貴志祐介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ※「天使の囀り」に出てくるキャラクターのネタバレ?を含みます。
「天使の囀り」がとても良かったので、面白そうなあらすじのデビュー作も読んでみた。
他者の心に寄り添う女神のような美人ヒロインは出来すぎだと思うが、本当に非常に心優しい人物なので嫌いにはなれない。人間の感情の機微の描写においては、貴志祐介は丁寧で誠実なので、かなり信頼できると思う。
千尋の多重人格の成り立ちや人格のキャラクター達は丁寧に作り込まれていて面白かったので、イソラの話はない方が好みだったかもと思った。そこからちょっとジャンル変わるっていうか、オカルト超常現象系になっちゃった。
人格達の名前の読み方と性別が一部ちょっと分かりにくかったな。結局悠子なの?憂子なの?
天使の囀りと同様、人格的には善人で、有能で、影と社会的ステータスのある知的な年上男性がヒロインの相手役として登場して、困難を乗り越え愛し合うのにセックスは途中までしか出来ないで高いところから落ちて死んでしまうのがあまりに一緒で少し笑ってしまった。こういう男性キャラは、もしかしたら作者の自己投影なのかもしれないと思った。
阪神淡路大震災の頃の話だから、話し口調や口説き方には古さを感じて読んでてちょっと恥ずかしくなった(笑)
結局のところ、いそら(弥生)は千尋に害なす者を軒並み排除してくれただけで終わった(あそこで止められたからそこまでで済んだんだろうけど)んだよな。
叔父に虐待されて学校ではいじめられて弱って死んでしまうよりはよかった気はする。
でも、元々基本は善良だった、身を守るために生まれた人格達がいそらの影響を受けて変わってしまった部分が一番恐ろしかった。
結局統合は果たされない。精神科医にも分からないくらい隠せてしまうんなら、もうどうにもならない。
「私の失敗は、両親と一緒に天国に行かなかったこと」を悲しくも肯定せざるを得ないような終わり方は切なかったな。今後、意地悪ないじめっ子が死ぬくらいならまだいいかもしれないが、敵判定が緩くなって、幽体離脱で他人を殺せる人格をオリジナルで作ってしまったとなると、本人の寿命も縮まりそうだし、穏やかな人生とはいかなくなるだろう。
弥生に関しては、容姿に優れない女性の人生の悲しみがよく描かれていた。彼女は真部を本当に殺す気だったんだろうか?三日の猶予を持たせたのは、直接話したかったからじゃないだろうか。自分に向けて話しかけてほしかったのかも。
真部は残念な結果になってしまったが、弥生は結果的にけっこう満足な結果になったよなと思ったり。
若く美しい恋人ができたのに、「化け物め!とっとと消えやがれ!」をしなかった真部はいい人だったと思う。魔術に手を出してはいけなかったということか。
でもやっぱりこれって、多重人格や児童心理学とはまったく別のジャンルなんだよなぁ……。
せめて、これまで辛い思いばかりしてきた千尋は幸せになるラストがよかったなって思った。ヒロインもこんなに頑張ったんだから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ男子高校生が主人公。
母と妹の家族を守りたい気持ちが伝わってくるからこそ、彼に犯罪者になってほしくないと祈りながら読み進める。
たまに出てくる学校での普通の高校生の会話にホッとする。
どうして、働かない・アル中・お金をむしり取る(元)父親に他の家族が我慢した生活を強いられて、弱者が犠牲にならなければいけないのか。
例えばいじめられた方やDV被害者が転校や引越しを余儀なくされたり、被害者側の精神的・金銭的負担が大きいことが納得いかない。
頼んだわけではないのに、警察に対して主人公のアリバイを偽証した友達。いい友達に恵まれてるのだから、これからもっと高校生活を楽しんでほしかった。犯罪を犯した以上、叶わぬ願いではあるけれど、母と妹と平穏な生活を送ってほしかった。
最後まで家族のためを思っての主人公の行動が辛かった。
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Posted by ブクログ
ネタバレオーディブルにて。
口コミで「めちゃくちゃ怖い!!」との声が多かったので怖過ぎたらどうしようと心配だったけど案外平気で一安心。
生物学のミステリーという印象。
自分が普段口に入れてる物に何が入ってるのかなんて日頃意識しないけど、改めて考えると気持ち悪いかも^^;
でも全然あり得ない話ではないからむしろ興味深いと思えた。
恐怖を快楽に変えられてしまうせいで自分が恐怖に感じてるものに魅入られて自殺に奔ってしまうなんて側から見てると確かに怖いけど、恐怖やストレスといった心にとって嫌なものを快楽に変換された状態で最期を迎えられるなら当人にとってはそれで幸せなのではとも思える…第四段階に入る前に死ねるならだけど…
もし私だったら何恐怖症で死ぬのかなと考えてみたり…