桜庭一樹のレビュー一覧

  • 少女には向かない職業

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    一気に読み終えてしまった。
    そして、自分の魂がこの離島の夏の海と山の間にある通学路あたりにまだ浮遊してる気分。(終わりは冬ですが)

    中学2年の少女。
    大西葵は学校ではおちゃらけたりして、友だちに囲まれてる。幼馴染の田中颯太とは、ゲーム仲間。
    でも家に帰ると、ママが飼ってるペット・・心臓と足が悪くてアル中の義父がいて、
    ママにも義父にもちゃんと話すことさえできない。

    そんな時クラスで地味な図書委員の宮ノ下静香を学校外で見かけた。彼女は学校と違って、まさしくゴスロリ(葵がゴスロリという言葉を知ってだかどうかは分からないが)だった。
    「いいもの見せてあげる」
    「いいものって?」
    「死体」

    接点のなかった2人が夏休みの始めに関わり出してから、2人を取り巻くモノが変わる。
    いや、変えていく?

    って話。


    こんな時はこーすればいいやん、あーすればいいやん!って思えるのは
    読んでる私が大人だから。
    きっと中2はこれが精一杯。
    だからこそ、残酷で、しんどくて、でもどこか、キラキラしてるんだよなー。

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    2023年05月15日
  • GOSICK VIII 下 ──ゴシック・神々の黄昏──

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    もはやミステリでもなんでもないのだけれど、シリーズの完結編としては完璧なのではないかと思う。
    ド直球の戦争モノになっていたが結局どことどこが戦ったのかに関しては、巧みに?はぐらかされている感はあった。沈む旧大陸と勝利する新大陸・たぶん戦火を免れているパリ・でもドイツのポーランド侵攻が戦火のはじまり…
    ただ、あくまで主題は戦争と少年少女なのだから、別にそこはどうでもいいのであると思う。

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    2023年05月06日
  • GOSICK VIII 上 ──ゴシック・神々の黄昏──

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    久城が学園を離脱してからヴィクトリカも連れ去られるまでの展開の臨場感たるや。ここまで読んできてよかったと思いましたよ。

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    2023年05月06日
  • 少女七竈と七人の可愛そうな大人

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    「辻斬りのように男遊びをしたいな、と思った。ある朝とつぜんに。そして五月雨に打たれるように濡れそぼってこころのかたちを変えてしまいたいな。」
    この冒頭に心掴まれた。桜庭一樹の独特な文章とキャラクター造形はなんか中毒性がある。

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    2023年04月22日
  • 荒野

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    ネタバレ

    1人の女の子が大人の女になっていくお話。
    懐かしいく感じる部分もあったり、親の立場として寂しく感じる部分もあり、不思議でリアルなお話でした。

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    2023年03月21日
  • 荒野

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    良かったーーーー!青春の甘酸っぱさを追体験できて、非常に良かった。読みやすいし面白かった。桜庭一樹さんの本、思い出補正も込みで、大好き!❤︎

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    2023年03月18日
  • GOSICK ──ゴシック──

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    表紙は可愛らしいが、中身はどうしてなかなかグロい。時代設定だったり情景描写がしっかりしているから、トンデモ設定だけど想像しやすかった。

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    2023年02月19日
  • GOSICKs II ──ゴシックエス・夏から遠ざかる列車──

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    古典的な安楽椅子探偵的なエピソードだが、久城がヴィクトリカに手紙を読んであげる甲斐甲斐しさもあって、ほのぼのとした読後感があった。

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    2023年02月13日
  • GOSICK VI ──ゴシック・仮面舞踏会の夜──

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    メインの謎やトリックは真新しいものではないけれど、後半の、容疑者たちの証言を聞いて検討していくパートは面白かった。
    シリーズ的にはクライマックスへむけた準備の感があり、王国のオカルトvs科学の内部対立が具体的に見えてきはじめた。

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    2023年02月13日
  • 道徳という名の少年

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    一家系の官能的で甘美な愛の物語集 心に残る作品です

    戦地へ赴くジャンの物語「ぼくの代わりに歌ってくれ」がとてつもなく好きです
    桜庭一樹クロニクル(インタビュー集)も必読

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    2023年01月21日
  • GOSICK BLUE

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    しんどいシーンもさらりと書きこなすのが、さすがGOSICK。伏線の張り方も、さすがGOSICK。
    メアリの存在、別に無くても・・・

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    2023年01月20日
  • 推定少女

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    とらえどころのない話だなあと思って読み進めた。
    男なのか女なのか、宇宙人なのか、異常者なのか、主要登場人物たちのキャラクターをつかめないまま話が進んでいく。
    挙げ句、結末すら曖昧というか読者に解釈を任せるような感じだ。
    と思ったが、なるほど、このとらえどころのなさは、登場人物たちの思春期の不安定さ、危うさ、自我のゆらぎ、そういったモヤモヤそのものなのだと捉えると、少しスッキリした。
    あっと驚くどんでん返しを期待したり、伏線回収を期待したり、大団円を期待したり、そういう小説の読み方は「大人」なのであって、そういうカッチリした流れのストーリーを期待してしまう読者はこの小説に登場する大人そのものなのだ。
    思春期の雑多な妄想を思い出させるようなお話でした。

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    2022年11月01日
  • 伏 贋作・里見八犬伝

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    信乃の、そして伏の悲しき背景を知っても、みずからの仕事に徹する浜路。すべてに凌駕する使命感がかっこいい。伏姫と浜路の二人のヒロインを軸に話はスピーディーに進み、どんどんページが捲られていく。面白かった。
    この後、アニメも見てみたが100分に収めるため、だいぶ端折ったり、設定を替えていたが男女の恋愛をメインに置いてて、こちらも楽しめた。

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    2022年10月29日
  • 無花果とムーン

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    ありがちなストーリーも、謎の世界観やら、不思議な語り口やら、妙なキャラクター設定やら、で新しい感じになるんだから不思議だ。
    いやまぁ言うほど目新しいわけでもないんだけど、身近な人の死を乗り越えるのに時間がかかってやっと死に向き合って周りの人たちも死を忘れようとしていたけどそれじゃダメなんだと気がついて新しい旅立ちである。
    と、略し過ぎだけど、一番辛いのはなみちゃんで、頑張って無理して話しかけたけど酷い扱いを受けて、でもって主人公はまぁ友達を傷つけたけどしょうがないかー、的な。いやこれはなみちゃんの将来が危ぶまれるが、しょせんはメガネの地味な子なのでこの扱いもやむなし。なにしろ美男美女ばかりでてくるこのお話、下手に思春期に読むとやばそうよ。

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    2022年10月08日
  • 少女を埋める

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    ネタバレ

    なぜ自分がこの作家が好きだったのかよく分かった作品。少女を埋めるでは、考え方や思想が驚くくらい同じでびっくりした。

    家父長制に違和感を感じ、従順できずにもがいた女性の話。「女性だからこうあるべき」っていうのに従う方が楽なこともたくさんあると思うけど、そうやって生きることが苦しい生物学的に女である人もいる。
    ジェンダーギャップ指数の順位が低い日本の、女性の幸福度は高いときく。男の人に稼いでもらって、奢られたり守られたり、仕事で重い責任を負うより専業主婦が希望って女性も多いだろうから、それを希望する女性にとっては、その生き方はかしこく正しいと思う。でもその生き方を希望しない女性は、煙たがられて排除されるべきなのかな?

    持ってしまった違和感を捻じ曲げることができない私も、その社会では異分子だったと思う。その点新しい所謂東京的な価値観は、息がしやすい。
    正論は自分を守る命綱、まさにそうだった。

    キメラ以降では、問題をただ切り捨てるのではなく、後の世代のために思考して進んでいくべきというメッセージを強く感じたが、私もそう思う。

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    2022年10月01日
  • 少女を埋める

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    ここは森の中だろうか?
    穴の中にうずくまる動物がいる。裏表紙を開くと小さな赤ちゃんもいてびっくりした。『少女を埋める』は淡いピンク色の本で、厚さや手触りはまるで"日記"のようだ。

    『私の男』で著者を知り、上手い作家さんだと思っていたら、第138回直木賞を受賞された。
    本書には、著者初の自伝的小説「少女を埋める」と、論争の経緯を綴った「キメラ」、書き下ろし「夏の終わり」の3篇が収録されている。

    父の危篤を母より知らされ、7年ぶりにコロナ禍の鳥取に帰省した「わたし」
    同じく地方に実家があり、父を看取る経験をした私には、読むのが辛くなる話だった。
    「田舎特有の閉塞感、親からの抑圧感で押しつぶされそうだった少女時代。自分を守るため弱い子供、弱い女性の仮面を付けなければならなかった・・
    埋められないように」
    「大昔とちっとも変わらない封建的な社会が自分の周囲にも頑強に存在し続けていたのだった」など
    一つ一つの言葉が突き刺さってくるようで、胸が痛くなった。 20代後半、母親が連れてきた神社の宮司との結婚話や、父親の葬儀で頼んだ若いタクシー運転手から入るメールの話は、決して誇張されたものではないと思う。
    田舎では時間がゆっくり流れる。
    私も、帰省時は早口にならないよう気をつけて、人との距離にもより慎重になった。
    「少女を埋める」を読み、私だけではなかったのだ。同じなんだと、どこかほっとしている自分に気づかされた。

    騒動については初めて知って驚いたが、急に現実に引き戻されたようで気持ちが追いついていかなかった。

    小説を読みながら疑問に思ったことがある。なぜ母親は娘を家に泊めなかったのか? 二階の子供部屋に貼り付けられた無数の付箋は何だったのか? 
    「夏の終わり」にその解答を見つけ、余白のピースがやっと埋まった気がした。

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    2022年09月22日
  • 紅だ!

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    このタイトル、X‐JAPANを想像するのは難くない。そして久しぶりの桜庭さん。装丁にちょっと違和感を感じる。面白いのかなぁと。

    元チキン屋の居抜き物件で道明寺探偵屋を営む橡と紅。元々は葉さんが2人を雇っていたのだがその葉さんは亡くなり、橡と紅は絶妙な関係でその跡を継いでいたのだった。紅は何者かに追われ命を狙われている不思議な少女をボディーガードすることになった。そして橡は元いた職場、警視庁の先輩の依頼で偽札事件を追うことに。物語は進んで行き2人は交錯する。

    まぁまぁ面白かった。なんだか伊坂さんの伏線回収に似ていた。

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    2022年09月15日
  • 赤朽葉家の伝説

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    女三代の話。
    朝ドラにもありましたね、そういうの。
    毛鞠と青春時代が重なり、懐かしく読みました。
    面白かったけど、結局万葉はなぜ、誰から捨てられたのか、そこが気になった。

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    2022年09月04日
  • 少女を埋める

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    良かった。わたしはやっぱりこのひとが好きだなあ……このひとの文章が好きだ、けど、特に今回は文章、というより「言葉」と、そう言葉にしようとするご本人が、と思った。
    それはそうと、桜庭さんの描く地方都市、ものすごく大袈裟に昔のように書いているんだと思って、令和の、しかも歳上のひとたちの会話での言葉選びに心底驚いた。土地、文化、すごい。いや、自分の周りが現代的とは全然限らないんだけど。

    わたしは、親の育て方か、環境か、自分の厚かましい性格か、とにかく何かを堪えたり受け止めてもらえないという経験が本当にまったくないなあ、と思った。ありがたいことであると同時に、それに自覚的になるのはとても難しい。だからこそ他者への理解や配慮も足りないことがある気がする。もう年齢的にも「生意気な若手」ではなく、「高圧的で馴れ馴れしいおばさん」になってしまう……

    考えなければいけない。生きていかなければいけない。もっと考えたことがたくさんあると思うのに、うまく言葉にならない。でも読んで考えてしゃべって書いていきたいと思う。

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    2022年08月24日
  • 伏 贋作・里見八犬伝

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    里見八犬伝をモチーフにした長編で、何よりも過去の話が本編と同じぐらいの分量で入っていることに驚いた。桜庭一樹といえばファンタジーやライトノベル作品出身で「わたしの男」で直木賞という降り幅の広い作家さんだ。江戸時代を舞台に語られる贋作里見八犬伝、堪能させてもらった。

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    2022年08月17日