動作しない人は悪鬼と呼ばれ、自らの力をコントロールできない人は業魔と呼ばれる。
どちらも処分対象であり、教育委員会の決議により抹殺され、人々の記憶からも消される。
残酷ながらも、人類が生きるために作られたシステムだった。
失われた記憶が主人公達を核心へと進ませる。
下巻へ進む。