貴志祐介のレビュー一覧
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ネタバレ1000年後の日本。
豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。
念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。
主人公・渡辺早季が12歳だったあの頃から23年の月日が経った場面で物語が始まります。
そこでは、灰燼に帰した一連の事件を手記に認めているところで、回想シーンに入ります。
事件の全貌が上巻で分かるわけではないので、少しもどかしさを感じながらも世界観の壮大さと物語の作りこみに引き込まれました。
若干難しい言葉が多いため、止まるところが少々ありネックになりましたが‥
早季たちが、初めて神栖66町の外に出る夏季キャンプに参加するところから一気に物語が進みます。
学校より霞ヶ浦より先に進んではいけないと言われていたけど、好奇心が勝ち早季たち一行は開いてはいけない門をたたいてしまう…
後半は臨場感がすごくてこの先どうなってしまうのか、気になったので早めに中巻を読むようにします。 -
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ネタバレ☆4.5
最初のメールの部分、生物学的な要素多くてめっちゃ眠かった。
途中まであれ、あと1人出てこやんなぁって思ってたけど、
p.404「早苗は、高梨がメールに書いてきた、彼の人となりを思い浮かべてみた。」で、
あれ?ん?なんでこの人がメールに出てくるの?あ、ん?この人が?!ってびっくりして、うわぁーってなった!
途中グロい感じはちょっとあったけど、それより線虫にやられた
状態が手に取るように分かって没入感に浸ってた。
最後、自分のために試験管1本残したのかと思ったわ
愛した人の辿った心情とかを経験したい、的な感じで。
自分の患者用やったのは、うーん… -
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下巻は時間がポンと飛び、そしてラストは上巻の頭まで戻る、また飛ぶ。原稿用紙にして2000枚弱らしい超大作も、一気呵成に読めた。
そこには著者の「SF入門篇」としての本書、という意図のコメントを、あとがきで読んで大いに納得でき、ひとつの謎が解けた気がした。
確かにSFはとっつきにくいと思う人も多いだろう。専門用語や時代背景など、さまざまな事前知識があって楽しめるものもあり、どうしても知識の個々の濃淡で内容も左右される面が大きい。
それを著者は、この作品で、ある部分はやさしく、ある部分ではSFとして成り立たせる工夫をやってのけている。
分厚い文庫本で上、中、下巻と並んでいても、非常に読みやすい作品になっていて、読むのが遅い私が一気読みできたのも、まさに著者のおかげであり、SF的には少し物足りないなと感じるのも、ミステリーやファンタジーとして読めると感じたのも、著者の意図にまんまとハマっていたのだろう。
それにしても「念動力、サイコキネシス」がこの世界では無制限時代を経て一つの枷、命の縛りプレーとなっていたり、1000年後、変貌した動植物の細かい描写などなど、著者の想像力の豊かさにも驚かされた。
一読者的には、もっと深掘りできそうな、むしろして欲しいと思う設定や、あっさり片付いてしまった伏線が多く、それを書いても読者は着いて来そうな気がした。
それでもこの不思議な未来世界を、擬似体験できてよかった。 -
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中巻もテンポ良く、やはりファンタジー色も感じたものの、ところどころでしっかりSFだと思わせてくれるフックがたくさんあった。
BLや百合などの性愛シーンは、多少の手垢じみた描写だなと思い既視感を覚えたものの、それが前提となっての別離は、悲しい。
ネコダマシの出現、バケネズミの進化なども驚いたが、面白かったのは「業魔」の精神医学的分析と、朝比奈富子という、上巻ではミノシロモドキが担った役割、語り部的人物が現れて、物語に深さが増したことだった。
ボノボ的、テロメア、女王のロボトミーなどもなかなか衝撃的だったが、一番は「5〜6万の核兵器」という表現。なるほど、と。
ここまで来たら……「悪鬼」が現れるのだろうか。やはり、もしかしてという予想と、残された多くの謎が気になる。 -
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1000年後の日本。念動力、サイコキネシスを操る子供たち、という厨二心をくすぐる握力の強いパワーワードに惹かれて。
想像していたSFというよりはファンタジーっぽい、と思いながらも、一人ひとり、同級生が消えて行くのがホラー感。途中のミノシロモドキを捕まえたあたりから、設定、背景が見え始めて面白くなってくる。
念動力の秘密もさることながら、動植物、特に動物の描写が多く、ミノシロ、そのモドキの奇怪な名称などは何かを暗示しているのか?とか、こんな動物いたんだ、なるほどなどと調べながら、先を妄想しながら。
とはいえまだ上巻。
ゆっくり中、下巻を読もうと思う。 -
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ネタバレ後味の悪い話がほとんどであまり気分が良いわけではないにも関わらず、どの作品も強い印象を残す不思議な読後感です。昔話の教訓にも似たような部分があるからか、懐かしい感じもしました。
・皐月闇
中盤からの種明かしに、やはりという気持ちと哀しみが生まれました。人の執念は時として恐ろしいくらいの粘り強さをみせるものだということを体感する作品でした。
・ぼくとう奇譚
個人的に3作品の中で一番面白く感じました。人間の気持ち悪さと欲望を生々しく描かれていると思います。虫と照らし合わせたオチ含め、最後までどきどきしながら読み切りました。
・くさびら
最後にのせられたこともあり、3作品の中では比較的救いのある終わりのように思います。中盤でなんとなく展開に予想はつきましたが、丁寧に書かれていて引き込まれました。 -
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ネタバレ怒涛の展開にびっくりして途中読むのが苦しくなったが、続きが気になり一気に駆け抜けられた。
本当に狂気の殺戮だった。
生徒が虐殺される描写は耐えがたい苦痛だった。
ただ、この次どうなるんだろうとか最後はどうなるんだろうと思わせる内容にはとても惹かれた。
蓮実は本当に化物すぎる。
計画性もあるのかないのかよく分からず、行き当たりばったりな感じがした。
とにかく目の前に現れた障害を蹴散らすのが目的だからいつかはこうなってしまうのかなとも思った。
蓮実は結局逮捕されたが、死刑にはならなさそう。
もう別のゲームを始めているとのことなので、いかに死刑を免れるかを考えて行動しているのだろう。
そういうある意味まっすぐな性格は一貫性があり納得はできた。
やはり自分にはこういう作品は向かないとあらためて感じさせられた。 -
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ネタバレクズ親父から家族を守るために殺して、それを強請られたからかつての友人も殺して……最後には自分の犯行がバレると家族に迷惑がかかるからと自ら命を断ってしまった。だったら、どうしたらよかったんだよ?!としか言えない終わり方。
主人公:秀一が死ぬ前学校で紀子と言葉を交わすシーン。紀子は秀一への恋心から異変に気付いたり邪魔だとも思ったけど、柊一が殺人を犯したことを知っても嘘の証言をしてくれると言って泣いてくれたいい子だった。けれど、彼女が信じたから秀一が家族を守るために自殺に踏み切ったとも言える。
自殺する日、「お兄ちゃん、お昼には帰ってくるんだよね?」「ああ、昼飯はみんな一緒に食べよう」という妹との会話が最後になった、何気ない会話の悲しいシーン。
父親が諸悪の根源なのに、仲の良い妹も母もかわいそうで……。
クズを殺したのにこんなに報われないのかと、後味の悪く悲しい話だった。どう考えても秀一は悪くないだろ。本当はお前みたいなやつが生きるべきだった。
来世は幸せになれ。ちゃんと報われて幸せになってくれ。