貴志祐介のレビュー一覧
-
購入済み
狂った将棋士の終着点
全体としてはハラハラ、ドキドキの様なミステリーを読んでいる様な感覚ではあるが、ファンタジーとしても読み取れるので好みが分かれる物語であった。
突如「ダークゾーン」という世界に連れてこられた主人公。他にも連れてこられた人たちの姿を見ると異形。火を吐くドラゴン、巨大な鳥、イソギンチャクの様な軟体。そこで役職を与えられたリアル殺し合いゲームがスタートする。
そんな中、時折思い出す現実世界での出来事。
その出来事はもう事件のニオイがプンプンとしてくるわけで。
徐々に明らかとなって行く事件の真相に、いつしか読む手が止まらなくなっていった。 -
Posted by ブクログ
7年ぶりの長編小説なのだが、投げっぱなし感が残る。
探偵小説を読んでいたら、いつの間にか宇宙の真理になっていた。
「誰が自分を殺したのかを調べてほしい」
月々の家賃にも困っている探偵事務所の茶畑に、そんな依頼が持ち込まれた。
相手は一代でのし上がった巨大自動車メーカーの社長。
金払いはいい。
しかし、前世の記憶が蘇り、過去に自分は誰かに殺されたのだという。
江戸時代頃の事件を調べているうち、茶畑自身も知りえない記憶が蘇る。
並行して、従業員の金の持ち逃げから、旧知のヤクザからも目を付けられることになり、さらに麻薬カルテルからも狙われる。
そして、2011年3月11日、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【2024年53冊目】
人が強い感情をその胸に掻き抱いた時、その対象の心の声が聞こえてくる「エンパス」である由香里は、震災のボランティアをする中で、1人の少女、千尋と出会う。千尋が多重人格者であることを知った由香里は彼女の人格の統合をはかるため、臨床心理士の浩子と協力し始めるが、千尋の十三番目の人格であるISOLAにただならぬ気配を感じていた……。
またもや幽霊は出てこないホラーものです。ぞわりとする怖さはないものの、どうなるかわからない展開だったので、どちらかというと、ミステリーの毛色の方が強かったかもしれません。
エンパスや多重人格、物語の核となるとある現象について、「えーそんなのある -
購入済み
そう来たか~
特に難しいことも無く、スラスラと読み進めることができました。
吹雪の中、山荘に閉じ込められた主人公を襲う雀蜂の群れ。一緒にいたはずの妻は姿を消し、そこにあるはずの様々な物が無くなっている。雀蜂の毒にアレルギーを持つ主人公は生き残りをかけて雀蜂との闘いに臨む。
だが、なぜ冬山の山荘に雀蜂が、そして妻はどこに...。
謎が増殖していく中、創意工夫を凝らすのですが。正直言って今一つ盛り上がりに欠けた肩透かし、ご都合主義なラストでした。
もちろん私に合わなかっただけかもしれません。
ただ物語全ての謎をはっきりさせて終わらせて欲しい、という方にはあまりおすすめできないかも。
序盤の展開はスゴく良かったの