桜庭一樹のレビュー一覧

  • じごくゆきっ

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    穏やかならぬタイトルなのに、”っ”を織り交ぜたひらがな表記により、ちょっとコミカルな雰囲気が漂う本作。殺人やら虐待やらが平気で登場する一方、そこかしこで顔を出すおかしみも含めて、タイトルにうまく表されている。内容は、最初と最後以外、設定もジャンルもバラバラな短編集。苦手なSFジャンルということもあってか、唯一『A』だけは全く好きじゃなかったけど(☆2つ)、それ以外は軒並み高品質。どうやら、最初と最後が『砂糖菓子』の後日談らしいけど、背景が同じというだけで、全く別の作品。むしろ、ラス2の短編の方が同系統ぽかった。ちなみに個人的に一番好きなのは、最初の一編かな。

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    2020年07月15日
  • ほんとうの花を見せにきた

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    涙が止まらなかった。
    ページをめくることがこんなにも辛い本に出会ったのは初めて。
    妹と一緒に涙でぐちゃぐちゃになりながら読んで、間違いなくこの本は一生記憶に残ると思った。
    恋と愛の違いを知ることができた。

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    2020年06月02日
  • 書店はタイムマシーン

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    出てくる本をリストに書き溜めながら再読。最高の過ごし方。ものすごくうっとりする。読みたい本がありすぎて決して尽きないこと、果てしなくてとても安心してしまう。ここからどれを読んでもいいんだ。大好きな人の大好きなものが果てしない。まだ何冊かシリーズあるからしばらく楽しめるけど、それにしても有限だもんな。きっと引き続きずっと読んでらっしゃるのだろうから読書日記再開というか続編出してほしいな………

    再読と言っても初読のときは単行本で登録したみたい。巻末のあとがきを読んで2010年という表記に震えた。10年前………!
    10年後も、読みたい本が溢れていてその果てしなさに幸せを覚えていますように。

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    2020年05月24日
  • GOSICK BLUE

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    ヴィクトリカ19歳。大きくなっても小さいままで弱くて強いなぁ。久しぶりに二人の冒険を垣間見れて楽しかった。今回はワンダーガールの連載とアポカリプスオープン記念パーティーでの出来事と物語が1冊で2度楽しめてお得だったし大満足。あぁ、大きいブラウニーが食べたい。

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    2020年05月09日
  • 無花果とムーン

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    ネタバレ

    キスをした直後に義理の兄、奈落が死んだ。パープルアイを持つ«もらわれっこ»の月夜は突然の悲劇から目を背け続ける。おとうさんは月夜を現実に引き戻そうとする。そして«天才的現実主義者»の長男、一郎は非現実的なことを言う月夜を厳しく避難する。この小説はページを捲りながら、ただただ息が詰まりそうだった。私は苦しくてたまらなくなるような小説が好きで、桜庭一樹さんの文章が大好き。月夜は奈落に向けて「えいえんに大好きだからね」と言う。永遠をえいえん、と平仮名にして言葉にするところが個人的にすごくお気に入り。だって柔らかくて、丸くて、綺麗で、夢みたいな響きだと思う。おとうさんは奈落が亡くなってからの日々をどう

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    2020年03月05日
  • 推定少女

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    こんなにファンタジーの世界観溢れるものは
    はじめて読んだ。
    やはり桜庭さん素晴らしい。
    子ども目線をスラスラ書けている。
    子どもにとって大人は理不尽で、
    大人にとって子どもって理不尽で、
    だけど大人も子どもも宇宙人も
    みんな生きるために必死で、
    つまり生物はみんな我儘なのかな。

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    2020年02月20日
  • ほんとうの花を見せにきた

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    私は桜庭一樹の作り出す世界観が心底好きだなと改めて実感した作品。 まんまとメロメロになった。 あらすじを読んだ時点でこれはいかにも好きな感じだなと思ってたけど、本当にはずかしいくらい好みど真ん中で降参してしまった。 言葉ひとつひとつに力があって、でもたくましいだけじゃなくしっとりした色っぽさもあって、読点のタイミングや台詞回し、文章の端々に桜庭節が強めに効いている。 桜庭さんの選ぶ言葉は、くせがあるんだけどわざとらしくなく巧みだから、流れるようにすっと沁みて馴染む。 気持ちよく読めるのに何回も戻って目で追いたいフレーズがそこかしこにあって、いつも少しページを繰る手が止まる。 「私の男」でも「

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    2021年05月12日
  • 推定少女

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    『推定少女』桜庭一樹さん

    10代向けのSF小説かと思いきや、
    多感な時期の少年少女の心の葛藤が
    リアルに描かれていて、
    アラフォーの心をも鷲掴みにした作品でした。

    共通言語を持たない、ゾンビが蔓延る世界。

    大人はいつの日を境に、ゾンビになってしまうのかな。

    ”ドン・キホーテの偽物みたいな店“とか、
    雑居ビルの階段に置かれているあの小道具たちの名前、
    主人公が嫌悪を示す義父のあの匂い。

    こういう鋭い背景描写に、グッときました。

    SFっぽいけどリアルな世界感があって
    SFが苦手でもすんなりと入ってくるので
    楽しかったです。

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    2019年11月16日
  • GOSICK GREEN

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    ネタバレ

    ヴィクトリカが久城好きなのがどんどん伝わってくる
    こんなに感情表現するようになったんだなぁ

    最後、グレヴェールに手紙を書いていて、次の物語から登場するみたいで楽しみ!!

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    2019年10月15日
  • ほんとうの花を見せにきた

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    すごくよかった。
    やっぱり桜庭一樹さんの本は好きだ。
    言葉のセンスがすごいと思う。私好み。

    ちいさな焦げた顔
    ほんとうの花を見せにきた
    あなたが未来の国に行く

    の3篇からなる。
    全部が繋がっていて、すごく切なかった。
    ある話では悪役に見えたヒトが、ある話ではその背景が分かって読んでて悲しくなったりとか。

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    2019年09月02日
  • ファミリーポートレイト

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    ネタバレ

    再読。この分厚い本は第1部と第2部に分かれているように、異なる物語をコマコという糸でつないでいる。第1部の母と娘の物語は辛い話ではあるんだけれど、小さな子供にできることは服従し愛することで、ほかの選択肢などないのだろうなと想像する。第2部はその娘が作家になるのだが、本とは何か、小説家とはどんな生き物なのかなどが語られるのが、桜庭さんが透けて見えてその赤裸々さが面白い。『私の男』が最高だと思っていたけれど、これもいいな。角田光代さんの解説が私の代弁者のようなど真ん中さでウレシイ。

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    2019年07月14日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(上) A Lollypop or A Bullet

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    話も好きだったけど、文章の表現に魅入られた。ニートのことを「貴族」だとか、もくずの「汚染」だとか、すごく染みた。とても残酷なストーリーだけど好き。

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    2019年03月04日
  • GOSICK RED

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    まってました。 GOSICK新章! 前シリーズは全巻読んでます。最終巻で、日本で待っていてくれたヴィクトリカと九条君の再会のシーンは泣けました! 新章では ニューヨークで探偵業を営むヴィクトリカと、新聞記者見習いの九条君が やっぱり事件に巻き込まれていく。ヴィクトリカのSっぷりと、九条君のヘタレっぷりが相変わらずで、おかえりと満面の笑顔で読み進めました。 前作同様、過去が暗い影を落としていくことが、予想できますが、大丈夫。2人だったら どんな困難も越えられるはずだから。

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    2019年02月07日
  • 青年のための読書クラブ(新潮文庫nex)

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    読書好き耽美派の私のための本、という感じでした。
    相変わらずの桜庭一樹さん、好き嫌いは分かれる文体ですが、私は大好き♡

    いつか、「慣習と振る舞い」のお店で、桜庭さんとコーヒー飲みたいな。

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    2018年12月16日
  • GOSICK III ──ゴシック・青い薔薇の下で──

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    ネタバレ

    ブロワ警部、今まではただただ嫌なやつだったけど、今回で印象が良い方にだいぶ変わった。
    久城とも睨み合いつつ協力して事件解決に奔走したし、2人のコンビも悪くないんじゃないかな?

    ブロワ警部の髪型の謎が明かされた時は思わず笑った。彼も苦労しているのね。

    今回はヴィクトリカと久城は離れた地にいたけど、電話でのやりとりで見事謎を解くのはさすが。
    風邪をひいたせいでいつもより素直なヴィクトリカが可愛かった。

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    2018年11月18日
  • 青年のための読書クラブ(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    こんな読書クラブあったら入りたい、
    読書クラブの珍事件が読んでて面白かった。
    その読書クラブが最後にはなくなるのが読んでて
    時代が変わったんだなと思わされた。
    これからも読書続けていきたいな。

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    2018年11月13日
  • 赤朽葉家の伝説

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     高校時代にいわゆるスケバンとして、不良たちの間で伝説的存在となり、その後大人気漫画家となった女性の生涯……って気になりませんか?そんな人物がこの小説には出てきます。彼女の名前は赤朽葉蹴鞠です。

     上の話だけ聞くと、たとえフィクションでも「そんなやつおれへんやろ~」となると思います。実際、ライトノベルやマンガのキャラ付けとして表層的に書くなら、なんとかなるかもしれません。でも小説として、そして一人のリアルな人間として、その人生を描くのは至難の業だと思います。しかし、それを可能にしたのが桜庭一樹さんなのです。

     なぜ、そんな破天荒な人生を描くことが出来たのか。それは、蹴鞠が生まれ、そして生き

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    2020年11月27日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    純粋に面白く読めました。
    説教節、曽根崎心中、女殺油地獄、菅原伝授手習鑑、
    義経千本桜、仮名手本忠臣蔵
    それぞれ有名な作品ですが、しっかり読んだことが
    今までなかったのですが
    現代語訳で非常に読みやすく一気に面白く読めました。

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    2018年07月30日
  • 赤×ピンク

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    ネタバレ

    すごく甘酸っぱくて
    女の子たちが精いっぱい生きていて
    でも、そこには消えないとげがあって…

    ここにでてくる女の子は3+1人。
    一人は最後のほうにほんのちょっぴり出てきます。
    この子も消えないとげを持つ子です。

    マイノリティを知る、という意味で
    最後に出てくる皐月という子の部分は
    読んでおいてほしいなーと思います。

    これ、実はこの感想を書いている人が
    部分的に当てはまります。
    ただし皐月ほど強烈ではないですが。

    だからすごく胸がキューっとしましたね。
    一部の人には私がそういう人だとは言っていますが…
    (というか格好で察しがつくと思います)

    また読みたくなる、そんな本です。

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    2018年07月17日
  • ファミリーポートレイト

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    続けて読むのではなく、1ヶ月か少なくとも1週間に一章ずつ読み進めて行くべき小説。
    前半と後半では全然違う小説だが、前半の奇想集のような地獄巡りと、後半の現実界での地獄巡りが対になり、孤独な主人公にとっての家族というものを様々な角度から浮かびあがらせる。

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    2018年06月25日