あらすじ
日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が逮捕されて……。弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが、難攻不落の密室の謎に挑む。日本推理作家協会賞受賞作。
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Posted by ブクログ
防弾ガラス、監視カメラ、暗証番号で守られた部屋で完全密室殺人事件が起きる。
依頼された防犯コンサルタントと弁護士が事件の真相に迫る長編作品。
犯行の全容をここまで説明する作品も中々ないように思え、犯人側の苦労も垣間見える。
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読んだのは、かれこれもう20年前になるのか。
大好きなホラー作家である貴志祐介さんの初ミステリー作品。
登場人物の女性弁護士も怪しい鍵屋(セキュリティショップ店員)も犯人も容疑者も、全てがキャラが立っている。
トリックも勿論素晴らしいけど、やっぱりキャラだなぁ。犯人に同情の念が湧かざるを得ないし、幕引きの仕方も最高だった!!
是非読んで頂きたい一冊。
Posted by ブクログ
おもしろい!
犯人も犯行方法もそうだったのか、と思ったらそうじゃない!という事が数回
現役の泥棒(?)じゃないと解けないトリックに感嘆した
シリーズ物なので他のも読むのが楽しみです
Posted by ブクログ
昔観たドラマの原作ということで読んでみた作品。
ドラマの方のストーリーは全く覚えていなかったので、新鮮な気持ちで読めました。
色々な仮説と検証の中にはそれが答えかと納得してしまうものもあったりで読んでいて何回も騙されてしまいました(いい意味で)。
最後の方でタイトルの意味が分かった時にはなるほどなと考えさせられました。
続編を読むのも楽しみです。
Posted by ブクログ
密室で起こった事件。状況からして犯人は一人であるものの、その人物「久永」は事件当時猛烈な睡魔から眠っていた。弁護士である主人公は「久永」の無実を証明するべく、防犯コンサルタントの「榎本」と共に密室の謎に挑む。あらすじの通り、シンプルなミステリーであるが、謎の難関さから導き出した答えが何度も何度も否定されてしまう。その度に「これすらも無理ならどうするのか?」といった問いが生まれ、作中のキャラ達と感情がリンクする。後半は犯人の壮絶な過去と経験から犯行に至るまでを語られ、最後は名探偵よろしく謎を解く。現代において探偵としての謎解きに違和感なく落とし込めていると思うが、内容は王道のミステリーである。
Posted by ブクログ
密室で起こった殺人事件を特にあたり、いろいろな視点からのトライが丁寧に表現されていて分かりやすかったですね。
WHOよりもHOWが気になる作品と感じました。
Posted by ブクログ
夫の友人からお借りしました。
600頁以上ある分厚い本でしたが、中だるみもなくあっという間に読み切りました。弁護士と防犯コンサルタントが密室殺人の謎に挑むミステリです。
面白かったのですが、ちょっとだけ。
タイトルが大きなヒントになりすぎ!
トリックはもちろん見破ることは出来ませんでしたが、鈍い私でも硝子に関わることだろうと予想が出来てしまいました。
それ自体予想せずにもっと純粋に驚きたかった。。
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貴志祐介さんというと黒い家のホラーの印象があるが本作のようなミステリーも秀逸
中盤まで見事にミスリードされる
後半パートで榎本が犯人に迫るまでは一気読みでした
Posted by ブクログ
最近ChatGPTにこんな本が読みたい、こんな映画がみたいと言って勧められたのを読んだり見たりしている。これもChatGPTに勧められた。
最後まで犯人がわからず、これがトリックか、と解けたと思わせて違ってを繰り返す。登場人物と一緒に、これも違うのかーとなって楽しかった。
最初が警備員の目線からだったからしっかり絡んで来るのかと思ったけどそうでもないのはある意味予想外。
途中からは犯人目線パートになるから、犯人が誰なのかはわかるけど予想外。それに犯人目線で見ていくし境遇が可哀想だから感情移入してしまう。犯人側の心情を読んでしまうと、どうやってもハッピーエンドにならないから複雑。
Posted by ブクログ
いや凄いなこの話。
さすがにこんなトリック見破れないって。無理だって。
全部の真相が解明した時唸ってしまってました。
ミステリー小説としてはかなりの有名作品になるであろう硝子のハンマーですが何故かここまで読む機会がなかったもので今回が初読みでした。ついでに貴志祐介さんの作品としても初読みですね。
黒い家とか新世界よりとか悪の教典とか……とにかく有名な作品を沢山書いてる方っていうのは知ってるんですけど、なかなか手が伸びなかった作家さんでもあります。純粋にめちゃくちゃホラー小説が怖そうだったからなんですけど。悪の教典とか絶対怖いだろうし。えぇ、ホラー苦手なもので。
なのでミステリー要素強めのこの作品を初読みに選んだ訳なのですが、作品の構成に驚きました。
前半と後半でそれぞれ違う人物が物語の主軸になって話が進むんですね。後半の方は何かもうメンタルに来るシーンが多くて何回か本を置いてしまったんですけど何とか読破出来ました。
色んなミステリー小説を読んできたけどこんなに犯人に同情してしまったのは初めてかもしれません。
いや勿論やった事を許せるのかと言われると当然許せないし結構な凶悪犯の部類に入ると思うんですけど、バックボーンを知ってしまうと人間って情が湧いてしまうんだなぁとしみじみと実感。
少し社会問題なんかも取り入れられていて今もあんまり変わった雰囲気ないなぁ、なんて思ったりしてました。
そして地味に青砥先生と榎本の関係も気になるところ。
これ絶対両思いのはずなんだよなぁ。
職業さえ、職業さえちゃんとすればワンチャンあるぞ榎本!
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ビル12階での密室殺人ミステリ。一つ一つの可能性を検討していくところが一緒に登場人物として話が進んでいく様だった。後半から犯人がわかってしまうのに、飽きさせない面白さがあった。
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純粋に面白かった!2章が始まったときに、あれ?はっきり解決せずに次の話にはいるの?って思ってちょっと騙されたから話の構成も楽しかったです。専門用語が出てくるとこも完全に理解できたわけじゃなかったけどよかったな。泥棒がセキュリティの仕事をしているというキャラ設定も良いし!続きも読みたい。
Posted by ブクログ
すごいトリックでした~
(途中トリックについていけないこともあったけど)
でもそれを 説明できる探偵?防犯対策業者?がいるのもすごい!
本離れしそうな時期だっただけに 本の面白さを再確認できてよかった
ミステリーはやっぱり面白いです
犯罪の手法とその操作の多様さに目を見張る作品でした。トリックの可能性を検証している前半はややまどろっこしいですが、後半にかけてどんどん面白くなります。犯人、正直逃げおおせてほしかったな…
Posted by ブクログ
大分長い小説だがその分内容も読み応えがあり、しっかりとしたミステリー作品だった。
犯人に至るまでのストーリーが大どんでん返しといった感じで読めば読む程に引き込まれていってしまった。
防犯探偵?の榎本と弁護士の青砥が社長殺害の事件の真相に挑むがこのコンビも中々に独特で面白い。結末もまさかの結末で最後まで飽きなかった。
Posted by ブクログ
作者初の本格ミステリ作品。
序盤のセキュリティ云々の会話は少し難しくてダレそうになったけど、中盤以降は面白くて本の厚みの割にはサクサク読めました。
そして明かされたトリックにはまるでハンマーで殴られたかのような衝撃を受けました!
それと同時に、何故このタイトルなのかが判明してナルホドと思わされました。
巻末に収録されている、法月綸太郎との対談も、作品がどういう経緯を辿って書かれたのが言及されていて、面白かったです。
シリーズ物なので次作も読んでいこうと思います。
Posted by ブクログ
ホラー作家で有名な著者が書くミステリー小説。物語の前半、介護サービス株式会社の社長が何者かに殺害された。ところが、殺人現場は密室であった。そのため、現場の近くの部屋にいた専務が逮捕されてしまう。専務は無罪と主張するも、確固たる証拠が確認されなかったことから、専務の疑いは晴れなかった。そこで、今回の事件を頼まれた榎本と青砥は、その事件を解決するために謎を解こうと努める。後半では、今回の事件の犯人の経歴と殺人の動機について語られる。父親の金銭的トラブルのせいで、闇金業者から追われる身になってしまう。そのため、自身の経歴を詐称してやり過ごした。そんな中、仕事の関係で、先ほどの介護会社に向かい、清掃してたところ、社長の資産を目の当たりにする。それを見た犯人は、借金をチャラにするために殺人を実行してしまう。
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ちょっと長かったので、ドラマを見ていたのもあって大分急ぎ足で読みました。
ドラマとは違って犯人側のストーリーもしっかり描かれていて
同じ事件を別の視点で見ることができて新鮮な感じでした。
Posted by ブクログ
鮮やかな名推理で解決!ではなく、ひとつひとつトリックを試してつぶしていくターンがわりと長くて、それでも主人公と探偵役のキャラが良くて面白く読んでいたのに、途中でいきなり誰なのか分からない人物の生い立ち話が始まって、探偵の話なのかと思ってたら犯人の話で、犯人に同情したところで普通に捕まって、しかもあんなに必死で手に入れた宝を探偵にネコババされてて、モヤモヤしたまま終わってしまった。スッキリしない……。
Posted by ブクログ
防犯設備の整ったビルの最上階で行われた密室殺人を、探偵側・犯人側双方の視点で描いた正統派ハウダニット作品。
己の正義に従い真相を突き止めようとする泥棒探偵と、金への執着から道を外していく犯人の対比により人間味あふれる物語になっている。一方、作品タイトルにもなっている犯行トリックはややトンデモ系で、推理過程もやや冗長なので、ミステリ作品として見るとは個人的には少し不満。
Posted by ブクログ
弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが、徹底的に守りを固められた“鉄壁の密室”に挑む、本格ミステリ。
本作は捜査パートが面白い。監視カメラ、電子錠、厳重なオフィスビルのセキュリティ群。殺人を成立させるにはあまりにも高すぎるハードルに対し、榎本と青砥が手を変え品を変え、思いつく限りの手段で可能性を検証していく。榎本が常識的な手段を潰し、青砥が非常識で奇抜な仮説を実証する。防犯の専門知識をベースにした榎本の解説と、動機や心情に迫る青砥の視点が絶妙に噛み合い、単なる情報整理に終わらない知的な推理劇が展開されていく。
また、犯行トリックそのものも印象的だ。犯人は特別なスキルを持たない「普通の人間」だが、時間をかけて硝子清掃員としての信頼を得て、密かにビルのマスターキーを複製。正面突破ではなく、ビル外壁の清掃員としてゴンドラで接近し、細工を施した強化ガラスを、外からボウリングの玉で殴りつけるという大胆な手口で、眠らされた社長をガラス越しに撲殺する。タイトルにも冠されている「硝子のハンマー」による殺人。その着想の奇抜さと実行の地道さのギャップが、珍しいタイプの犯人として面白かった。
一見、地味にも映る捜査パートが、榎本と青砥の掛け合いや実験が面白く、飽きさせない。トリックの解明だけでなく、防犯とは何か、そして人間の信頼や油断がいかにセキュリティを崩すかというテーマにまで踏み込んでいる。
ついでに、防犯ガジェット好きな人も楽しめる傑作ミステリである。
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Audibleにて。
密室を舞台にした本格ミステリー小説。
前半と後半で全く違う2部構成になっている。
第1部は、防犯コンサルタントの探偵と女性弁護士コンビが密室殺人の謎を解いていく。
防犯の勉強にもなり興味深い。
密室トリックにあまり興味がないせいか、トリックを1つずつ潰していく過程が長く感じる。
不正解のトリックはもう少しサラッと進んで欲しいと思ってしまう。
第2部は、急に変わって倒叙形式になる。
誰からも嫌われている傲慢な人間の心理描写の倒叙は大好きなんだけど、同情を誘うような心理の倒叙はあまり好きではない。
あまり好きなタイプではなかったものの、先が気になり一気に読んでしまった。
Posted by ブクログ
前半の推理パートは立てる仮説がおもしろくてページを繰る手が止まらなかった。
秘書3人が変装するトリックや、コマ撮りの隙を狙って部屋に入るとか、没トリックにしては質が高くて思わず納得してしまう。
しかし、後半はあまり楽しめなかった。
犯人の背景を細かく書いていくに連れて動機の納得感が薄れていく。
前半であれだけ動機について議論しておいて結局は強盗殺人って、そりゃないぜ。
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うーん中盤まではすごい面白かったけど犯人の動機パートが長すぎてつまんなかったっし 探偵役がラストの推理パートでイキリすぎてなんか嫌だった
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久しぶりに本を読んだ!!最初のトリックを暴くところは退屈だったけど、犯人が出てきてからは貴志さんらしくてスラスラ読めた。榎本さんの過去話かと思ったからびっくりした。いつ榎本って名前になるんだろうって思いながら読んでた。トリックとか殺人に至るまでの動機が、しっかりしてて良かった。榎本さんと青砥さんの今後が気になるエンドだった。そういう意味では読後感スッキリ!
Posted by ブクログ
【この本を選んだ理由】
貴志祐介氏の作品にはまった為。
【内容】
上場目前の会社にて社長の撲殺死体が見つかった。しかし現場は密室。疑いをかけられた専務の無実を晴らすべく弁護士の青砥が癖の強い防犯コンサルタントの榎本と密室殺人の謎に挑む。
【感想】
自分のせいだが寝落ちしてところどころが抜けていたり、音声としてで聞き流した部分もありあまり印象には残らなかった。話がガラッと変わった部分があり、意味が分からなくなり自分でネタバレを調べてしまったのも良くなかった。犯行方法を試行錯誤する点が醍醐味かと思うが、そのシーンがながかったので飽きてしまったかも。
Posted by ブクログ
中盤まで読むのに3ヶ月くらいかかってしまいました。笑
後半に差し掛かると、貴志先生らしいスピード感のある文章でどんどん読み進めることができました。
事実→探偵たちの推理→犯人のバックグラウンド、という展開は、コナン・ドイル『緋色の研究』によく似ていて、ドイル好きの自分としてはとてもニコニコしてしまいます。
他の方も言及しているように、タイトルの意味を知った時、あぁそうか、そうだったんだな、と感じました。
刺さった一節 p.466
しかし、いかなる理由があっても、殺人は許されないはずだ。〜中略〜俺がやろうとしていることは、たしかに、誰にも許されないことだろう。
だが、よく考えてみると、別に、誰かに許してもらう必要はない。
Posted by ブクログ
ボリュームを感じさせない読み応えがありました。
このトリックは分からないです。もちろん犯人もわかりませんでした。
癖のある主人公が、良い感じでした。
Posted by ブクログ
貴志祐介による、本格ミステリー「防犯探偵・榎本シリーズ」第一作。
六本木センタービルにある、介護サービス会社・ベイリーフの社長室で、社長である穎原の死体が発見される。高層ビルの最上階、暗証番号付きのエレベーター、窓は防弾ガラス、通路には防犯カメラ。厳重なセキュリティに守られていたオフィスで発生した殺人事件。唯一犯行が可能とされた専務である久永が逮捕されるが、容疑を否認。彼の弁護人となった弁護士の青砥純子は、防犯コンサルタントである榎本径に助力を乞い、密室殺人事件の謎に挑む―――。
ホラー作家として名を揚げていた著者が、ジャンルを変えて発表した倒叙式ミステリー『青の炎』。その次に発表されたのが本作。『青の炎』もなかなかに凝ったトリックを描いていたが、本作はその一つ二つ上を行く本格ミステリ。(そもそも『青の炎』はトリックがメインの作品ではないと思っているが。)
明かされるトリックはかなり本格的で、著者のリサーチには本当に感心させられる。が、あまりに高度過ぎるので、読者が考察する余地がほとんど無いのが残念。驚かされるような伏線や背景設定でもあれば良かったのだが、そういうのも無かったので、真相が明かされても「ふーん」くらいで終わってしまった。とはいえ、決して面白くなかった訳でもなかったので、またシリーズ続編も引き続き読んでみたい。