貴志祐介のレビュー一覧
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Posted by 読むコレ
2012秋アニメとして、久しぶりのテレビ朝日系深夜アニメとして放送が開始された「新世界より」を読んでみることにした。文庫版は上中下の3冊になっている。単行本だと上下巻。今回読んだ文庫の上巻は482ページ。かなりの分量である。ちなみに2008年の日本SF大賞受賞作である。
舞台は1000年後の日本。神の力ともいえる「呪力」を手にした時代の人間の物語。序盤は世界観や設定の説明に費やされる感じがするので、その辺の学習を強いられている感じがする。人によっては挫折してしまうかもしれない。アニメ版1話は時系列をちょっといじって、雰囲気の演出に努めていたけど、あれでもまだ分かりにくいのは否めないだろう。
とはいえ、200ページを超えた辺りくらいから急速に物語が動き出す。ここもある意味、説明パートとも言えるのだが、なかなか面白い話になっているので、読んでいて一気に引込まれていく。
そして終盤の逃亡、戦闘、お色気パートなど、盛りだくさんの展開でページをめくる指が止まらない感じに。それでも上巻はまだ入り口にすぎないというのも分かるので、引き続き中巻を読み進めたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読書習慣をつけようキャンペーン7冊目。
主人公の秀一は、オタク気質なところがありながら、スポーツもできて頭も良く、ユーモアもある。普通にかなりモテるタイプだと思う。そんな17歳の少年が、愛する家族を守るために殺人を計画し、実行してしまう。
-ゴリゴリネタバレなので、知りたくない人はここから読まないでください-
特に印象に残ったのは、曽根を殺した後になって、実は癌だったと知るところ。殺さなくても待っていれば死んでいたかもしれないという皮肉が重い。
作中で何度か登場する『山月記』の、人間が虎になっていく話も秀一の姿と重なった。そして大門のおじいちゃんの、怒りの炎をコントロールできない者は、いつかその炎に自分自身も飲み込まれてしまうという言葉。家族を守るために燃やした炎が、結果的に秀一自身の人生を飲み込んでしまった。
一方、母親としては友子にも思うところがあった。彼女にも事情はあっただろうが、もっと早く曽根を子供たちから遠ざけるべきだったのではないか。本来、大人が解決すべき問題によって、子供がここまで追い詰められてしまったことが悲しい。
ミステリーとして面白かったのは、刑事の事件解明がまさにパズルのようだったこと。現場検証や解剖などでピースを見つけ、それをクルクル回したり、場所を変えたりしながら、すべての辻褄が合うところにはめていく。
解説を読んで、この作品が「倒叙推理小説」というジャンルだと知った。犯人も犯行も最初からわかっているからこそ、犯人の思考や心理を深く知ることができ、刑事がどうやって真相に迫るのかを楽しめる。推理小説にもこんなにいろいろな種類があることを学べたのは大きな収穫だった。
また、『容疑者Xの献身』にも通じるが、自分の欲ではなく、愛する人のために罪を犯す物語に私は惹かれるのかもしれない。もちろん犯罪を肯定するわけではないが、その行動に至る動機を理解できることで、物語への納得感や満足度が高くなる気がする。
今回の一冊で、ミステリーの楽しみ方がまた一つ広がった。犯人を当てるだけでなく、犯人の心理を知り、捜査の過程を追い、人間の行動の理由を考える。これからもいろいろなタイプの推理小説を読んで、自分がどんな謎や物語に惹かれるのかを探っていきたい。 -
Posted by ブクログ
貴志祐介が描く、将棋を模した異形同士のバトルエンターテイメント(?)。名作が多い貴志祐介の著作の中で、あまり話題に上がらない作品。ということで、ぼちぼちの期待度で手に取ってみることに。
プロ棋士を目指す奨励会三段の塚田。気が付くと、彼は異形の「赤の軍勢」の王将(キング)となっていた。周囲には、同じく異形化した恋人、友人、知人等がおり、彼が命じるままに行動する"駒"となっていた。状況が分からないまま、「青の軍勢」との「七番勝負」を強いられる異形化した者たち。塚田は、将棋で培った戦術や駆け引きを駆使して、「青の軍勢」に立ち向かうが―――。
軍艦島セットの異次元空間(=ダークゾーン)を舞台に、自分たちが"駒"となって実際に戦う"リアル将棋"のようなものを繰り広げながら、事の真相を明らかにしていくファンタジーミステリ。裏表紙には「衝撃のバトルエンターテイメント」と紹介されていたのだが、正直、戦闘や駆け引きの描写に特筆すべき面白さはない。ということで、期待できそうなのは、「なぜこのような事態となったか」の真相部分。(あーでも似たような感じで、『クリムゾンの迷宮』も特に驚かされる真相はなかったからなぁ・・・。) -
Posted by ブクログ
ネタバレおいおいポリスメン?
天使の囀りといい。警察が動かなさ過ぎる。
仮に菰田がサイコパスだとして、そのサイコパスが跳梁する世界な未来だというなら、蟻の防壁である警察が無力過ぎる。
サイコパスというお話に関して。
エレベーターのくだりは菰田をサイコパスたらしめてて良いんだけど。
恵を捕まえるためにトイレに3時間。しかもボックスの中からどうやって恵を識別するのか、疑問が残る......。それも下見したのかな。恵の所在自体は手中にあっただろうから、服や靴を見るくらいならできるかも?
にしてもパワープレイ過ぎる。
目前の利益に食らいつく獣なのは分かりますが、それで警察や会社のような人の目掻い潜ったのか......。
知性があって人情を持たないキャラとか最近では出てきてるし、ここでしか味わえない野性的なキャラもまた面白いんだけど。
サイコパスにまつわる理論を語るには、その辺がチラついてちゃうから、少し理解しかねる。
でもこれだけディテールが描写されて、ダレないのが貴志祐介さんの凄いとこなんだよなぁ
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Posted by ブクログ
ネタバレとりあえず一言、めっちゃむずい!
「悪の教典」が面白すぎて貴志さんの本たくさん読もうって思い、文春文庫秋の100冊に入っていたので迷わず購入。
「夜の記憶」がほんとうに難しかった。読み終わったけどイマイチ世界観掴みきれてない。ミステリーは好きだけどSFはあんまり好きじゃ無いな、、、って思ってしまった。理解が追いつかない私が全面的に悪いんだけど。
他は比較的読みやすかったし、読んでいて楽しかった。「赤い雨」が1番好きかな。頼む救われろ救われろ!良い結末を!と心から願いながら読んだ。自分が生きている間に利益は得られないと分かっていても、それでも努力し続けたり自己犠牲の精神のある人たちに感動した。何世代先のことを考えながら生きていきたいし、自分の終末期に残された人たちのことを考えて善良な選択をとれるような心の綺麗な人間でありたいと思った。