貴志祐介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ悪鬼(じゃなかったけど)を斃す作戦は、奇狼丸に相打ちになれ、死んでこいって言ったようなもんってことでしょ?
自分はサイコバスターを使うのにかなり躊躇してたのに、ここまで協力してきた奇狼丸にすら死を強いれるのは、智能が同じくらいであろうと神様とバケネズミは対等ではないということが無意識にも刷り込まれている証拠と感じた。
消えた同級生達がバケネズミに変えられてるんじゃないかと思いながら読んでたけど外れてた。
洞窟の糞とか虫のシーンは今思い出しても気持ち悪いし、オオオニイソメにやられたシーンは息苦しくなる。
SF、ダークファンタジー、怪奇、ミステリー、恋愛、冒険、パニック等いろいろな要素も盛り沢山で面白かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ犯人視点+緻密な心理描写で没入感が凄くて、なんかもう、疲れましたーーー!(笑)
いや、それだけ作品に引き込まれたということで、作者さん凄いのですが!!!
義父がいる家の中の緊張感、犯行を練るシーン、実行するシーン、事情聴取時の焦燥や実行後の苦悩……。
本を読んでいるだけなのに気が張り、頭も気持ちもへとへとに疲れていたのですが、早く見届けて(わたしも)楽になりたい…の一心で、夢中になって読み切りました。
決して許されることではないけど、誰にも頼ることが出来ない中、一人で家族を守るしかなかったことは、やりきれなく切なかったです。
最後、巻き込まれた運ちゃんへの同情が勝ってしまい、没入感があっさり引いてしまったので☆4ですが、巻き込まないやり方だったら☆5付けてました(笑)
お前、あれだけ、抱えた苦悩を、見ず知らずの人に背負わすな…!! と思ってしまったのだけが少し残念。
※追記 (5/11)
と、思ったんですが、あれから考えて解釈が変わり、主人公のプライドが高く視野も狭い、利己的で幼稚な面を、ラストでああゆう形で表したのかな、と。
家庭にいくら事情があろうと、家族の為と言ってもそれは建前であり、殺人は自己中的なもので計画的に実行したことに対しては同情の余地はないのである、ことの表現かと感じ直したので、一つの表現の形か、とすっきりしました。
きっと運ちゃんは法定速度で走ってて、自転車が突然方向転換したことを周りの車が証明してくれる…ことを信じて。それでも心に傷は負うだろうけど……。
この家族に『あなたたちを守る為にやったんです』と事件のことを話しても『そんなことは望んでなかった、もっと気持ちを話してほしかった』と返ってくる気がしますね、独りよがりな面も忘れてはいけない。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ
1/3ほど読んだところで、突き動かされるように、秀一と同じ風を浴びて雨に打たれ134号線を踏み締めたくなって、湘南へ急行。
雨の朝、学生と共に藤沢から江ノ電に乗り込む。小糠雨の中、極楽寺の切通しを歩く。鎌倉を散策する。晴天の134号線をサーファ横目に歩き、鎌倉学園前駅で江ノ電に手を振る。車窓から鵠沼を眺め、ハートトゥハートや秀一の家の辺りがどこかを想像する。
山月記やこころなどの高校の教科書に載っていた作品と秀一の気持ちがリンクするところも憎い演出で郷愁に駆られた。
徹頭徹尾、秀一の気持ちが痛いほどよくわかる。人は殺してないけど、デジャヴくらいよくわかる。
自転車と人馬一体となったような感覚、若さゆえの全能感、憂鬱さ、嘘が真実のようにスルスルと出てくる様、家族を心から心配していても大人同様に扱い頼ってもらえないもどかしさ、過去のどの時点に戻ってやり直せばいいのかと無為な夢想を繰返して現実逃避をしないと保てない精神状態、笑ってても心の片隅に重くのしかかる影…そういった歳を経て振り返ると青春の1ページとも思えた感情たちが実感を伴って溢れてくるようだった。
印象的だったのは、
李徴が、おれの中の人間の心は獣としての習慣の中にすっかり埋もれて消えてしまうだろう。と言っているのと、石岡の殺害を躊躇いなく思い浮かべてしまう自分に驚きながらも早々に決断をする様や、ロードレーサーと人馬一体となって疾走する感覚と李徴が虎に変わって力が漲り力強く駆ける様の対比、大門の瞋りの炎は自分自身を焼き尽くすから瞋りを持たないという考え、恋人と過ごす蕩けるような甘い快感の中にもどす黒い暗雲が残る感覚…あげだしたらキリがないくらい、心に残ったシーンが多かった。
「こころ」は、私も秀一同様に、殺したわけでもないのに気に病みすぎと思っていた口だったが、改めて読むと先生の気持ちがわかる気がした。長く会ってなかった友人の自死を知り、自分に出来たことがなかったのかとひどく落ち込んだ。それが、自分の悪意が引き金だとしたら、直接手を下していなくとも、やはり相当に辛いだろうと読みながら考えていた。改めて、こころを読み直すきっかけをもらえたことにも感謝している。
倒叙推理小説として、というよりは、青春小説として読んだ。今まで知らなかったことを後悔し、出逢えたことを感謝した一冊 -
Posted by ブクログ
怖かった〜!!!!!
読みながら「こっわ…」と小さい声で呟いてしまう、途中で深いため息(深呼吸?)が何度も出てしまうくらいに、とても怖かった。
結局、人が1番怖い。
自分が主人公のような立場でなくてよかったと感情移入してしまうくらい、没頭できた。
筆者の語彙量が多いためか、表現の力が素晴らしい。
話の構成も作り込まれていて、読み終わった後はまるで1本の映画を見終わった気分になった。
実際に映画でも見てみたいくらい。
ヒヤヒヤする展開が過ぎ去ったかと思えば、最後にまた大波が押し寄せる。
少し思想が強い部分と、もう一度読み返すには気力が必要なところを踏まえて星4にしようか迷ったが、久しぶりにここまで没頭する本だったと感じられたことから、星5とした。
読み終わった後は少し夜道が怖くなる。
そんなヒトコワ小説だった。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ蓮実がやばい人物なのは間違いないが、それ以上にその他の教諭も含めるとおかしい人たちばかりが登場する。
こんな学校には行きたくないと心底読みながら思っていた。
平然と人殺しをする蓮実に恐怖を感じるとともに、モンペやミサンドリストが成敗されたときは少しスカッとした。
生徒を手玉に取り、自分以外の人物を駒のように操る手腕はさすがである。
子供時代の話もものすごい。
自分の自由を守るためには手段を厭わない。
たとえそれを脅かすのが両親であったとしても徹底的にやってのけるのはもう圧巻としか言いようがない。
性的な面でもひどいことを行っていてかなり引いた。
生徒に手を出すのは当たり前でジャージの講釈を垂れるところは鳥肌ものだった。
狂気の殺戮が始まるらしいので下巻ではどのような展開になるのか楽しみなところ。
もうすでに始まっていると思っていたのでこれ以上はどうなるのだろうか。
対立していた先生はあっけなくやられてしまったので、蓮実VS生徒の構図になるのだろうか。
以前の高校生は失敗しているようなので、どう健闘するのか楽しみ。