桜庭一樹のレビュー一覧
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ネタバレ大きな出来事が複数起こっているにも関わらず、淡々と大きな波がなく進んで行く物語。
近年の桜庭一樹作品という感じの、緻密な物語の構成で淡々としているけれど、読者を飽きさせない。
主人公の波間がさまざまな人に出会い、日々を漂っていく。
この物語は複数のサバイバー達のその後の物語だと感じた。
病気や事件の渦中にいる時には周囲から同情され注目される。
ただ、病気が治った後や経過観察中、事件が世間で忘れ去られても当人の人生は続く。
むしろ、渦中にいるときよりも、ずっと長いかもしれない。
物語後半、「正しい被害者ってなんでしょうね…?」というセリフがある。
激昂していた優里亜(かもしれない人)から発せ -
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一気に読み終えてしまった。
そして、自分の魂がこの離島の夏の海と山の間にある通学路あたりにまだ浮遊してる気分。(終わりは冬ですが)
中学2年の少女。
大西葵は学校ではおちゃらけたりして、友だちに囲まれてる。幼馴染の田中颯太とは、ゲーム仲間。
でも家に帰ると、ママが飼ってるペット・・心臓と足が悪くてアル中の義父がいて、
ママにも義父にもちゃんと話すことさえできない。
そんな時クラスで地味な図書委員の宮ノ下静香を学校外で見かけた。彼女は学校と違って、まさしくゴスロリ(葵がゴスロリという言葉を知ってだかどうかは分からないが)だった。
「いいもの見せてあげる」
「いいものって?」
「死体」
接点 -
Posted by ブクログ
とらえどころのない話だなあと思って読み進めた。
男なのか女なのか、宇宙人なのか、異常者なのか、主要登場人物たちのキャラクターをつかめないまま話が進んでいく。
挙げ句、結末すら曖昧というか読者に解釈を任せるような感じだ。
と思ったが、なるほど、このとらえどころのなさは、登場人物たちの思春期の不安定さ、危うさ、自我のゆらぎ、そういったモヤモヤそのものなのだと捉えると、少しスッキリした。
あっと驚くどんでん返しを期待したり、伏線回収を期待したり、大団円を期待したり、そういう小説の読み方は「大人」なのであって、そういうカッチリした流れのストーリーを期待してしまう読者はこの小説に登場する大人そのものなの -
Posted by ブクログ
ありがちなストーリーも、謎の世界観やら、不思議な語り口やら、妙なキャラクター設定やら、で新しい感じになるんだから不思議だ。
いやまぁ言うほど目新しいわけでもないんだけど、身近な人の死を乗り越えるのに時間がかかってやっと死に向き合って周りの人たちも死を忘れようとしていたけどそれじゃダメなんだと気がついて新しい旅立ちである。
と、略し過ぎだけど、一番辛いのはなみちゃんで、頑張って無理して話しかけたけど酷い扱いを受けて、でもって主人公はまぁ友達を傷つけたけどしょうがないかー、的な。いやこれはなみちゃんの将来が危ぶまれるが、しょせんはメガネの地味な子なのでこの扱いもやむなし。なにしろ美男美女ばかりでて -
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ネタバレなぜ自分がこの作家が好きだったのかよく分かった作品。少女を埋めるでは、考え方や思想が驚くくらい同じでびっくりした。
家父長制に違和感を感じ、従順できずにもがいた女性の話。「女性だからこうあるべき」っていうのに従う方が楽なこともたくさんあると思うけど、そうやって生きることが苦しい生物学的に女である人もいる。
ジェンダーギャップ指数の順位が低い日本の、女性の幸福度は高いときく。男の人に稼いでもらって、奢られたり守られたり、仕事で重い責任を負うより専業主婦が希望って女性も多いだろうから、それを希望する女性にとっては、その生き方はかしこく正しいと思う。でもその生き方を希望しない女性は、煙たがられて排 -
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ここは森の中だろうか?
穴の中にうずくまる動物がいる。裏表紙を開くと小さな赤ちゃんもいてびっくりした。『少女を埋める』は淡いピンク色の本で、厚さや手触りはまるで"日記"のようだ。
『私の男』で著者を知り、上手い作家さんだと思っていたら、第138回直木賞を受賞された。
本書には、著者初の自伝的小説「少女を埋める」と、論争の経緯を綴った「キメラ」、書き下ろし「夏の終わり」の3篇が収録されている。
父の危篤を母より知らされ、7年ぶりにコロナ禍の鳥取に帰省した「わたし」
同じく地方に実家があり、父を看取る経験をした私には、読むのが辛くなる話だった。
「田舎特有の閉塞感、親からの