桜庭一樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ共感し、ぐっとくるフレーズが目白押しだった。計画性がなく自己中心的で、自分の為に娘を使う母親と、それでもその母親が自分のたった一人の唯一無二の特別な人間で、何をされても愛している娘。「母親でも女でありたい」という女性の典型的な例みたいな母親と対照に、男性への魅せ方や愛し方が不完全な娘。第一章は、対照的な母と娘の生き方が不憫で歯痒くて仕方ない。
でも、個人的には母マコと娘コマコが一緒に生きている時の話の方が好き。
それから第二章へ進み、母マコの幻影に囚われながら生き続ける娘コマコの人生が綴られていく。死んでしまった人間は圧倒的で神のよう。母に囚われ続けるコマコに共感の嵐。それでもコマコが、自分の -
Posted by ブクログ
「勇気を、勇気を持とう。不屈の、勇気を……。最後の瞬間まで、生を、未来をあきらめない。我々は生きるのだッ──!」
上巻で別れ別れになってしまった二人。
ヴィクトリカは母、コルデリアの手引きで監獄を脱し、新大陸を目指す船に。
徴兵された一弥は前線でただひたすらに生き延びてゆく。
二人は再会できるのか…?
これで最後のゴシック、Ⅷの下、完結編。
ヨーロッパの小さな国に東洋からやってきた「春来たる死神」九城一弥と、いにしえの生き物たちの末裔、欧州最大の知性「灰色狼」ヴィクトリカ・ド・ブロワとの、謎と冒険と、愛の物語。
ああ、終わってしまったなあ。と感慨にふけってしまいます。
ずいぶん長い -
Posted by ブクログ
面白かったです。昔々におすすめしていただいたのを漸く読みました。
吸血種族であるバンブー、竹なのかな…?と思いましたが細かいことは明かされず、それがまた不思議さを増していて良いです。
1話目の、かなり治安の悪い町での、それでも安らかな日々が尊いです。舞台は日本のどこかなのですが、マフィアが牛耳る異国のようでした。洋治もムスタァも、洋治は多分生まれつきのバンブーでムスタァは元は人間で後にバンブーになったという違いはあれど、人間を愛していて素敵でした。火は命の輝きで、それを守って繋げていく。
2話目は変わっていく人間と、変わらないバンブー。最期に咲いた花が切ないです。
3話目は、類類の過去に切なく -