あらすじ
これを読まずして貴志祐介は語れない!
『黒い家』『悪の教典』『新世界より』『鍵のかかった部屋』……あの緻密な作品群を生み出した知性の意外な素顔とは。
ホラー、ミステリ、SFなど幅広いジャンルにわたって、挑戦的な作品を書き続けている著者による、デビュー以来の全エッセイから精選したエッセイ集。
作家としての思索や社会への提言のみならず、ある時は、小説もびっくりのホラーな出来事を、ある時はブラックなユーモアを、ある時は謎の日常生活を、ある時は溢れる野球愛を、絶妙な文章で綴っています。
謎多き“エンターテインメントの革新者”を、より知るための一冊。
文庫特別収録として、韓国での講演会の原稿「文学におけるヒューマニズムと悪について」収録。エンターテイメント作品という立ち位置の中で、なぜ大量殺戮などを描くのかが、明晰に述べられた名講演です。
【目次】
悪役の特権/なぜ緑色の哺乳類はいないのか/なぜ、エスパーは、少女でなければならないか/偽ドキュメンタリーの真実/極悪鳥/私は監視されている/スッポンの首/チェスボクシング/下品なスーパーヒーロー/台湾の夜市/思い出の『エクソシスト』/異形のまなざし 等
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
エッセイってあんまり好きではないのだけれど、とてもとても面白かった。
星マイナス1こ分は、作品の方が面白いからw
貴志先生の中身が知れてよかった〜ってのは全然なく、むしろ先生であったことがマイナスではあるけれど、自分以外の人間の考えていること(=エッセイ)で「面白い」と思えたことがほぼ初めてなので、とても楽しかったかなー。
内容、特に論じている章なんかは、神永先生ばりにウザかったけど←悪い意味ではないw
Posted by ブクログ
作家・貴志祐介のエッセイ集。初っ端ちょっとしたホラーよりも恐ろしいリアルな恐怖譚から始まり、どんな怖いエッセイなんだろうとビビリつつ読み進めると他はそんなに怖くなかったです(笑)。海外に行った時の話や野球の話、10枚の絵画についての筆者なりの解釈や、『新世界より』の時のインタビューなど色んなジャンルを詰め合わせた一冊でした。
Posted by ブクログ
貴志祐介の極悪鳥になる夢を見るを読みました。
konnokも気に入っているホラー小説作家貴志祐介のエッセー集でした。
ホラー小説を書いてあるだけあって、ものごとの見方が普通の人とは変わっていて面白く読みました。
とは言え、「人間が絶対に過ちを犯さないことを前提に作られているシステムと性善説に基づいて作られているシステムは必ず破綻する」という指摘についてはその通りだと思ったのでした。
Posted by ブクログ
中学生からたくさんの本を読んでいて、いいなぁと思った。
8年間サラリーマンとして働いて、
それでも小説家になりたいという夢を捨てきれないとかすごい
わたしも本に関わる仕事がしたいなー校閲とか校閲とか校閲とか
この人はやっぱり頭が良いということがわかった。
もっと本を読んで、想像力を豊かにしよう、と思った。
これ以上想像力豊かになったら、何にもなくてもトリップできちゃうわ
Posted by ブクログ
ホラー小説作家である貴志祐介によるエッセイ集。
著者の描くホラー小説は、超常現象や心霊といったものではなく人間の持つ狂気をテーマにしたものが多く、多くの現象が理論的な説明で根拠が示されている印象だが、
エッセイの中では自らを超合理主義者と説明しており、なるほどという感じだった。
『新世界より』の発想が生まれた経緯が、『地球の長い午後』や動物行動学者コンラート・ローレンツの「悪=種内攻撃」という切り口から生まれているという内容が印象的。
作者がホラーを書く理由として、希望や光を描くためには、絶望や深く暗い闇が必要と述べる。
またこの世に存在する悪の存在をしっかり認識するべきで、本の内容を通した思考実験や登場人物が置かれた状況を擬似体験し想像力を育てる事が読書をする一つの意味だと説明する。
娯楽を目的とした「エンターテイメント」作品にはミステリーやホラー、SFなど様々だが、作者の言うように1つの思考実験としての読書体験は重要だと感じた。
Posted by ブクログ
ホラーSF作家、貴志祐介によるエッセイ集。
生まれ変わったら何になりたいか、早口言葉の創作など、こんなことを考えているのかという自由な発想が面白い。
個人的には「なぜ緑色の哺乳類はいないのか」というエッセイが興味深かった。
考えたことはなかったが、言われてみれば確かにという着眼点。
日々疑問を持って過ごしていたら生活は豊かになるだろうなと思わせてくれる。