桜庭一樹のレビュー一覧

  • 青年のための読書クラブ(新潮文庫nex)

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    この本が、というか、作中に出て来る読書クラブが持つ仄暗く耽美な魅力に高校生の時からずっと魅了され続けています。

    演劇部がかつて使ったバルコニーやドレスやら、エゾシカや狸の剥製やら、ミラーボール等と言った誰かが残した統一性のない大量の物に囲まれたカビ臭い本だらけの空間で、お茶を飲みビスケットを齧りながら気の済むまで本を読み、時に議論し、また偶に訪れる不可思議な事件に耳を傾ける…なんて素敵な部活動なんだ!こんなファンタジーみたいな素敵空間が現実にあればなぁ!と、ずーーーっと憧れています。


    どこが好きなのかを具体的に語るのが難しい作品なのですが、一見ひねて周りに埋もれてしまいそうな意見の中に、偶にハッと目が覚める様な利発さ、善良さ、真に迫った考え方が散りばめられている所がとても好きなのかもしれないというのが今の感想です。

    様々な経験や読書体験を経てこの本に帰って来る時に、読んだ当時の懐かしい気持ちと新しく見つけるこの本の持ち味の両方を噛み締められる本だと思います。

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    2023年03月16日
  • 赤×ピンク

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    東京・六本木、廃校になった小学校で夜毎繰り広げられる非合法ガールズファイト、集う奇妙な客たち、どこか壊れた、でも真摯で純な女の子たち。体の痛みを心の筋肉に変えて、どこよりも高く跳び、誰よりも速い拳を、何もかも粉砕する一撃を―。新シリーズ「赤×ピンク」の第1巻。
    躁鬱の激しいブルマ少女、まゆ14歳(実は21歳)。魅せることに喜びを感じる女王様、ミーコ(実はSMの女王様)。女性にモテる女性恐怖症の空手家、皐月(実は…)。
    彼女たちが毎夜働くのは、廃校の校舎を改良したファイトクラブ、それぞれが秘めた思いを胸に、たたかい続ける…。 都会の異空間に迷い込んだ3人の女性たち、そのサバイバルと成長と、恋を描いた、最も挑発的でロマンチックな青春小説。
    DV、ネグレクト、性同一性障害などを抱えながらガールズファイトに参加して自分なりの道を探して殻を破って成長していく荒ぶる青春小説。
    べたつかない女子同士のぶつかり合いながら深めていく友情と戦いが荒削りに描かれていて、熱に浮かされて一気に読破できます。本格的な格闘シーンや男前女子同士の同志のような熱い友情が、スカッとした後味の青春小説の傑作です。
    「格闘技は自分を知るためにやるもの」「自分の戦い方を知ることが、自分の生き方を知ること」

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    2022年12月13日
  • 紅だ!

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    やっぱり桜庭さんのこういうゴシックのようなライトノベル系の書き方好きだなぁ!
    疾走感と女のコに振り回されてるのがいいし、冒頭がそこに繋がる!?ってなるし、最高だった!

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    2022年12月07日
  • ほんとうの花を見せにきた

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    ネタバレ

    これまでの桜庭さんの作品を色々読んだけれど、
    「私は作家としてこれからも、なにかをみつけては、指をさし、あなたがたに小声で名前をつけていきたいと考えています」がとてもしっくりきた。
    「....誰にも単語にされていないけれども今を生きる人みんなが本当はわかっていること、きづいていること、それを小説にして、名前をつけていくようかことをしたい、....」
    あー、桜庭さんだーって それだーって。妙にリアルで言葉にできないなあと感じていたけれど、そゆうことだったんだって。 それがしたかったのかって!!!!
    すごくすごく素敵です。よかったです

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    2022年12月02日
  • ほんとうの花を見せにきた

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    痛いくらい美しい世界観。
    梗ちゃんの狂おしい愛情が一方的なものなんかじゃなかったことが、洋治の最期や帰って来たムスタァ、茉莉花の執着から伝わってきた。生きることの意味や価値が、人間だけじゃなくて竹族にもあるんだって類類の姉さんが教えてくれた。種族が違ったって変わらないものはきっとある。

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    2022年11月24日
  • GOSICK ──ゴシック──

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    マンガ化、アニメ化された、ヨーロッパの架空の小国リヴェールを舞台に真面目で心優しい留学生、久城と「灰色狼」と恐れられる頭脳明晰な美少女ヴィクトリカの2人を中心に次々と事件を解決していくミステリー小説。
    日本には無いヨーロッパの優雅な雰囲気と久城とヴィクトリカの初々しさがとても純粋で可愛さがあります。それと裏腹に事件をひも解いてゆく中で一貫された残酷さが、甘いお菓子としょっぱいせんべいを交互に食べているような感覚で病みつきになります。非常におもしろい作品なので、是非みなさん読んでみてはいかがでしょうか。(テン)

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    2022年11月07日
  • 赤朽葉家の伝説

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    ネタバレ

    三部の最後までネタバレしてるので注意!

    通勤時間にちまちま読む私には超大作すぎるけど、その分すごく面白かった。

    万葉の見る神話の世界にぐっと引き込まれ、
    毛鞠の突き抜ける衝動と喪失の歴史に踏み潰され、
    一部・二部に対して比較的軽く、二部の喪失から癒えてきた傷口をさらっと爽やかにグリグリされる瞳子の三部。

    視覚的にずっと美しい。
    鉄砲薔薇と箱の渓谷や、曜司の乗るお座敷列車が浮き上がるシーンは、死にまつわることなのに美しすぎる。
    桜庭一樹は生きている人間はもちろん、死んでゆく人間も美しく書き上げてくれるから信頼と愛を捧げたい。
    最高。最高で最高に辛い。

    泪がすごく好きだったので生まれると同時に作中での死が確定して、亡くなるまでずっとしんどかったし、
    いざ死ぬと喪失感がすごくてそのあと泪の話が出てくる度に静かに本を閉じて休憩した。

    最後に瞳子のことを抱きしめる三城の気持ちを考えるとつらい。
    男に生まれてしまったが故に三城と結ばれる未来を選べず、自死してしまったかもしれないかつての友人(まぁおそらく恋人)の泪とそっくりに生まれた女の子の瞳子を、泣いている瞳子を抱きしめるなんて……。
    優しいな三城は。
    女に生まれていたら、って泪はきっと1度は思っただろうな…………。
    しんどい。

    そして豊寿さんも好きだったのに……そんな……ってなる。
    友人の枠からはみ出ないように節度を持って万葉に接する豊寿が大好きだったので、死ぬなんて……。

    この作品に出てくる男たちはみんな魅力的すぎる。
    女たちももちろん魅力的なんだけど、男たちに狂わされる。

    瞳子の今の自分に対する評価とか、未来への不安は共感できるところがあって最後の「ようこそ」は、瞳子を含む生まれた人間たちに対する歓迎の言葉。

    瞳子とは違う種類だけど、三城もまた傷と不安を抱えて生きていくしかないのだ……。
    今生きている私たちと同じように。

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    2022年11月05日
  • 赤朽葉家の伝説

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    鳥取の旧家での女三代の物語。戦後日本史、家族、青春、恋愛、いろんな側面から楽しめる。
    一部ごとに主人公がかわる三部構成になっていて、特に第一部の万葉の話と第二部の毛毬の話は濃い。第二部まででだいぶお腹いっぱいになった。

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    2022年10月21日
  • 紅だ!

    購入済み

    紅だ!

    桜庭一樹先生のファンなので購入しました。
    外国人に対する差別や、女性の地位に対する考え方など、社会の課題を散りばめながらも軽めに仕上げられた読みやすい作品だと感じました。
    物語の中心となるバディが男女の組み合わせで、正反対の二人であることも象徴的でした。
    この先を想像したくなるような印象的なおわり方でした。
    読みながら紅が脳内に流れました。

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    2022年08月10日
  • 少女を埋める

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    読んでいる最中はいろいろと考えて「しんどいな~(._.)」と思ったけれど、読み終えると良い感じに脳みそを使えてスッキリとした感じに♪ヽ(´▽`)/そうやって再定義しながら生きていくんだなぁ(゜ー゜)

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    2022年07月09日
  • 赤×ピンク

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    桜庭一樹さんの描く少女が好きなのだが、この本は本当にドンピシャだった。

    まゆ、ミーコ、皐月の3人の女の子たち、それぞれのお話による3部構成。

    まゆのことを檻から出すのは男であり、
    ミーコは皐月の助言、
    皐月は千夏という女によって檻から出る。

    大人になっても頭の隅に残っている少女性が、彼女たちの不安定さと呼応する。

    話の構成的に1編目のまゆが1番インパクトが強く、皐月にかけて尻すぼみになっていく気もするが、
    まゆがケッコンして檻から出る部分がこの小説の見せ場であり、そこにかけて加速した物語はもう減速していくだけと考えると、まあ妥当かとも思う。

    実際、まゆがケッコンすることにより少女の輪を抜け出し、それに呼応するようにしてミーコと皐月も自身の少女性・帰巣本能との戦いに蹴りをつけるのだから、
    まゆの急激な変化は最初にないとダメなのだ。

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    2022年11月05日
  • 赤×ピンク

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    「失うまいと一心不乱にかき抱く。こんなにも力を込めているのに、指と指の間から、まるで液体でできているかのようにこぼれ落ちていく。」

    親に庇護を受ける少女でもなく、自立した大人の女性でもない。おんな と こども の間の孤独で、不安定で、脆く、儚い、女の子達が愛おしい。
    「あの子に彼氏が出来た」事に反応しただけで、「あの子のシアワセ」だとか「あの子の彼氏」にはちっとも興味が湧かない。女の子ってきっとそういうもの。

    P 38「こうやってボルテージが下がったとき、わたしはふと、なんかわたし、うっかりこのまま死んじゃいそうだって気づくことがある。その気持ちには、死にたい、さぁ死ぬぞ、っていうほどの積極性はなくて、ただ、ついうっかりこの世からいなくなってしまいそうな弱さだ。」

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    2022年05月28日
  • GOSICK ─ゴシック─(ビーンズ文庫)

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    天才的頭脳を持つ傍若無人で謎を秘めた美少女と、お人好しで誠実な少年という王道中の王道なコンビによるミステリはもちろん面白いのです。
    読者に明け透けに情報開示しているように見せて要点を隠す。その手法も鮮やか。
    今更と思わず読んでよかった古びない魅力。

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    2022年05月19日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(下) A Lollypop or A Bullet

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    よき!!!!
    あれだ、人によっては読めない人いそう
    トラウマある人はダメだ

    最後の終わり方もよくて
    バラバラの話が1個になる感じが特に〇

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    2022年05月14日
  • 荒野

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    鎌倉の季節の移り変わりとともに、成長していく少女の物語。

    かつて少女だった大人にも読んでもらいたいけれど、今まさに少女である子にも読んでもらいたい。

    これを読んだら、遥か未来の大人の自分を、荒野のように、少女のあなたがすっと見るのだろうな。

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    2022年04月15日
  • 少女を埋める

    購入済み

    少女を埋める

    直木賞作家の冬子は父の死に際し、7年間帰っていなかった地元鳥取に戻る。
    そこで触れる母や地元の人の姿を通して、根強い家父長制や母子密着、共同体や個人に思いを馳せる。

    自分なりに「少女を埋める」のあらすじとして上記のようにまとめてみたのですが、作品の魅力が伝わらないことがあるかと思いますので、とにかく一度読んでいただきたいです。
    わたし自身田舎出身で、考え方が古い(とわたしが感じる)母とうまく接することができない負い目みたいなものを感じることが多いため、共感できる部分がたくさんあり一つの作品として面白いと感じました。
    もともと桜庭先生のファンでTwitterアカウントをフォローしていたため、「キメラ」で触れられている例の騒動が目に入りこの作品を知りました。
    この騒動がなかったとしても「少女を埋める」は素晴らしい作品ですが、「キメラ」「夏の終わり」が書かれたことで新たな物語の形になり、社会へ相互に影響する作品になったと思っています。
    桜庭先生にはとてつもなく大きな心労が降りかかったことを苦しく思います。
    筆を折らずにこれからも作品を発表していただけることが嬉しいです。
    私小説(のようなもの)を書く恐ろしさを感じました。

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    2022年03月19日
  • ばらばら死体の夜

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    久しぶりの桜庭一樹さん。

    全体に薄暗くて圧迫感のある中で明るい振り?をして頑張って生きてるけど…どうにもならない深みにはまっていく。みたいな絶望感が独特で…いつも引きこまれて読んでしまう。

    時にお金は人生の破滅の入口といっても過言ではないと思う。「紙の月」「火車」この手のテーマの本は読見終わってから大丈夫かな?私?と不安しか残らない。

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    2022年02月02日
  • 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(下) A Lollypop or A Bullet

    購入済み

    原作からハマり

    原作を読んだのはもう10年ほど前です。コミカライズされているのを知り早速読みましたが、原作の雰囲気と、コミックスならではの余白が混じり合いとても良い作品になっています。

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    2021年09月19日
  • 赤朽葉家の伝説

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    戦後不死鳥のように生き返り、猛烈に成長し、そして行き詰まる現代までの日本の歴史を、ある旧家の3代の女たちを主人公に書き上げた長編。あとがきにも記されてるけど『百年の孤独』などのラテアメ文学の影響がよく見て取れるので、マジックリアリズムがどんなのか軽く知りたいって人にもおすすめ。沢山の登場人物が出てくるのに誰もが個性的で魅力を感じた。特に出目金おばさんの黒菱みどりはキャラが濃くて好き。マコンドは最後消し飛んでしまったけど、本作は私たち自身の未来に希望を持たせる締めくくりで、充実した読後感だった。

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    2021年07月30日
  • ファミリーポートレイト

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    ネタバレ

    わたしにとって初めての長編小説。
    いつもの薄いものではなくかなり分厚い。
    重くて指の筋が違えそうになりながらも、
    夢中で読み進めてしまう。

    マコのためのコマコ。
    絶対服従。
    共存ではなく忠犬コマコ。
    可愛くて愛しくてでもおっかなくて
    他人には不幸に見えることも
    2人には幸福でしかない。
    小さなコマコが大きくなり、
    罪悪感を抱くところが切なくて悲しかった。
    わたしはコマコの味方だよ。
    コマコに会いたい。抱きしめたい。
    と感じてしまった。

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    2021年07月18日