貴志祐介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ホラーというより、“世にも奇妙な物語”を思わせる不思議な短編が4つ入った1冊。
その中でも特に印象に残った2作。
『フーグ』
悪夢のあと、まるで夢そのもののような場所に突然移されてしまう作家・青山の体験が描かれる。本当に瞬間移動しているのか、精神のフーグという症状なのか、境界が分からなくなっていく感覚がじわじわ迫ってくる。残された原稿を通して、現実と非現実が静かに溶けあうような怖さが残る一編。
『こっくりさん』
子どもの頃に遊んだ“こっくりさん”の、闇に触れるようなアレンジ。死の選択を迫る儀式なのか、人生をやり直すための導きなのか、その曖昧さが心にひっかかる。ただ怖いだけではなく、人の弱さや暗さにもそっと触れる物語で、最後には静かに納得できる余韻が残る。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ怖かったらどうしようとドキドキしながら読んだのだけど、思いのほか怖くなく、面白く読めました。
というのも、ISOLAのターゲットは主人公ではないことが明らかで、直接恐怖の矛先を向けられることがなかったからだと思います。
主人公の由香里は、人の感情を読み取ることができる能力を持っている。
そのために家族とは絶縁せざるを得なかったけれど、カウンセラーのようなことをやって生計を立てている。
そして、阪神淡路大震災の被災者の声を聞くというボランティアをしていた時、多重人格障害の疑いのある女子高生・千尋と出会う。
幼い時に事故で両親を失い、叔父夫婦の家で育てられた千尋は、それまで12人の人格を持っていたが、震災をきっかけに13番目の人格が現れる。
その非人間的なくらい感情のゆらぎのない冷徹さ。
元から千尋の中にあったわけではない、13番目の人格が、千尋の周囲に多くの死者を作り出す。
ISOLAの正体は、ある程度まで読んだらわかる。
しかしなぜ、そこまで非人間的な存在になってしまったのか。なれてしまったのか。
由香里の、人の感情を読み取る能力というのは、例えば感情に色がついて見えるとか、感情ごとに形が決まっているとか、そういう共感覚的なものかと思っていたら、わりとはっきり感情を言語化して受け取っていたので、それはちょっとやりすぎでは?と思った。
由香里と真部は初対面の次の日にはもう食事をともにし、互いに好意を抱いている。
そういうこともあるけれど、命を賭してまで互いを守りたいという強い気持ちになるには展開が早すぎるのではないか。
由香里は真部のトラウマの正体を彼の心から読み取ることができるけど、真部はほぼひとめぼれ状態だよね。
まあ、由香里は美人設定だからしょうがないのかもしれないが。
真部も、年齢こそ少し上らしいけれど、高身長で将来を嘱望されている大学助教授だし、イケメンだし、頭が良くて思いやりがあって、適度に鈍くて適度に腹が決まっていて、文句なしの男。
なのに高校生の男の子のように初心。
ありえへん。絶対モテたやろ。
女性作家が書いたのだとしたら「妄想か!」と言うところだけど、男性作家が書いているので「願望か!」と言っておこう。 -
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ネタバレ綾崎隼さんが将棋のアンソロジーに寄稿してると聞いては読まないわけにはいかない!
今回の綾崎さんの作品は、「僕らに嘘が一つだけ」の2人と同世代の朱莉さんが主人公。もう一度僕らに〜も読み返した上で、こちらも読み返したいな。
一話目は青山さんのお話らしく、前向きな気持ちになる門出の話。
葉真中さんは初読み。ただただ少年の手腕に鳥肌。
弟子にしたかった少年を冤罪から救うという白井さんの話にはびっくり。そういう将棋との絡め方もあるのか。
橋本さんも初読み。この一戦を勝てば夢が叶うという相手への対応って悩ましい。そこで手を抜かれて夢を叶えること、本気で相手してもらって破れること。
芦沢さんは気になっていた単行本の表題作?思いがけず読めて嬉しい。本気で目指していて、応援もしてもらって、でもそれを辞めたい時の気持ちを思うと胸が締め付けられた。 -
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密室で起こった事件。状況からして犯人は一人であるものの、その人物「久永」は事件当時猛烈な睡魔から眠っていた。弁護士である主人公は「久永」の無実を証明するべく、防犯コンサルタントの「榎本」と共に密室の謎に挑む。あらすじの通り、シンプルなミステリーであるが、謎の難関さから導き出した答えが何度も何度も否定されてしまう。その度に「これすらも無理ならどうするのか?」といった問いが生まれ、作中のキャラ達と感情がリンクする。後半は犯人の壮絶な過去と経験から犯行に至るまでを語られ、最後は名探偵よろしく謎を解く。現代において探偵としての謎解きに違和感なく落とし込めていると思うが、内容は王道のミステリーである。
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Posted by ブクログ
著者の作品を読むのは数年ぶりでした。
一時期とてもハマって多くの作品を読んでいました。
その時のイメージはホラー作家だったのですが、最近は社会派小説も手掛けているのですね!
本作は読み応え抜群でとても良い作品でした。
本作は冤罪をテーマとしたゴリゴリの社会派小説でありながらも、ミステリー要素もしっかりある上に人間の恐ろしさについても描かれていました。
これまで冤罪をテーマにした作品を多く読んできましたが、何を読んでも悲しくなるし恐怖も感じます。
今の日本の司法では、いつ自分がこのような目にあってもおかしくないと思わされます。
ずっとその問題を指摘されているにもかかわらず、今も警察や検察の体制が変わらないのは何故でしょうか…
社会派小説を読むと様々なことを考えさせられます。
目を背けずに考え続けたいと思います。 -
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映画化されててタイトルくらいは知ってた
頻出するトラブルを解決すべく有能な英語教師が暗躍し、その果てに待っていたのは犯罪史上に残る未曾有の大事件だった! と紹介文にあったけど、映画も原作のまだな私には1巻読んだ限りじゃまだ何のことやら
続き気になる