桜庭一樹のレビュー一覧

  • 読まれる覚悟

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    2025.1.14〜2025.1.16

     今年1番にこの新書選んでよかった!と思える本でした。
     「あなたが小説家になったときに」と最初に記述がありますが、それを受け取る側である私達も読んでおいて損はない本だと思います。

     ちなみに私は今、この本の感想を書くのをとても躊躇しています。作者である桜庭先生の主張されている内容と、私が読んで取り入れた内容に乖離があるのではないか、とヒヤヒヤしているからです。

     読みながら思い返していたのは昨年、大好きな本のファンレターを書いたことです。とても面白かったことをたくさん伝えたくて。先生にとってデビュー作である作品だから、尚更特別なファンレターになる

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    2025年01月16日
  • 名探偵の有害性

    購入済み

    桜庭一樹先生のファンで購入しました。
    名探偵とその助手だった二人が過去の事件を振り返る旅を通して名探偵の必要性と有害性について考えさせられる物語でした。現代のSNS、業界慣行などさまざまな問題提起も感じられる作品でした。

    #共感する #エモい

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    2025年01月04日
  • 赤朽葉家の伝説

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    ネタバレ

    桜庭一樹先生の代表作の一つ。
    1番大好きな作家さんなのに、なぜ今まで読まなかったのだろう。
    桜庭先生独特の世界観が大好きです。
    ミステリーと聞いていたけれど、1部、2部は全くミステリー色がなく、あれ?と思っていたところ、3部でミステリー色が出てきました。

    3部の主人公が付けられるはずだった、「自由」という名前、これは「家」というものから「自由」になる世代という意味で付けられたのではないかと思います。
    万葉も毛毬も生き方は違えど、「家」に属して、「家」を守っていた女たち。
    瞳子はきっと「家」に縛られず、「自由」にこの物語が終わった後も生きていくのでしょう。
    そして、きっと赤朽葉家は静かに終わり

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    2024年12月27日
  • 無花果とムーン

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    ネタバレ

    桜庭一樹先生感全開な作品。
    大好きです。
    死者への弔いの話と受け取ったのですが、能からインスピレーションを受けたとは驚き。
    能については全く知識がないのですが、知ってみたくなりました。

    死者の弔いは忘れることではない、思い出し続けること。
    生きている人は死者を忘れることはなく、前に進み続けなければならない。
    残酷なハッピーエンドでした。

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    2024年11月09日
  • 名探偵の有害性

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    想像とは違う話だったけど、面白かった。昭和(平成初期)から令和へ。
    歳を取るのも、悪くはないかもね、名探偵。

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    2024年11月04日
  • いつか、アジアの街角で

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    台湾や香港の風景、日本で感じられる台湾や香港について思いを巡らせながら読んだ。人生の様々な出来事について深く考えるきっかけにもなる。

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    2024年10月24日
  • 名探偵の有害性

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    薄暗い仄暗い印象の桜庭先生だったので、ある意味ほのぼのとした話に驚き。この作品の名探偵と助手って何とも言えない関係性で、お互いしかわからないことが多すぎて、肉体関係なくともこんな相手が自分の配偶者にいたら不倫よりも嫌だなあなんて思ってしまった。

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    2024年10月20日
  • 名探偵の有害性

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    あぁ。こういう桜庭一樹が読みたかったんだよ〜!!って感じ。やはり、桜庭さんと東京創元社は相性が良いのかも。
    ミステリに対する、新しい試み·企みを感じられて、◯

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    2024年10月17日
  • いつか、アジアの街角で

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    久しぶりにアンソロジーを読んだかも。中島さん、大島さんが初めて…かな?どれも日常な感じでスッと馴染んで読みやすくて、その中に何か引っ掛かるものがあって良かった。

    隣に座るという運命について/中島京子
    読み始めからスッと読めて、この本読みきれそうだなと思った。なんか途中ふわふわしてて迷子になりそうになったけど、サッと読み終えて面白かったな、と思えた。

    月下老人/桜庭一樹
    どこかにありそうなハチャメチャストーリー始まって面白かった。

    停止する春/島本理生
    途中までごちゃごちゃしててわけわからんくなりかけてたけど、後半でスッと収束して心に残った。
    P95「生きたいと思うことと、死にたいと思う

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    2024年10月01日
  • いつか、アジアの街角で

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    読み終わった後、胸の中にアジア特有の、熱気を持った風が吹くのを感じた。
    6人の作家が生み出したそれぞれのエピソードが収録されている短編集で、どれも本当に味わい深かった。主に台湾、香港といった地が登場していた。
    直接アジア圏の国に足を運ぶ物語もあれば、日本で想うだけのストーリーもある。
    全て異なったルートで、でもどこかで日本以外のアジアと主人公が繋がっている。短編では物足りない!と物語を読み終える度に思った。
    アジア圏からの旅行から帰って来たばかりというこのタイミングで出会えたからこその魅力もあったと思う。何度でも、旅がしたい。

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    2024年09月27日
  • 少女を埋める

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    すごく「今」読みたい本だった!!!!!
    親の喪失を通して色々考えたり経験したことを私小説に落とし込んでいる作品。
    「わきまえろ、同化しろ、さもなくば立ち去れ」というメッセージを送ってくる共同体(個人よりも共同体の維持が優先され変革をもたらす存在を排除する)に対し、わきまえないし、出て行かない、そのままの存在でそこにありつづける(そして共同体を変えていく)という力強いメッセージを発していて心強かった。

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    2024年09月25日
  • 推定少女

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    日々はもちろん不安だった。ぼくは十六歳、十七歳と歳を取っても、相変わらず同じ生き物だったのだ。弱くて、傷つきやすくて、プライドだけ高くて、そのくせ人の気持ちには絶望的に鈍感な、そんなだめな生き物だ。突破口はみつからなかった。相変わらず自分が嫌いだった。そういうものなのかもしれない。(本文より)

    読んだ当時は学生時代で、精神的にいまよりも未熟な部分が多く、瑞々しい言葉たちがすごく刺さったのを覚えている。二十代後半になった今でもまだ、大人ってなんだろう、とよく考える。

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    2024年08月29日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet

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    ネタバレ

    間違いなく読んだ本の中のベストテンに残り続けると思えた一冊。
    タイトルからしてすでに秀逸だ。
    砂糖菓子の弾丸を打ちまくった藻屑は死んでしまった。
    私はこの本を夏のじめっとした部屋の中で読んだ。この環境で読んで良かったと心から思う。まとわりつく様な気持ちの悪い暑さと、この文章は非常に相性が良い。
    藻屑が本当に人魚だったら良かったのにという感想を目にして、私も心から同意した。藻屑は自由を手にして海の底で卵をポコポコと産んで微笑を浮かべているべきなのだ。

    「この人生は全部、嘘だって。嘘だから、平気だって。」

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    2025年11月24日
  • ファミリーポートレイト

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    この本は桜庭一樹が全て詰まっている。
    「私の男」のザラザラした不快感。「砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない」のティーンエイジャーの複雑で理解不能な闇。「荒野」も「製鉄少女」も、そして全編通して「地獄行き」。前半はマコとコマコの非現実世界での、リアルで暗い逃避行。後半は駒子の幸福へ背を向けて大人になる姿。相変わらず靄のかかった暗い世界なのだが、なぜか読み出したらやめられない陶酔感。長い話でしたが、とても印象的な心に刻まれる小説でした。

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    2024年06月02日
  • GOSICK ──ゴシック──

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    ヴィクトリカかわいい!♡ 一弥くんかわいい!笑

    アニメ版は、のちにブシロードと縁深くなる、安田猛さんの企画作品となり、桜庭一樹さんの独特な世界観を見事に描いてくれました。

    本作はその最初の導入作品となります。

    もうこの2人の遠回りな恋模様がいじらしくてかわいらしくて。

    それでいて、世界一大規模な占いこそが、ユダヤ教以降の宗教だという風刺は大変に趣深いものがありました。直接名指しはしていないものの、中世から近現代に近づくにつれ、戦争の背後には、特定の人物が深く関わっていることをそれとなく伝えています。私たちの実在の世界においても、占いや大規模実験というのは、一部の資産家たちによって実際に

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    2024年05月28日
  • 少女七竈と七人の可愛そうな大人

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    ネタバレ

    切ない。互いに惹かれ合う七竈と雪風が、血のつながった姉弟であるかもしれないという設定が秀逸。しかも母の昔の男遊びのせいで。
    ラスト、進学を機に離れ離れになる終わり方は哀しかった。

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    2024年05月18日
  • 赤朽葉家の伝説

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    終戦後から平成の中頃までを、実際の出来事にも触れながら紡がれる女三代記でした。

    語り部である三代目、瞳子が私と同じ頃の生まれで、誰か人伝に聞いた話のように読むことができ、社会情勢や価値観、暮らしなど移ろう時代を登場人物に想いを馳せて読んでいました。

    特に一代目万葉の時代の話が、実家に伝わる古い話とどこか似ていて、お気に入りです。

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    2024年03月24日
  • 私の男

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    すごかった。何かが違う何かが漂ってるような雰囲気が終始あった気がする。こんな愛の形が存在するのか、そう思わせてくれた小説だった。ずっと暗い雰囲気で私の好きなタイプの本だった。再読1年ぶりにした。1回目では理解できなかった表現が理解でき、またこの素晴らしい作品にどっぷり浸れた。花の感情はたくさん描かれてるのに淳吾の感情の表現は避けられてるっていう説明を最後解説で読んで、それでも、伝わってくるこの違和感、禁忌桜庭先生の力を感じた。何回でも読み返したい。

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    2024年03月23日
  • ほんとうの花を見せにきた

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    ネタバレ

    生きているとは何か。
    日々をこなすのに精一杯で、ついおざなりになっていた生き方について優しく説いてくれる作品だった。
    「心が動くこと。
    誰かを愛したり、なにかを美しいと思ったり、成長したいと願ったり、自分をひどく恥じたり。
    そしてなにかを強く感じること……。」
    忘れずに心に留めておきたい。

    全体を通して、未来へ進む、ということを3編異なる視点から描いている作品だと感じた。『ちいさな焦げた顔』は進む側の物語、『ほんとうの花を見せにきた』は置いていかれる側の物語、『あなたが未来の国に行く』は託す側の物語。ムスタァの「人間は、火だ」という台詞で分かった気になっていたけれど、最後の1編を読んで、バン

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    2024年03月05日
  • 伏 贋作・里見八犬伝

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    時代小説の中で見つけたこの一冊。

    実に少年ジャンプ的な元気、勇気のSFアクション冒険ファンタジーだった。

    そもそも南総里見八犬伝が読みたくて、とりあえず購入したんだけど、面白いのなんの。

    伏と呼ばれる化け物、この化け物がいかにして生まれたかを、里見八犬伝がノンフィクションであることを前提に紐解かれていく様がキュンキュンです。

    ただの悪とするのではなく、各個人にバックグラウンドを持たせる感じ、手塚治虫的な感じ大好き。

    少々子供向け感はあったけど、お陰で分かりやすく、素直に面白いと思った。

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    2024年01月15日