貴志祐介のレビュー一覧

  • 秋雨物語

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    現実的な描写の中に超常現象が混ざり、どこまでが本当でどこまでが空想かあいまいなまま読者に不気味さを与えてくる。

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    2025年06月22日
  • 悪の教典(下)

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    人間の感性が欠落した教師が学校で大量殺人をする話。上巻では、教師の計算し尽くされた奇行に感服していた。登場人物が多いのにも関わらず、教師にスポットライトが当たり、終始整然と物語が進行していた。下巻には上巻の比ではない恐怖があった。特に「死体を隠したければ、死体の山を築くしかない」という言葉を見た時の感情は一生忘れないと思う。こんなに恐ろしい話であるのに、好奇心によってページ巡ってしまうのは、自分も教師に魅せられているのかなと思ってしまった。

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    2025年06月19日
  • クリムゾンの迷宮

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    最初の入りは、なんだかそこまで興味が持てなかったが、
    読み進めるうちに次が気になり次が気になりで
    ページを進める手が止まりませんでした。
    サバイバルホラー、狂気的な感じが貴志祐介の良さですね。

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    2025年06月18日
  • 悪の教典(下)

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    メディア化にもなった話題作、下巻。
    プロット先行で肉付けしたのではと思われる中盤からの展開には、それまでの緻密な積み上げを破壊する衝撃があった。
    舞台装置感がやや強い場面は多かったが、純悪を描いた作品の中では、やはり出色の出来だと思った。

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    2025年06月18日
  • もの語る一手

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    ネタバレ

    将棋ほとんど知らないけど惹き込まれる。将棋に魅せられた人たち。子どもの成長。賭け将棋。子どもの頃は天才。それて世界は厳しい。かーくん。千代倉。なれなかった人。なれなかった人はやっぱりなれなかった人。天才は天才。おまえレベルの話はしてない。やめ時。女。

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    2025年06月13日
  • 兎は薄氷に駆ける

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    兎が囲いの中に入れられると冤罪の冤の字になる。
    逮捕されて取り調べを受ける被疑者は薄氷の上を.警察や検察の手から逃れようとはしる。
    父が冤罪で捕まり、獄死したせいで人生を壊された日高英之が伯父殺しの罪で投獄される。
    取り調べを受けて自白する英之。その裁判の過程で色々な事実が判明する。伯父の罪は何だったのか?
    英之は何をしたいのか?
    弁護士の手伝いで事件調査をする垂水が感じた違和感の正体は?
    世間で騒がれる冤罪事件は、過去だけではなく現代でさえ実在する。
    今騒がれている冤罪事件を見ていても、無実の人間を陥れようとするずる賢い狐のような警察や検察がいるのが明らかにされるとやり切れない気持ちになる。

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    2025年06月13日
  • 悪の教典(上)

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    メディアを沸かせた作者の超話題作。
    設定は少し陳腐だが、主人公の教師が異常な事について、実は序盤からあまり隠されてはいない。
    ゴールをそこに据えず、900p超の長大なボリュームを多数の生徒・教師たちを絡ませ重層的に読ませる作者の構想力と、上質なエンタメ性を混ぜ込むバランス感覚は流石の一言。

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    2025年06月13日
  • もの語る一手

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    ネタバレ

    将棋がテーマのアンソロジー。

    お気に入りは青山さん「授かり物」

    有名な棋士と、同じ年で同じ誕生日の息子を持つ松原芳枝。シングルマザーとして息子を育てていたが、20歳になった歳に漫画家のアシスタントになると言い出し…

    ひょんなことから出会った将棋を指す老人と出会い、将棋の奥深さにハマっていく芳枝。これまでの人生と将棋を掛けた描写にじんわりきました。

    綾崎さんの「女の戰い」

    あくまで棋士を目指す朱莉。女流棋士とは違い狭き門で、保険で東大へ入学できるのも凄いです。
    ライバルだけど、友達以上恋人未満な関係の京介が心地よく、認めてくれる人がいるだけで強くなれる関係がまた更に朱莉を上へ連れてって

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    2025年06月09日
  • 新世界より(中)

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    管理された世界。その中で気づき、抗うのか。
    知識の大切さ、歴史を学ぶことの大切さを感じる。
    どうなるんだろうこれから。

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    2025年06月09日
  • さかさ星

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    ついつい読んでしまう家ホラー。たっぷりの外連味&呪物フェス感が映画『来る』っぽくて楽しかった。

    ただ、こわいかと言われると、和ホラーのこわさはあまり感じなかった。やはり日常に貼りついてくる『残穢』や『リング』のような路線が一番こわい。

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    2025年06月09日
  • 天使の囀り

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    人に映像を想像させる文章が巧みすぎる。その一言に尽きるゾワゾワ感が終始続く小説でした。どことなくずっと漂う不気味さ。解決したはずなのにしてないような不快感。これぞ、貴志祐介さんのホラーなのかなぁと思いながら読ませていただきました。ありがとうございました。

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    2025年06月06日
  • さかさ星

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    ネタバレ

    いや、コワかった。早く、いろいろ解決したラストまで読んで安心したくて、1日で読み切った。

    福森家という旧家で起きた、凄惨な殺人事件。親戚筋の青年、中村亮太が、祖母の雇った凄腕霊能者である賀茂禮子と共に、事件の調査をする。
    まず、事が戦国時代から始まっているのに驚いた。ご先祖様がやらかしたツケを、子孫が被るという理不尽さもさることながら、「呪う」という感情の、粘着質な根深さには、背筋がゾッとする。

    なんでも視えてしまう禮子と、ホラー系ユーチューバーではあるけれど、読者と視点を共にする素人代表の亮太。亮太は、禮子の事を胡散臭い目で見ながらも、そのシゴデキぶりに驚嘆し、徐々に信頼していくようにな

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    2025年06月04日
  • 新世界より(中)

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    上巻より格段に読みやすくなってる!面白くなってる!

    ファンタジー系の長編小説だと仲間はずっと仲間だけど、どんどん居なくなってその描写がとても切なくてどんな終わり方を迎えるのか期待して
    下巻に続く…

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    2025年06月02日
  • 新世界より(上)

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    出だしから物語の展開に期待。
    子供の頃の5人の仲間が夏サバイバルキャンプから
    始まるこの街の真実。
    行ってはいけない、やってはいけない。
    子供の頃には危険がいっぱいの千年後の世界。
    不気味な生き物たちは、何故進化したのか?
    288ページから始まる驚異の世界。
    そこまでは、
    ゆっくり何も知らない子供の気持ちで、
    読み進めよう。

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    2025年05月29日
  • 新世界より(上)

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    ネタバレ

    すごい世界観!
    今から約千後の呪力に支配されている世界、がっつりSF。
    最初は世界観が掴めず??という感じだったけど上巻の100〜200ページ読み進めたあたりから一気にのめり込んでしまった。上中下巻ですごく読み応えあり面白かった!
    よく分からない生物が色々出てきた部分はちょい読み飛ばしました。。

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    2025年05月28日
  • 新世界より(上)

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    SFと思い読み始めてみたら確かに設定はSFなのだけれど、魔法ファンタジー要素のが強かったです。数々の虫たちが登場して虫嫌いにとってちょっとウェッとなりながらも続きが気になって止められません。中へ行ってきます→

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    2025年05月27日
  • もの語る一手

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     将棋に絡めた短編集。どれもこれもおもしろかった。ドキドキ、ハラハラ、おおっ、しみじみ、ほろり。いろんな感情を味わえました。1番のお気に入りは「なれなかった人」。棋士たろうとする凄みがすごかった。

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    2025年05月25日
  • もの語る一手

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    全く将棋が強い訳でもないが、将棋にまつわる小説やノンフィクションは個人的に好きな分野。粒揃いな作品群の中でも、葉真中氏の「マルチンゲールの罠」、橋本氏の「なれなかった人」、綾崎氏の「女の戦い」、そして奥泉氏の「桂跳ね」あたりが特に面白かった。芦沢氏は「神の悪手」が滅茶苦茶面白かったので期待大だったが、本作の「おまえレベルの話はしていない(大島)」はそれほどでもなかった。

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    2025年05月15日
  • 新世界より(中)

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    ふう。記憶がなくなってた。軽く10年ぶりだし仕方ないか!
    繊細で聡い貴方が1番好きです.上巻でも予告されてた通りだったけどやっぱり悲しいもんで涙が出ました。
    主人公はほんとうに主人公らしく、くどくてあまり好みではないけど応援しちゃいます。

    読むのが止まらない

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    2025年05月14日
  • クリムゾンの迷宮

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    この手のジャンルが好きなので、飽きることなく読み終えた。
    もっと他の人間とのやり合いもあって良かった気がするが、胸糞展開は好きではないので、このくらいでもちょうど良かったかもしれない。
    ただ性格的にスカッとした結末が好きなので、藍が色々隠していたことを本人に追及してほしかった。
    あと純粋にホラーやミステリを楽しみたいからセックスはしなくていい。せっかくのめり込んで読んでるのに気が散る。

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    2025年05月11日