貴志祐介のレビュー一覧
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ネタバレ名家・福森家で起きた凄惨な殺人事件。福森家の親戚で祖母に呼ばれた亮太は事件現場である福森家の大きな屋敷へ向かうと、霊能力者を名乗る賀茂禮子という女性がいた。
家を見ていく過程で、賀茂はこの事件は呪物によるものだと断言する。実際、福森家には様々な骨董品が集められていて、そのひとつひとつに怨念のこもった曰くがついていた。
冒頭から様々な植物の魔除けの効果や呪物の説明がたくさんあって情報量が多く、覚えながら読むのが大変だった。結構すぐ忘れて戻って読み返したりもした。
月晨が出てきたあたりでもともと得体の知れなかった賀茂禮子が敵かもしれない、となり、そうなるともう全員怪しくて疑心暗鬼になりながら読む -
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ネタバレ・前半☆4、後半☆3
・設定めっちゃ好き
・地球とは思えぬ異世界で参加させられるデスゲーム
・主人公チームだけが情報によって優位にゲームを進められているという優越感
・運営の罠で人ならざるものになった2人組に追われる緊張感
・先が気になってどんどん読み進めてしまう
・最初の道具ドラフトでコンドーム選んだシーンは笑った
・たしかに女性とチームでコンドーム選んでたら、他チームからはこいつ状況わかってんのかよってなるわな
・ラストで藍も運営側でカメラマン役ってのは驚いた
・ただ全体的に引っかかるところもあった(特に後半)
・重要っぽい情報への主人公のすっとぼけ方が気になった
・あと主人公と藍の恋愛シ -
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赤く染まった火星のような世界で目覚める主人公達。理由もわからぬまま、プレイヤーたちは極限の状況で生存をかけたゲームに巻き込まれていく。
プレイヤーたちは、それぞれ異なるアイテムを得られるルートの中から一つを選んで行動を開始します。食料、護身具、情報など、生死に直結する要素を選択する緊張感が読者にも伝わり、まるで自分がゲームブックの中に入り込んだかのような感覚を味わえます。主人公は「情報」のルートを選んだことで、他プレイヤーの動向やアイテムを把握できる立場に立ち、物語が一歩一歩戦略的に進んでいくのが実にスリリングです。
文章は平易で非常に読みやすく、スムーズに物語世界に入り込めます。一方で、 -
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【2025年92冊目】
社員旅行の翌朝、欲を抱いた男女が散歩に高じた結果――「餓鬼の田」、謎の転移現象に悩まされているという作家が消えた――「フーグ」、絶唱の秘密を探す道楽家が知る真実――「白鳥の歌」、夢が叶うかもしくは死ぬか、ロシアンルーレット式――「こっくりさん」。4つの不可思議な短編集。
ある種のネタバレかもしれませんが、貴志祐介さんの作品でかつ角川ホラー文庫ということから、まあ救いのある話たちではありません笑 そこまでの絶望でもないかもしれませんが、ハッピーエンドではないという感じでしょうか。
「餓鬼の田」は気の毒に…って感じでしたね。「フーグ」は作中作もあって、展開がどうなるか読 -
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何とも言えぬ気持ち。
バケネズミに対して必要以上にいたぶる残忍さ、命を奪うのに躊躇しない冷酷さが度々描写されていて違和感があったが、それが伏線だとは。
呪力の持たない人間の遺伝子を、呪力を持つ人間の都合で改変してバケネズミができたとわかった後に、バケネズミを冷酷に扱うのはいかがなものかという倫理観が早希の中に芽生え始めていたが、それには共感できない
攻撃しても罪悪感が湧き上がらないように醜い姿形にし、呪力を持つものが優性を保てるように従属させる目的で作り上げたバケネズミ。その歴史を知ったところで、存在としてはその知識があった時と、なかった時とで何も変わらないわけで。自分と生物学的に同じものかも -
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ネタバレ賀茂禮子については他の作品でも読んだことがあったため、再会した驚きと喜びがあった。
書かれているのは主人公の先祖の狡猾さと悪行の数々だが、主人公が現代の若者なので独特の軽さがあって、それが読者としては息抜きポイントになっていて良かった。ふとした瞬間の言葉が面白くて何度か吹き出した。
怨念と賀茂禮子の戦いになるのかと思いきや、主人公がひとりでなんとかしなくてはならない展開が無茶で、また笑いを誘った。「やったれ!頑張れ!」と応援していたが、当人はそれどころじゃない。
現代の殺人事件のようなはじまりだったが、どんどん過去を掘り下げて先祖の因縁にまで行き着くのは予想外だった。こうやって束になって復讐さ