あらすじ
大いなる謎を秘めた館、黒猫館。火災で重傷を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬(あゆたとうま)の奇妙な依頼を受け、推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)と江南孝明(かわみなみたかあき)は、東京から札幌、そして阿寒へと向かう。深い森の中に建つその館で待ち受ける、“世界”が揺らぐような真実とは!? シリーズ屈指の大仕掛けを、読者(あなた)は見破ることができるか?(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
館シリーズの中では知名度は低い方かもしれないが、自分はこのトリック大好きです。よくよく読み返すと真実がちゃんと描かれているのが分かるのが気持ちよく、再読必至。
やっぱり一筋縄ではいかない
序盤から手記と江南&島田サイドで視点が切り替わる構成で、館シリーズだなぁ、事件もわりとシンプルで定石通りか……?と思ってしまったんですが、そんなワケはない!
島田さんと同じく小さい違和感は拾えてたのに、まさかまさかのちゃぶ台返しでした。
これぞ叙述トリックだし、これこそ映像化不可能では?なんて。トリック以外でも色々コードに引っかかりそうだなぁと思いましたが、時計館が映像化するならいけるのか?と期待しつつ。
Posted by ブクログ
面白かった!
前シリーズの時計館とそんなところで繋がっていたのか!というところも含め、面白かった。
あー今回は割とわかるな…と慢心していたらまんまと騙された。
Posted by ブクログ
あ〜、素晴らしい。
伏線や違和感がホントにたくさんあってそれを全部回収してくれた❢
すべての臓器が逆、というとこで
白と黒も逆になってることには気づいてたから眼の病気で白と黒が逆に見える病気かと思ったのに違って、、、違うどころか真相はもっとぶっ飛んでた(笑)
さすがです。
Posted by ブクログ
シリーズ屈指の大仕掛け、黒猫館の殺人。
なるほど、確かに大仕掛けだわ、そこまでやるかい?
中村青司さん?はい…?
記憶喪失の鮎田老人の依頼を受け、釧路に建つ黒猫館で起きた事件を調べる事になった鹿谷と湖南達。
依頼者の鮎田老人が綴った手記と共に物語が進む。
無数に散りばめられた伏線を見事に回収し、ちなみに自分は2ミリたりともひっかかりが無く読めた…笑
しかし、まぁ〜すげぇ…の一言に尽きるわ。
さーて、次はいよいよ暗黒館や。
気合い入れて読みますか!
Posted by ブクログ
ふと裏表紙を見ると「本文図版 小野不由美」ってなってて、聞いたことある名前だな、同性同名?と調べたら、綾辻行人が旦那だったのか!売れっ子小説家夫婦だと!すごいー。
というわけで久しぶりに読む館シリーズ。旅行の際の飛行機が長かったのでこれ幸いと一気に館シリーズを数冊読み終わった。が、一気に読んでしまったこともあり、全部メモは少なめ。
いきなりいけすかないおぼっちゃまが出てきたのでとりあえず死んでくれることを願う。
そして今回は館の管理人の手記として進む。
が、途中で江南にその管理人から手紙が来て、更に電話がかかってきて、事故で記憶喪失になり、手がかりがその手記だけ、となる。
となると、その人と管理人が別人というトリックな気がするが、60代という年齢のキャラが他にいない…
登場人物の切れ者のほうが風邪気味だったとか、管理人からの手紙の字が下手とか、何かの伏線な気がするけど…
と思ったら字が下手なのは単に利き腕じゃない方で書いてたという話だった。
そもそも、この手記に書かれた内容の時代が違うとか?天羽博士のペンネームが管理人とか?
下手にトリックばかり考えてしまう。
コナンと鹿谷、2人が話し合うところで既に手記を全部読み終わってるのはずるい!こちらはまだ2章までなのに。サスペンスものだと地の文で読者は気づくけど、ミステリーだと逆に読者の方が知らないことが多くなるもんだな。
そして天羽博士も60過ぎだ!これは…
しかし内臓が逆にあるのであれば、ホテルの火事で診察された時にバレてそう。
結局、やはり天羽博士が色々な犯人だったが、他の謎の答えが全然わかってなくて霞んでしまった。
まさかタスマニアとはなぁ。
色々な伏線がきちんと回収された。いや、伏線自体あんまり覚えてないけど!でもそこも含めてちゃんと説明してるので記憶力の低い読者も楽しめる。
しかし、まさか黒猫館が2つあったとは。そしてヒントはそこら中にあったとは。気づく人は気づけたんだろうな。もしくはあれ?と思うこともあったんだろうなぁ。自分は何一つ疑問に思わなかった。
レナが死んだ時に管理人がいやに冷静だなと思ったくらい。あと死体処理慣れすぎでは?とも思ったけど。
しかし今回は珍しく死体が少ないし、結局事件にならなかったな。さすがに時計館では殺しすぎたと思ったのだろうか。
Posted by ブクログ
凄すぎる構成で書き上げられ、思わず感嘆してしまった一作。
十角館の殺人から、館シリーズを追って読んでいるが、途中から、十角館が一番好きかもしれないと思っていた。
といっても各作品はどれも読み応えがあり、面白く、密室殺人という館シリーズでありながらも、毎回違う構成で読者を飽きさせることなくミステリを描いている。
卓越した構成力があるのはすでに知っていたものの、今回は特に、第八章からエピローグにかけて事件を収束し書き上げたその構成が明かされた瞬間、一瞬ページを捲る手が止まり感嘆の吐息を零したことを記録しておく。(所謂ミステリのどんでん返しに感嘆したのではなく、構成に感嘆したと誤解ないよう)
また記したくなったことがあれば記すとするが、読後だと作品内の言葉遣いが移ってしまうのに困ってしまうなぁ。と小さなぼやきを添えて
あまりによかったので、この作品は売らずに手元に置いておくかもしれない
Posted by ブクログ
怒涛の伏線回収…すごいなぁ。注意して読んでるつもりなんだけど…そしてまたまたスケールが大きい!「確かにそうだわ〜!」って思えば思うほどミステリって面白くて、そんな体験が沢山できる一冊だった。
Posted by ブクログ
随分スケールの大きいトリックだった。
わりと早い段階で鮎田冬馬=天羽辰也だろうなって気づいたから、まさかこんな大胆に騙してくると思わずまんまと気を抜いていた。
昔は大学の助教授くらいで、北海道とタスマニアに中村青司設計の館のような別荘をもてたのか~なんて、ストーリーと違うところにすごいと感じてしまった。
少し話が上手く進みすぎな感じは否めないけれど、それでもやっぱり館シリーズはハズレがない!
次は暗黒館か!気合い入れねば!
Posted by ブクログ
建物の構造や登場人物の関係が複雑ではないので、とても読みやすくてすぐに読み終わってしまいました。
自分が予想していた展開の斜め上を行く作品で、驚きとわくわくの連続でした。
館シリーズの中ではかなり好きな作品になりました。
悔しいっ!
あとちょっとだったのに!
あれも、これも気が付いたのに!
ソレだって、ちょいちょい違和感は感じていたのにー!!
って感じの騙され方でした。
オチは読めたかも
ある人物の正体や、殺人の犯人は読めてしまいました。ただ、やっぱり引き込まれます。何日間かに分けて楽しみたかったのですが、やはり一気に読ませられてしまいました。
Posted by ブクログ
学生以来の再読、しかし折角なので新装改訂版で読んで良かった。
作中小説自体が面白い上に、途中途中に挟まれる現実の展開も面白い。
自分で謎解きは到底出来ないけれど、読み終わったら「そうだったのかー‼︎」ととてもスッキリ出来る作品でした。
綾辻さんの作品はいつも綺麗に終わるので安心して読めて嬉しい。
Posted by ブクログ
あ!分かります、その違和感気づいてました!!と何度も思ったのに、やっぱり答えに辿り着けない私は従順な読者だった笑 80%は分かっても残りの20%が肝心...。まさにその通りだなぁと。本作も面白かったなぁ~。
次作は暗黒館。気持ちを切り替えて覚悟を持って、とのことでワクワクが止まらない!
Posted by ブクログ
いくつかの違和感を感じながらもそういうものなのかな〜、そういう人もいるのかな〜、普通じゃない状況だからそんなもんか〜…と何となく読んでいた部分が全部伏線だった時の衝撃!そして館が2つあるなんて!しかも海外!
江南くんの時刻表トリックへの関心なしはちょっと共感。
Posted by ブクログ
シリーズ第6弾です。
今回は鹿谷&江南コンビが活躍!
でも江南くんちょっと鈍くってワトソンにもなれてないかも笑
東京のホテルで火事にあい、記憶を失った鮎田老人からの依頼を受けた鹿谷と江南。
鮎田老人の書いた手記を元に黒猫館の場所や黒猫館で起こった事が本当の事か推理する。
江南くんが密室苦手とは笑
私と一緒‥。結構大掛かりの密室トリックを解明されてもふーんって思ってしまう笑
今回の物語に大仕掛けな密室があるかどうかは、読んでみてください。
でも、うん、騙されました。
まぁ、騙され、驚かされるために読んでるんで良いんですけどね。
次は大作暗黒館!頑張ろう笑
Posted by ブクログ
綾辻先生があとがきで書かれているように、やっぱりすべてを予想しきることはできない。
十角館と比べると驚きは少なめ。
今回も島田&コナンのコンビの活躍が見れて嬉しかったです。
Posted by ブクログ
おや?少し物足りないかな?と思っていたが、やはりしっかり用意していた。読後すぐ読み返したのは、館シリーズでは黒猫が初だ。今月は綾辻行人がとまらない。
Posted by ブクログ
黒猫館、という名前が黒猫の不吉で怪しいイメージとも相まってダークな雰囲気を醸し出していて素敵。
そして今回も騙された、、
ミステリを読み慣れているとああこういうことかな、と読める部分はたくさんあるのだけれど、全貌を見破るのは難しい!あらすじに、シリーズ屈指の大仕掛け、という記載があるだけある、これ初見で分かった人いるんだろうか?
Posted by ブクログ
館シリーズの中の人気度ランキングがそこまで高くなかったのであまり期待せずに読みましたが私の中では結構好きな作品でした。
館シリーズのおどろおどろしさが好きな方には物足りないかもしれませんが、怖すぎず読みやすくてよかったです。
前作の時計館が割とヘビーで、次の暗黒館も長編なので、その間の作品としてはちょうどいい気がします。
暗黒館は長いので読み出すのに勇気がいりますが、館シリーズの中ではファンも多い作品と聞いているので頑張って読み切ります!
Posted by ブクログ
館シリーズ6作目。
他の皆さんの感想にもあるように、鮎田老人の正体を想像するのは容易かった。しかしさすがの綾辻ミステリ。違和感を違和感とも思わず読み進めていた自分が情けなくなるような仕掛けで、文庫裏表紙の紹介文中にある、「"世界"が揺らぐような真実」という言葉がまさにその通りだと舌を巻いた。
今回殺人事件の被害者の存在も薄く、犯人をつきとめること自体が今作のメインではなかったことは少し残念だったけれど、待ち構えている「暗黒館の殺人」を読むのが今から楽しみである。
Posted by ブクログ
館シリーズ、6館目。
火災で重傷を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬。唯一の手がかりは彼が書いたと思われる手記。彼は記憶を取り戻せるのか?
本書の舞台は黒猫館。
屋根のてっぺんに風見鶏ならぬ風見猫が取り付けられ、前庭の木々が動物の形に似せて刈り込まれている。
窓もかわいいし、見た目は一番好みかも♡
本書もまた好きな構成!
私は本筋の”謎”より、徐々に浮かび上がってくる新たな”謎”の方が気になって仕方なかった。
過去作との意外な繋がりもあって楽しめた。
最後に明かされる真相のスケールの大きさに驚き。
あんなにたくさん伏線が張り巡らされていたのに、伏線を伏線だとも思わず…何も見抜けず…
館シリーズはどれも真相が見抜けそうな気はするのに、全然見抜けないなぁ…( ˊᵕˋ ;)
今回も気持ちよく騙されました!
《シリーズ好きな順》
①十角館 ②時計館 ③迷路館 ④黒猫館⑤水車館 ⑥人形館
✎︎____________
理性をなくした人間ほど醜い物はない(p.51)
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「時計館の殺人」と「暗黒館の殺人」の間にある館シリーズ六作目。前作は上下巻だったけど今回は一巻で完結。安定感と安心感に加えてワクワク感もあり楽しめました。次はいよいよ大ボリュームの暗黒館の殺人を読んでいきます!
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こんな結末だったとは。
伏線には感じつつも、見破る事はできなかった。
少しの違和感も見逃してはならない作品。だからこそ、最後には全てが繋がりスッキリする。二度読み必須。
Posted by ブクログ
「十角館の殺人」が永久保存版すぎて、なぜか他の「館」シリーズを読んでなかったのですが、なぜ今まで読んでなかったのかな?っていう後悔をするくらいやはり綾辻行人氏のミステリは面白い!
ちょっと仕事が忙しすぎて没頭できなかったので☆4なのですが、トリックも面白かったし、手記をもとに謎を解いていくのも楽しかったです。
Posted by ブクログ
独白、一人称手記の魔力、
各々時系列に沿った手記と現在時パートで読みやすい
気がついたときには先が気になって気になってイッキ読み瞬殺でした
エドガー・アラン・ポーの『黒猫』率いるタイトル、地下室、、、VS、、、ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』
盛大なタイトルモチーフそのもののミスリード、、、
金田一の右心臓の話を思い出して、「綾辻以後」という言葉を噛み締めています
Posted by ブクログ
館シリーズ第6弾
手記と現在が入り混じっていて、音楽をかけて読んでいても、途中から音楽が聴こえなくなるくらい没頭した
これって叙述トリック…?
手記で変だなって思うところはあっても、まあ鹿谷が解いてくれるだろうって甘えてしまうところもあり
江南のところにかかる一本の電話
手記を携えて、自分が誰なのか解明して欲しいという老人は手記の作者で、それはある別荘で起こった事件のことだった。その別荘も、中村青司の作品だったー
黒猫館があるのが阿寒じゃなくてメルボルンってなった時はのわーって心で叫んでしまった…いや、内臓の逆だけじゃないのか…館ごと逆(?)なのか、と…レナは心臓発作で、でも理性というか結局保身なのかなって思うけど古川の仕業だとか、これって今後どうなるのかしら…
そしてエピローグの手記(これは燃えてしまったので鹿谷や江南は読めていない)のこと…時計館と黒猫館の、所有者でのつながり(薄いけど)も
今回は解決編でびっくりしてばっかりだったけど、落ち着いたら何一つ解決してないことに気づく
Posted by ブクログ
時計館まで読んだからその続きも気になって読んだ!
今作も江南くんと鹿谷が登場するから面白かった
このコンビが出るの嬉しい
今作は割とびっくりしなかったかなぁ
2時間で読めた! 引き込まれました
Posted by ブクログ
今作はあまりささらなかったかな。
管理人の正体も手記の違和感もわかりやすかった。もう一つの館がそんなに離れているとは思わなかったけど。ただ場所自体は事件の内容に別に関係ないし、添え物扱いで薄い印象になった。
Posted by ブクログ
館シリーズ6作目。
今回は人里離れた森の中に建つ洋館が舞台で、屋根の上には風見鶏ならぬ風見猫w
館の管理人である鮎田冬馬が記した手記の謎に、お馴染み鹿谷門実と江南孝明コンビが挑む。
本作も、これまでのシリーズと比べると異色作に感じた。過去に同様の印象を受けた人形館とは、また違ったテイストだったけど。
鮎田冬馬の手記のパートと、鹿谷&江南の推理パートが交互に展開される。推理パートは、手記の中で既に起きた事件を追っているので、緊迫感はちょっと薄いかも。
手記パートのところどころに感じる違和感に、どれだけ気付けるか。伏線が巧妙に張り巡らされており、終盤の解決編で綺麗に回収する様はお見事だった。
さぁ、次はいよいよ4分冊からなる暗黒館。
気合い入れてから入館します!
Posted by ブクログ
「十角館の殺人」以来、久々に読みたくなり手に取りました。江南君が社会人になっていてびっくり。
前半は被害者に魅力が感じられず、読むペースが遅くなりがちでしたが、以降は細かく散りばめられた小さな疑問、それに対する鮮やかな伏線回収、緻密さと大胆さに感心させられました。
Posted by ブクログ
些細な違和感に足を止めたのは一度きりで、目の前のことだけに気を取られながら解決篇まで来てしまった。クライマックスの傍点部分を読むたびにその緻密な技巧に驚く。何度もページを行き来することで物語の核の部分が浮かび上がり、ミステリーの醍醐味を存分に味わえた。知識不足のためにあらゆる伏線に気づけなかったのが個人的に無念。巻末の法月綸太郎さんの解説を読み、「額縁小説」「モチーフの反復」という言葉を知って、館シリーズへの理解がさらに深まった気がする。