貴志祐介のレビュー一覧

  • もの語る一手

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    『テーマ小説の旨味が凝縮された至極の一冊』

    将棋にまつわる8話のアンソロジー。総じて良かった。特に将棋の細かいルールがわからなくとも読めるのが良い。全体的に夢を諦めない姿勢と将来の不安に対する心の葛藤を描いた作品が多く、勝負師たちの手に汗握る緊迫感が伝わってくる。奨励会の描写は「ヒカルの碁」を思い出した。

    ●授かり物 青山美智子
     親子の優しい物語、ブラマンが出てくるのは青山ファンに嬉しい
    ●マルチンゲールの罠 葉真中顕
     賭け将棋師の物語、真剣勝負に手に汗握る
    ●誰も読めない 白井智之
     本格ミステリー、アリバイ崩しのトリックと将棋の先読みを掛けた白井先生らしい作品
    ●なれなかった人 橋

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    2025年05月09日
  • 青の炎

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    今まで他のミステリーでは、犯人と、探偵または刑事が次々とトリックが暴かれていく過程が、とても快感でそれが目的で読んでいた。
    しかし、今回ばかりは、殺人犯の秀才高校生・秀一の完全犯罪がどうか暴かれませんように・・・・と
    犯人が完全犯罪を成し遂げられますように。と本気で思った作品。
    犯人目線の話。


    以下ネタバレです








    物語の過程では、授業の内容含め、自分でも研究し、一見「完全犯罪」が成立しそうな展開ではあったが、そこは警察のプロ。わずかな疑問点から、秀一を問い詰める。

    曽根殺害後、母親に連絡する前に警察に連絡したのが、疑惑を持たせる原因だったのではないかと思う。

    読み終わっ

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    2025年11月30日
  • 兎は薄氷に駆ける

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    自分の、その本との関わり方で、面白いのかがハッキリ分かります…
    ということで、この本は私はとても面白かったようです笑
    1日で、すごい勢いで読み切ってしまいました。

    最近本を読んでいて思うのですが、面白くて夢中になれる本は、決して結末が良いから、というわけではないんだなー。
    結末なんて、ひとつの点に過ぎない、という気もしてきました。
    結末に満足するかしないか、それはその小説の中の登場人物たちが選んだ結果であって、そこに満足とか、私の意見を挟むのはおこがましい気がしてしまった!
    それくらい、ここ最近読んだ本たちは、結末以上にそこまでの流れが最高でした。
    どっぷりどっぷり、小説の中に浸ってしまいま

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    2025年04月30日
  • 狐火の家

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    星は3.5くらい。四捨五入して4。

    私は察しが悪いタイプで推理とか作者の意のままに踊らされる。ある意味、幸せななタイプ。
    もっと推理小説に慣れてる人や察しがいい人にはライトミールに感じて食べごたえがないかもしれない。
    主人公コンビに愛着があるどうかで星の数は変わるかも。

    ただ最後の作品=犬のみぞ知るは、おまけ的な立ち位置ではあるのだけど、それにしても最後のオチはあまりに分かりやすく、且つ洒落っ気もなくて残念だった。

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    2025年04月27日
  • 天使の囀り

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    最初こそ少しタルい感じがするが
    段々と状況が気になり先を知りたくなる。
    状態も想像しやすいのでそこに気持ち悪さを感じた。

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    2025年04月26日
  • 罪人の選択

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    全4編からなる短編小説。
    あまりSF作品を読んだことがないので理解し難い部分もあったが概ね面白かった。
    「夜の記憶」については最後まで何が表現したかったのかわからなかったが、個人的には「呪文」がとても興味深かった。
    おそらく全て、未来都市の話なのだろうが、現代でもなるほどなと思ってしまう部分が多々あった。

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    2025年04月24日
  • 悪の教典(下)

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    蓮見のサイコパスさには息を巻いたが、上巻とは打って変わって、続きが気になりすぎてサクッと読んでしまった。シンプルに面白かった。

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    2025年04月21日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    3冊の中で1番心踊るラインナップのアンソロジーだった。
    様々なタイプのホラーがぎゅっと詰まっていて面白かった。
    またこのシリーズが出て欲しい。

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    2025年04月11日
  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    さすがクオリティが高い。背筋「窓から出すヮ」と櫛木理宇「追われる男」がホラーとして面白く、貴志祐介「猫のいる風景」がミステリとして面白かった。

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    2025年03月23日
  • 兎は薄氷に駆ける

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    父の冤罪を晴らすため、自ら警察の取調べを受けるよう画策した日高英之の話。
    弁護士、弁護士に頼まれ調査する謙介や千春、それぞれの思いが入り混じり、表現されていた。一気に読んでしまった。

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    2025年03月22日
  • 悪の教典(下)

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    凶行を重ねれば重ねるほど、詰めの甘さが露呈し始める後編は、スマートに見えつつも、どこか間抜けさが窺えて漸く蓮実の人間らしさに触れたような気持ちになる。

    というか、前任校でも連続自殺、次の学校ではクラス襲撃。蓮実の行く先々で事件は起こるわけだから、本来なら襲撃以前にもっと怪しまれててもおかしくはないぞ、ハスミン。

    とは言え、数多の窮地もその頭脳明晰さと巧みな弁舌で容易く人の心を掌握して来た彼がそう簡単に怪しまれないか。自分の思うがままに人を操っては満足気に微笑む、彼のそんな様子を想像したら鳥肌モノよ。

    自分にきちんと感情が備わっていてよかった。人の思いに共感できる心があって良かった。

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    2025年03月19日
  • 秋雨物語

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    やはり貴志祐介は長編の人かもしれない。
    どれも、つまらなくはないのだけれど、なんだか物足りないと感じてしまうのは、やっぱり短編だからだろう。
    一番読み応えのあった「こっくりさん」が100頁なのでぎり短編といったところで、オチまで持っていくための要素を縮めることが難しい作家なのだろうと感じた。
    ゆえに、どの短編も構想自体は面白いのに、極限まで面白さを削って無理やり短編にしたような感じで、どこか物足りない。

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    2025年03月17日
  • 硝子のハンマー

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    ネタバレ

    夫の友人からお借りしました。
    600頁以上ある分厚い本でしたが、中だるみもなくあっという間に読み切りました。弁護士と防犯コンサルタントが密室殺人の謎に挑むミステリです。

    面白かったのですが、ちょっとだけ。
    タイトルが大きなヒントになりすぎ!
    トリックはもちろん見破ることは出来ませんでしたが、鈍い私でも硝子に関わることだろうと予想が出来てしまいました。
    それ自体予想せずにもっと純粋に驚きたかった。。

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    2025年03月14日
  • 硝子のハンマー

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    貴志祐介さんというと黒い家のホラーの印象があるが本作のようなミステリーも秀逸
    中盤まで見事にミスリードされる
    後半パートで榎本が犯人に迫るまでは一気読みでした

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    2025年03月02日
  • 秋雨物語

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    ネタバレ

    「餓鬼の田」
    青田の話を最初から全く信じようとせず、分析して、
    それが正しいかのように勝手に理解して納得してる
    美晴の態度が鼻についてしまい、話がどうとかいう
    より意識がそっちにいってしまった。
    確かに信じ難い話だけど、ひとの話はひとまず柔軟
    な心持ちで最後まで聞いて欲しいわ。

    「フーグ」
    悔しい!!
    状況も条件も揃ってたし、ちゃんと記述もされてたの
    に…ただただ話を楽しんでしまった。
    怖いというより、かわいそうだと思った。
    苦しかっただろう…。
    あ”〜 それにしても気づかなかったのが悔しい!

    「白鳥の歌」
    これは…なんとも…切ないというか…なんと言うか。
    最後は少しショックだった。
    黒人

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    2025年02月16日
  • 秋雨物語

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    ネタバレ

    ホラー全体そうかもしれませんが、凄く想像するとジワッと怖い、上手く文書にできませんが貴志さんを感じる4本でした
    餓鬼の田
    結構美晴性格的にはあまり、というかまぁでもこういう子いるよな、って思った。私なら!と盛り上がったその瞬間、すんっ、って感情がなってしまうのなんかちょっと面白いというか青田さんこれの繰り返しなんだろうなぁと
    フーグ
    怖い…まさかウォーターベッドがそんな事になるなんて。もし普通のベッドだったらそんな事になかったのだろうか、いやでも、結局マットの間に転送されてしまうのだろうか、とか
    てか松浪の下心が。もう途中で手を引くべきだったのに結局最後まで…もちろんそうじゃなければ話にはなら

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    2025年02月13日
  • コロッサスの鉤爪

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    室内迷路の密室と、海上で誰も近付けない密室。
    さすが貴志祐介、読みやすい。
    後者のコロッサスの鉤爪は犬の可哀想な部分があったので二度は読みたくないかな。
    だんだん榎本のキャラが変わってきてる感じ。青砥も。これはこれで面白いけど。

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    2025年02月06日
  • 悪の教典(下)

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    ネタバレ

    面白い!!!

    途中から普通にハスミン応援しちゃってました!
    そのくらい魅力的な主人公だと思います!!
    表向きは優しくて明るくて人気者。本性は共感性皆無の冷徹な殺人鬼。こういうキャラ本当に好き。

    ハスミンが1クラスを全滅させるまで殺して殺して殺し続ける場面に入ると、もう読む手が止まりませんでした。

    2人の生徒が既に殺された生徒を使いハスミンを欺いたシーン。
    正直なところ抜かりのないハスミンがあのトリックに騙されてしまったことに少し違和感を感じましたが、あの場面であそこまで機転が利く人間はそうそう居ないでしょうから。。生徒なら特に。。

    個人的には「迫り来る殺人鬼」よりも「確実に本性に近づい

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    2025年02月02日
  • 天使の囀り

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    こういったバイオが絡む話は医学的な基礎知識を要する為、どうしても講釈じみたものになるが、中盤以降の読者を牽引するエンタメ性と作品構成は流石の一言。
    500p超のボリュームの中で、いつどう怖がらせてくるかが意図的にぼかされ、計算高い一冊だった。

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    2025年02月02日
  • 秋雨物語

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    ミステリーホラー作家として名高い貴志祐介さんの短編集である。4つの話から構成される本書であるが、1番オススメなのは白鳥の歌(スワンソング)だ。アメリカの歌手の伝記を書いてほしいと依頼を受けた作家と依頼者(オーディオマニア)が調査者の報告を受けるが、そこには悲しい歴史と秘密が隠されていた。。。
    貴志祐介による珠玉の短編集をぜひ味わってほしい。

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    2025年02月02日