貴志祐介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
怖い。明日は我が身と、ただただ怖い。
ねっとりとした闇、鼻にこびりつく臭い、大変読み応えがありました。
平和に生きている人間にとって、身近にありふれているものが脅威に転じることほど怖いものはない。
明日は我が身かもしれない……それくらいに日常に溶け込んでいるものが、段々と牙を剥いてこちらを見据えてくるのが本当に心臓を鷲掴みにされたかのような心地で読まされました。
情景、人物像が容易に想像できて、読みやすく、とても怖い! 読んだのが子供のころでなくてよかった。
映画を勧められた際に、まずは原作からと読みましたが……たぶん自分の想像を飛び出したら恐怖に耐えられないかなと言う気がします。 -
Posted by ブクログ
非常にグロテスクなシーンが含まれるため、文章でもグロテスクなものが苦手な人は避けるべき。それを除けば素晴らしいミステリホラー。
主人公北島早苗の彼氏である高梨のメールから話はスタートするが、このメールにしっかりと重要な情報が書かれており、物語が進むにつれてメールの伏線が回収されていく進行は読者を飽きさせない。専門性の高い情報もあるが、わかりやすく説明されており、すらすらと読み進めることができる。
ここからは超個人的な感想。
途中から『サナエちゃん、がんばって…!』とずっと応援してた。頑張り屋さんの早苗ちゃんがあまりにも不憫すぎて、幸せになってくれ~!とうちわを振ってました。過酷な環境に自ら身 -
Posted by ブクログ
どちらかといえばミステリー寄りではあるが、ホラーとミステリー両方の作品を書いてきた貴志祐介だからこそ書けるホラーミステリー三編作。
どの中編も甲乙つけがたく、「皐月闇」では、後半一気にひっくり返したような作品の展開に読む手が止まらない。
「ぼくとう怪譚」は時代小説のような雰囲気があり、少々現実から逸脱したホラー要素が作風にマッチしている。
最後の「くさびら」は視点移動、叙述的要素を含んだ作品となっており、奇妙であって神秘的、そして切なく、最後を飾るにふさわしい作品。「生者と死者の別れは、生者が死者を忘れるのではなく、死者が生者を忘れることである」という一節がどことなく心に残る。 -
Posted by ブクログ
とにかく、黒い、グロい、怖い。
手に汗握るホラー作品。
シチュエーション描写がリアルすぎて、脳内では再生が容易なのも凄い。。。
何年も前に、映画の予告としての黒い家をみたと思うのだが、そのインパクトもあってか、ずっと気になっていた作品。
主人公は保険の調査員である若槻。しかも、扱うのが生命保険のため、扱う値段も高額でかつ、人の死に触れるという非日常が日常となる特異な業務を行っていた。そして、対応する客はヤクザまがいの詐欺師やヒステリックな人間ばかり。それだけでも十分な鬱要素だが。そんな奴らより危険で関わってはいけない人間、、それがサイコパス、、。奴らはその毒牙を隠して、巧みにこちら側へ侵入 -
Posted by ブクログ
2026年最初に「面白い!」と感じた本。さすがの貴志祐介、読み応えがあった。使われている言葉やモチーフでも、読書欲や知的好奇心のようなものが満たされた。1ページ目からクライマックスのような疾走感ある作品。
あまりにも最初からが面白すぎて、途中で中弛みもしたが、途中でふとページ数を確認したときに「まだこんなにページが残っている」という感覚が良い。よくこの題材で、これだけのボリュームのものを書いてくれたものだ、という満足感があった。通常の作家なら同じような題材でも、この半分のページ数で終わっていそうなものである。
ホラーミステリーの場合、犯人探しや死因究明の際に「不思議な力があるならなんでも