あらすじ
生き返る「駒」、ワーアップ。軍艦島を舞台に奇妙なルールの下で続く七番勝負。過酷なバトルはいよいよ佳境に。そして明らかになる驚愕の真実とは? 将棋&バトルの究極エンターテインメント!
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Posted by ブクログ
読後感スッキリとまではいかないが、これまで読んだ著者作品からすると、らしい読後感だろうか。賛否両論あるようだが、私は大好きだし非常に面白かった。『ライアーゲーム』好きな人はハマれそう。結末に誰もが納得いくオチや鮮やかなすべての伏線回収を求める人には合わないだろう。
主人公の性格が生み出した究極の現実逃避であるが、永遠に安らぎを得ることができないのは憐れかつ自業自得なのか。梓が諸悪の根源なのにお咎めなしなのが腹立たしい。
貴志作品他も読んでみたいが、ホラー苦手なので角川ホラー文庫になかなか手を出せない。あらすじを見る限り、いけそうな気もするが…。『クリムゾンの迷宮』が読めたら他も読めるのかな(><)
やっぱり好きですね
私が貴志さんの本に出会ったのは、学生時代に友達からイソラを借りたのがきっかけでした。そこから10年以上たってから、別の友達に別作品を勧められました。それもあってか、運命的なものを感じます。戦闘隊形自体が変化していく過程や、持ち駒の交換などのゲーム性が魅力的です。私はSFが好きですが、この作品もSFを内包しつつ、ロジックで戦闘シーンを構築している感じがして、読みごたえがありました。終盤は悲哀の色が強いですが、人も駒のひとつであるのかと思いました。ゲームはやり直せるかもしれないですが、失ったものは取り戻せないようなビターな読了感でした。羅生門の暗闇を見ているような、そんな感じです。でも、その後にひと展開している感じは、エンタメ性に優れていると思います。勝負に勝つためには、時には人間性も犠牲にしないといけないし、そこに執着心をもつ主人公のさがが、哀しいですね。
Posted by ブクログ
中盤の対局はボードゲームの認識の裏をかくような(生き埋め作戦とか)でアクロバティックさを出しつつ、最終的にグリッドを進むゲームの原則に則り敵を倒すのが裏技と正攻法の両方楽しめてかなりよかった。軍艦島そのものの地理がちゃんとわかってないと文章だけでマップの特性を想像するのが大変ではある。地図欲しかった。
最後はリサールタッチと玉の相打ちだったわけですが、将棋と同じ頭の使い方でいいんかなとちょっと思ったが面白かったのでok
対局と断章が交互に出て最終的にエンドレス修羅モードに入る流れは勢いがあってよかった。
将棋や囲碁、チェスなどのおもしろさがわかる人向けに書かれており、割と人を選ぶ気はする。でも刺さる人にはめっちゃ刺さる
Posted by ブクログ
素晴らしい!
この設定で、これだけ爆走しまくって、現実のミステリとかいったり来たりの描き方とか、、、そういうの全部ちゃんとまとめた!素晴らしい!!天晴れ!!!
夢落ちとか無理くりとかファンタジーとか、そういう有耶無耶じゃなくて、きちんとしっかり正しく面白く作られていることが尊敬して止まないです。
読み物として「夢敗れそれでも足掻き身勝手に傲慢に言い訳ばかりのクズ男の、苦悩と葛藤と心の弱さを最低最悪に書き連ねた」っていう、とても良く書けている小説だと思いますが、塚田みたいなヤツはほんと嫌いでしたw
どんだけの『とんでも虚構』を載せても、そこに確かなリアルがあってそれが自身の日常の延長線上にあるものだ!と納得させる・体感させるだけの文章力、描写力にいつもいつも脱帽です。
Posted by ブクログ
将棋をモチーフにした命懸けのゲームが展開される。手に汗握る頭脳戦や心理戦が読んでいて楽しかった。現実世界での種明かしも、成る程なとなり上手く纏っていた。
Posted by ブクログ
巻では、ダークゾーンでの戦いが力の倍増する昇格(プロモーション)を交えて、白熱していく。この死闘と現実世界での出来事との関係性とは。
主人公の塚田が好きになれず、ダークゾーンの正体を含めた話のオチはいまひとつでした。しかし、戦闘シーンの描写は見事で、手に汗握る展開に読む手が止まりませんでした。
物語全体を通して、作者と話の設定から期待して読み始めてしまった分、物足りなさを感じてしまう作品でした。