貴志祐介のレビュー一覧
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とにかく怖い。
人の悪意や性悪説を煮詰めたような物語。
ひとつひとつの描写が残酷でリアルで、ちゃんと鳥肌がたった。
名前は忘れたけど問題解決をするために雇われていた元ヤクザの男が保険の解約をさせようとするシーンがあったけど、こういうノウハウを知りたい。
あとはやっぱりエンコ詰めの詳細ですわ。
まじで知りたくないし、そんな事知ってても。。。
みたいな。
恵?主人公の恋人は、悲惨な目に遭ったのにそれでも人の善を信じるみたいな
ライアーゲームのカンザキナオ様みたいなやつで気分が悪かった。
生まれながらに最低な人間もいるでしょうし、環境のせいだけではないと思う。
関わりたくない仕事です。保険マン。 -
Posted by ブクログ
全てが「密室」に関する4編から成る短編集。
でも、どれもが独創的で、今まで読んだことのないような密室で、驚きばかりで面白かった。
話の展開も、まるで読者が一緒になって考えているのを見越したようなタイミングで、こういうトリックなんじゃないかというのを1つ1つ潰していき、じゃあ結局どんなトリックなんだよってなったところで、思いもよらない発想にやられてしまう。
でも、ミステリーだからといってずっと重たい雰囲気が続くわけではなく、ところどころで交わされる非常にコミカルな会話が、全体のバランスを取っていて、意外としっかり笑えてしまうところも凄いところだと思った。
そんな話が4つも読めるのだから、とても贅沢な1冊なんではないだろうか。
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Posted by ブクログ
先が気になるし、おもしろくないわけではないんだけど、結局誰にも感情移入できずに読み終わってしまった。
父親が冤罪で殺人犯となりつらい思いをした日高英之の、そのつらい思いの描写が少なかったせいかな。
千春もなんでそこまで協力するのかよく分からないし。
読んでいて応援する気持ちが不思議と湧かなかったんだよね。
たまたま検察が感情的な人だったからラッキーだったんじゃないのか…?
冤罪を生む取り調べはあるだろうと思うけど、検察官ってもっと冷静で頭がいい印象だから、どうにか切り抜けそうだけどな。
なんかモヤモヤっとした気持ちを残したまま終わってしまった。 -
Posted by ブクログ
防犯探偵・榎本シリーズの一冊で、2篇が収録されています。
榎本が犯人とされ、自身で濡れ衣を晴らそうとする「鏡の国の殺人」と、海中で無残に死んだ元ダイバーの謎を追い、ソナーで監視された“音の密室”に挑む「コロッサスの鉤爪」ですが、どちらもキャラクターの立ち方が際立っていて、気づけば最後まで一気に読まされていました。
密室トリックを水の中でやるという発想自体が面白く、読み始めからどこか息苦しいような緊張感があります。
論理で解いていくミステリとしての面白さはもちろんありますが、それ以上に、海の底という逃げ場のなさや、ほんのわずかなミスが命取りになる状況がじわじわと効いてきました。
読んでいるだけで、水圧のような重さを感じる瞬間があります。
シリーズらしい軽やかな掛け合いと、重たい舞台の対比が心地よく、読み終えた後にひんやりとした余韻が残る一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ※「天使の囀り」に出てくるキャラクターのネタバレ?を含みます。
「天使の囀り」がとても良かったので、面白そうなあらすじのデビュー作も読んでみた。
他者の心に寄り添う女神のような美人ヒロインは出来すぎだと思うが、本当に非常に心優しい人物なので嫌いにはなれない。人間の感情の機微の描写においては、貴志祐介は丁寧で誠実なので、かなり信頼できると思う。
千尋の多重人格の成り立ちや人格のキャラクター達は丁寧に作り込まれていて面白かったので、イソラの話はない方が好みだったかもと思った。そこからちょっとジャンル変わるっていうか、オカルト超常現象系になっちゃった。
人格達の名前の読み方と性別が一部ちょっと分かりにくかったな。結局悠子なの?憂子なの?
天使の囀りと同様、人格的には善人で、有能で、影と社会的ステータスのある知的な年上男性がヒロインの相手役として登場して、困難を乗り越え愛し合うのにセックスは途中までしか出来ないで高いところから落ちて死んでしまうのがあまりに一緒で少し笑ってしまった。こういう男性キャラは、もしかしたら作者の自己投影なのかもしれないと思った。
阪神淡路大震災の頃の話だから、話し口調や口説き方には古さを感じて読んでてちょっと恥ずかしくなった(笑)
結局のところ、いそら(弥生)は千尋に害なす者を軒並み排除してくれただけで終わった(あそこで止められたからそこまでで済んだんだろうけど)んだよな。
叔父に虐待されて学校ではいじめられて弱って死んでしまうよりはよかった気はする。
でも、元々基本は善良だった、身を守るために生まれた人格達がいそらの影響を受けて変わってしまった部分が一番恐ろしかった。
結局統合は果たされない。精神科医にも分からないくらい隠せてしまうんなら、もうどうにもならない。
「私の失敗は、両親と一緒に天国に行かなかったこと」を悲しくも肯定せざるを得ないような終わり方は切なかったな。今後、意地悪ないじめっ子が死ぬくらいならまだいいかもしれないが、敵判定が緩くなって、幽体離脱で他人を殺せる人格をオリジナルで作ってしまったとなると、本人の寿命も縮まりそうだし、穏やかな人生とはいかなくなるだろう。
弥生に関しては、容姿に優れない女性の人生の悲しみがよく描かれていた。彼女は真部を本当に殺す気だったんだろうか?三日の猶予を持たせたのは、直接話したかったからじゃないだろうか。自分に向けて話しかけてほしかったのかも。
真部は残念な結果になってしまったが、弥生は結果的にけっこう満足な結果になったよなと思ったり。
若く美しい恋人ができたのに、「化け物め!とっとと消えやがれ!」をしなかった真部はいい人だったと思う。魔術に手を出してはいけなかったということか。
でもやっぱりこれって、多重人格や児童心理学とはまったく別のジャンルなんだよなぁ……。
せめて、これまで辛い思いばかりしてきた千尋は幸せになるラストがよかったなって思った。ヒロインもこんなに頑張ったんだから。