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Posted by ブクログ
先が気になるし、おもしろくないわけではないんだけど、結局誰にも感情移入できずに読み終わってしまった。
父親が冤罪で殺人犯となりつらい思いをした日高英之の、そのつらい思いの描写が少なかったせいかな。
千春もなんでそこまで協力するのかよく分からないし。
読んでいて応援する気持ちが不思議と湧かなかったんだよね。
たまたま検察が感情的な人だったからラッキーだったんじゃないのか…?
冤罪を生む取り調べはあるだろうと思うけど、検察官ってもっと冷静で頭がいい印象だから、どうにか切り抜けそうだけどな。
なんかモヤモヤっとした気持ちを残したまま終わってしまった。
Posted by ブクログ
読みやすい。直前に読んだのが飴村行で、同時進行で読んでいるのが三津田信三だから余計に圧倒的だ。
語り手はリストラされた会社員で、現在無職の中年男性。実際の主役はタイトルにある兎、つまり被告人であることは読み始めてすぐに分かる。今時の若者で、多少含みはあるもののなかなかの好印象、しかし終盤に入ると雲行きはどうもおかしくなり……
ところで貴志祐介は、会社員の悲哀を滲ませたちょっと情けない中年男性を描くのがやたらと上手い。『クリムゾンの迷宮』の藤木が正にそれ。思わず我が事のように感情移入させてしまう力がある。
また、悪役もやたらと魅力的に描き出す。今回は起訴した検事と取り調べにあたった刑事だが、キャラクター性が突出していて、決して好印象ではないが敵役として文句なしの働きを務めている。おかげで、公判でのやり取りは緊張感みなぎりつつも思わず吹き出してしまうところがいくつもあった。
この公判が本作のメインで、楽しめる部分。
サスペンスかミステリーかギリギリのラインで、謎は兎の内面にある。
兎が本当に求めていた望みが果たされる場面こそクライマックスのはずなのに、この終わり方は…そこを作品外に置いた方が、直接語るよりも強い訴求力があると結論づけたためなのだろう。
確かに、全編を通して訴えたいのであろう内容は、よく伝わってくる。兎本人も、代理人である弁護士も、同じ内容を何度も叫んでいる。
けれど読者としてはやっぱり描いてほしいと思ってしまう。この終わり方だと、どうしても「俺たちの戦いはこれからだ!」感が拭えない。
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