桜庭一樹のレビュー一覧
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封建的な考え方がある環境から離れ、東京で仕事をこなす主人公が故郷で暮らす家族との会話から、その関係性を考え突き詰める話が主題と思えた
主人公か著者自らを描き、ノンフィクションに近い物語のようだが、自身の印象や記憶から記述されていて物語性がある
執筆した作品の話も出てくるが、呼んでいたほうがより理解できただろう
また読んでいる間よりも、読んで暫くたってからの方が、作品への理解と評価が高まったように思う
他に2作品が収録されている
大手新聞の評論に、誤ったあらすじが掲載され、これに反論する活動が主体の話となっている(と読んだ)
こちらも実話のようだ
原因を推測し、深層を探っていく過程は、作家なら -
Posted by ブクログ
ネタバレ一弥は日本に送ってほしいと姉に頼まれたいくつかの文房具を買いに、首都にあるデパートにやって来た。
ソヴュール王国に伝わる秘宝〈青い薔薇〉を模したガラスの文鎮が、そこにしか売っていないと聞いたから。
しかしデパート内で迷子になった一弥が見たのは、囚われているとおぼしき少女の姿。
警察に届けたものの、デパートに戻ってみると、店員は誰も一弥を見ていないと言い、一弥の証言通りの部屋などどこにもないのであった。
とはいえ読者には、絶対的にこのデパートが怪しいのがわかる。
けれども、いつも謎をすいすいと解いてくれるヴィクトリカは、今回風邪でダウンしているため不在。
一弥ひとりで謎を解くことができるか? -
Posted by ブクログ
美しい男女が青春の終わりを受け入れるまでの物語。
ラストシーン、雪風と七竈が作中で唯一、互いへの感情を言葉にして伝え合う場面。
「母をゆるさないことだけが、わたしの純情です」
「そんなら、ぼくは父をゆるさないことにする」
それは決別であり、同時に永遠の約束にも見えた。未来で交わることはなくとも、同じ傷跡で繋がっている。許さないという選択をとることで、思い出とともに沈む心中のような響きすら宿していた。
あたり一面が真っ白な銀世界のなか、一際鮮やかに映える真っ赤な実――名は体を表す。それが七竈という少女だった。読後に残るのは、切なさとどこかやるせない余韻。そして微かに雲間から差し込むような -
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おすすめ頂き、購入してやっとこさ読むことができた作品『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』。
タイトルの意味から内容がイメージつかなかったのが理由です。表紙はいい感じだったんですが。
さてさて、何がうちぬけなかったのか?
13歳中学2年生、9月に転校してきた謎すぎる
美女海野藻屑(うみのもくず)。親は芸能人だがどうやら問題のある家庭のよう。
藻屑は自分を人魚だといい、現実として絡むのがかなりシンドイキャラ。また、主人公山田なぎさも、ひきこもりの兄と母と暮らしていて早く大人になりたーい!
あぁ、苦しい設定ですよ。
親や大人に問題あり!凪良ゆうさん的な?
でも不思議と藻屑のキャラが次第に愛おしさ -
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Posted by ブクログ
これは、小説なのか?私小説とはなんなのか?
地方の、この押し潰されていく感じ、箱に入れられる感じ、話ができない様。自分の一部でもあるから捨てられないんだけど、うんざりする思い。この息苦しさが、わからない人がいることがショックだった。
そして、自分が肌感覚でわからない、頭でどうにか想像してわかろうとするけれど、気を抜くとわからなくなってしまう世界があるだろう、さらにそもそも気づいてもいない世界がすぐ近くにあるのだろう、ということを自覚しておきたい。(そう思いながらもすぐ忘れてしまうのだろうから、せめてアンテナを張ることは続けておこう。)
共同体のルールにのれないなら、出ていかなければ