桜庭一樹のレビュー一覧

  • GOSICKs II ──ゴシックエス・夏から遠ざかる列車──

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    再読。なんとも初々しいヴィクトリカ。こっちまでお菓子を食べながら読むことに。今回は馬も無事にわかったのでめでたしめでたし。 こんな夏休みを過ごしてみたいもんだなぁ。

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    2019年04月20日
  • 伏 贋作・里見八犬伝

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    犬人間というものが、江戸の街にいたそうな。それを狙う賞金稼ぎの猟師の女の子浜路という十四の少女が主人公。軽い兄思いのアクティブな女の子です。だからなのか、少し物語も軽く飛んでいきそうなのです。里見八犬伝の贋作である贋作里見八犬伝という物語が、この浜路の物語の中に、二重構造のように入り込んでいるのが、この物語の見どころ。本家の里見八犬伝よりも、こちらの方が現代人には好感を持って受け入れられるのではないでしょうか。楽しめました。合格です。

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    2019年04月14日
  • GOSICK II ──ゴシック・その罪は名もなき──

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    ネタバレ

    ヴィクトリカと久城のコンビ2作目。
    この二人のコンビの微笑ましいこと。自然と笑みがこぼれます。
     物語は微笑ましくはいきません。
    今回はヴィクトリカの母の冤罪を晴らすため、ヴィクトリカは小さな村へと行きます。勿論、久城が黙って見送るはずがありません。二人が向かった村は時代に取り残されたような閉鎖的な村で、そこでまた新たな事件が…という話。

     事件については特に驚く展開ではありませんでした。
    が、ツボだったのは村の儀式で久城とヴィクトリカが同じ質問をしたこと。
    素っ気なくみえてヴィクトリカも久城のことを大切に思っているのね。だから久城が落ちそうになった時、必死に手を伸ばして助けようとしたのでし

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    2019年04月12日
  • 伏 贋作・里見八犬伝

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    里見八犬伝は実はこうだったんだよ、と脚色したお話。
    贋作の部分は、そういうのもありだなぁと思ってどんどん読み進められました。原作をもう一度読もうかな。。

    あともう一つのお話。
    14歳の善も悪もまだわからないような、まっすぐな性格が主人公だったのが良かった。だからこそ犬人間を狩る猟師として戦えたのだろうし。
    (最初はもっと人情味のない子かと思ったら、兄に助けを求める年相応なところがでてきて安心しました。)

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    2019年04月05日
  • GOSICK GREEN

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    脱獄した伝説の銀行強盗KIDを追って、セントラルパークを探険。色々な事件がひとつにまとまって、相変わらず人がガヤガヤ騒がしくて、すごく面白かった。お札の語りもユニーク。そしてついにあの人登場!GOSICKといえばこの人がいないとね!って感じ。また来年続きが出るのかな? ますます楽しみになってきましたー。

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    2019年03月05日
  • ほんとうの花を見せにきた

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    生きるって心が動くこと
    儚いものに人は美しさを感じる
    だからこそ人生も美しいとされる
    限りがあるからこそ生まれる尊さ
    死なないわけではないけれど、時が止まったように生き続けなければバンブー
    人間とは対照的のように描かれるバンブー存在のおかげで、人間の愚かさ、無知の恐ろしさ、忘れてしまうことの虚しさが浮き彫りになったと思う
    でも、大切なのは種族の違いなんかじゃなくて、相手を知ろうとする気持ちなのではと感じた

    素敵でした

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    2019年02月19日
  • GOSICK VI ──ゴシック・仮面舞踏会の夜──

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    何年かぶりの再読!
    ベルゼブブからの帰りの出来事
    ミステリーはあっさりめだけど、物語が最後に向かって動き出してる感じがいい

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    2019年01月11日
  • ブルースカイ

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    ネタバレ

    第1部が長くていちばん描写が丁寧で、途中まで、ドイツのマリーが主人公かと勘違いしてしまうほどだった。
    でも読み進めていくとセーラー服の日本人の女の子が出てきて、それが、時空を旅してるヒロインの女の子(青井ソラ)だってことが途中からわかって、おもしろかった。

    マリーの境遇も去ることながら、全体的にずっと憂鬱感があって、物語に勢いのようなものがあるわけではないのに、読むのをやめられないおもしろさがあった

    ケータイもパソコンもなかった中世ドイツから、AIがもっと進歩してる2022年までを通して、「繋がる」がテーマになっていた。
    2022年シンガポールに生きるディッキーが、人との繋がりを実感するこ

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    2018年12月27日
  • ほんとうの花を見せにきた

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    感受性が豊かで、ガラスみたいに透き通って繊細な時期に出会っていたかった、そういう作品。

    私はもう大人で家庭だって持ってて社会人としての経験も人並み…以下かもしれないけどあるわけで、そういう立場の大人が読むと、物足りなさやいわゆる寒さを感じかねない作品ではあった。

    けれどもし私が10代で、傷ついていたあのころに読んでいたなら、この作品はかけがえのない物語となって心に残ったと思う。
    愛とは何か、この作品に教えてもらうことができたのだろう。

    大人なので、このスケールの物語ならもっと長く濃密な形で読みたかったなあと思ってしまった。でももっと年を取る前に読めてよかった。

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    2018年11月26日
  • 伏 贋作・里見八犬伝

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    これは良い。
    本物の里見八犬伝は呼んだことがなかったけどファンタジーだね。
    ためしにウィキで本物を調べてみたけど長大過ぎて読む気にならない。
    この話は適度な長さで丁度良い。
    伏の全体的にあっさりした執着の無さが犬らしくって可愛いやね。

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    2018年11月11日
  • 製鉄天使

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    「赤朽葉家の伝説」のスピンオフ。
    丙午(ひのえうま)生まれの赤緑豆小豆がレディース暴走族「製鉄天使」の総長となり世界(中国地方)を統一するという喧嘩上等の暴走族ファンタジー。

    アニメっぽい仕上がりを見事に文章だけで表現しているのは本当に素晴らしいし、散りばめられた伏線(いかにもなヒントではなく、あーそういえば的な伏線)や起承転結まとめかたがさすが桜庭一樹。完璧過ぎる。

    そして、1980年代の昭和の田舎の暴走族臭プンプン。
    「〜してちょ」「〜ぜよ」とか気恥ずかしくなるような懐かしい昭和ワードの連発。
    その時代を生きていても、なかなか「やめちくりっ」はさすがに出てこない。これには本当にやられた

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    2018年11月07日
  • ファミリーポートレイト

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    第一部の 旅 はそれぞれの町が現実に在りそうで、
    少しファンタジーな感じで、温泉街の風習とか
    豚の脚とか。
    コマコの夢なのかな?とも読めた
    第二部のバーでの一人語りにその旅の経験が形を変えて出てくると、コマコが実体験したことなんだと、マコとの濃さを改めて感じた。

    読み進めるのが苦しくて
    でも読みたくて 終わらないでほしいけど
    絶妙なところで終わった

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    2018年10月17日
  • GOSICK VIII 下 ──ゴシック・神々の黄昏──

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    徴兵された久城や看護婦に志願するアブリルと、ダークでキュートなミステリさは完全に鳴りを潜め長い戦時下が徹底した全体に苦しくも引き込まれる。ブロワ侯爵も敵方ながら迫真な魅力。ヴィクトリカが日本に辿り着く一方、明記がないから再びのコルデリアを期待してしまい寂しい。嵐の後の平時ぶりに人間の逞しさを感じた。

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    2018年10月12日
  • GOSICK VIII 上 ──ゴシック・神々の黄昏──

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    チェス大会翌日から始まる、誕生日に所望された十五の謎は短編集のよう。留学生は祖国へ、ヴィクトリカはブロワ侯爵の元へ連れられ展開が勢い付く。人間扱いされないヴィクトリカがつらく、薬から一時的に正気に戻るのが嬉しく、コルデリアたちの暗躍にときめく。刺青の凄絶な覚悟や遠く近い戦火による不安が苦しい。

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    2018年10月12日
  • ほんとうの花を見せにきた

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    残酷な童話のような作品。胸がきゅっと苦しくなり、切なく悲しい、でも美しく暖かい、なんとも不思議な作品でした。

    短編作品のオムニバスになっていますが、一作目と二作目の繋がりが物凄く好きです。

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    2018年09月24日
  • GOSICKs ──ゴシックエス・春来たる死神──

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    GOSICKシリーズ読むか!!と初読み。そして解説にて外伝的短編集と知る(°_°)やらかしました。。しかし面白かった。次は是非本編読みます!汗
    しかしながら登場人物かわいいなぁ。

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    2018年08月23日
  • 道徳という名の少年

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    大人のための童話・お伽話のような芸術作品。装丁も素敵。
    「道徳という名の少年」だけど、その生い立ちや背景は、道徳とかけ離れた、醜く美しい背徳の世界。

    言葉は少ないのに、的確にテンポよく丁寧に綴られていく。
    非現実的でありながらも、異世界に夢のように違和感なくすっと入り込んでいく感じ。
    そう、これこそが小さな子どもが純粋に絵本に求めるような読書の世界だったことを思い出した。
    久々の桜庭一樹ワールドに短時間だけど、どっぷり浸かってしまった。

    生い立ちの設定であったり、名前の付け方であったり、時代や世界観、言葉ひとつひとつの選び方も、独特でとても真似できない。

    ストーリーに「タブー」「エロス」

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    2018年08月20日
  • GOSICK PINK

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    「GOSICK PINK」
    NYに到着後、九城の姉・瑠璃の家に身を寄せたヴィクトリカと久城。さっそく外に出てみると、何だか変てこな新大陸の謎たちに遭遇。


    アメリカ到着翌日に、瑠璃の息子と大人気ない喧嘩をし、マンホールに落ち、更に団子を食ってしまい連行されるヴィクトリカ。一方、またもやヴィクトリカを見失い、迷子の記事を出してもらった新聞社の採用試験を強引に受けさせられる久城。そんな記念すべき新大陸1日目は、ボクシング世界戦とクリスマス休戦殺人事件が、ヴィクトリカの好奇心を掻き立てる。


    新大陸到着早々に巻き込まれるヴィクトリカと九城であるが、遂に、九城の就職先とグレイウルフ探偵社設立の経

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    2018年05月21日
  • 赤×ピンク

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    ネタバレ

    女の子たちが檻の中でたたかう『ガールズブラッド』が毎晩、廃校になった小学校で行われています。女の子たちはO嬢で、お客さんは女の子たちが心からも体からも流す血を観に集まってくる、つかのまのステファン卿です。

    女の子たちはみんな何かを抱えていながらも、一生懸命生きています。だから、桜庭一樹さんの描く女の子たちは、大好きです。

    まゆ十四歳は、“この場所が、居心地悪い。(p58)”と思うと同時に“ここじゃないと生きていけない。(p59)”とも思います。
    まゆはずっと、檻の中にいて、閉じこめられなくなってからもずっと、心の中にその檻を持っていました。だから檻の中には、“安堵感と、ずっと近くなった死の

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    2018年04月29日
  • GOSICKs ─ゴシックエス・春来たる死神─(ビーンズ文庫)

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    ネタバレ

    久城一弥とヴィクトリカの出会いの部分。
    短編と言うかオムニバス。
    GOSICKの1巻を読んでずいぶん経っていたので、この物語が1巻だと思ってた感じもある。
    多分、アニメ版の影響なんだろうとは思うけど。
    アブリルの出会いの話でもあった訳だけど、アニメ版も見てから結構経っていたので大部分を忘れてて新鮮に読めたかも。
    久城寛とヴィクトリカのパズルの解き合いは全然覚えてなかったので、アニメ版には無かったか、あるいはアニメ版でその部分を見てないのかも。
    まあ、GOSICKは面白いですなあと改めて思った作品でした。

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    2018年04月09日