貴志祐介のレビュー一覧
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ネタバレ八ヶ岳の山荘で目覚めた小説家・安斎智哉は、スズメバチの大群に遭遇。
外は吹雪いていて、とても蜂が活動できる季節ではない。妻・夢子は知らぬ間に姿を消していた。以前蜂に刺された経験があり、次に刺されると命に関わる。自然にできたとは思えない蜂の巣は、妻が自分を殺すために仕組んだものなのだろうか。
非常に地味。
敵の戦闘力は高いものの、ただの虫であるので、換気口を目張りして籠城してしまえばそこまでの危険はない。巣も寝室にあるわけではないので、廊下を歩く分には数匹見かける程度だ。ハラハラ感は少し物足りなかった。浴室で全裸で蜂に熱湯をかけるシーンは、映像として想像してみると結構シュールで笑えた。
真相 -
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角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー第3弾。
以下印象的だった作品。
北沢陶「お家さん」
唯一読んだことのなかった作家さん。大阪の商家を舞台にしたしんねりしたジャパニーズホラーという感じでとても好みでした。お家さんの執念が深すぎる。他の作品も読んでみたい。
恩田陸「車窓」
新幹線の車窓から外を眺めていたらふいに見かけた灰色の楕円形の看板に浮かんだぼんやりした模様や数字や人の顔。自分もふいに見てしまうのでは、という恐怖と、ラストシーンにぞわっと来た。看板って近くでみるとめちゃくちゃでっかくてそれだけでも結構怖いもんな。
背筋「窓から出すヮ」
ネットから寄せ集め -
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オーディブルで聴きました。
貴志祐介氏の作品の中で上位のおすすめ本+未来ものということで。キモグロシーン満載で好みではないけれど、面白くて一気に最後まで聴きました。
これはアニメ向けだなと思ったら、すでにアニメになっていた。そしてものすごくクオリティの低い作品にされてしまっていた。残念。
少しググって出てきた画像を見ても、アニメーター志望の小学生5年生が描きためていたノートか!くらい、ひどい。。。誰か作り直してーー。
それにしてもグロい文章を書くときにはその場面をリアルに想像すると思うのだが、貴志氏は嫌にならないのだろうか。ならないからここまでの作家になったのだろうけど。
グロい殺され -
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千年後の日本。呪力を持つ人類は「秩序ある社会」を築いていたが、その裏には恐ろしいルールが隠されていた。
上巻での出来事を経て、早季たちは少しずつ世界の真実に触れていく。失われた歴史、管理された社会の仕組み、人間とバケネズミの関係……。
表向きは平和に見える世界が、実は不安定なバランスの上に成り立っていることが明らかになり、彼らはその現実と向き合わざるを得なくなる。
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感想メモ
•上巻で残っていた違和感が少しずつ回収されて、世界の仕組みが見えてきた。
•ただ、新しい謎も同時に生まれて、むしろ緊張感は増している。
•後半にかけて展開にスピード感が出てきて、一気に物語が動き出した印象。
•「人 -
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めちゃくちゃ怖い!というよりは、ゾワゾワとするというかなんかイヤーな感じがするホラー小説集でした。
4つの中短編が収録されています。
悪夢を見る作家がテレポートしてしまう『フーグ』と、前世の行いによって今世で餓鬼道に落ちてその呪いを受ける男性の話『餓鬼の田』、唯一無二の歌声を持つ歌手がなぜその歌声を手に入れることが出来たのかその生涯を探る『白鳥の歌』が好きでした。
『白鳥の歌』は、これでもかと語られる音楽の蘊蓄が面白くてもっと読みたいと思いました。
スワン・ソング(芸術家や匠が人生の最後に残す最高の作品)、池塘(湿原の泥炭層にできる小さな池)、フーグ(乖離性遁走)など、知らない言葉を知るこ -
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とにかくびっくりしたのが「え、ここで急にLGBの話に?」という展開。
しかもその描写が、もう官能小説かってくらい濃厚で、正直ストーリーよりもそっちの衝撃の方が記憶に残ってますw 外で読むのは恥ずかしい(/ω\*)
人にもあまりオススメできない(´;ω;`)
ただ、それが単なる描写のためじゃなくて、この世界の“人間のあり方”とか“秩序を守るための仕組み”に繋がっているのがまた恐ろしい。
性や関係性すらも管理されている感じが、現実とも重なってゾクっとしました。
上巻よりも人間関係が複雑になってきて、ここからどう話が転がっていくのか…続きが一応は気になるって感じかな。 -
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保険会社に勤める主人公は、ある日、顧客に呼び出され、そこで子供の首つり自殺を目撃してしまう――。生命保険を題材にしたサイコホラー。
印象的だったのは、悪役の異常さです。家族の身体を故意に切り落とし、傷害保険で金を得た後、さらに生命保険金を狙う。単純で近視眼的な考えしかできない犯人ですが、それゆえ人とは思えない恐怖を見せつけます。セキュリティ意識が今ほど高くなかった90年代という時代背景も手伝い、じわじわと主人公の個人情報を暴き、追いつめていく様は背筋が冷たくなります。
また、脇を固めるキャラクターたちも印象的です。契約者を恫喝して解約に導く「潰し屋」など、保険業界ならではの独特な人物像が描か