桜庭一樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
鳥取の製鉄業を営む旧家に生きる女性三代の話
千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし
目次で
第一部最後の神話の時代
第二部巨と虚の時代
第三部殺人者
とあって、第三部の最後の女性は殺人を犯してるのかと思っていたら違った
第三部では平成の世代で
自分の在り方に悩みながらも孫が祖母の最後の言葉を探っていく
女性三代を通して
高度経済成長、ハブル崩壊、平成へと移る様子
女性たちの生き様
周りの人たちとの関わり
すべて描写されていて…圧巻
読者を飽きさせない
読後感半端なかった
私にはかなりおもしろかった
最初は字が少し小さいなぁ…読めるかなぁと心配だったけどサクサク読めた -
Posted by ブクログ
マイノリティに刺さる物語を書くことに長けた作家さんだなと改めて感じた一冊
高校生の女の子が副担任の女性に囁かれたある一言で恋と共にじごくに落ちた時の「クラリとして、かなしくなって、私はたちまち、落ちた」この一文凄く素敵。この一説はほんためのあかりんが紹介していて、聞いた瞬間に惚れて書店に走った笑
絶対地獄に落ちると分かってる恋。そんな恋に落ちる瞬間をこんなラブリーに表現出来る作家さん中々いない
50年前に一世を風靡しスキャンダルによって姿を消した人気アイドルA。Aが消えてからアイドルという存在が1人も出てきてない日本で、再びアイドルを誕生させる為ある計画を実行する「A」という物語も良かったです
賞味期限が短いとされるアイドルという存在が今
日本には沢山いて、アイドル戦国時代の今だからこそ読んだ人それぞれに色んな感情が芽生えると思う
個人的にお気に入りの一冊 -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナがある世界とコロナが無い世界のパラレルワールドを、あるキッカケでLINEだけ繋がる事が出来た2人の話し。
主人公の波間の世界はコロナが無く、オリンピックもそのまま開催される。乳癌を患っていて治療を続けている。
友人の中川君の世界はコロナがあり、現実に実際起きた事なんだけど、コロナが終息した今読むとそんな世界本当にあるの〜と思う波間の気持ちにも時々なってしまった。
乳癌の治療や心情がリアルで、表立って本当の気持ちを話す人はあまり居ないから癌サバイバーの方は良くも悪くも色々思う所があると思う。
波間の言う、言いたい事があまり言えなくなる気持ちに共感した。
自分が良いと思ってる事でも、その人にとっては傷付く事かもしれないし、自分にとってどうでもいい事がその人にとってはとても大事な事だったり…
辛い事や悲しい出来事があってもドラマや映画の様に終わりは無く、波間がありながら人生は続いてく。 -
Posted by ブクログ
思い出の中学時代の本です。ダークファンタジー系ですが、ボーイミーツガール系でもあります。
あらすじ
第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の静けさの中、ソヴュール王国には一人の日本人留学生久城一弥が変わり者の天才、ヴィクトリカ・ド・ブロワの元へ通い詰めてプリントを渡していた。ある日村で占い師が殺されたという知らせを受けて困り果てた警部がヴィクトリカに助けを求めてやってくる。見事にその謎を解き明かしたヴィクトリカは久城と共に警部に誘われたクルーズ船で船旅を楽しもうとするが…。
何度も何度も読み返したため正直真新しさはありませんが、なんと言ってもこの作品から漂う不穏さに何度もやられます。曰くつきのクルーズ船、殺された占い師、二人は助け合って謎を解き明かそうと奮闘します。ヴィクトリカのツンデレさに中学の時は可愛げがないな〜と思っていましたが、今読み返すとめちゃくちゃ久城くんのことを思ってるじゃんとキュンキュンしました。
内容は濃いですし、明かされた謎の悍ましさに絶対背筋が凍るとは思いますが、文字数自体は多くなく読みやすいです。シリーズ復習しようかな。
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Posted by ブクログ
ネタバレ中学生くらいのころから、もう10年近く何度も繰り返し読み続けている。2桁周はしたんじゃないかな。
『荒野』というタイトルで、荒野という、北鎌倉は今泉台、お座敷街の、武将みたいな名前をした人気恋愛小説家の、娘、が主人公。
初めて荒野を読んだとき、私は13歳だったはずだけど、最後の16歳まで読んでも、私の方が精神的に大人びていると感じたのをよく覚えている。
奈々子さんが大好き。朝が弱くて、少年みたくスレンダーで、センスのいい家事、くわえタバコに競馬新聞、腰に引っ掛けたジーンズ、事なかれ主義で、接触恐怖症気味の荒野に強いて触れない優しい他人。女であることをおくびにも出さない。正慶が真に愛したひとの娘を、育てた家政婦。離れにいる、愛する人と別の女を、庭から眺める女。利用された女。荒野のことだけは絶対に利用しないハングリー・アートの怪物に。追い出されて、見知らぬ家族の世話をする、荒野の優しい他人。自身が描かれてしまった小説で、荒野の女を見る目を目覚めさせる人。
蓉子さんは蓉子さんで、強かに、奈々子さんの影、荒野の母の影と戦う女だ。初めから、女として、母として描かれる。愛する男を本当は独り占めしたい。でもそれだけはどうしても叶わない。これに苛まれながらも、愛する男の子供と正妻の座を手に入れて、母を知らぬ荒野の世界を母を知る女の世界へ塗り変えてくれようとする。愛のある女。荒野が奈々子さんと小説家 山野内正慶に目覚めさせられた女を見る目、で、恐らく初めて見た人。
荒野は蓉子さんに出会って初めて母たるものを知る。この描写が、荒野を育てた奈々子さんはやっぱり母ではなかったのだと無表情に突きつける。
この二人の対比が力強くて美しい。
江里華と麻美、荒野の、仲良し三人衆も素敵。ただうわっつらだけの仲良しでなく、秘密を共有したり、ひっそり傷つけてしまったり傷ついたり、友達であることのふれあいが全体にたいしてよい割合、いい塩梅で描かれている。江里華は強くていい女だと思う。にぶい荒野の、江里華だから見抜ける、想われセンサー。切なくも、優しいから、優しくて、大好きだから、いつも教えてくれる。なんでもないような顔をして。いや、いい女。荒野のパパが言うこともわかる。
学校だと阿木くんのことも。悠也とはタイプの違う男の子。強い、ところが苦手で私はあんまり得意じゃないけれど、素敵なキャラクターだと思う。世渡りが上手くて、隠れ不良。うまい言い方が見つからないので口が悪いが、物語からすると些細なこのキャラクターにさえ、世渡りの上手い理由(ああいう関係の姉がいる)が裏づけされているの、本当に凄い。
多分、お話の主軸は、成長する荒野と、終幕後に恋愛へ発展するであろう、これまた成長する男である悠也との仲なんだろうと思う。大人の都合に振り回され、遠くへ行きたいと望む、自分の心たる文庫本を携えた少年、悠也。荒野は12歳のうち、また、14歳だったかな、悠也の離れに出入りするようになった頃、12歳の悠也の大人びたところをみる。12歳の悠也がこうまで、荒野より大人びてしまったわけを思うと、切なさもある。
16歳、そばのアパートかどこかへ帰ってきた悠也と、鎌倉で過ごした荒野の、精神的な近さが、荒野のぐんと成長したところを強調するように思える。それとも、自分の意志で遠くへ行ってきた経験が、少年の必死で背伸びしていた踵を地面に着けたのだろうか。どちらもだと思う。
優しい他人と蜻蛉のような父に軽やかで温かで透明な綿でくるまれて守られていたような荒野が、ふと揺れた吊り橋にぐわんと、ばかみたいに、揺られて、外へ飛び出してしまう。だから、悠也と恋をする。賢くて、大人びて、もてて、怒れる少年と。たしか背が伸びて、声も低くなって、荒野を大人としてじゃなく、対等に人として愛してくれる青年と。12歳の女の子とは落ちられなかった恋に落ちる。これらも、美しい構成だなと思う。
荒野は最初から、ふつうの女の子たちよりちょっぴりこども! として描かれる。これは、少女としての成長が始まる頃、小学4年生の荒野が、心を守るために適応したからだと思う。そして、12歳以降、つまり本作が始まって以降、こども! からするとショックな、性的なアクシデントに少しずつ遭遇する。それはアルバイト中だったり、教室でだったり、夜中の山野内家だったり、友達の家だったり。荒野が積極的な興味を持ったのでなく、取り巻くまわりが、荒野と大人のセクシーな世界をふれあわせる。荒野は決まって鼻血を出してしまう。これが、荒野がずっと純粋な恋をしたまま大人になっていく理由なのかなと思う。
荒野が憧れる大人の女は、スーツを纏ってカフェで休憩しながら文庫本を開くような女性で、父 正慶の小説に描かれるような(作中の具体例で言うとつけまの編集者みたいな)女ではない。小学4年生の荒野に恐ろしさを植えつけた、飢える女ではない。恐ろしさをいだいているのだから、憧れようもない。これも巧いなあと思う。一貫している。恋愛に興味はあれど、性的なことがらに関してはトラウマに由来する無意識下の忌避感を持つ少女。それでいて、いい感じにぼうっとしているからか、あの時期特有の好奇心かのか、家の中で直に聞いてしまっても、友達の家で見ても、荒野が気持ち悪いと感じる描写がないから、こちらに気持ち悪さを感じさせる描写がない。
これを、なんというのだろう、リアリティーを持たせて、矛盾なく、辻褄が合うように、美しく(けがらわしくなく)描いて、恋をさせる。小説家とはすごい生き物だ。
これまで何度も読み返したその度に、たくさんたくさん気づいたこと、思ったことはあったと思うけれど、今思える大好きなところはこのくらいかな。私自身が成長するに従って感じ方や考え方が変わるから、何度読んでも面白い。
全てが運命的にまとまっていて、読みやすく、わかりやすく、解釈や想像の余地もあって、傑作と言うほか評しようがないと思っている。10年って。あの頃、この本が好きだったなあとかじゃなく、10年近く、ずっと、いやあ本当に素晴らしい大好きと思いながら何度も読み続けている。
『荒野』に出会ったのをきっかけに、桜庭一樹さんの作品は結構いくつも読んだ。ばらばらとか、ほんとうとか、砂糖菓子とか、赤朽葉家とか、私のとか、このたびはとか、ファミリー、ブルースカイ、少女には向かない、七竈とか……。色々なのを何周かしてみたりしなかったりしているけれど、ずっとマイトップ。オンリーワン。ほぼバイブル。
惜しむらくは、オンリーワンであるがゆえに類似小説に出会えず、初見のあの感覚をもう二度と味わえないであろうことかな。いいけどね! 積み重ねてきた『荒野』の読書経験が私の人生の宝物だから。
このように、大好きな小説です! 愛、すぎる。愛しすぎている。ちょっと愛しすぎているかもしれません。この熱量で荒野の感想を書いてくれる人が、どうか、どうか増えますように! -
購入済み
小説家桜庭一樹のまさかの新書です。ボリュームは少ないのですぐに読み終わることができると思います。
読み進めながらずっと『少女を埋める』のことを考えていました。 -
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ネタバレGOSICKシリーズ。学生時代に一番読んでいた作品。ずっと本棚から外せなかった作品。大人になって第1巻から読み直して、今回で2巻目。
2巻目で早くもヴィクトリカの出生につながる話になっている。ほんの僅かではあるが。
母、コルネリアの想い。灰色狼の一族にまつわる伝説の謎。それらに少しずつ触れていくので、シリーズ全体の中でも重要な巻になっている。
ところどころ描かれる、不気味な場面の真実が語られないのもまた不気味…謎解き部分の真実は時を超えて母の名誉を守る行動となっていたが、それでも母はすでにおらず…ヴィクトリカの切なさを憂いてしまう。
1巻から着実に2人の絆は結ばれて、今後のことにも思いを馳せるまでに至ったのは微笑ましい。
今後何があって、この2人なら大丈夫であろう…と信じる気持ちを確かに与えてくれた。 -
Posted by ブクログ
「その大屋敷は山の樹木や土になかば埋もれるようにして、巨人の手で押されてやわらかな山に押しこまれでもしたかのように、ちょっとかしいで、のっそりと建っていた。‥‥赤朽葉家はまことに、どこもかしこも、赤かった。それは暗い、腐りかけた紅葉の赤とでもいう色彩で、山の頂に、まさに王者の風格で堂々と、しかしちょっとかしいで、建っていた」
この文章だけで充分ワクワクする!
ワクワクゾクゾクしながら物語は進む
日本の歴史の流れの中で赤朽葉家の歴史も流れる
その中で生きる人々のなんとも愛くるしいこと
どの登場人物も愛おしく好きになれる
女三代
やっぱり女は強し!だけれど
その強さの中に必ず素敵な殿方がいたりして‥
一言
おもしろかった!
桜庭さんの作品また読んでみたい