貴志祐介のレビュー一覧
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購入済み
冷静な怒りの炎
この作品は男子高校生が完全犯罪を考えていくというなんともやり切れない物語だ。
世の中には本当にどうしようもない程のクズみたいな人間はいるであろう。
でも殺人はよくないよ、と言うことはただの第三者からの意見であると私は思う。
当事者にとってはそれが唯一の方法であって、他に助けを呼べない、呼んでも助けてくれない状況なのだから。
少年が冷静に殺人の計画を練る姿は、悪の教典を思い出す程の寒気を感じるものであった。
だが、冷静な反面、心は怖がっていた。
そんな葛藤を描くシーンもあり、色々な感情が揺さぶられた。
嘘は嘘を呼ぶしかなくなる。
犯罪は新たな犯罪へと繋げてしまう。
怒りは新たな怒りを生み出 -
Posted by ブクログ
貴志さんの小説は、様々なテーマがあり毎回ワクワクさせられる。同時にあらゆる観点と切り口から「人間を人間たらしめるものとは何か」を問いかけられているような気がする。
今回は入口が【前世】で、貴志さんの新しいアプローチにやはりワクワクさせられた。
蓋を開けると前世に加えて、記憶・意識・個と全、そういった切り口で問いかけられている。
私はこの類のテーマが好きなのでなおさら惹き込まれたし、ラストは自然と涙が溢れた。まるで自分も記憶や意識を共に辿ったかのようなちょっとした追体験のような。
今回の着地はきっと賛否別れるんだろうと思う。
でもそれこそが私たちを私たちたらしめている証ともいえるのでは? -
ネタバレ 購入済み
非常に面白い
読みながらこちらも緊張してしまうような情景描写の優れた作品。
『善意で踏み固められた道も、地獄へ通じていることがある、、、』とても好きな言葉です。 -
購入済み
犯罪の手法とその操作の多様さに目を見張る作品でした。トリックの可能性を検証している前半はややまどろっこしいですが、後半にかけてどんどん面白くなります。犯人、正直逃げおおせてほしかったな…
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Posted by ブクログ
ネタバレ
中盤の対局はボードゲームの認識の裏をかくような(生き埋め作戦とか)でアクロバティックさを出しつつ、最終的にグリッドを進むゲームの原則に則り敵を倒すのが裏技と正攻法の両方楽しめてかなりよかった。軍艦島そのものの地理がちゃんとわかってないと文章だけでマップの特性を想像するのが大変ではある。地図欲しかった。
最後はリサールタッチと玉の相打ちだったわけですが、将棋と同じ頭の使い方でいいんかなとちょっと思ったが面白かったのでok
対局と断章が交互に出て最終的にエンドレス修羅モードに入る流れは勢いがあってよかった。
将棋や囲碁、チェスなどのおもしろさがわかる人向けに書かれており、割と人を選ぶ気はする。