貴志祐介のレビュー一覧
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ネタバレ怖くて密度が濃くて面白かった!
フーグだけなら星五つ。
黒い家と同じくらい怖かったかも。
備忘記録
◯餓鬼の田 モテそうなのに、付き合えそうで付き合えない運命を嘆く男性。最後、女性が「スンッ」となるのが笑えた。
◯フーグ めっちゃ怖い!!ゾッとした。これぞ貴志祐介と感心した。瞬間移動を止められない作家がウォーターベッドの中で溺死。拝み屋のおばばの言うことを聞いておけばよかったのにね。「運命に身を委ねれば万に一つでも助かるかも」が効いてる。
◯白鳥の歌 伝記を書くように頼まれた作家が、二人のオペラ歌手の悲劇を聞く。蘊蓄が多くて興味深かった。描写がうまくて、作中出てきた曲をまた聴きたくなってしまう。
◯こっくりさん こっくりさんが安楽死させてくれるはなし。段々と事情が詳らかになっていくのが絶妙に面白かった。バッドエンドかも知れないけど、神様が案外優しくて心穏やかに読み終えることが出来る。 -
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「将棋」をテーマにしたアンソロジー。
大好きな伊奈めぐみさんの装画が可愛すぎるし。
大好きな青山美智子さんから始まるのだけど、初っ端から泣きそうになった。
「授かり物」
天才棋士と偶然同じ生年月日の息子が、唐突に漫画家になると言い出すお話。
普通の人生って何なんだろう。
分からないのに、「才能」みたいなものを必要とされる職業に就くことに、不安を感じる。
将棋は、「王」を取るゲームではなく、「玉」を取るゲームだったかもしれない、という解釈も、ストーリーに合っていて良い。
他にも、ちょっと怖い話や、奨励会員をめぐるキリキリする話など、豊かで面白かった。
将棋に関する小説が増えてきたような気がする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ三編それぞれ時代も扱う専門的な話も違って興味深かった。
俳句の話で詳しい解説が入ったなと思っていたら、次の話では(オチに関わるので詳しくは言えないけれど)どちらかというと理系の分野の話だし、最後の話に至ってはキノコのオンパレードに狂言も絡むという。
様々なジャンルに詳しくないと書けない話だなとしみじみ思った。
話も最初の二つは主役が自業自得でオチに至るホラー話だが、キノコだらけの話はミステリ色が強く、また最終的には泣ける話という異色話。
ホラー系と見せかけてのこの話、個人的にはすごく好みだった。
キノコを使って懸命に伝えてくれていたのかと思うと……真相はしんどいが、感動的だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトータル3.5くらい。
書き下ろしなので全部新作だったのが良かった。
この中で好きなのは貴志祐介の『猫のいる風景』かな。曖昧オチではなく、きっちりミステリーもしてホラーもやってる。お化け無しで楽しませてくれた。
有栖川有栖『アイソレーテッド・サークル』
クローズドサークルの定義について話をしていて、どこかミステリーな雰囲気はあるものの、結局何かは不明で、結局どこかの異界らしいということで終わる。でも面白かった。
ミステリー小説だったら犯人がいるのに、この話では何かを見つけてはいけない、見てはいけない。犯人を見つけることが禁じられる恐怖。
北沢陶『お家さん』
丁稚奉公目線なので時代がわかりにくかったけど、尋常小学校や電話などで結構最近なんだなと感じるが、最後にスペイン風邪でした、と知らせるのは面白かった。本当に怖いのは怨み節をぶつけてくる幽霊か、それを素通りして恨みを果たそうとする人間か。というか一家全滅して良いのか。
背筋『窓から出すヮ』
恐怖って理不尽で理由なんて無いんですよ、という話だが、まあまあ一貫してて、ちょっと中途半端な印象。
作中の一つ目小僧の一応のオチも怖かったけど、怪奇現象が起きてくれないと困ると切に願う主人公作家もまた恐怖というか。笑い話にもなりそうなあんばいだなあと思った。
櫛木理宇『追われる男』
人間怖いの話の類いだけど、現代においていつとばっちりを食らうかわからないという恐怖を味わえて面白かった。でも最後のサユミは誰に殺されたのか曖昧にしたのはちょっとつまんない。状況的に主人公が殺したというオチにもっていけそうなところもあるが、結局主人公目線でしか読めないので、そこら辺が不明瞭。
貴志祐介『猫のいる風景』
姪がめちゃ頭良い。理詰めで主人公を追い込んでいくところがホラーというよりミステリー。でも最後は猫に舐められ食われるホラーで終わって面白かった。この作品のみお化け要素無しでガチのミステリーと恐怖を味わえて面白かった。
言葉遊びの類いは貴志祐介の好きなやりとりすぎてもはやほほえましい。
恩田陸『車窓』
富士山を見ようとする最初の下りのゾッとした感じは良かったな。幽霊みたいだなと思わせる前フリでめちゃ良い。
でも結局見えたのは隣の男、Nなのか?満面の笑みなのは、ようこそこちら側へ、という意味なのか?
現代に寄せていろいろ見せてくれたが、結局は曖昧オチでそこは残念。
数字もきっと大地震とか、テロとかそういう戦争や災害の日にちなんだろうなと思わせるものだが、最近は陰謀論とかそういうのでよく目にするので、この作品自体ちょっとなあ、という感想持っちゃう。何かを見た気がして、勝手にあれはこのことだったんだという改竄の話にしてしまうのはなんかやだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレホラー短編4作品、どれも趣向が違っていて楽しめた。
「餓鬼の田」
怖いというより可哀想な話だった。餓鬼の飢えが癒えることはないのだ。
「フーグ」
寝ている間に自分の意思が通らない・制御できないという点で、実際に悪夢を見た時の感覚が想起され、その無限に膨らんでいく恐怖がとても良かった。監視カメラの映像を確認しているシーンは、その様子が頭に浮かんできてより不気味さが増した。部屋の隅にうずくまっているのって、たとえそれが生きている人間であっても妙に怖い。霊能者が「餓鬼の田」に出てくる人と同一人物に思えるので、その後も登場するかと少し期待してしまった。この霊能者目線の物語も読んでみたい。
「白鳥の歌」
これは作者らしさがあるテーマだなと思った。芸事のために悪魔に魂を売るといったようなことは昔から言われるが、人間の限界を超える瞬間、それは神秘性を帯びた存在になるのだろうか。神々しく禍々しい歌声というものを聴いてみたくて仕方なかった。
「こっくりさん」
都市伝説をテーマにしていて馴染み深い。ただしお遊びではなく本気の召喚。安らかに死なせてもらえるのなら儀式をやりたいと思う人は大勢いそうな気がしてくる。ここまでの3作品でバッドエンド続きだったため、最後はとびきりの後味を期待していただけに、4人全員が許されたのは意外だった。