貴志祐介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった、、、、、、上中下巻と3冊ぎっしりで初めての貴志裕介さんで読み切れるか不安だったけど待った問題ない、一気読みだった
人間が自分たちを神様と呼ぶ世界。
じわじわと迫る気持ち悪さ。
これぞドキドキ(ゾクゾク?)ワクワクという感じで映像を頭です思い描いちゃうのが怖い時もたくさんあった…!
最後に人間が優勢になっても、ああよかったハッピーエンド、とは全く思えなかった。
友達で信頼できるはずの覚がバケネズミ相手になると惜しみなく滲み出す殺意と狂気。
バケネズミが人間に反逆したことを心の底から疑問に思っている主人公たち。
人間の味方をしたい気持ちと、どうしても味方になりきれなさがずっとあって、野狐丸の言っていることの方が納得感があるのも、なんだか悲しかったけど、戦争が終わって主人公たちがバケネズミの昌泰に気づいた時、うわぁぁって色んなパズルがはまっていった。
人間の自分達は神なのだというあまりに醜い傲慢さを突き付けてくる物語。
最後の最後まで面白く、感情をかき乱された。
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Posted by ブクログ
ネタバレ前巻までの伏線が一気につながり、さらに加速しました。
悪鬼と思われていた存在が真の悪鬼ではなく、真理亜と守の子どもであり、バケネズミを同族として育てられたため、人間を殺しても愧死機構が働かない。
この発想には完全にやられた。
そして最大の衝撃は、バケネズミがそもそも呪力を持たない旧人類が改造された存在だったこと。
人間側が作った「自分たちなら殺せる別種」という抜け道を、スクィーラが逆に利用していた構造が見事だった。
このスクィーラは最後まで狡猾で恐ろしかったが、最終的には「我々は人間だ!」という誇りを失わなかった人物として強く印象に残った。
自分のためではなく、同胞の尊厳と解放のために全てを賭けた革命家として見ると、彼を主人公にした物語すら成立すると思う。いや、むしろ見たい。
そして何より奇狼丸。
賢く勇猛で、自分の強さもその価値も分かっている。
それでも大義のためなら自分自身を例外扱いせず、必要なら当然のように、犠牲として差し出す。美しい!
その潔さと忠義、最後の自己犠牲が圧倒的に好みだった。
スクィーラが軍師・革命家なら、奇狼丸は将軍・武人。
個人的には奇狼丸が、この作品で最も好きな人物だった。
全体を通して、学園、SF、ミステリー、ホラー、歴史、戦争、恋愛、政治、倫理、生物学まで、あらゆるジャンルが入っていること自体が驚きなのに、不思議と最後には一つの世界として収束する。
読後には「なんだか世界そのものを一冊読んだ」ような満足感が残った。最高でした。
最後に、「遠き山に日は落ちて」あの曲が物語の中で何度も流れることで、ノスタルジックな雰囲気と、
「夕暮れ」
「帰る場所」
「失われた故郷」
「もう戻れない世界」
みたいな感覚が重なって、タイトルの『新世界より』ともかなり強く響き合っていました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全巻を通して、とにかく没入感の凄い物語だった。長い作品ではあったけれど、それを感じさせないほど世界に引き込まれ、読み終えたあとの満足感も大きい。
下巻では絶望的な状況がこれでもかというほど続く。追い詰められていく登場人物たちの心情や、その場の空気まで伝わってくるような風景描写には凄まじい臨場感があり、読んでいるこちらまで息苦しくなるようだった。
中でも、真理亜と守の最期はあまりにも救いがなさすぎて辛かった。物語が終わってみれば、幼なじみだった5人のうち3人が犠牲になっている。その事実を改めて考えると、本当にやるせない。
そして何より印象に残ったのが、人間とバケネズミの関係だった。
もちろん、野弧丸が行ったことは到底肯定できないほど残虐だった。それでも、人間がそれまでバケネズミをどのように扱ってきたのかを考えると、単純に「野弧丸が悪だった」とは思えなかった。
人間はバケネズミの生殺与奪の権利を握り、自分たちの都合次第でコロニーそのものを消滅させることさえできる。そんな圧倒的な力を持つ存在に支配される側からすれば、生き残るために反逆を企てること自体は理解できる。
それにもかかわらず、人間たちは「バケネズミが自分たちに逆らうはずがない」と高を括り、彼らをぞんざいに扱い続けた。
先史文明が滅びてから1000年もの時間が経っても、圧倒的な力を手にした者が弱者を支配し、その反発によって再び争いが生まれる。結局、人間は歴史から何も学んでいないのではないか。そんな人類の愚かさを感じた。
そして最後に明かされる、バケネズミの正体。
彼らが「呪力を使えない元人間」だったという事実を知った瞬間、それまで見てきた世界の意味が一変した。
自分たちの社会を維持するために、同じ人間だった者たちを人間ではない存在へと変え、支配する側と支配される側を作り上げた。その事実には、人類の愚かさというより、もはや絶望すら感じた。
誰が善で誰が悪なのか、簡単には割り切れない。
平和な社会を守るためなら、どこまでが許されるのか。
人間とは何なのか。
壮大な物語を楽しませながら、最後にはそんな問いまで突きつけてくる作品だった。
読み終えた今、この長い物語を最後まで読んで本当によかったと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻で抱いていた世界への疑問が少しずつ明らかになり、この社会がなぜ子供たちをあれほど厳格に管理しているのか、その理由が見えてきた。
やっていることだけを見れば教育委員会はあまりにも残酷で、到底受け入れられるものではない。それでも、呪力を持つ人間が存在するこの世界の過酷な現実を知ると、すべてを単純に「悪」と切り捨てることもできない。現代の倫理観だけでは推し量れない世界なんだと感じた。
そして何より、真理亜がいなくなったことが本当にショックだった。
世界の真相をもっと知りたい。この先どうなるのかも気になる。それなのに、真理亜のことを考えると続きを読むのが怖い。
上巻では「この世界の謎を知りたい」という気持ちが強かったけれど、中巻を読み終えた今は、早季たちがこれからどうなってしまうのかという不安の方が大きくなっている。
ここまで物語に感情を持っていかれるとは思わなかった。
怖い。でも、下巻を読まずにはいられない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ序盤は世界観の説明や平和な日常が続き、正直なところ、よく分からないまま読み進めていました。
ただ、その日常の中にも所々に「何かがおかしい」「この世界、どこか不気味だな」と感じさせるものが散りばめられていて、その違和感が少しずつ大きくなっていきます。
そして後半からは一気に物語が動き始め、そこからは時間を忘れて没入して読み進めていました。
なぜバケネズミは人間に従っているのか。
バケネズミの「変異体」とは何なのか。
なぜ大人たちは先史時代の記録を抹消し、過去を隠そうとしているのか。
そして、覚の言った「今が一番危険な状態」とは何を意味しているのか。
上巻を読み終えた時点でも分からないことだらけで、むしろ読み進めるほど謎が増えていく。
序盤に感じていた何気ない違和感も、この先すべて意味を持ってくるのではないかと思うと怖くもあり、楽しみでもあります。
この世界の正体は何なのか。
早く続きを読みたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ特に詳しい説明もないまま、不穏な空気を出しながら、凄惨な殺人現場になったと思われるお屋敷で、次々と霊能者が霊視をしていく。主人公はYouTuberという設定で、それをカメラにおさめていく、という物語進行。とにかく呪物ありすぎ。それにまつわる歴史や登場人物もありすぎ。覚えられない。
なんかホラーゲームのような物語だなと思った。クロックタワーゴーストヘッドを思い出した。ちょっとちがうけど。たくさんの呪物。その中でも特級呪物もあるし味方になる呪物もあるしそれをどう見極めるのか?黒幕は誰?次に呪いの標的になるのは誰?それをどう守る?最後は霊能者とも分断されてYouTuberひとりで戦わないといけない。うまく作られてるなーと思った! -
Posted by ブクログ
ネタバレ賢く家族思いの青年が、燃えるような青の炎を滾らせ、冷酷な犯罪に手を染めていく。第二の犯罪に手を伸ばしたとき、もう彼は戻ることはできないということを突きつけられるようで、読んでいて苦しかった。
秀一よりは人生を生きてきた自分からすると、もっとこうすればよかったのにと、色々と思いを巡らせては悔しくなる。だが、家族と学校以外にほとんど社会との接点を持たない、これくらいの年齢の子だからこそ、こういう選択を取ってしまうのかもしれない。
親心としては、子が死ぬこと以上に辛いことはないし、子の罪は代わりに自分が償ってあげたい、極刑を言い渡されるならば代わりに自分が罰を受けたい、くらいの気持ちになるのだと思う。それが子ども側からすれば、そんな親心を本当の意味で理解するのは難しいのだろう。
だからこそ秀一は、最後にあの選択をしてしまったのだろうか。
少年法の年齢引き下げ、廃止を求める声が大きくなっている今、何も考えず本当にその流れに任せて声をあげていいのか、考えてしまう。