桜庭一樹のレビュー一覧
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著者の別作品のシリーズに『GOSICK』なるライトノベル作品が存在する。一九二四年、架空の西欧の小国ソヴュールを舞台とするホラーテイストのミステリである。二〇一一年には悠木碧主演でアニメ化もされた。
此の『GOSICK』シリーズに関して、著者が何処かで、歴史上、近代とは日本にとって青春の時代ではなかったか、というようなニュアンスのコメントを残していたと思う。
即ち、子供から大人へ。神秘から科学へ。換言すれば近代とは神秘の残り香を宿した最後の時代なのである。本書『赤朽葉家の伝説』もまた『GOSICK』と同様の通奏低音の下に書かれた作品であろう。
サンカ、服わぬ山の民。其の遺児たる万 -
Posted by ブクログ
久しぶりの桜庭一樹。
月夜の義理の兄・奈落の死から物語が始まる。
血縁とか家族とかの軋轢や愛を描くのばかり読んでる気がする。
死者を忘れるのは簡単で難しい。
簡単に忘れて、不意に思い出して、染みみたいに残る。
奈落みたいな男の子、モテるだろうなぁ。
月夜みたいな子、居るよなぁ。
生い立ちが複雑だと何もかもそこに起因している様な気がしてしまうけど、本当はもっと些細な事なんだろう。
本人的には重大な過失の様に感じても。
それを『18歳と19歳』で分けたり、月夜の友人らの陰口で表現していて、世界観は現実とファンタジーの狭間なのに、そこに生きている人達はリアルだ。
密と約のセクシーな感じが伝わっ -
Posted by ブクログ
ネタバレアニメ途中までしか観てなかったからこの話は初見。
突然学園から連れ去られたヴィクトリカを連れ戻しに旅立つ一弥。
修道院ベルゼブブの頭蓋にて無事再開できたものの、ヴィクトリカは相変わらずのツンツンっぷり…笑
…と思っていたら後半で、母コルデリアに対する想いや父に道具として扱われる自身の生まれてきた意味に対する不安等心の内を一弥にこぼす。あ、あのヴィクトリカが素直に……‼︎と軽く感激(;∀;)
今作ではコルデリアに加えてついにヴィクトリカの父アルベールが登場したり2人の絆がより深まったりと前作より更にストーリーが進展して今後の展開が気になるところ。
そして結局パンドラの箱形見箱とは⁇…ってめちゃ -
Posted by ブクログ
中盤まで面白く読み進んでいたのだけれど、最後のほうはちょっと混沌としていて少しすっきりしない感じが残った。LINEでやり取りしていた同級生が、どうやらパラレルワールドにいるらしい。向こうの世界では、自分や周りの人が違う選択肢や、違う運命をたどり、どうやら新型コロナウィルスという病気が世界的に巻き起こって大混乱をきたしているらしい。
そんな話が、もしコロナがなかったら…ということを想像させてくれたし、主人公が30代で乳がんの治療を経験した女性であることからの様々な思いもよくわかって(化学療法中の頭がぼんやりする感じや、白血球を増やす注射をした時の体の感覚など)、健康と病気、男性と女性、加害者と被