綾辻行人のレビュー一覧
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ネタバレ上巻に引き続き殺人が続く。3人目からどんどん大胆になっていくような印象。時間に関係あることとないことの振り分けが難しい。いないと言われている誰かの存在も、本人はそこまで隠れる気もないような気がするが。
謎解きパートは二段階構成で、一回納得させられた後にさらに展開があって、まさか見立てが細工されていたとは…確かに違和感だらけだったから、またうまく違和感回収されてしまった。
動機に関してはすごい独特の世界観を感じた。3人目は特に、バスが故障しなければ、天気が崩れなければ、道に迷わなければ殺されることはなかったはず。最終的な犯人も、殺人を犯すことはなかったはず。その要素は持っていたのかもだけど。この -
Posted by ブクログ
館シリーズ出てる分を読み終えて喪失感を感じていたところで薦められて読んだ。最初から不穏に吹雪で、たどり着いた邸宅に隔離状態。登場人物の名前と関連がある物が屋敷内に見つかって、最初から屋敷がその人たちがたどり着くのをわかっていたかのような演出。住んでいる人たちも不思議で、積極的に関わってこようとせず必要最低限の接触のみで不気味。閉鎖的な空間の圧迫感や閉じ込められた人たちの憔悴感がいい感じ。その中で殺人が起こるけど、これもわざわざそんなことするかってぐらい手の込んだ状態。有名な詩を模倣した形らしく、この詩に限らず有名な詩人、作家、焼き物などの芸術品が出てくるが、何せ詳しくないのでわからない!こうい
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Posted by ブクログ
今まさに塔の中で事件が起きているすぐ横でまだそれに気が付かない島田潔たちを見ている読者のもどかしさが面白かったです。
全体を読んだ直感で言うと、コナンの映画に出そうな題材だなぁと笑
私としては哀しさと、どこまでも娘を愛したい父親の愛情が狂った先の誰も悪くなかったのではないかと思わせられました。
そしていつも周りを尊重して真実を公にするかを任せてくる名探偵のスタンスがとても好きです。
なんでこれを映画化しないのか…
最初は登場人物の多さにびっくりでしたが、こんなにも一人一人が読み進めていく中でスっと入ってくる文章の上手さと、館シリーズと言われるだけある建物の複雑さが素晴らしいです。