貴志祐介のレビュー一覧
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購入済み
新感覚
親戚宅の本棚にあった『黒い家』で興味を持ったこの作者の作品6冊を、かなり前に此方で購入したまま未読だったのですが、漸く手を付けました。
ひたすら密室トリックのみをサクサク解き明かしていく短編集は初めてで新鮮でした。
私は会社の昼食時に読んでいるので、一編一編が調度良い長さで読みやすかったです。
私は知能が残念なので、トリックに無理がある・矛盾があるなどは見抜けないので、そのまま受け入れています。
語り手である女性弁護士・青砥が見当違いな推理や先入観で口を挟んでくるのには苛々させられましたが(お前は黙ってろ!と言いたくなる)、概ね楽しく読めました。
『硝子のハンマー』『狐火の家』も -
ネタバレ 購入済み
チェックメイト
ハスミンの計画性が怖いです。最初はいい先生で生徒のためなら躊躇わず救済しにいくというイメージでしたが、自分の国のためならどんな手段を使おうと必ず邪魔者を排除する感じが怖すぎました。
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ネタバレ 購入済み
やっぱり好きですね
私が貴志さんの本に出会ったのは、学生時代に友達からイソラを借りたのがきっかけでした。そこから10年以上たってから、別の友達に別作品を勧められました。それもあってか、運命的なものを感じます。戦闘隊形自体が変化していく過程や、持ち駒の交換などのゲーム性が魅力的です。私はSFが好きですが、この作品もSFを内包しつつ、ロジックで戦闘シーンを構築している感じがして、読みごたえがありました。終盤は悲哀の色が強いですが、人も駒のひとつであるのかと思いました。ゲームはやり直せるかもしれないですが、失ったものは取り戻せないようなビターな読了感でした。羅生門の暗闇を見ているような、そんな感じです。でも、その後にひ
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購入済み
面白いです!!
自分はゲーム大好きというわけではないですが、読んでみたらすごく面白かったです。異形の者たちがたくさん出てきて闘う設定とか、バトル要素が好きです。そしてもとは人間で、現実の棋士の世界でどう生きてきたのかを二重に描くことで、謎と、世界の奥行きが描かれていると思います。あと、生きものが好きな自分には、レムールのムササビ感とか良かったです。性格は可愛くないですが。まだ読んでいる途中ですが、同系統のバトルものがあれば買いたいくらいです。それと単純ですが、昇格後のブルガサリの漢字が強すぎる感じで滾りました!
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購入済み
期待通りだったw
貴志先生の作品はホラーが多いと思いますが、
この作品は 私としてはホラーに入れたくない作品です。
まあ心理的に怖いと思わせてくれて、とっても楽しめましたが・・・・
また、ラストのどんでん返しも見事で、やられたって思っちゃいました。
サスペンスとして最高だと思います。
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スリル満点!
本好きな義理伯父に、本棚にある本どれでも借りていって良いよと言われて手に取った本。今思えばタイトルの付け方が好きで惹かれたんでしょうね。
猟奇的なホラーは初めてではないので(小説での初は中学生の頃に読んだ綾辻行人の『殺人鬼』だった)抵抗感はなかったのですが、犯人との対決時(というか、如何にして犯人の凶行から逃れるか)は静かな広い社内で一対一という事もあり、スリル満点でドキドキしました。
エレベーターは危険に決まっとるやろー!と思わず口走ったり(笑)。サイコパスな犯人て本当に怖い。
そして彼女はお花畑すぎ。サイコパスは育った環境ではなく生まれついてのものだとする説がありますよね。だとしたら -
購入済み
名作
レビューは読まないほうが良い。ネタバレ多くて面白さが半減してしまいます。私は1年以上前に買って先日まで積んでいてこの度読んだのですが、読了後レビューを見てネタバレの多さに口閉しました。
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Posted by ブクログ
大分前に購入「積ん読」状態だったのをなぜか読みました。
正直楽しかったです。
作家さん達の代表作のスピンオフというか表題通り「サイドストーリー」。読んだことの無い作品もありましたが、丁寧に作者の横顔やメインのストーリーも書いてあるというサービス付。すべて「煙草」や「一服ひろば」に関連して書いてありますが、上手くからめてあるお話もあれば、やや無くてもいいんじゃない?的なお話も。
冲方丁の「天地明察」は読んでみたいと思っていた本だったので、ますます読みたくなりました。
貴志佑介の「鍵のかかった部屋」からのお話はドラマで見ていた佐藤浩市の芹沢がメインになったのには驚きましたが、まんまでしたね。
限ら -
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購入済み
単なるホラー小説かとおもえば…
ホラー小説といえばこれ、と勧められたので購入してみました。
内容は霊的なホラーではなく、生きている人間のサイコな行動で恐怖を煽ってくるのですが、この作品はそれだけではなく日本の生命保険をメインに据えて、人間の暗い部分を上手く描いていました。
読み終わった後、つい今の日本の福祉制度や教育現場、また人間の欲深さについて考えさせられてしまいます。
だからと言って怖くないというわけではなく、現実に十分ありえそうな、言わば身近な恐怖を感じさせられました。
「黒い家」の物語が本格的に始まるきっかけとなるシーンについては、文章だけだと言うのに鮮明な情景を想像させられ思わず身震い。文句無しに面白い作品です。