貴志祐介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人間は自己を高尚で倫理的な生き物と見做してしまうが、その実、性的接触や生命維持システムの利用といった動物的側面で管理しないと互いに損ない合うような残忍な生き物かもしれない、というところがわくわく
悪鬼や業魔、呪力というワードの登場や語り口調から、霊的世界が舞台で、科学的世界との接点がない話かと思っていたが、話の展開に伴い、実世界から全く想像できない話でもないのかもと、どんどん今の私たちの暮らす地面にも足場が降りていく感覚に引き込まれる
これからどういうふうに世界のシステムが明らかになっていくのか楽しみ
前読んだ時は中巻下巻読まずに放置してたから今回こそ最後まで見届けたい -
Posted by ブクログ
貴志祐介の作品は色々読んだけど、ハードカバーは初めてだった。
イマイチまとまりが無い、伏線回収が甘い、人物が深掘りされていないなどこんなにアッサリした書き方だったか?と疑問に思ったけど、連載をまとめたものだったので腑に落ちた。
一冊丸々書き下ろしならまた違ったのかもしれない。
オカルト、呪い、祟りゃ黒魔術、悪魔崇拝(?)などなどが私の好きな要素一杯で、日本モチーフでありつつも西洋ゴシックな要素も入り交じる不思議なお話。
呪物に関する細かいストーリーや、それらが福森家に繋がるのか繋がらないのか。
読み進めてワクワクして、騙されて…の連続。
現実とフィクションが入り交じるモキュメンタリーのようで -
Posted by ブクログ
一気読みしました。筆者作品のうちミステリー分野は「懲りすぎてて、よくわからない」ものも多く少し敬遠していましたが、本作品は謎解き要素は最小限として、多くを裁判の舞台劇としたことが良かったと感じました
あらすじ
ある嵐の晩、資産家男性が自宅で命を落とす。死因は愛車のエンジンの不完全燃焼による一酸化炭素中毒。容疑者として浮上した被害者の甥、日高英之の自白で事件は解決に大きく向かうと思われたが、それは15年前の殺人事件に端を発する壮大な復讐劇の始まりだった。“犯罪者”を執念深く追い詰める警察・検察、英之を献身的に支える本郷弁護士、その依頼で事件調査を始めた元リストラ請負人の垂水、恋人の無実を信じて -
Posted by ブクログ
ネタバレホラー短編4作品、どれも趣向が違っていて楽しめた。
「餓鬼の田」
怖いというより可哀想な話だった。餓鬼の飢えが癒えることはないのだ。
「フーグ」
寝ている間に自分の意思が通らない・制御できないという点で、実際に悪夢を見た時の感覚が想起され、その無限に膨らんでいく恐怖がとても良かった。監視カメラの映像を確認しているシーンは、その様子が頭に浮かんできてより不気味さが増した。部屋の隅にうずくまっているのって、たとえそれが生きている人間であっても妙に怖い。霊能者が「餓鬼の田」に出てくる人と同一人物に思えるので、その後も登場するかと少し期待してしまった。この霊能者目線の物語も読んでみたい。
「白鳥 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作は、倒叙形式で描かれる青春ミステリーでありながら、その枠には収まりきらない深い魅力を持った作品。高校生・櫛森秀一が、家族を守るために“元父親”を殺すという一線を越え、完全犯罪に挑む姿を描いた本作は、犯罪と青春、理知と未熟、正義と破滅といった対立するテーマが鮮やかに交差する、傑作ミステリー。
本作の最大の特徴は、犯罪と学生生活が密接に絡み合っている構造にあります。殺人計画を練る主人公が、授業で学んだ物理や化学の知識を実際の殺害方法に応用し、証拠の処理やアリバイ工作もまた、学校という“日常”の場を巧妙に利用して実行される。その一方で、クラスメートとの軋轢や恋愛感情が、犯罪に思わぬ支障をきたす