桜庭一樹のレビュー一覧

  • ファミリーポートレイト

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    共感し、ぐっとくるフレーズが目白押しだった。計画性がなく自己中心的で、自分の為に娘を使う母親と、それでもその母親が自分のたった一人の唯一無二の特別な人間で、何をされても愛している娘。「母親でも女でありたい」という女性の典型的な例みたいな母親と対照に、男性への魅せ方や愛し方が不完全な娘。第一章は、対照的な母と娘の生き方が不憫で歯痒くて仕方ない。
    でも、個人的には母マコと娘コマコが一緒に生きている時の話の方が好き。
    それから第二章へ進み、母マコの幻影に囚われながら生き続ける娘コマコの人生が綴られていく。死んでしまった人間は圧倒的で神のよう。母に囚われ続けるコマコに共感の嵐。それでもコマコが、自分の

    0
    2019年12月17日
  • GOSICK VIII 下 ──ゴシック・神々の黄昏──

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    再読。世界大戦という嵐をくぐり抜けて、ようやく再会したヴィクトリカと久城。その再会場面の描写が素敵。「……君、退屈してた?」というこれまでの二人の重ねた時間を凝縮した一言に涙する。未来へ踏み出すラストシーンは晴れ晴れとしていた。

    0
    2019年11月26日
  • GOSICK VIII 上 ──ゴシック・神々の黄昏──

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    再読。ついに世界大戦が始まり、ヴィクトリカと久城は突然引き裂かれるような別れを迎えてしまう。久城からの最後の手紙を身体に彫り込んでしまうヴィクトリカの描写は凄みがある。(天才なのに日本語はできないのか…とちょっとだけ思ってしまうのはダメですよねぇ)この先の展開を知っていても、二人の境遇に涙してしまいます。

    0
    2019年11月24日
  • ほんとうの花を見せにきた

    Posted by ブクログ

    バンブーは優しい。
    命の火を灯す人間に憧れ、慈しむ。
    自分の命にかえても大切な人を守ろうとする。
    人が日々の忙しさの中で忘れていってしまうことでも、バンブーは忘れない。
    いつまでも。。。

    私は、この物語を読んでバンブーに魅了された。
    どのバンブーも愛しい。

    0
    2019年09月20日
  • GOSICK VIII 下 ──ゴシック・神々の黄昏──

    Posted by ブクログ

     「勇気を、勇気を持とう。不屈の、勇気を……。最後の瞬間まで、生を、未来をあきらめない。我々は生きるのだッ──!」

    上巻で別れ別れになってしまった二人。
    ヴィクトリカは母、コルデリアの手引きで監獄を脱し、新大陸を目指す船に。
    徴兵された一弥は前線でただひたすらに生き延びてゆく。
    二人は再会できるのか…?


    これで最後のゴシック、Ⅷの下、完結編。
    ヨーロッパの小さな国に東洋からやってきた「春来たる死神」九城一弥と、いにしえの生き物たちの末裔、欧州最大の知性「灰色狼」ヴィクトリカ・ド・ブロワとの、謎と冒険と、愛の物語。


    ああ、終わってしまったなあ。と感慨にふけってしまいます。
    ずいぶん長い

    0
    2021年04月06日
  • GOSICKs IV ──ゴシックエス・冬のサクリファイス──

    Posted by ブクログ

    >クリスマスを控えた聖マルグリッド学園は、慌しくも楽しげな雰囲気に包まれている。
    >今日はお祭り。
    >生徒たちが仮装して、「駒」になって行われる、「リビングチェス」が始まろうとしていた。

    という、ゴシックsの4冊目にしてゴシック最後の短編集。

    平和だった最後の一日。
    喧騒の陰で明かされる、グレヴィールの深淵なるドリルの顛末とは・・・?
    ほか3編。


    このあとに、つらい運命が待っていることを知っているからこそ、
    優しい気持ちで読める一冊。

    0
    2019年09月06日
  • GOSICK GREEN

    Posted by ブクログ

    読んでいるときはその出来事が何を意味しているのかわからない文章であっても、最後まで読むと一つ残らず繋がって、見事解決!
    その爽快感がたまりません。
    今回は特にスッキリしました。

    0
    2019年08月28日
  • 青年のための読書クラブ(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    「女子高を舞台にした少女版『百年の孤独』」というコンセプトがすごく気に入った。
    南米の村マコンドで起こるいくつもの出来事とは、規模も奇怪さも比べものにならないけれど。生きる者の希望とか、滅びに向かう雰囲気の寂しさと諦めとそれでも不思議に残される希望とか。そういうのは場所も時代も関係なく繰り返されているのだ。その規模に関わらず皆同じなのだ。
    たったひとりで孤独や絶望にうちひしがれている人にはこの本を手渡して「未来をまだ信じましょう、若い人たち。よき人生を」と言ってあげたい。

    0
    2019年08月18日
  • 伏 贋作・里見八犬伝

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    再読。何度読んでもワクワクしながら一気に読んでしまう。狩るものと狩られるものとの物語なのに、殺伐とした敵対関係というよりは、実はひとつの同じものに表と裏からしがみついているという感じ。だからこそ、何となく理解しあえるし、嫌悪しきれない。かといって仲間にはなれないと互いの立場を割り切っている。そのあたりが、物語に軽やかさを与えていて、それでいて単純すぎずに濃密なのがいい。

    0
    2019年08月14日
  • ほんとうの花を見せにきた

    Posted by ブクログ

    面白かったです。昔々におすすめしていただいたのを漸く読みました。
    吸血種族であるバンブー、竹なのかな…?と思いましたが細かいことは明かされず、それがまた不思議さを増していて良いです。
    1話目の、かなり治安の悪い町での、それでも安らかな日々が尊いです。舞台は日本のどこかなのですが、マフィアが牛耳る異国のようでした。洋治もムスタァも、洋治は多分生まれつきのバンブーでムスタァは元は人間で後にバンブーになったという違いはあれど、人間を愛していて素敵でした。火は命の輝きで、それを守って繋げていく。
    2話目は変わっていく人間と、変わらないバンブー。最期に咲いた花が切ないです。
    3話目は、類類の過去に切なく

    0
    2019年08月10日
  • 書店はタイムマシーン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初読。相変わらずの読書量には恐れ入る。『赤朽葉家の伝説』で直木賞の受賞を逃したときと、『私の男』で受賞した時の裏話も面白かった。受賞したら本当に慣れないことをいっぱいさせられるんだな。鳥取に帰った時に家族が主に体のことを心配して食べさせたり、お母さんとお祖母さんが着物を買って送って来たり、普通の温かい家族関係があるのが、少し不思議。作家さんの家族って何か普通と違うような先入観があるから(失礼ですよね)。

    0
    2019年07月31日
  • 少年になり、本を買うのだ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初読。『少年になり本を買うのだ』を先に読んでしまったので、読書日記第1弾を慌てて入手。とにかく読みまくる桜庭さんが、実際に『私の男』の執筆に入ったときの日記は壮絶。身を削って世界に入り込んでいく様は恐ろしいほどだ。創作活動がお気楽なものだと思っているわけではないが、それでもこの状態の桜庭さんには「死なずに戻ってきて…」と声をかけたくなる。もう字も小さいくて読みづらいので下段の注釈はほとんど読み飛ばしちゃいました。

    0
    2019年07月27日
  • 製鉄天使

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    再読。『赤朽葉家の伝説』のスピンオフと呼んでいいのかな。大筋はわかっているのに、ワクワク読める。中国地方のレディース族の制覇なんて、実は小さな世界かもしれない。それでも世界を制覇したという実感なんてそんなに持てるものじゃない。それを清々しく描き切っているのが面白い。

    0
    2019年07月27日
  • GOSICKs IV ──ゴシックエス・冬のサクリファイス──

    Posted by ブクログ

    冬休み前のたった一日の朝から晩までの出来事。脇を固めるメンバーのことが知れるショートストーリーの最終章。ほのぼのとして楽しいなぁ。学校という狭い空間でのたった一日の出来事でも物語はたくさん隠れているもんだね! レディズメイドのヴィクトリカと過ごした日々の回想に胸を打たれたなぁ。

    0
    2019年07月14日
  • GOSICKs III ──ゴシックエス・秋の花の思い出──

    Posted by ブクログ

    読んでる間、自分の顔が優しくなっている気がするほどホッとする。花を運んでくる男の子とその花を飾る女の子。理想の関係だわね。

    0
    2019年07月09日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(下) A Lollypop or A Bullet

    Posted by ブクログ

    まさか!!藻屑ちゃんが・・・!! 凄く濃いストーリーだったな・・・ なぎさちゃんはもちろん、なぎさちゃんの兄貴が最&高!に良いキャラでした!!

    0
    2019年06月26日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(上) A Lollypop or A Bullet

    Posted by ブクログ

    なぎさちゃん、クールで可愛い。 この世界観、いいですねー。原作は読んでないが・・・ 描写も素敵で、お気に入りだ。 (下巻)も楽しみだ。

    0
    2019年06月26日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

    Posted by ブクログ

    取り付きにくい古典を身近にしてくれる訳者の方に感謝。
    曽根崎心中、女殺油地獄、菅原伝授手習鑑、義経千本桜はストーリーも非常に面白い。

    0
    2019年05月19日
  • 傷痕

    Posted by ブクログ

    GW2冊目
    架空(だけれども世界中の人が1人の人を思い浮かべるだろう)のキング・オブ・ポップの突然の死を契機に、彼の子や兄弟、過去に関わった人たちの視点で彼が描写されていく作品。

    桜庭さんの作品は不思議な世界観のものが多いけれど、読み進めれば読み進めるほどに世界観に引き込まれてあっという間に読み終わります。そして戻るのにしばらく時間がかかります。

    0
    2019年04月28日
  • 赤×ピンク

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    再読。少女の不安定な心情の揺れが懐かしい記憶を揺り動かす。少女は少女とつながり、助けあい、補い合う。苦しくて懐かしい。

    0
    2019年04月28日