貴志祐介のレビュー一覧

  • 梅雨物語

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    ネタバレ

    恐怖と謎解きを堪能できる3遍。

    「皐月闇」
    元教師で俳人である作田慮男の元に、かつての教え子である菜央が訪ねて来る。自死した兄が残した句集を読み解き、兄がなぜ死を選んだのか明らかにして欲しいと言う。作田は認知症なのを自覚しているが依頼を受け、俳句の解釈を進めながら、兄の心情、行動を探っていく。しかし明らかになったのは、驚くべき真実で‥。
    一見、優秀な俳人で元教師でもある作田が、実は‥というのがまず驚きで、俳句を通して暴露される過程が面白い。でも俳句の解釈って、難しい!そして、非常に根気のいる方法で復讐しようとしている菜央。強い女性だけど、可哀想でもある。

    「ぼくとう奇譚」
    昭和初期の銀座。

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    2025年11月27日
  • 黒い家

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    子供が親に殺されるって事が辛すぎる。

    ヒトコワの頂点作品です。

    頭のおかしい人に執着されるのが人生で1番の問題。災害と変わらない、どうしようもない。

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    2025年11月25日
  • 天使の囀り

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    Audible!!

    2000年作品なのに、今聴いても全然古く感じなくて、気づいたら貴志さんの世界にすっかり引き込まれました。

    冒頭はホラーっぽい不気味な雰囲気から始まって、奇妙な自殺が続いていくんだけど、その行動には“なぜか自分の嫌いなものをわざわざ選んでしまう”みたいな共通点があって、ゾワッとする。

    話が進むにつれて、その恐怖がだんだん形を変えて、サイエンスミステリーっぽくなる感じが面白い。ホラーの怖さと、科学の冷たさが混ざり合ってく感じ。

    『我々はみんな死を待ち侘びている
    生きている間しか、死ぬ悦びを感じられない』

    作中のこのフレーズがやばい思想だけど、妙にわかるような気もして不

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    2025年11月22日
  • 新世界より(下)

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    ネタバレ

    確かに「新世界より」って話だった。
    今の文明が滅んだのちのユートピア風ディストピアで設定も雰囲気もすごく良かった。
    超能力を持っても人は平和に暮らすことができないんだなと、人が人であることを辞めないと、戦争やら差別は無くならないんだなと思った。
    被差別階級とパワーエリートの差は遺伝的差異と生殖隔離によって完成した。
    残念ながら、こうなってしまっては化けネズミにクーデターのチャンスはないね。

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    2025年11月18日
  • 新世界より(下)

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    とんでもなく面白かった。

    最初から読んでいて途中、世界観を伝えるための脱線ストーリーかと思っていた内容もすべて最終章に必要な前置きだったことが分かり、ストーリー展開から世界観作り、作品の流れまで素晴らしかった。

    最後は衝撃的でどう終わるのだろうと思っていた内容はある程度想像がついていたが、世界の真実が驚愕だった。

    同じような作品は他に出会ったことがないので、読み終わるのが寂しいくらいに引き込まれた。

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    2025年11月11日
  • 黒い家

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    ネタバレ

    最恐の男的な立ち位置だと思ってた三善があっけなく殺されていたのにはびっくりした、、、、
    やっぱりいちばん怖いのは人間なんだなー

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    2025年11月11日
  • 梅雨物語

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    素晴らしい。途中で投げ出したくなっても、ぜひ3遍全て通して読んでほしい。
    確かに貴志祐介だと思わせる要素はそのままに、何か新しい風が吹き込んでいるのを感じる。おそらく充実したインプットの上で執筆された、読み応え抜群の短編集。
    ロリ嗜好や昆虫の擬人化や密集したキノコ…これらの描写が平気なら、とてもオススメな秀作。

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    2025年11月10日
  • 天使の囀り

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    ネタバレ

    文章だけなのにグロさと気持ち悪さがすごい。当分の間は生ものは食べたくない。それにしても、寄生虫が人間を操るって説は昔からあったんだなと。三秋縋の「恋する寄生虫」とかも同プロットにあたるよね。我々の自由意思とはいったいなんなのか。存在するのか。コミカライズ版もあると聞いてびっくり。コミカライズされたと聞いて、本気で「読みたくない」と思った。
    あんなもの、世の中に出しちゃいけない。
    文字だけでもトラウマ級なのに、絵になったらどうなってしまうんだ。
    なんちゅうもんを作ってくれたんだよ……。

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    2025年11月03日
  • 兎は薄氷に駆ける

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    2025.10.26
    著書の筆力をあますところなく示す一冊。まず、探偵役をさせられる、弁護士とは別の人間が必要性が自然体で描かれているように、登場人物それぞれに適切な役割が与えられていることがすごい。こうしたプロット、構想を隙なく築く力のある作品を読むとスイスイと没入して読み進めることができる。
    ひとつだけ残念なのは、終わり方である。ここで終わってしまうのかあと残念な気持ちにさせられた。

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    2025年10月26日
  • 悪の教典(下)

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    ずっと積読してましたが観念して拝読。完全無欠のシリアルキラーではなく、時々やらかして次第に追い詰められていくシリアルキラーぶりが緻密な物語になっていて等身大に怖いです。

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    2025年10月24日
  • 黒い家

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    第四回日本ホラー小説大賞受賞作。
    怖かったー!

    終盤の畳みかけるような恐怖。
    それだけでも素晴らしいのに、生命保険の裏側のえぐい世界を赤裸々にさらし、さらに心理学まで加わって、密度が濃い。
    詰め込みすぎでもなく、緻密に計算されているのが伝わってきて、大満足でした。

    冒頭の保険関係の描写が読みづらかったけど、その先から一気に引き込まれた。
    匂いの使い方がうまい。
    金石との論争がかなり面白かった。
    改行と句読点がやや多く感じたけど、気にならなくなるくらい面白くなっていった。

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    2025年10月18日
  • 新世界より(上)

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    おもしろい。
    世界観がしっかり作られていて、細かい生物やこの世界の常識など、本当にどこかにこの世界が存在するかのようなリアルさで熱中した。

    気持ち悪そうな生き物の描写もあるが、それもまたなぜこのような姿になったのかの謎をかき立てられる構成になっていてつづきを読むのが楽しみになる。

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    2025年10月18日
  • クリムゾンの迷宮

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    読みやすく、すごく惹き込まれた。
    グロテスクなシーンが多く、人怖な内容だった。
    終わりが、続くような余韻を残している。

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    2025年10月14日
  • クリムゾンの迷宮

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    クラインの壺にも少しテイストが似ていて、楽しめました。読書の時間が幸せで、いつまでも読んでいたかった。続編希望したい

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    2025年10月08日
  • さかさ星

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    名家の一家惨殺事件の裏に隠された呪いを解き明かす物語。主人公が「陰鬱な因縁譚はもう勘弁してくれ」とセルフツッコミを入れるレベルで呪物が大量に出てきて飽きない。呪物の仕組みや渦巻く呪いにも法則があり、さながら最後の展開はパズルゲームのよう。「転」の展開が些か急なきらいはいなめないものの、総じて面白い。場面を想像しやすい筆致で、特にラストは文章ながら非常にぞっとした。

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    2025年10月06日
  • 悪の教典(下)

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    ネタバレ

    上巻を読み終わり、さあさあ次は次は!?
    と、心踊りながらページをまくっていきました。

    下巻では、学園祭の準備のため、学校に宿泊することになっていた2年4組の生徒が大量虐殺される話である。読んでいてハラハラする。猟銃を持った犯人(蓮実先生)が1階から生徒たちがいる3階や4階、屋上へ続く階段へと迫ってくる時には、自分も隠れている生徒になった気持ちで、息が詰まりました。

    蓮実先生は綿密に計算し、生徒を確実に殺していく。しかし、その中でも計算外のできごとがいくつも起こるところがこれまた面白い。犯人だけど、殺し終わったあとの蓮実先生のズタボロ加減も現実みがあって良かった。

    生徒たちも頭を使い、蓮実

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    2025年10月06日
  • 悪の教典(上)

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    ネタバレ

    普段は生徒にも同僚の先生にも好かれている蓮実先生。実は、共感性が欠如しており、人を殺すことを何とも思わないモンスターだった…。

    私のまわりでも「この人何でもできて、人気もあってすごいなぁ」と思う人が少々いるが、もしかしたら蓮実先生のように、本当の姿ではないのではないかと考えてしまいました。

    釣井先生は下巻でバチバチやるのかと思っていたら、上巻ですでにあっけなくやられて意外でした。

    心理学に通用し、こういう時はこういう態度をとると相手が喜ぶ、怒るなど熟知しており、それを巧みに操り、自分に有利になるように生活する。そのためには殺人も厭わない。殺人も証拠が残らないように着々と実行する…。
    殺人

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    2025年10月06日
  • 新世界より(下)

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    オーディブル視聴。
    最初はどういう世界観なんだろ…?と訝しがりながら読み進めたんだけれど、だんだんとこの主人公たちが生きる世界の歪さやグロテスクな成り立ちが浮き彫りになってくる。
    主人公は私たちから見るとかなり未来の世界を生きているけれど、主人公もまた千年先の未来に期待をこめる。すごい。先が気になりすぎて上中下巻一気読みでした。
    今まで読んできた貴志先生の作品とはちょっと違う感じだな〜と思っていたけれど、割ときっちりグロ描写もあるのでニッコリ?しました! 

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    2025年10月05日
  • さかさ星

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    【短評】
    愛してやまない作家・貴志祐介の新作(と言っても、刊行は1年前だが)は、久方振りの長編ホラーである。「嗚呼、やっぱり貴志祐介は良いのう」と嘆息しながら、貪るように読み耽った。最近時、新規分野の開拓に勤しんでいた感のある貴志祐介だが、やはり本領はホラーなのだろう。ここ数年における白眉であることは間違いない。

    戦国時代から続く旧家・福森家において発生した一家惨殺事件。遺体はいずれも著しく損壊しており、凡そ人間の所業とは思えなかった。主人公・福森亮太(ふくもりりょうた)は事件を調査する過程で、霊能力者・賀茂禮子(かもれいこ)に出会う。禮子曰く、福森家は数多の穢れた呪物で溢れ返っており、事件

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    2025年10月05日
  • クリムゾンの迷宮

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    なぜ映画化されないんだ〜…いや、分かるけど。
    もったいない。本当に怖いエンタメだ。

    映像がありありと頭に浮かんでくるような描写力。
    あいつが迫ってくる緊張感、寝てる間に見つかるかもという恐怖。
    主人公の絶妙なメタ感が少しの安心感を与えてくれる。最高の精神状態で一気読みしてしまう。
    これきっかけでデスゲーム系小説を読み漁りました。

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    2025年10月04日