貴志祐介のレビュー一覧

  • 青の炎

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    ネタバレ

    本作は、倒叙形式で描かれる青春ミステリーでありながら、その枠には収まりきらない深い魅力を持った作品。高校生・櫛森秀一が、家族を守るために“元父親”を殺すという一線を越え、完全犯罪に挑む姿を描いた本作は、犯罪と青春、理知と未熟、正義と破滅といった対立するテーマが鮮やかに交差する、傑作ミステリー。

    本作の最大の特徴は、犯罪と学生生活が密接に絡み合っている構造にあります。殺人計画を練る主人公が、授業で学んだ物理や化学の知識を実際の殺害方法に応用し、証拠の処理やアリバイ工作もまた、学校という“日常”の場を巧妙に利用して実行される。その一方で、クラスメートとの軋轢や恋愛感情が、犯罪に思わぬ支障をきたす

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    2025年07月04日
  • 十三番目の人格 ISOLA

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    ネタバレ

    久しぶりに貴志祐介先生の作品を読んだ。
    今作では、13人の人格が入り込んだ多重人格者・森谷千尋と、相手の表情や言動から本心を読み取る能力を持つ賀茂由香里が登場する。一人だけ紛れ込んだ殺人鬼・磯良との対立は緊張感に満ち、恐ろしい展開にもかかわらず、ページをめくる手が止まらなかった。
    特に磯良の描写は凄まじく、いかに恐ろしい存在であるかがひしひしと伝わってくる。貴志先生の表現力の高さが光っていた。
    「実体がないだけに、彼女の感じた磯良の本質が、イメージとなって現れたのだ。それは、無数の手足を持ち、半ば獣と化したような、醜悪な女の姿だった。」
    「磯良は、無数の手足を蠢かしながら言った。にやにや笑って

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    2025年07月02日
  • 兎は薄氷に駆ける

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     オーディブルで聴きました。展開のリズムがいいのでスームーズに聴けます。取調べの描写も裁判の展開もとても素晴らしいと思います。最後の落ちはあまり褒められませんが、とてもいい作品だと思いました。

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    2025年07月01日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    豪華作家陣による多様なホラー短編集で、「最大級の恐怖」というテーマをミステリや心理、怪談、幻想など多彩なアプローチで表現している。
    日常に潜む不気味さや人間の闇を掘り下げられていた。
    特にミステリ好きに響く作品が多いような気がして、ホラーもミステリも好きな自分のような読者には、どんぴしゃで刺さる作品だった。
    全体的に新鮮で読み応えのある一冊。

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    2025年06月29日
  • 梅雨物語

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    ネタバレ

    3つの作品が収録され、いずれもホラー小説である。最初と最後のものは、冒頭に謎が提示されて、話が進みにつれて、その謎が明かされるという構成となっているが、それと同時に、実は恐ろしいことが潜んでいたことが判明していく。ホラーに加えてミステリー要素も含まれている。2つ目の話は、著者の過去作『クリムゾンの迷宮』、『ダークゾーン』を彷彿させる内容であった。

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    2025年06月28日
  • 悪の教典(下)

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    怒涛の展開だった下巻。ハスミンの発想がヤバすぎてついていけないが、何故かこの異常性にひきつけられる。インパクト大な小説。

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    2025年06月26日
  • 梅雨物語

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    貴志祐介が得意とする謎解き要素と、人怖ホラーを巧みに組み合わせた3作でした。

    「皐月闇」は前半と後半でこんなに変わるのか、というくらい状況が一変。ホラーでありながらミステリ的どんでん返しも楽しめます。
    「ぼくとう奇譚」、「くさびら」は現実世界に悪夢が侵食してくる、幻想文学のような趣の作品です。

    毎度のことながら、様々なジャンルに精通しているその博識さと、それでいてスッと入ってくる文章力には脱帽です。
    ちゃんと怖いホラー小説を読みたい方におすすめの1冊。

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    2025年06月28日
  • 罪人の選択

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    夜の記憶デビュー当時のものなの?!?!
    SF苦手ではあるけど貴志祐介のものは何故か読めちゃうんですよね…。
    でもやっぱり罪人の選択がいちばん面白かった。

    最後の赤い雨はずっとエヴァが頭から離れなくて困ってました笑

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    2025年06月23日
  • 秋雨物語

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    現実的な描写の中に超常現象が混ざり、どこまでが本当でどこまでが空想かあいまいなまま読者に不気味さを与えてくる。

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    2025年06月22日
  • 悪の教典(下)

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    人間の感性が欠落した教師が学校で大量殺人をする話。上巻では、教師の計算し尽くされた奇行に感服していた。登場人物が多いのにも関わらず、教師にスポットライトが当たり、終始整然と物語が進行していた。下巻には上巻の比ではない恐怖があった。特に「死体を隠したければ、死体の山を築くしかない」という言葉を見た時の感情は一生忘れないと思う。こんなに恐ろしい話であるのに、好奇心によってページ巡ってしまうのは、自分も教師に魅せられているのかなと思ってしまった。

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    2025年06月19日
  • 悪の教典(下)

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    メディア化にもなった話題作、下巻。
    プロット先行で肉付けしたのではと思われる中盤からの展開には、それまでの緻密な積み上げを破壊する衝撃があった。
    舞台装置感がやや強い場面は多かったが、純悪を描いた作品の中では、やはり出色の出来だと思った。

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    2025年06月18日
  • もの語る一手

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    ネタバレ

    将棋ほとんど知らないけど惹き込まれる。将棋に魅せられた人たち。子どもの成長。賭け将棋。子どもの頃は天才。それて世界は厳しい。かーくん。千代倉。なれなかった人。なれなかった人はやっぱりなれなかった人。天才は天才。おまえレベルの話はしてない。やめ時。女。

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    2025年06月13日
  • 兎は薄氷に駆ける

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    兎が囲いの中に入れられると冤罪の冤の字になる。
    逮捕されて取り調べを受ける被疑者は薄氷の上を.警察や検察の手から逃れようとはしる。
    父が冤罪で捕まり、獄死したせいで人生を壊された日高英之が伯父殺しの罪で投獄される。
    取り調べを受けて自白する英之。その裁判の過程で色々な事実が判明する。伯父の罪は何だったのか?
    英之は何をしたいのか?
    弁護士の手伝いで事件調査をする垂水が感じた違和感の正体は?
    世間で騒がれる冤罪事件は、過去だけではなく現代でさえ実在する。
    今騒がれている冤罪事件を見ていても、無実の人間を陥れようとするずる賢い狐のような警察や検察がいるのが明らかにされるとやり切れない気持ちになる。

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    2025年06月13日
  • 悪の教典(上)

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    メディアを沸かせた作者の超話題作。
    設定は少し陳腐だが、主人公の教師が異常な事について、実は序盤からあまり隠されてはいない。
    ゴールをそこに据えず、900p超の長大なボリュームを多数の生徒・教師たちを絡ませ重層的に読ませる作者の構想力と、上質なエンタメ性を混ぜ込むバランス感覚は流石の一言。

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    2025年06月13日
  • もの語る一手

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    ネタバレ

    将棋がテーマのアンソロジー。

    お気に入りは青山さん「授かり物」

    有名な棋士と、同じ年で同じ誕生日の息子を持つ松原芳枝。シングルマザーとして息子を育てていたが、20歳になった歳に漫画家のアシスタントになると言い出し…

    ひょんなことから出会った将棋を指す老人と出会い、将棋の奥深さにハマっていく芳枝。これまでの人生と将棋を掛けた描写にじんわりきました。

    綾崎さんの「女の戰い」

    あくまで棋士を目指す朱莉。女流棋士とは違い狭き門で、保険で東大へ入学できるのも凄いです。
    ライバルだけど、友達以上恋人未満な関係の京介が心地よく、認めてくれる人がいるだけで強くなれる関係がまた更に朱莉を上へ連れてって

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    2025年06月09日
  • 新世界より(中)

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    管理された世界。その中で気づき、抗うのか。
    知識の大切さ、歴史を学ぶことの大切さを感じる。
    どうなるんだろうこれから。

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    2025年06月09日
  • 天使の囀り

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    人に映像を想像させる文章が巧みすぎる。その一言に尽きるゾワゾワ感が終始続く小説でした。どことなくずっと漂う不気味さ。解決したはずなのにしてないような不快感。これぞ、貴志祐介さんのホラーなのかなぁと思いながら読ませていただきました。ありがとうございました。

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    2025年06月06日
  • 硝子のハンマー

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    ネタバレ

    密室で起こった殺人事件を特にあたり、いろいろな視点からのトライが丁寧に表現されていて分かりやすかったですね。
    WHOよりもHOWが気になる作品と感じました。

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    2025年06月03日
  • 新世界より(中)

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    上巻より格段に読みやすくなってる!面白くなってる!

    ファンタジー系の長編小説だと仲間はずっと仲間だけど、どんどん居なくなってその描写がとても切なくてどんな終わり方を迎えるのか期待して
    下巻に続く…

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    2025年06月02日
  • もの語る一手

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     将棋に絡めた短編集。どれもこれもおもしろかった。ドキドキ、ハラハラ、おおっ、しみじみ、ほろり。いろんな感情を味わえました。1番のお気に入りは「なれなかった人」。棋士たろうとする凄みがすごかった。

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    2025年05月25日