貴志祐介のレビュー一覧
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ネタバレ久々の貴志先生ってだけで満点なんですがww
ホラーでこそなかったけれども、ほぼほぼホラーな血生臭さでしんどいシーンもありつつ。。。随分深い難解なお話でした。
ただ、やっぱり 貴志先生だなーってのは、こんだけ重くて痛くてしんどくて。。。ってお話でも最終的には謎かけというかファンタジーというか、ミステリーというか?そういう「読み物としての楽しみ」にまとめ上げるところが本当に素晴らしい。
「え?何が言いたいの??」みたいなことはなくて、なるほどね〜って思わせられるその決着が素晴らしい。
あとがきのインタビューにあったように、雑誌連載の時にはそこまでまとまっていなかったってお話だから、単行本派で良かっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。
「夜の記憶」1987年
あまり面白くは無かったけど、デビュー前の作品としてはすごいなと思う。二つの視点で片方は深海魚というか、人間じゃない視点でやってるのがすごい。
「呪文」2009年
面白かった。マガツ信仰。諸悪根源神信仰というのが面白い。あまり知らなかった概念だけど、その思考はわかる。面白いな。
超能力は結局あったということか。オチとしても、もう人の手を離れた企業という神が面白いな。国家よりも企業の力のほうを上に置くのを「赤い雨」でもやってて面白い。
「罪人の選択」2012年
どこかで読んだ気がするけど違うかも。でもこの二者択一で迫るのまま見るよね。缶詰か酒か。感謝か怒りと -
Posted by ブクログ
ネタバレあっという間にするする読めて面白かった!
多重人格者とのセッションで謎を読み解こうとするあたりはとても興味深く読んだ。心理テストの答えや描いた絵の不気味さを感じ取った瞬間が一番ゾーッとしたかもしれない。漢字に意味のある名前が付けられているのも得体が知れなくて良い。
磯良の正体が弥生だとは想像もしなかった。
千尋は今後、更に恐ろしいことをしでかすかもしれないが、千尋の身の上を考えると憎みきれない部分もある。人間の悪意や呪い、少数派を排除しようとする愚かさ、弱い者をいたぶる醜悪さ、これだけのものに触れてきた千尋がもう元には戻れないであろうラストは胸が痛む。
"結局、どこでも、一番弱いもの -
Posted by ブクログ
ネタバレ【夜の記憶】
かつて人間だった男が、意識だけを異型の魚類に移されて生活している。
人間だったときの妻との記憶、違う星に行ってしまった妻と海上をボートで疾走した記憶を思い出し、海中を全速力で飛翔する。
とても美しい。
一生会えなくても、人間の姿ではなくなっても、彼の心を満たすのはまだ若かった妻との記憶。
【呪文】
時間も空間も超えて、さらに無意識にお互いを攻撃し合って破滅した植民惑星の話。
ただの民衆の捻くれた信仰心が破滅に導いたのではなく、実際に意図的に(無意識だけど)攻撃されて悪いこと続きだった。
そのへんの設定がどう理解すればいいか難しい。
連れて帰ったタミちゃんは美少女になって長生き出 -
Posted by ブクログ
ネタバレ純子のアホ推理が可愛く思えてきた笑
【佇む男】
被害者が死んでいた現場状況にゾッとした。
密室トリックも予想がつかないもので、さらに非道なやり方で若干ヒトコワ。
【鍵のかかった部屋】
事件のことよりも、会田と美樹が仲直りできるのか、仲が戻ってほしいという思いでいっぱいだった。
無事信頼関係が戻ってホッとした。
一回犯罪者になってしまった会田が更生して、心の底から甥と姪を思う純粋な気持ちを持ち続けていたことに心が洗われた。
【歪んだ箱】
このシリーズでは初めて、最初から犯人は分かっている状態。
何も殺すまではしなくても、とは思うが、とんでもない欠陥住宅を作られた挙句、補償もないなんて犯人に -
Posted by ブクログ
物語前半は不穏でゾクゾクしたが、後半にかけてB級感が出てきた。
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賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。だがやがて、十三番目の人格「ISOLA」の出現に、彼女は身も凍る思いがした。第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。