貴志祐介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ死ぬほどネタバレしてるので気をつけてください。ていうか、もはやネタ解剖しちゃってます。あくまで感想の域は超えませんが。↓↓
本書を読んで強く印象に残ったのは、極限状態での人間の恐ろしさ以上に、「人間は『善か悪か』だけでは決して割り切れない」ということだった。
その象徴が「藍」だと思う。
終盤、藍がゲームの主催者側にいることが明らかになる。藤木からすれば明らかな裏切りだが、彼女自身が自由な意思でその立場を選んだわけではなく、状況的にゲームに関わらざるを得なかった側面もある。そう考えると、藍もまたゲームに囚われた一人だったのではないか。ただし、だからといって彼女を善人として見ることもできない -
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日常に潜むホラーを、虫の生態系に重ねた情景描写が、身体の芯からゾワっと感じ、貴志祐介の味が出ていて良かった。
保険会社に勤める主人公。保険を売るということは、「死」という事象に価値を提供しなければいけない。そんな立場の主人公ならでは目線で、「生」とは。「死」とは。という部分に触れられている。
そこには会社員としてのロジカルな思考と、人間としての本能的な思考とで、主人公の中に常に葛藤がある。
その葛藤の末に出した道理から外れている存在を、「サイコパス」や「人間の形をした化け物」といった表現で切り離そうとしている様子と、全てを受け入れようとする、心理学を学ぶ彼女という存在がその対比構造を分かりや -
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底辺YouTuberが旧家の災難(呪いのオンパレード)に巻き込まれるドタバタ劇。まず600P超と長い。登場する呪物アイテムの解説が丁寧すぎるほどあるのと、状況説明が変に丁寧だが、トータルの期間としては実は短い。
前半戦はとにかく状況把握と呪物の解説に耐える必要があり、後半戦は確かに実際の呪いや敵との対峙で読みやすく面白くなってくるので要注意。呪物は覚えようとしても無駄。ぶっちゃけお宝鑑定団見ている気分。
ストーカー気質の彼女の話や、呪物を分析する友達の話が意外に面白かったのにそこはあっけなく終わってしまい何の意味があったのかわからない。主人公の霊感が強まる背景もなかったため、感情移入もしに -
Posted by ブクログ
ネタバレフリからオチまでの大まかなあらすじは面白かった。
保険制度はもちろん、心理学も絡めつつ保険金殺人を掘り下げる内容は個人的に新鮮だった。
それぞれの肖像の表現が秀逸で、匂い立つような不気味さがぷんぷん伝わってきた。
が、バーボン片手にいい時計キラーんな金石とのやりとりが長すぎて、中弛みが半端じゃなかった。
中盤から後半に差し掛かるにつれ、さすがにこの状況は恋人の恵ちゃんにも危険が及ぶのでは!?大丈夫なのか?!と、違った意味でこちらがハラハラ。逆によく助けられたね。もう少し外堀埋めつつ、心理戦楽しませてほしかったな。
全体的にゾクゾクするというより、それで大丈夫かー?!っていうツッコミと、言 -
Posted by ブクログ
防犯探偵シリーズの第4弾です。
腰を据えて、頭のギアを一段上げないと、置いていかれてしまうぞと思いました。
密室やトリックの組み立ては相変わらず精密で、理屈がきれいに噛み合った瞬間の気持ちよさはさすがです。
キャラクターも安定していて、感情を排した視線が物語全体を冷やしてくれる分、事件そのものに集中できます。
反面、その精密さゆえに人物の体温が遠く、感情で転がされるというより“解く作業”に寄る瞬間もあります。
2編とも面白いですが、個人的には「ゆるやかな自殺」の方が切れ味がよく、後味の悪さまで含めて効きました。
好き嫌いは分かれますが、推理好きの脳を確実に起こしてくる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
嵐の夜に起きた資産家の一酸化炭素中毒死と、容疑者とされた甥への不当な調べ。警察の圧力によって無理やり調書にサインさせられた「強要された自白」から始まる事件は、15年前の不当捜査や世間の冷ややかな目、そして「不幸の連鎖」が複雑に絡み合う壮大なドラマの幕開けだった。
取調室で「やっていない罪を認めてしまう」過程の恐ろしさや、長期間拘束された際、普段から抑圧に慣れている人ほど耐性があり、自由奔放な精神の持ち主ほど絶望したときに脆いという人間心理の考察には深く納得させられた。
そして、法廷での英之と石川検事の遣り取り。一見攻め立てているはずの検事の方が、実は英之の緻密に組み立てた「台本」の上で踊らさ