貴志祐介のレビュー一覧

  • 悪の教典(下)

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    必要なしとしたのかわかりませんが、全体的にカタルシスがなかったなという感じでした。
    ハスミンのイカれっぷりを楽しむものってことなら後半はイマイチ。 女子生徒を殺すのを躊躇ったことがその後特に何にもつながらずに終わったことや、
    無駄に関係性の進展をほのめかして何もなかったカウンセラーとのくだり、意味ありげだったのに大して意味もなかったカラスの描写など、消化不良要素がチラホラあったんじゃないかと思います。
    ただ最近でここまで先が気になって一気読みしたものはなかった。
    あとがきは普通に引きました。

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    2025年12月15日
  • 天使の囀り

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    長い。
    すごく怖い話だったけど、ネタが古い。
    4半世紀前の作品だからそれはそうだ。
    当時読んでたらすごい面白く感じてたと思う。

    個人的には、線虫に感染して快感を感じまくって死ねるならそれもいい派です。
    恍惚として死ねるって結構幸せじゃね?しかも最後の2週間ぐらいは、人生がめちゃめちゃ充実するし。個人的には結構アリ!

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    2025年12月13日
  • 悪の教典(上)

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    『黒い家』が今年読んだ中で一番おもしろかったんで、同じ作者で同系統の小説を探したことろ本作を推奨された。

    正直、上巻を読み終わった時点での評価は『黒い家』を10としたら6.5ぐらい。学校を舞台にしてるんで必然的に登場人物が多く全体像が掴みづらい。こういう小説ほど登場人物紹介図があって欲しいんだが、、新しい登場人物が出てくる度にイライラする…読み進める内に分かるだろう(?) 的な考えなのか。。今のところ物語の進行はかったるくワクワク感は薄い。無理に残酷、非情展開にしようとしてる?

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    2025年12月11日
  • さかさ星

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    貴志祐介の長編作品。細部まで設定を詰めることでリアリティを出すのはやはり上手い。
    特に冒頭の由緒ある大きな家に独特の薄気味悪さや静かな恐怖みたいなのがよく現れていて、惨劇が何を表すのだろうという興味も相まってどんどん読み進められた。
    惜しむらくは後半の展開で、どんでん返し系の作家さんじゃないとはいえ、もう少し展開に意外性や伏線回収感があると良かったなぁとは思ってしまう。

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    2025年12月11日
  • 新世界より(上)

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    読み始めは宮部みゆきの「ブレイブストーリー」を思い出したけど、性的な描写もあってちょっと大人向けの冒険譚

    今の人とは違う性的慣習や能力の描かれ方はSFっぽくて、記憶が消されるところはホラー感もある

    社会の成り立ちを解き明かすくだりはミステリーっぽくて、いろんな要素が詰まった物語だなと思った

    ラストは意外で、異なる種への敬意や、能力がある人と持たない人との共存の難しさを考えさせられる結末でした

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    2025年12月01日
  • さかさ星

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    なかなかに難しかった。
    ひとつひとつの呪物にこもった怨念の話は面白かったけど、多すぎてこの呪物の話なんだっけ?ってなった。
    あと家族関係や屋敷内の様子が分かりにくかったから、相関図や家の見取り図的なのあるとよかったな。

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    2025年11月27日
  • 兎は薄氷に駆ける

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    冤罪なのに父は獄死した。
    父を失い、不幸に落とし入れられた子の復讐劇。
    彼女、弁護士までもが片棒を担いでいた。
    家族を失った辛さは計り知れないけど、人を殺してまで復讐したいと思うのか?そんな本でした。

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    2025年12月07日
  • 天使の囀り

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    説明が長いことが多くてつまんない部分もあったけど、最後の方で二転三転して物語が進んでいく感じは面白かった。でも、とにかく話が気持ち悪かった(ホラー小説だから、いい意味で)。

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    2025年11月24日
  • さかさ星

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    けっこうひき込まれて読み進めていき、そのペースは衰えない。なのになにやら訳分かんなくなってきて、結局…なんだったんだろ。数多出てくる呪物は敵か味方かすっかり見失って混乱し、殺された福森家の皆さんの屍は完全にゾンビ状態になってた。あんな呪われた、しかも殺戮の跡がいまだ生々しい屋敷で通夜だのします?というか事件後に人が住み続けて、さらに命拾いした子どもたちを呼び戻します?日震も月震も退治はできないまでも、あんなんでほっといていいのかなぁ?賀茂禮子さんは頼りになるようではてさて。いずれねせよ亮太くん、お疲れ様。

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    2025年11月24日
  • さかさ星

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    呪物や霊媒師などオカルトを詰め込んだ本作。呪物vs呪物という呪術廻戦のようなワクワク感があった。しかし呪物の説明が長すぎる…

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    2025年11月17日
  • クリムゾンの迷宮

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    目を覚ました主人公の視界に広がる、深紅色の奇岩。その「深紅(クリムゾン)」は、やがてサバイバルの暴力と交錯し、血の深紅とも重なる。
    昔観た映画「トータル・リコール」の火星の風景を思い出すような非現実的で異様な光景でした。

    貴志祐介さんの『青の炎』『天使の囀り』と同時期の作品と思うと、現実と虚構の境界をあえて曖昧にしながら、人間の本能や恐怖を描いていた時期なのかな。

    この作品は、私の苦手なゲーム的展開。
    早く真相に辿り着かないかな、とこの「ゲーム」に潜む悪意の表現へのシフトに期待していましたが、むしろこれは展開そのものを楽しむタイプの小説なのだと思います。
    仕組まれた舞台で、読者自身もゲーム

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    2025年11月13日
  • もの語る一手

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    将棋にまつわるアンソロジーとは知らず、青山美智子さんの名前を見つけ早速読んでみると1話目からジーンと来る。将棋が全くわからなくても一話一話引き込まれていく。もし将棋に詳しかったらもっとワクワクできるのかもしれない。
    実は貴志祐介さんのお話のオチが良くわからなくて解説が欲しかったが、ちょっと探しただけでは見つからなかった。
    「お前レベルの話はしていない」は大島版のみなので、芝版もあとで読んでみたい。

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    2025年11月13日
  • 青の炎

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    小説で描かれる地域を想像して読むのが好きなのですが、江ノ島や湘南の情景が感じられました。高校生らしく青春を盛り込みながら、家族のため完全犯罪を緻密に計画する主人公をつい応援したくなった。この本で倒叙小説という言葉を知りました。

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    2025年11月12日
  • 兎は薄氷に駆ける

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    過去の父親の冤罪事件。
    その清算を目指す青年の大胆な構想。

    冤罪の“冤”は、ワ冠に兎。
    あまり意識したことはなかったけれど、
    面白いところをついてきたなと感心します。
    そして、薄氷を踏むのですではなくて“駆ける”。
    割れる前に抜け切るんでしょう。

    青年の中で閉じ込められたままの父の“兎”。
    自らが、再びの“兎”となり、取調室へ向かう。
    薄氷を少しでも証拠で重ねつつ、
    警察・検察と対峙していく様子は、
    ラストが予測されるとはいえ緊張感があります。

    そして、迎えるラストには『青い炎』で読んだあの破滅感を味わうことになります。
    上手くいきすぎかなとか、
    叔父さん反省してない方が面白かったのにと

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    2025年11月08日
  • 新世界より(下)

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    海底2万マイルみたいなイメージがたくさん広がる物語だった。
    背景の想像に労力持っていかれて、心情に入り込み切れなかったな…

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    2025年11月03日
  • さかさ星

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    ネタバレ

    福森家で起きた一家惨殺事件を調査する霊能者・賀茂禮子と中村亮太。
    訪れた事件現場の屋敷は、曰く付きの呪物で溢れ返っていた。戦国時代から続く恩讐が今回の事件の引き金になっているのだろうか。事件の夜を生き延びた福森家の子供たちを更なる脅威から守れ。

    呪物紹介ツアーが長くて閉口した。
    庭木も多分に呪われていて、屋敷の門から母屋に入るまでにも随分時間がかかった。事件の内容もよく分からないうちから繰り広げられる講釈に、早く物語の全体像を掴みたいという気持ちが先行して、とてもじれったかった。母屋の中に入れば、河童の木乃伊や天尾筆などを始めとしたエピソードをちゃんと持った呪物が多かったので、その完成度はさ

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    2025年11月01日
  • 黒い家

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    ネタバレ

    ヒトコワとは知らずに読んだ。合間に出てくる虫の話が興味深い。ルームモニター機能から聞こえてくる声めちゃくちゃ怖い。

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    2025年10月28日
  • 罪人の選択

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    貴志祐介の短編集。SFがほぼかな。
    『夜の記憶』は、現状が全く分からない状態で始まり、徐々に情報が明かされていく感じ。なかなか理解に手間取った。

    好きだったのは『呪文』。
    植民惑星における、諸悪根源神信仰を中心とした憎悪の物語だった。極限の環境下で、文明がどう歪んでいくのかが描かれている。前提として、私の知る地球の外での物語であるため、到底現実的だとは言えないはず。それでも何故かリアルだと感じてしまうほど、憎悪の書き出し方が巧み。主人公が、生きて星を去ることができるのか最後までヒヤヒヤした。
    PKや呪いが主軸になっている点が、同著者の『新世界より』や『さかさ星』に近しいところを感じる。

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    2025年10月24日
  • さかさ星

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    由緒ある一族の屋敷で人智を超えた惨劇が起こる。犯人が第二の犯行を画策する中、それを阻止しようと犠牲者の縁者が奔走する。
    邸内に無数にある呪物の「曰く」を辿りつつ、どれが人を護る力があるもので、どれが人に仇なすものか推理しながら、犯人を追うという異色ホラーミステリー。

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    2025年10月20日
  • 秋雨物語

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    3.9点
    4編収録されたホラー短編集
    まさに秋雨の肌寒さを感じさせるような恐怖を味わえる。
    だけど、カラッとした軽さも感じる
    ラストがどれも気持ちいいからかな

    特に好きなのは「餓鬼の田」と「こっくりさん」、
    いや「フーグ」も面白かったな
    いやでも「白鳥の歌」も良かったなぁ。。
    選べないくらい良かった笑

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    2025年10月16日