貴志祐介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
密室で起こった事件。状況からして犯人は一人であるものの、その人物「久永」は事件当時猛烈な睡魔から眠っていた。弁護士である主人公は「久永」の無実を証明するべく、防犯コンサルタントの「榎本」と共に密室の謎に挑む。あらすじの通り、シンプルなミステリーであるが、謎の難関さから導き出した答えが何度も何度も否定されてしまう。その度に「これすらも無理ならどうするのか?」といった問いが生まれ、作中のキャラ達と感情がリンクする。後半は犯人の壮絶な過去と経験から犯行に至るまでを語られ、最後は名探偵よろしく謎を解く。現代において探偵としての謎解きに違和感なく落とし込めていると思うが、内容は王道のミステリーである。
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Posted by ブクログ
ネタバレホラー小説、終始ドキドキして読んだしページをめくる手が止まらなかった。冒険小説にもミステリー小説にも思えたし、中盤からの食屍鬼のセリフ、文体が変わる部分ではこちらまで恐怖を覚えた。
「やがて、記憶は風化するだろう。言葉にならない思いが、あなたの胸を締めつける」
藍はこれからも永遠に組織に利用されると思うので、二人が会うことはないだろう。
それにしてもラストが切なすぎる。ホラー小説を題した作品が、こんなに切なくて淡いラストで終わることはあるんだろうか。
終盤まで数々のグロテスクな描写を目の当たりにしつつも、最後までゲームブック通りに小説を読み進めてしまう読者。噴水の近くで笑う藍を想像し、藤木に代 -
Posted by ブクログ
著者の作品を読むのは数年ぶりでした。
一時期とてもハマって多くの作品を読んでいました。
その時のイメージはホラー作家だったのですが、最近は社会派小説も手掛けているのですね!
本作は読み応え抜群でとても良い作品でした。
本作は冤罪をテーマとしたゴリゴリの社会派小説でありながらも、ミステリー要素もしっかりある上に人間の恐ろしさについても描かれていました。
これまで冤罪をテーマにした作品を多く読んできましたが、何を読んでも悲しくなるし恐怖も感じます。
今の日本の司法では、いつ自分がこのような目にあってもおかしくないと思わされます。
ずっとその問題を指摘されているにもかかわらず、今も警察や検察の体制