桜庭一樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を初めて読んだのは中学3年生の頃でした。当時は主人公の巣籠カナと同じ学年だと思いながら、カナが言っていることや思っていることに共感したり、そういう考え方もわかる、といった雑駁な印象を抱いていました。
けれど世間知らずな私は、カナが見ている繁華街や東京の景色がイメージできず、漠然とした読み味だったのを覚えています。
大人になってから久しぶりに読み直してみましたが、むしろ大人になってからのほうがグサグサに刺さる小説だったことを思い知らされました。
かつて中学3年生だった私がどんなことに毎日悩み、苛々したり、将来に迷って苦しんでいたか、私はすっかり忘れてしまっていました。
白雪が渡してくれたド -
Posted by ブクログ
読書日記が大好きで、擦り切れるほどに読み返していたので、このコロナ禍をどう感じていたのかを日記形式で綴ったこの作品は見逃せなかった。4年ほど経って、薄く忘れていっている緊迫感や恐怖がそこにはあった。実際、今も後遺症に悩まされてる人はいるだろうし、日々コロナに罹患してる人もいるだろう。でも、人は慣れるものなんだなと実感している。作家ならではの感性で感じ取った部分が心に突き刺さる。
いつも行っているカフェや喫茶店、ホテルのラウンジが魅力的で1度行ってみたいなと思った。過ごしやすそうな空気のいい場所たち。自分にもそんな場所があったらなーと思った。 -
Posted by ブクログ
ひさびさに、本で泣いた。
印象に残った言葉は、
「おまえのここに、火がある。生まれた時から、ずっとだ。だから俺たちは必死でおまえを守ってきた。おまえは、火だ。命が尽きる最後の日まで、人間は、火だ。
そのことをけっして忘れなかったなら、このさきどんなに辛いことがあっても、おまえはきっと生きていけるだろう。火だ。おまえは、おれたち二人が、いつさか気が狂いそうなほど深く愛するようになった、とくべつ明るい火だ。おまえの代わりはこの世のどこにもいねぇ。人間は、一人一人が、特別な火だ。
だから、消えるな。生きろ。頼む、がんばるって約束してくれ。戦うと言ってくれ。おまえの胸の火と、おまえのバンブーとの、け -
Posted by ブクログ
この本が、というか、作中に出て来る読書クラブが持つ仄暗く耽美な魅力に高校生の時からずっと魅了され続けています。
演劇部がかつて使ったバルコニーやドレスやら、エゾシカや狸の剥製やら、ミラーボール等と言った誰かが残した統一性のない大量の物に囲まれたカビ臭い本だらけの空間で、お茶を飲みビスケットを齧りながら気の済むまで本を読み、時に議論し、また偶に訪れる不可思議な事件に耳を傾ける…なんて素敵な部活動なんだ!こんなファンタジーみたいな素敵空間が現実にあればなぁ!と、ずーーーっと憧れています。
どこが好きなのかを具体的に語るのが難しい作品なのですが、一見ひねて周りに埋もれてしまいそうな意見の中に、 -
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東京・六本木、廃校になった小学校で夜毎繰り広げられる非合法ガールズファイト、集う奇妙な客たち、どこか壊れた、でも真摯で純な女の子たち。体の痛みを心の筋肉に変えて、どこよりも高く跳び、誰よりも速い拳を、何もかも粉砕する一撃を―。新シリーズ「赤×ピンク」の第1巻。
躁鬱の激しいブルマ少女、まゆ14歳(実は21歳)。魅せることに喜びを感じる女王様、ミーコ(実はSMの女王様)。女性にモテる女性恐怖症の空手家、皐月(実は…)。
彼女たちが毎夜働くのは、廃校の校舎を改良したファイトクラブ、それぞれが秘めた思いを胸に、たたかい続ける…。 都会の異空間に迷い込んだ3人の女性たち、そのサバイバルと成長と、恋を描 -
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ネタバレこれまでの桜庭さんの作品を色々読んだけれど、
「私は作家としてこれからも、なにかをみつけては、指をさし、あなたがたに小声で名前をつけていきたいと考えています」がとてもしっくりきた。
「....誰にも単語にされていないけれども今を生きる人みんなが本当はわかっていること、きづいていること、それを小説にして、名前をつけていくようかことをしたい、....」
あー、桜庭さんだーって それだーって。妙にリアルで言葉にできないなあと感じていたけれど、そゆうことだったんだって。 それがしたかったのかって!!!!
すごくすごく素敵です。よかったです -
Posted by ブクログ
ネタバレ三部の最後までネタバレしてるので注意!
通勤時間にちまちま読む私には超大作すぎるけど、その分すごく面白かった。
万葉の見る神話の世界にぐっと引き込まれ、
毛鞠の突き抜ける衝動と喪失の歴史に踏み潰され、
一部・二部に対して比較的軽く、二部の喪失から癒えてきた傷口をさらっと爽やかにグリグリされる瞳子の三部。
視覚的にずっと美しい。
鉄砲薔薇と箱の渓谷や、曜司の乗るお座敷列車が浮き上がるシーンは、死にまつわることなのに美しすぎる。
桜庭一樹は生きている人間はもちろん、死んでゆく人間も美しく書き上げてくれるから信頼と愛を捧げたい。
最高。最高で最高に辛い。
泪がすごく好きだったので生まれると同 -
購入済み
紅だ!
桜庭一樹先生のファンなので購入しました。
外国人に対する差別や、女性の地位に対する考え方など、社会の課題を散りばめながらも軽めに仕上げられた読みやすい作品だと感じました。
物語の中心となるバディが男女の組み合わせで、正反対の二人であることも象徴的でした。
この先を想像したくなるような印象的なおわり方でした。
読みながら紅が脳内に流れました。