貴志祐介のレビュー一覧
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購入済み
奇妙な読後感
読み終わった後は何というか「あー…」という感じでした。
この作者さんの作品を読み終わった後はいつも同じような感傷を感じます。
結末がハッピーエンドか、バッドエンドなのか、微妙なラインをフラフラしている感じで、何とも言えない気分になります。その感じがとても癖になるのでこの方の本には病みつきにさせられます。
内容ですが、主人公の恋人のメールから始まり、帰国した彼の様子がおかしくなっていく様を描きつつ、その原因について主人公が奔走していくというものです。さらに大雑把に説明してしまうならば、貴志祐介らしいホラーであったと思います。
私は自分の知らない知識を読むことが好きなので、その部分でもとても楽しめました。逆に、本筋とは関係の無い文章や解説を好まない人には、やや退屈なシーンが多くなるでしょう。
とにもかくにも、現代の小説らしく複雑な心情描写や情景描写は少なく、スラスラと読み進める事が出来るので、人間がおかしくなっていく様をちょっとした息抜きにでも少しずつ読んで見るのも、また一興です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ貴志 祐介氏の小説の特性と自分は考えているが、作品世界がどんなジャンルにもキッチリ当てはまらない混然さが、一つの魅力となっている。SF的でありながらファンタジーっぽくて、ホラーかと思えばミステリ的に収束して…と様々な既刊の作品において、これは正統派〇〇だ!と呼べる作品は見当たらない気がするのだ。
今作もいきなりの不条理設定から始まって、物語は加速していく。ゲーム小説?ファンタジー?と思いきや、将棋をベースにした戦略性の氏独特の創造性に、一気に持っていかれてしまう。
舞台が軍艦島で、異形のキャラ達が繰り広げるバトルは読者の好みは分かれるところだろう、個人的にはこの先のオチに期待しつつ読み終えたが…
それはないんじゃないの?貴志作品にハズレなしと思ってたけど、ちょっと期待ハードルが高すぎたのだろうか?ゲーム制は充分面白いんだけど締め方にはガッカリしてしまった。 -
Posted by 読むコレ
電子書籍だったので、本の厚みは分からなかったけど、一日一冊しか読めなかったところを考えると、それなりに厚い本だったんでしょう。けど、その時間が過ぎるのはあっという間でした。
自分は生来根気強いタイプではなく、長編を読み切る力に乏しい。なので、これまでの読書歴も、一冊ものか、どこで区切っても「まぁいいか」な連載物が主でした。
そういう意味では、一ページ目から結末までの伏線をしっかり張った長編を読むことの良さを教えてくれた、意義深い作品に出合えたような気がします。
とにかく、夢中で読んだ。面白かったです。
敢えて言うなら、読み始めに煽られ、期待してしまった結末とはちょっと異なり、惜しい! という気持ちになってしまった感は否めませんが・・だからこそ、次の本を探す原動力にもなろうというものです。
ありがとう! -
グロいですが…
よく映画化したなぁ、と思うようなぶっとんだ主人公です。彼には彼なりの理論があるのですが、後味悪いっちゃわるいですね。
物語としては一応結末を迎えていますが、その後が気になる作品でもあります。
周りにもこんな人がいたら…とゾッとします笑 -
久しぶりの新作♪
久しぶりの新作ということで、とても楽しみにしていました。
今回の敵は人ではなくタイトルの通り雀蜂ですが、臨場感ある描写でサクサク読み進められました。
ラストには、あー、そういうことか、というどんでん返しが待っています。
個人的には貴志祐介は長編でこそ!という期待があるため、星4つにさせて頂きました。 -
Posted by ブクログ
貴志祐介 著「ダークゾーン(上)」を読みました。
プロ将棋棋士の塚田は、異形の戦士として異世界で繰り広げられるバトルに突然戦う羽目に陥る。将棋の駒のように、味方のモンスターを操って戦うという奇妙なルールの下で続く七番勝負。塚田は戦いに勝利し、もとの世界に戻ることができるのか。
いきなり、異世界での戦いからスタートするという展開でしたが、さすが作者の得意とする所で、すぐにその世界観に入り込むことができました。
また、将棋に似た戦いの奇妙なルールも読んでいる中ですんなり理解し、その地獄のような戦いの勝負に夢中になっている自分がいました。
塚田の味方のモンスターはいずれも、塚田の知り合いで、敵方も徐々にその正体がわかってくるという展開で、この異世界で戦わざるをえなくなった理由が少しずつ読み取れ、下巻のクライマックスに向けて、盛り上がる感じでした。
そこに隠されている秘密な何なのか、この勝負の行方はどうなるのか、果たして塚田はどんな運命をたどるのか、上巻を読み終わった今、下巻の結末が楽しみです。 -
購入済み
止まらない
所々に出てくる残虐なシーン、主人公の心の揺れ動く様など見どころ満載。
読み進める手が止まりませんでした。
これだけ風呂敷を広げまくってどうやってまとめるのか…下巻に期待 -
購入済み
久しぶりに読みたいと思いました
実用書以外は普段立ち読みもしないのですが、同作品の映画を観て衝撃を受け、原作を読みたくなりました。
映像から入ったので、どうしても映画の人物やシーンに重ね合わせてしまうのですが、伊藤英明他適役だったと思っています。
上下一気に読んだので若干目が凝り固まってしまいました(^ ^) -
Posted by 読むコレ
2012秋アニメとして、久しぶりのテレビ朝日系深夜アニメとして放送が開始された「新世界より」を読んでみることにした。文庫版は上中下の3冊になっている。単行本だと上下巻。今回読んだ文庫の上巻は482ページ。かなりの分量である。ちなみに2008年の日本SF大賞受賞作である。
舞台は1000年後の日本。神の力ともいえる「呪力」を手にした時代の人間の物語。序盤は世界観や設定の説明に費やされる感じがするので、その辺の学習を強いられている感じがする。人によっては挫折してしまうかもしれない。アニメ版1話は時系列をちょっといじって、雰囲気の演出に努めていたけど、あれでもまだ分かりにくいのは否めないだろう。
とはいえ、200ページを超えた辺りくらいから急速に物語が動き出す。ここもある意味、説明パートとも言えるのだが、なかなか面白い話になっているので、読んでいて一気に引込まれていく。
そして終盤の逃亡、戦闘、お色気パートなど、盛りだくさんの展開でページをめくる指が止まらない感じに。それでも上巻はまだ入り口にすぎないというのも分かるので、引き続き中巻を読み進めたい。 -
Posted by 読むコレ
「新世界より」の最終巻。時系列は一気に飛び、渡辺早季が26歳の時の出来事が綴られる。
最終巻ではこれまで人間に従っていたバケネズミが一気に反乱を起こす。同時に悪鬼も出現し、派手な戦火が描かれることになるのだけれども、本質的にはバトルシーンはおまけな気がする。
映像映えしそうなシーンは多いけれども、見どころは心理戦というか、それまでに綴られてきた物語を踏まえた上での心の揺れ動きこそが、愉しみどころであり、真実を知った時の何とも言えぬ想いをより深くするのだと思う。
とはいえ、貴志祐介氏の「クリムゾンの迷宮」を読んだ時にも思ったのだが、少しオチが弱い気がするのだ。特に詳細は省くが悪鬼との決着法など、ネタばらしを先にしてしまっているので、読んでいるとあっけなく感じてしまう。
ただ、それも納得ではあるのだ。なにせこの作品は渡辺早季の手記という形式を取っている。記録として綴ったものなので、エンターテインメント作品ではないし、そもそも「作品」ですらないのだ。(誰かに感情移入しやすいようにも書かれていない)
それどころか、この渡辺早季という人間は「信用できる語り手」なのかすら怪しく思えてくる。記述された出来事は本当にあったことなのか。この物語の世界こそが渡辺早季の想像により創造されたものなのではないか。
最後の一行を読み終わって、そんなことを考えてしまうのだった。