貴志祐介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ狂気と緊張、恐怖で胸焼けするような作品でした。
面白い。
良い点は「物語の基盤の設定」「常に命を感じる緊張感」「飽くなき場面展開」、物足りない点は「終盤の不足感」「抽象的なエンディング」かなぁと思います。
◾️良い点
◯物語の基盤の設定
非現実的な世界観とゼロサムゲームという設定の興味深さですね。ここは地球なの?SFなの?バーチャルなの?示唆されている殺し合いはいつ火蓋を切る?誰が敵?主人どうなる?世界観やゲームの真相は?と様々な謎に対してワクワクしますよね。
◯常に命を感じる緊張感
ゼロサムゲームでは謎の側面と喰う喰われるという緊張感が柱になると思いますが、序盤から敵対や危険人物を示唆 -
Posted by ブクログ
ネタバレ極度のビビりなので夜は絶対読めなくて日中のしかも1人じゃない空間で読み切った。
なのでそこまで怖くはなかった、よかった…
貴志さんのホラーなので難しいかなと思ったけど、呪物とかたくさん出てくるわりに読みやすくて、途中賀茂さんと月晨どちらを信じたらいいのかわからなくなったりハラハラさせられた。
主人公亮太、軽薄なうだつの上がらない底辺YouTuberの設定だったけど頭の回転早いし行動力あるし普通に有能な青年だった。
普段ミステリーを読むのでつい伏線回収や意味を求めたくなるけど、これはそういうのは求めちゃだめなんだよねきっと…
うわあこわー!って楽しめばいいんだよね… -
Posted by ブクログ
ネタバレ三編それぞれ時代も扱う専門的な話も違って興味深かった。
俳句の話で詳しい解説が入ったなと思っていたら、次の話では(オチに関わるので詳しくは言えないけれど)どちらかというと理系の分野の話だし、最後の話に至ってはキノコのオンパレードに狂言も絡むという。
様々なジャンルに詳しくないと書けない話だなとしみじみ思った。
話も最初の二つは主役が自業自得でオチに至るホラー話だが、キノコだらけの話はミステリ色が強く、また最終的には泣ける話という異色話。
ホラー系と見せかけてのこの話、個人的にはすごく好みだった。
キノコを使って懸命に伝えてくれていたのかと思うと……真相はしんどいが、感動的だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトータル3.5くらい。
書き下ろしなので全部新作だったのが良かった。
この中で好きなのは貴志祐介の『猫のいる風景』かな。曖昧オチではなく、きっちりミステリーもしてホラーもやってる。お化け無しで楽しませてくれた。
有栖川有栖『アイソレーテッド・サークル』
クローズドサークルの定義について話をしていて、どこかミステリーな雰囲気はあるものの、結局何かは不明で、結局どこかの異界らしいということで終わる。でも面白かった。
ミステリー小説だったら犯人がいるのに、この話では何かを見つけてはいけない、見てはいけない。犯人を見つけることが禁じられる恐怖。
北沢陶『お家さん』
丁稚奉公目線なので時代がわ -
Posted by ブクログ
人間は自己を高尚で倫理的な生き物と見做してしまうが、その実、性的接触や生命維持システムの利用といった動物的側面で管理しないと互いに損ない合うような残忍な生き物かもしれない、というところがわくわく
悪鬼や業魔、呪力というワードの登場や語り口調から、霊的世界が舞台で、科学的世界との接点がない話かと思っていたが、話の展開に伴い、実世界から全く想像できない話でもないのかもと、どんどん今の私たちの暮らす地面にも足場が降りていく感覚に引き込まれる
これからどういうふうに世界のシステムが明らかになっていくのか楽しみ
前読んだ時は中巻下巻読まずに放置してたから今回こそ最後まで見届けたい -
Posted by ブクログ
貴志祐介の作品は色々読んだけど、ハードカバーは初めてだった。
イマイチまとまりが無い、伏線回収が甘い、人物が深掘りされていないなどこんなにアッサリした書き方だったか?と疑問に思ったけど、連載をまとめたものだったので腑に落ちた。
一冊丸々書き下ろしならまた違ったのかもしれない。
オカルト、呪い、祟りゃ黒魔術、悪魔崇拝(?)などなどが私の好きな要素一杯で、日本モチーフでありつつも西洋ゴシックな要素も入り交じる不思議なお話。
呪物に関する細かいストーリーや、それらが福森家に繋がるのか繋がらないのか。
読み進めてワクワクして、騙されて…の連続。
現実とフィクションが入り交じるモキュメンタリーのようで