貴志祐介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ怖かった。
第4回日本ホラー小説大賞受賞の貴志祐介さんの傑作ホラー。
物語は、生命保険会社に勤める主人公の若槻が子どもの首吊り死体を発見することから始まります。自殺として保険金を払えという子どもの父親…しかし、若槻は殺人を疑います。
ジワジワと嫌な感じが続き、少しずつ緊迫感と焦燥感が増していってそれが決壊しそうなギリギリのところで、予想を裏切る更なる絶望の底に突き落とされる…という恐怖。
タイトルから家にまつわるホラーなのかなと思っていたのですが、心霊とかではなくヒトコワ系です。ミステリ的などんでん返しあり、サスペンスあり…と盛り沢山なホラーでした。
貴志さんの初期の作品はほとんど -
Posted by ブクログ
由緒ある屋敷で起こった惨劇を調べるため主人公が訪れるが、冒頭から謎めいた骨董品(呪物)が数え切れないほど登場するうえ、それぞれに曰く付きの来歴があり、それがことごとく血なまぐさい。これら全部の来歴をあたかも見てきたかのように語る霊能者はどう見ても胡散臭いが、読み進めるうちにどうやら本当に超常現象が起きていると気づくことになり、読者は完全に置き去りに…。
後半は、さらなる惨劇を防ぐために霊能者の指示のもと呪物で対抗しようとするが、果たして霊能者の言うことは本当に正しいのか、その呪物は本当に効果があるのか。そうこうするうちにいよいよ惨劇の続きが…。
続きが気になって読める一方、霊能者の能力が強す -
Posted by ブクログ
終戦の翌年、磯部は佐久間に殺されようとしていた。佐久間の出征中、その妻を寝取ったためだ。
磯部の前に出されたのは、一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。どちらかを口にし、生き延びられれば罪は許されるというが……。(『罪人の選択』)
貴志祐介さんの短編集。四作収録で、表題作は日本が舞台のミステリですが他三作はSFです。
特に気に入ったのは『呪文』という話。星間企業が支配する世界で植民惑星の調査をする男を主人公とする物語で、調査中の惑星の住民の思想や民俗などが興味深い。
『赤い雨』も良かったです。正体不明の微生物「チミドロ」により浅く染められ蹂躙された世界の話。生物学などは詳しくないです -
Posted by ブクログ
『青の炎』主人公はまだ17歳だ。
青い。青過ぎる。
家族を守るために炎を燃やし続ける。
感情に任せて暴走するのではなくて、むしろ冷静で、頭も切れる。その分、「これは本当に正しいのか?」と考えながら、一線を越えていく過程が生々しい。
読んでいて、「まだ戻れたんじゃない?」と何度も思った。でも本人はもう引き返す気がなくて、淡々と準備を進めてしまう。その冷たさが痛いし、同時にすごく孤独だ。
誰かを守るための選択だったはずなのに、最後に残るのは、一直線に走って行く若者の姿だけ。スカッともしないし、救いもない。
読後は、熱くもない青い炎が胸の奥にずっと燃え続けた。